感想、批評に飢えております。些細なものでもキラ付けされます。
「お疲れ様、よくやってくれた」
「指示が的確で助かったわ。それとこれが提督の楽しみにしていた艦娘の魂よ」
声に少し落ち着きがなかったわよ、と言われ鼻頭を突かれて微笑みかけられる。如月のような少女にやられるのとは違う。矢矧は普通に成熟した、少し若いだけの女性なのだ。胸も体つきも大人のそれに近い。さしもの傭兵もどぎまぎしてしまう。
「うぐ、こら、子ども扱いしちゃいかん」
「ふふ、顔が赤くなってるわよ。可愛いところもあるじゃない」
矢矧と傭兵のやり取りをハイライトの消えた二人の目が見つめていた。
「あらぁ、私の色仕掛けじゃ頬も染めないくせに、うふふ♪」
「なにをしたら男を誘惑できる乳に育つのですか」
ぺたぺたと自分たちの平坦な胸部装甲を触りつつ呟く如月と電。まだ如月は睦月型のなかで唯一Bカップとバストは育っている方だが、阿賀野型の発育には及ばない。
「ふ、二人とも?どうしたでありますか、とても、その、様子が・・・」
びくびくとしながら二人に問いかけるあきつ丸。二人からは禍々しい負のオーラがでているのである。問いかけられた二人はゆっくりとあきつ丸のほうを向き、自分たちとの胸部装甲の差を見比べる。そして、怒りの矛先は理不尽にもあきつ丸に向いた。
「あらあら、あれが持てる者の余裕というやつですわ、電さん」
「ほんと、どうやったらあんなに乳が大きくなるのですかね、如月さん」
「ちょ、ふ、二人とも。何をしているでありますか」
するする、と寄ってきた二人に左右を囲まれるあきつ丸。二人はわきわきと手を蠢かしている。
「この、乳が!」「おっぱいが!」「うふふ♪」「あれば!」「なのです!」
容赦なく左右から挟み込まれて好き自由にもみしだかれるあきつ丸。段々と感じ始めたのか頬が上気しだしたところで・・・
「なにをやっている、二人とも」
ごつん、といつの間にか電と如月の背後にいた傭兵から拳が振り下ろされる。
「い、痛いのです」「ひどいわ、司令官」
頭を押さえながら傭兵をにらむ二人。傭兵は呆れた目を二人に向けつつ話かける。
「別に胸がどうとかじゃない。そうだな、今のは矢矧の見せたふとした仕草に惹かれたんだ」
「胸をちらちら見ながら言われても説得力ないのです」
「つまりおっぱいの小さな私の色仕掛けは通用しないってこと?」
胸の有る無しじゃないと言ったばかりなのに、未だにあきつ丸の胸を恨めしそうに二人は見つめている。あきつ丸はその視線に晒されながら自分の体をかき抱いている。
「この話は終いだ、全く。で、この魂を妖精に解析してもらうんだったか?」
「あとで問い詰めるのです。で、魂は妖精さんにどの艦娘のものかを解析してもらって、本部に申請書を出せば艤装が送られてくるのです。その艤装を妖精さんに渡して建造してもらって完成なのです」
「申請書送ってそれから艤装作ってもらって、さらに建造をする、と」
ずいぶん長ったらしい工程だなぁ、と呟く。とはいえ、軍艦に匹敵する力、適当に扱われても困るがな、とも思う。
「艤装はいくらか予備があるでありますよ。鎮守府の工廠妖精では修復不可能な損傷や摩耗をした艤装は本部に送って、場合によっては交換する必要がありますからな」
「じゃ、工廠行って、それから申請書とやらを出しますかね。あきつ丸、頼めるか?」
「了解であります!」
気合いを入れて答えるあきつ丸、ようやく頼られたことが嬉しいのであろう。
「私たちは補給と出撃の報告書をまとめに行ってくるのです」
ちら、と電はみんなに目配せをする。
「そうねぇ、一緒にやりましょう」
「私もそれくらいの書類仕事、一人でまとめられるように教えてもらっていいかしら」
「おう、そうか。それが終わったら晩飯までは自由にしてくれ。晩飯後は夜戦に向けた訓練を行う」
「分かりました」
そういい、工廠へ行く傭兵とあきつ丸の二人、書類をまとめにいく電、如月、矢矧の3人に分かれた。みんなついてくると思っていたあきつ丸だが、全員報告書のほうに行く様にきょとんとしている。最後に電が振り返る間際、ちらと目が合い微笑みかけられたのを見て、気を使ってもらえたのだということに気付いた。ふと目頭が熱くなるのを感じたあきつ丸であった。
「みんな、ありがとうでありますよ」
「ん?どうした。さっさといくぞ」
「ま、待つでありますよー」
先へとすたすた歩いていく傭兵を嬉しそうに追いかけるあきつ丸であった。
