緋弾のアリア 漆黒の弾丸   作:月光

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第八弾

キンジの悲鳴が木霊した数日後の昼。

がやがやと煩い食堂で、ハンバーグ定食のキンジと、持ち込みの桃まんのチビと俺で昼飯を食べている。ちなみに俺は天ぷらそばだ。

 

「漆ヶ谷君。ここ、いいかな?」

 

「ああ」

 

隣に座った、イケメン。不知火 亮。強襲科Aランクで、不知火はバランスのいいAだ。

 

「最近、1時間目出てないけど、どうしたんだい?」

 

「そのことか。少し鍛錬をしている。一日でも早く勘を戻さないとな」

 

久しぶりに、射的をすれば、酷い物だった。あまりにも酷すぎて、それを見た者は、誰一人声も出なかったほどにだ。

だが、外で銃を撃ちまくれば、近所迷惑になるから、剣術と体術の鍛錬をしている。銃は、強襲科の授業でやっている。

 

「そう。でも、ほどほどにね?」

 

「分かっている」

 

あの時は、はしゃぎ過ぎて傷が開きそうになったが。

 

「そういえば、龍夜。お前、アドシアードには出るのか?」

 

アドシアード?ああ、あのインターハイ、オリンピックもどきか。

 

「一応、複数の競技の代表に呼ばれてるが、辞退する」

 

「どうしてだい?知っていると思うけど――」

 

「メダルを持っていると、進路がバラ色だろ?」

 

武偵大には推薦の進学。それに就職に有利。武偵局にはキャリア入局。民間の武偵企業では、一流企業の内定だったな。まあ、俺には関係ないが。

 

「就職先には、困ってないんだよな」

 

「どういうことだ、龍夜。逃げたら轢いてやる」

 

と、突然会話にわって入ったのは、武藤だった。こいつ、何処から湧いてきた?

 

「どんな所なんだい?」

 

「やめておいたほうがいい。実力がなければ、入れないし。それに、俺よりも強い奴が多いし」

 

「「「「え?」」」」

 

話し聞いていた、全員が絶句した。まあ、強襲科でやったランク付けの再試験を見た奴なら、信じられないだろうな。

 

「ハイジャックの時に出てきた、オッサンが居ただろ?あれが上司だ。ちなみに一番強い奴」

 

「そっ、そうなんだ。やめておくよ」

 

本当にやめたほうがいい。実際、本気の殺し合いになることが多い仕事だからな。

 

「んじゃ、俺は先に行ってるぜ」

 

昼食を食べ終わり、食堂を出て行った。

 

 

 

 

 

 

放課後。教務科からの呼び出しがあった。しかも、妙な事に白雪もいるということだ。

 

「二年A組。強襲科。漆ヶ谷 龍夜。来ーたよ」

 

「ちょうどいい。漆ヶ谷。こっちだ」

 

俺を呼んだのは、尋問科の教論である、綴先生だった。

 

「星伽には、もう一度言うが、ボディーガードつけろ。お前らは『魔剣』に狙われてんだぞ」

 

魔剣か。たしか、連続誘拐犯だったな。零課では、イ・ウーの犯行で、誰が魔剣かはわからない。諜報科と超能力捜査研究科で、レポートと予言が出てきているらしい。

 

「てか、なんで俺も呼ばれたんですか?俺、狙われてないんじゃ」

 

「まあ、そうなんだが」

 

吐いた煙を白雪にぶつけ、白雪が煙に目を細めると同時に、瞬きモールスを始めた。

 

『マケン ガ オマエ ヲ コロシニクル カノウセイ アリ』

 

なるほど。魔剣が、俺を始末しに来る可能性があるからか。

 

「来ても返り討ちにしますよ」

 

「……わかった。お前はもういいぞ」

 

綴から、許可を貰い。教務科を出て行った。それと同時に課長からメールが来た。狙ってんのか?

 

 

 

 

 

 

 

夜。ビルの屋上で、PSG-1のスコープを覗く。

今回の依頼は、暴力団の頭の捕獲。その暴力団は小規模ではあったが、着実に勢力を広げていて、面倒になる前に潰す事になった。

 

「こちら漆ヶ谷。目標は、北に移動中」

 

『了解した。目標が予定地点を越えた瞬間に発砲せよ』

 

「了解」

 

警察が嘘の検問を敷いて、目標を誘導する。予定地点は、日ごろから交通量の少ない道で、そこで襲撃する。ここ選んだ理由としてまず、翌日の交通の邪魔にならない。そして、事故として扱いやすくするためだ。

 

「さてと、狙い撃つか」

 

的は、車の右の後輪。それを撃ちぬいて、スリップさせる。

 

パァン!

 

銃声が鳴り、後輪が撃ちぬかれた。撃ちぬかれた車は、スリップして、壁に激突する寸前で止まった。

そして、出てきた部下を射殺する。その数分後に先輩たちがやってきて、頭を逮捕した。

 

「いつまで傍観するつもりだ。ジャック」

 

「あれ?気付いてたのかい?」

 

ちょうど死角になっているところから、ジャックが出てきた。

 

「その程度で隠れたつもりなら、ずいぶんと嘗められたもんだな」

 

「ごめんごめん。それに今日は、戦闘は禁止だから安心してよ」

 

安心できるかボケが。一応周囲を警戒する。

 

「何のようだ?」

 

「ちょっと、様子を見に来たんだ。君のね。お見舞いみたいなやつだよ」

 

「余計なお世話だボケ」

 

「あはは。その用だね。じゃあ、僕は帰るよ。それと、僕が殺すまで死なないでね。なんて言ったって、君は僕に二度も傷を負わせたんだからさ」

 

闇夜に溶け込むようにその姿を消した。

 

「お前が俺を殺す前に、俺がお前を殺す」

 

俺はまだ死ねねえんだ。ブラドを殺すまでな。

すぐに片付けをして、合流ポイントに向かった。報告書には、あの事は書かなかった。理由は面倒だからだ。

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