ぜひ、批評や感想など、些細なものでもお願いします。作者は飢えております。
____あきつ丸の私室____
『こちら同志大発、どうぞ』
『こちら、同志バイス。定期連絡を開始せよ、どうぞ』
『間宮、軽巡矢矧、駆逐艦如月の3名は無事着任。出撃1回と砲撃演習2回のみ。別段報告の旨無し』
『了解した・・・ふむ、で、どうだ。お前にとって初の提督は?』
急に砕けた、気軽い様子をバイス、もとい佐伯中将が出して尋ねる。中将にとってはあきつ丸は娘ぐらいの年の、可愛いがっていた部下なわけである。口に出すようなことは決してないが、すこしは寂しかったりするのだ。
『ミスをして叱られてしまいました、その挽回をせねばと焦る始末であります』
『ミス、とは?報告を受けていないぞ』
『は、その初出撃で被弾をいたしまして、ほとんど大破を』
『な、なんだと!?なぜ報告せんか!』
『いえ、その、うぅ』
『で、傷が残ったりはしておらんか?だいじょうぶか?』
いやに慌てた声で問いただす中将。
『ちゅ、中将殿?艦娘は入渠すれば、体に傷が残るようなことはないでありますよ?』
『ま、まぁ、大事はなかったのだな。で、ミスを隠したい気持ちは分からんでもないが、報告は包み隠さず、な』
『う、申し訳ないであります』
『まぁ、これから気を付けるように。大事な連絡役なのだからな』
『は、了解したであります』
『では、交信終了』
____執務室____
そして、通信の様子はすべて取り付けた枝により傭兵の把握するところであった。
「っふ、ふふ。あの中将も人の子だな。まさかあそこまで慌てふためいて心配するとは。そして大事な連絡役、か」
存外ぬるい連中なのか、なんなのか。自分のことをあそこまで調べ上げられたこともあり警戒はしていたが、通信の内容には全く緊迫感を感じられない。現時点でなにも事は起こってはいないのだから、特に通信することもないだろうが・・・まぁ、引き続き警戒はしておこう。
「中将にとっては娘か、孫にしては大きすぎるか。いずれにせよ可愛い年頃か。あきつ丸の色仕掛けなど、見抜いたうえで間宮券をやっていたのだろう」
傭兵は提督という立場を一応は得ているため、色々と情報の収集が可能になっている。佐伯中将のバックにいる人物は分からないが、穏健派(艦娘に対する扱い的な意味合いで)に属するものになるだろう、と読んでいる。艦娘を兵器として見る側の人間ではない、と先ほどのやり取りで判断し、ならば中将自身がつく人間もそういった側の人間だろう、という推測である。
なぜ、さらに上がいると考えるのか。それは一介の中将の立場で、外部の傭兵を提督という立ち位置にはつけるほどの権威はないとみているからだ。過激派(単に穏健派の反対側を表す分かりやすい言葉として)にしても、空いているポストがあるなら自分達の推す(自分達と同じ考えの者)人間をその席につかせて、勢力を拡大するはずだ。今後、どのような動きがあるやら・・・
結局戦争における最大の敵は身内だ。身内での争いがなく、みなが何も惜しみあうことなく協力を出来るのなら、今までの戦争のいくつもが全く違う結果になっていてもおかしくはない、のである。
「いまは考えても仕方ない、か。まだ始まって一週間と経っていない」
ずいぶんと濃密な時間を過ごしたような気がする。まだ4日なのが信じられないくらいだ。何もかも始まったばかりだ。
始まりである海軍中将からの直接の依頼、内容もだが驚いたものだった。艦娘という存在そのものは噂で聞き知る程度、冗談半分だと思っていたものが実在した。そして、運転手に寄越されたあきつ丸は、後に知ることだが初期艦、全くもって人間との区別はできなかった。そして、関われば関わるほど感情面や思考面での働きも人間と遜色のないものだと分かった。せいぜい、女の形をしたちょっと進化したAIくらいのものだと思っていたが・・・
後ろから指揮をしながら、悠遊と高給取りを楽しもうかと思っていたがどうにもそうはいかないらしい。量産のきく女ロボットだったら、怪我したところで気に病むこともない、多少無茶な作戦だって展開できる、と考えていたというのに・・・
