艦これ 傭兵鎮守府物語   作:URIERU

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あ~、なんか傭兵のキャラがどんどんナンパモノになっていくんじゃあ~

でも、イチャイチャ書かないとつまらないんじゃあ~


第十九話「甘味処-間宮-」

「おいしいのです」

「最高であります」

「如月、幸せよ」

「間宮はいいわ。艦艇の頃から残る記憶ね」

「たしかに、こいつはうまいな」

 

みな、間宮を食べて色々な表現をするが、一様に美味い!という結論である。

 

「あ、司令官。如月、あーんして欲しいわ♪」

「ん?それは・・・二人きりの時に、な」

「あらぁ。うふふ、約束よ?」

 

 如月のアプローチはほかの艦娘とはまるで違う。あきつ丸や電も程度の差はあれ、傭兵にちょっかいを出したり、からかったりして、構ってもらおうとするが彼女はストレートだ。

 

 これに対して、面白くないと感じるのはあきつ丸と電である。別に如月に対して悪い思いを持つわけではない。ただ、一日でこうもぐっと距離を詰められてしまっては、なんとなしにやるせないのである。実際には、ただからかい、いなしてをしているだけなのだが・・・

 

「提督殿」「司令官さん」

 

また、やってしまったか。全く学習していないなぁと思いつつ、冷ややかな目で見ているであろう二人には視線も向けない。だが、今回は違った。冷ややかな、ではなく、どことなく不満げな、妹ばかりを可愛がる父親を見ている子のような、そんな目付きであった。

 

「自分は今、あーんして欲しいであります!」

「私もなのです!」

 

 そして、突拍子もない要求をしはじめた二人である。一連の流れに矢矧は目をぱちくりとさせてついていけない。傭兵はちらりと、二人のほうを見る。二人ともすでに器は空のようだ。夕食前だから少な目で、ね♪とは間宮さんが言っていた。どうやら二人には足りなかったのだろう。傭兵の容器にはまだ半分は残っているが、如月にした返答を思い起こせば、二人に今食べさせてやるわけにもいかないのが道理である。

 

「全く食い意地張りやがって。間宮さんのおいしい夕食があるんだ。我慢しなさい」

 

 ますます、面白くない二人である。二人にも少しは恥ずかしい、それに勇気のいる発言ではあったのだ。それを食い意地の一言で片づけられては憤懣やるかたなし、である。

 

「司令官、そんなんじゃ駄目よぉ」

 

メッと、まるで年上のお姉さんのような感じでたしなめられる。

 

「たしかに、今のは女心を分かっていないわね」

 

まさかの矢矧からも攻撃が飛んでくる。女性一同、敵に回ってしまったようだ。

 

「む、うぅむ。じゃあ、矢矧。ほら、あーん」

「え、えぇ?わ、わたし?」

「いや、なんとなく面白くなさそうな顔をしていたし、な」

 

 私が中々会話に入れなかったのを見られていたのだ。彼は実は私にとって初提督。仲良くできるならそれに越したことはない。いや、仲良くしたい。だが、自分にはあーんをしてといえるような度胸もない。また、そういうキャラでもない。阿賀野型の中では妹のほうだが、ここではお姉さんなのだ。

 

 だが、ここで突っぱねてしまったら、もう次はこないだろう。いま、艦娘の少ない今がチャンスなのだ。艦娘の数が増えればその分提督と接する機会は減る。これは千載一遇のチャンスなのよ。そんな言い訳じみたようなことが私の頭の中を一瞬で駆け巡る。

 

 電もあきつ丸も如月もじっと、スプーンの先にいる自分を見ている。この状況でのあーんとはどんな羞恥プレイであろうか。だが、もはやなるようになれ、だ。

 

「あ、あーん」

 

 おぉ、まさか食いついた。形の良い唇が近づき、白玉を食べようとする。そして唇が近づき、その口が閉じる瞬間にするりとスプーンを引いてみる。果たして、矢矧は突然引っぱたかれた子供のような、呆然とした目で見つめ返してきた。拗ねるでも怒るでもなく、ただ、信じられないといった目付きだ。

 

 さすがに可哀想になり、次はしっかり口に近づけて、ほれほれと言ったように動かしてやる。どことなく不審そうな目で、ちょっと目線をそらしたつつ唇を近づける。全く子犬か、お前は。そしてぱくりと、スプーンの先が飲み込まれる。食べたのを確認してするりと引き抜く。

 

 矢矧は嬉しそうに口に含んだ白玉をもぐもぐと咀嚼しながら、笑顔になる。先ほど食べていた時はつとめて表情には出さないようにしていたのだろう。だが、一時的に外聞は捨てたようだ。

 

「提督殿は女の子で遊ぶのが好きなようであります」

「ひどい女たらしなのです」

「次は私かしら。ね、司令官♪」

 

三者三様のコメントを付けられる。

 

「素直な如月にはあーんをしてやろう、ほら」

 

 次は如月へとやってみる。ぬぁ!っとあきつ丸と電はびっくりしたような顔で傭兵を見つめる。

 

「うふふ、嬉しいわ」

 

 と、横目にたっぷりとあきつ丸と電を眺めつつ、ぱくり、とためらわずに食いつく。

 

「うーん、格別においしいわねぇ♪」

 

 如月は頬に手を当てながら美味しそうに頬張る。それを見ながら二人は

 

「提督殿・・・」「司令官さん・・・」

 

 実に弱々しい声で呼びかけてくる。意地悪はやめにしよう。二人にもそれぞれ食べさせてやり、容器は空となった。たしかにおいしかったが、少し甘すぎるきらいがある。3口も食べれば十分であった。

 

「さて、俺は夕食までの間書類を片づけてくる。お前たちは自由にしていてくれ」

 

そう言い残し席を立つ。間宮さんには礼を言っておこう。

 

「あ、提督殿。書類仕事でしたら手伝うでありますよ」

「ん、今日はみんなとちゃんと交流をしておけ。いまからやるのも今日の演習の消費資材のまとめくらいだ」

 

 前にやったし、大丈夫さと付け加え、間宮さんのほうへと赴く。

 だが、断られてしまった当のあきつ丸はしょんぼりした様子で

 

「私、頼られてないでありましょうか」

 

 あきつ丸の心中には昨日は秘書艦仕事を果たせなかったことや、出撃時のミスにより叱られたことがあった。今仕事を断られてしまったのはどうしてもあきつ丸を不安にさせた。

 

「だ、大丈夫なのです。司令官さんもみんなと仲良くできるようにという配慮なのです」

「私は女好きなのかなってちょっと不安になったけど、いい気配りをしてくれるじゃない」

「そうよぉ、せっかくなんだからもうちょっとお喋りを楽しみましょう」

「みんな・・・そ、そうでありますな。自分の思った通りにならなかったからといって沈んでいてもしょうがないであります。申し訳ない」

「うふふ、私もちょっとだけ混ぜてくれるかしら」

 

 と、そこへ間宮さんが小さな和菓子を皿にいくつか乗せてやってきた。

 

「訓練後のあなた達じゃちょっと物足りないかと思って」

 

 みな一様にお礼を言い、その後の女子会に花を咲かせた。

 

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