____工廠____
「リリー、仕事だ。艦娘の魂の解析を頼みたいんだが」
「あら、い、いらっしゃいまし。テイトクさん」
「?どうした、口調が変だぞ。なんか服がいつもと違うし、ハンマーも持ってないじゃないか」
なぜだかリリーはいつもの作業服でもなければ、トレードマークともいえるハンマーを持っていない。いうなれば、おめかしをしているような姿になっていた。
なぜ彼女がこんなことをしているかといえば・・・
____数分前
「スクープよ、スクープ!」
「あら、どうしたのよ。シュツゲキはもうおわったの?」
ばたばたと工廠へと飛び込んできたのは矢矧の水貞に乗っていたパイロット妖精であった。
「テイトクさんは、オンナノコらしいコがすきなんだって!」
「それはホントウ!?」
「だって、ヤハギちゃんにテイトクさんがカオをアカクしてたもん!」
「ど、どうしよう、ワタシ、オンナノコらしくなんて」
工廠一筋で働いてきたリリー、油と煤にまみれることが日課の彼女に、女の子らしさとはほど遠いものである。
「それにキョウはタマシイをみつけたから、カイセキのためにすぐにもやってくるよ!」
「もうジカンないじゃない!」
かくして間違った情報により、リリーの大改造が急ピッチで行われることになった。
____
「た、タマシイのカイセキね。えぇ、ワタクシにかかればおやすいゴヨウかしら」
「なんだ、似合わないぞ。いつもの元気はどうした」
「な、なんのことかした」
「まぁ、なんだ。とりあえずは解析頼むぜ。戦力増強は急務なんでな」
傭兵に促されたあきつ丸は何やらよくは分からないが、とりあえずリリーへと艦娘の魂を手渡す。
「な、なにかワタクシにいうことはないのかしら」
「何かってなぁ。うーん」
首をかしげつつ、リリーのことを見やる傭兵。何故かは分からないが、お嬢様らしく振舞おうとでもしているのだろうか、と考えを巡らす。
「と、とにかく褒めればいいんじゃないでありますか?可愛く着飾っているのでありますから」
よくは分からないが、助け舟を出してみるあきつ丸。女の子同士?なんとなくどうしてほしいかは分かるつもりであった。
「そういうもんか。可愛らしい恰好も似合ってるじゃないか。でも、普段通りのほうがらしくていいぜ」
結局いまの格好を褒めているのかなんなのか。
「け、けっきょく、いいの?わるいの?」
「良いも悪いも、なぁ。無理せずその子らしく振舞っているのが一番魅力的だと思うがな」
「そ、そうなの?うーん、わかったわ!やっぱりハンマーをもってこそのワタシね!」
どこからともなくハンマーを取り出すリリー、女の子には悪いが一番らしい、姿であった。
「まぁ、魂の解析にはハンマーはいらないんじゃないか・・・?」
「そ、それもそうね。じゃあタシカにあずかったからすぐすむからまってなさい」
てくてくと魂を大事に抱えたままよくわからない機械のもとへと近づく。
「これでよしっと。さて、ジカンのヒョウジは」
せわしそうに手元の小さなパネルを操作しているリリー。パネルの時間がぐるぐると動きまわり、2時間50分という値を示す。
「2ジカン50フン、ね。えーと、ガイトウするのはヒトリ。ハケイをしらべるヒツヨウもないわ。ケイクウボのリュウジョウよ!」
「おぉ、空母か。一気に戦法が広がるな」
「運がいいでありますな。あまり空母や戦艦系の魂は手に入りにくいはずでありますが」
「そういっていたな」
今回軽空母が敵にいたが、関係あるとみてもいいのだろうか・・・もし関係あるのだとしたら、それは非常によろしくない推論が組みあがる。そして、あのリスト。あれがあるってことは同じ艦娘の魂があり、彼女たちはユニークな人格であれど、ユニークな存在ではないということになる。あそこで、もしかしたらs・・・
「難しい顔をしてどうしたでありますか。申請書を早めに送れば本部からの発送に間に合うかも知れないでありますよ」
「いや、すこしばかり考え事をな。申請書、とっとと書き上げるとするか」
今は考えても仕方がない、と頭の隅へと追いやることにする。もっと場数と経験を積んでから推論を組み立てることにしよう。
「じゃ、ありがとな。また、建造の時に頼みに来る」
そういい、工廠を後にした傭兵とあきつ丸であった。
新しいキャラを書く時、性格や口調とか色々と気にしますね。
龍驤自体は口調が関西弁のお陰か分かりやすいキャラ付けなんですけど、方便ってそもそも書けるかどうかが問題ですよね。筆、もといタイプが進まない。