次に来た子、電はよもや小学生かと思われるような子であった。本人曰く中学生なのです!とのことだったが。発育やむきになるところを見れば言わずもがな・・・しかし、その精神性は遥かに上、のものであった。あきつ丸に対する気遣いや俺に対する接し方、なにより戦場での働きはその年頃の少女のものではない。お菓子に目がなかったりするところや、すこしあわてんぼうな、後は顔に出てしまうところがあったりするのは愛嬌といえるものだ。
それから、出撃。あきつ丸が普通なら死んでるような怪我をして帰ってきたときには、柄にもなく慌ててしまったものだ。そして、それが入渠という行為「風呂につかるだけだそうだ」をするだけで3時間後には完治して戻ってきた。どうやら簡単には死なないというのは本当らしいが、心臓に悪い。気を病む奴があらわれても仕方がないだろうか・・・
更に新しく入ってきた子たちもまだまだ若い10台の乙女かといったくらいの子たちであった。思ったのはどの子たちも普通に美少女である。町ですれ違えばハッと見返すくらいには。
まずは間宮、食堂のおば・・・というのは禁句であったか。とはいえ、こちらは20台には、いやお姉さんと記そう。かくしてその性格はカレー三昧と言った後の俺にカレーを出し、それをあまつさえ「楽しみにしていてくださいね」、という茶目っ気をみせるものであった。確かに俺とあきつ丸なぞの作ったカレーとは比べ物にならないほどおいしかった。そして、間宮アイスも少し俺にはくどいが、十分においしい。そして艦娘たちにはほんとに大評判のようだった。テーブルでの一連の光景は影から見られていたようで、2~3口しか食べていない俺に対してあまりお気に召しませんでしたか、と不安がっていた。俺には少し甘すぎるから、抹茶など苦めのものを多めに・・・と伝えたら、「私にもあーんしてくれたら考えます♪」とは、いやはや全く。
次に矢矧。軽巡の艦娘、は確かに水雷戦隊の長ということで電や後述する如月よりもお姉さん(間宮よりは若い)であった。キリッとして落ち着いた、頼りがいのある子といった印象か。だが、しかし、間宮で簡単に化けの皮(というほどでもない)は剥がれた。あーんをしてやったら赤面しつつも食べに来て、からかってやったら子犬のような目つきを向けてきたものだ。そしてついに食べれたら笑顔でもぐもぐ、と。年頃の女子であることに変わりはないようだ。しかし、ちゃんとお姉さんとしては扱ってやらないと、水雷戦隊も締まらないだろう。
最後に如月。すこし厄介な、というか扱いは難しい娘である。子ども扱いは好まないだろうし、かといって大人の女性のように扱うにはまだずいぶんと年若い。中学生くらいの見た目の子をそこまで大人扱いしては、俺自身の印象が危うい、のだ。そして、男に対して初心というか耐性もない。まぁ初対面の相手に手を伸ばされれば、びくつくのは普通かもしれんが・・・いうなれば清楚風ビッチ(処女)だ。もはやすべての言葉が矛盾している。ただ、俺には警戒心をすこし解いたのだろうか。間宮ではずいぶんと積極的にきたものだった。
だが総合して、どの子にも、艦娘特有の司令官に対する憧憬や恋慕というものが先天的に備わっているように感じる。これは勘違いなどではないはずだ。俺も大概な行為、傍から見なくてもかなり女にだらしないような行動を取っていると思う。今日なんか同じ席の女の子4人にあーんして食べさせてるんだからな・・・
まぁこれで戦意を高揚しつつ、作戦を抜かりなくやっていけばいいかな、とも思える。ただ、中にはこういった行動を嫌う子もいずれは来るかもしれない。その時は・・・なるようになれ、だ。
軽空母艦娘リクエスト
N様 幽様 AC様より龍驤3票、タ様 A様より瑞鳳2票 ゆ様鳳翔1となりました。
次回着任艦娘は龍驤で決定致しました。瑞鳳、鳳翔もなんらかの形で登場を
考えます。
みなさま、ご投票ありがとうございました!