武偵高体育館では今、始業式が行われている。
「………眠い」
現在寝落ち寸前なのだ。教室で寝ていたら、いつの間にかここに居たのだ。そして、式が始まる前に悪友武藤剛気に無理矢理起こされた。
教室から体育館にいつの間にか移動していた理由は、C組みのレキがここまで引きずって運んできたらしい。それを聞いたとたんに、レキと付き合っているのかと聞かれたが、そんなことはない。レキとはただ科が同じだっただけだ。それに何度も一緒に依頼を受けるほどの間柄でもない。俺は『孤高の武偵』ただ一人で始め、一人で終わらす。
それよりも、この場にキンジが居ない事だ。武藤が言うには、7時58分のバスに乗り遅れたらしい。だが、チャリで行けば何とか間に合うはずだ。なのに着ていない。何かに巻き込まれたか?まあ、いいや。寝よ。
ツンツン――
「………………」
ツンツン――
「………………」
ガンッ!
「痛ッ!」
頬を突っつかれて、無視していたが、頭を何かで叩かれた。
「………レキ?」
「おはようございます」
相変わらずの無表情で、右手には俺のSOCOMが握られていた。ベルトホルスターから抜き取られていた。
SOCOMを返してもらい、教室に戻った。まだ先生が来ていなかった。その後にキンジ、そして先生が来た。寝てるけど。
急にわぁーっ!って周りが騒ぎ出した。そのせいで、目が覚めた。
「キ、キンジがこんなカワイイ子といつの間に!?」
「影の薄いヤツだと思ってたのに!」
「女子どころか他人に興味なさそうなくせに、裏でそんなことを!?」
「フケツ!」
何があってこういう展開になってんのかは分からんが、どうせ誰かがアホな妄想を繰り広げてたんだろう。興味ないけど。
ずきゅずきゅずきゅん!
バァン!
鳴り響いた三連発と一発の銃声が、クラスを一気に凍り付かした。ちなみに四発目の銃声は俺のだ。こっちに飛んできた弾を弾で弾いた。これは
「……zzz」
「「「「寝るんかい!!!」」」」
「……普通は寝るだろ」
「それはお前だけだ!」
と、続いて突っ込みを入れたのは、騒ぎの中心の一部である遠山 キンジだ。
「…………………」
キンジと転校生を繰り返し見る。
「……キンジ」
「な、なんだよ」
「お前……ロリコンだったんだな」
「違えぇよッ!!」
「だって、こんな小学生にフラグ立ててるし。て言うか、日本はいつから飛び級制度を導入したんだ?」
「龍夜」
キンジが何かを言おうとした瞬間に、殺気を感じた。
ずきゅん!
「おっと」
撃ってきた銃弾を、避けた。まあ、銃口の角度を見れば、弾道の予測など容易にできる。
「あたしは高二だ!!」
ずきゅずきゅぐきゅずきゅん!
バァンバァンバァンバァンッ!
続けて、無意味な銃撃戦が始まった。全部銃弾撃ちで弾いているが。
「あっそ。じゃあ、お休み」
ガバメントが弾切れになり、再び寝始めた。今度は誰も突っ込まなかった。
昼休み。いつも通りに昼飯を持って校舎の屋上に来ていた。
「レキ?」
「こんにちは」
先にレキがいた。昼飯はいつも通りカロリーメイトだ。長期戦にはいいけどよ。喉渇かないのか?
「アリアさんが、あなたのことを探っています」
と、食べている途中に急に喋りだした。
「誰だそいつ」
「A組の転校生です」
「ああ。あのツインテールチビか」
なんで俺のことを探っているのかは分からんが、調べたところで全てを知ることは不可能だ。俺の過去の経歴は改ざんしてるし、イ・ウーに居たことも調べても知ることはない。
そういえば、シャーロックの奴、神崎 かなえに罪を擦り付けて何をするつもりだ?まあ、俺はその事に関しては関わってないがな。俺がイ・ウーに入ったのは、両親の仇を討つために、強くなりたくて入っただけだ。あいつが入った時、すぐに脱退した。あいつと狎れあうためじゃない。
「探ったところでなにも出んよ」
「教えてくれないんですね」
今日はやたらと喋るな。キャラが崩れかけてんぞ。
「ああ。これは俺一人の問題だ。じゃな。授業に遅れるなよ」
そうだ。これは俺一人で解決しないと行けないんだ。あいつを――
――ブラドを――
――殺す。
ドクンッ
「くッ!」
階段を下りる途中で、胸が押しつぶされそうな痛みが走る。またか。ブラドに対する殺意が沸いてくるたびに、痛みに襲われる。それは一瞬のことだから別にいいが。
さて、強襲科で憂さ晴らしにでも行くか。