強襲科の生徒、レキ&チビとの戦闘から翌日。
昨日はあれ以外に、隣の部屋が無駄に騒がしかった。ちなみに俺の隣の部屋はキンジだ。そして、今キンジに昼飯ついでに事情聴衆している。
「なるほど。部屋に押しかけられ、奴隷になれと」
「ああ」
「お前……そんな趣味を持ってたんだな」
「はぁ!?」
「大丈夫だぞキンジ。たとえ、お前が変な趣味を持っていても、友達で居てやるからな」
「違えぇよ!お前さっきから何を聞いてたんだよ!?」
「……冗談だ」
「さっきの間はなんだよ!?」
まったく、騒がしい奴だ。それにあのチビが加わったら更にうるさくなるな。イ・ウーと全く変わらなくなった気がする。いや、逆に酷くなったのか?
「そういえば、お前も奴隷の仲間入りだぞ」
「あ゛あ゛?」
こいつ、さっき何をぬかしやがった?
「どう言う事だゴラァ」
「俺に聞くなぁあ!!」
どうすっかなあ。強襲科に行けば、憂さ晴らしにはなるが、あのチビがいる。きっと俺を奴隷にするつもりだ。無論、却下だが。
「そう言えば、キンジ。お前、武偵やめんだな」
「ああ」
こいつが武偵をやめる理由は知っている。金一さんが原因だ。
「そうか」
「止めないのか?」
「お前が決めたことだ。お前のやりたいようにすればいいだろ?」
「サンキュ」
「感謝されるようなことはしてないが?」
まあ、こいつのやりたいようにすればいいと思う。また武偵の世界に戻るって言うなら、歓迎はする。
「――ん?」
携帯がメールを受信した。教務科の周知メールかと思ったが、キンジには届いてないと言う事は、違う。じゃあ、教務科からの依頼かと思ったが、それだったら放送で呼び出せばいいし……まさか、公安か?。また、マフィアの殲滅か?
メールの内容を見ようと、受信BOXを開く。新着メールの送信者のメールアドレスを見るが、知らないアドレスだ。メールの内容は、『今日20:00に紅鳴館に来い』という簡単なメールだった。
「どうした?」
「いや。なんでもない。さっさと戻るぞ」
「おい!待てよ!」
メールを送ってきた奴は分からんが、一応行ってみるか。ブラドに関する情報が手に入るかもしれんしな。
――19:54
少し早めに指定地に来たが、気味が悪いなこの館。まるでバ○ハだな。そのうちゾンビでも出てくるんじゃないか?
「残念だけど、ゾンビは出てこないよ」
「ある意味では、お前はゾンビだぞ。――シャーロック・ホームズ」
後ろを振り返るとそこには、教科書に出てくる偉人の姿があった。シャーロック・ホームズ。俺たち武偵の原点であり、世界最強の探偵と謳われた人物だ。現在はイ・ウーのリーダーをしている。
その後ろには、峰理子、ジャンヌ・ダルク30世、そして――
「――カナ」
かつての師である、遠山金一の姿があった。そして、今彼(彼女?)はヒスっている。
「ここまで、呼び出してなんのようだ?まさか、世間話などするために呼んだ訳ではあるまいな?」
「安心してくれ。そんなために呼んだんじゃないよ」
「じゃあ、なんで呼んだ」
ホルスターに収めている、SOCOMを抜けるように構える。
「龍夜君。イ・ウーに戻るつもりはないかい?」
呼び出してまで、何を言い出すかと思えば、その程度のことかよ。
「断る」
「ブラドに関係あるのかい?」
「根拠は?」
「ブラドが入ったときと同時に、君はイ・ウーを去った。そして、君はブラドに関する話題が出れば、様子がかわる。その事から、君は過去にブラドと何かあったに違いない。どうかな?」
「正解だ。確かに俺とブラドは過去に会った。だが、お前らが知る必要はない」
「そうか。残念だよ」
「じゃあな。もう二度とメールしてくるな」
能力を発動して、自分にかかっている重力をゼロにし、無重力状態にして、ジャンプして部屋まで重力を操作して、帰った。
翌日。いつもと変わらない時間を過ごす……はずだった。
「龍夜、あたしのドレイになりなさい!」
……なんでこうなった。
「嫌だ」
「なんでよッ!」
「まず、面倒。そして、信用も出来ない奴と組むつもりもない」
「あたしにはキライな言葉が3つあるわ」
「人の話聞け」
「『ムリ』『疲れた』『面倒くさい』。この3つは、人間の持つ無限の可能性を――って、聞きなさいよッ!」
話を聞く気が無い様で、俺ももう話すこともないし逃げた。
「漆ヶ谷。依頼や」
放課後。呼び出されて教務科に来てみれば、また依頼かよ。強襲科担当の蘭豹にファイルを渡され、資料を読む。
内容は、マフィアの逮捕又は殲滅だ。そして、依頼主は公安零課からだ。
ご親切にも、手紙までも添えてあった。『単位が足りてないと思って、依頼を送っておいたよ。くれぐれも殺し過ぎないようにね。 公安零課課長 近藤 生馬』
「あの……バ課長がああぁぁ!!」
手紙をビリッビリに破き、捨てる。
「単位足りてるわボケがああぁぁ!!」
ホルスターからSOCOMを抜き、散る紙に乱射する。
「ハァ……ハァ……」
いつか絶対に、あのバ課長を殺すッ!
だが、どうやって殺そうか?超能力を使えば、圧倒できるが、殺すには至らないし……かといって、超能力なしでは、勝てない。……詰んだな。だってあの人、俺以上に修羅場くぐってるし。……勝てる気しねえ。
とりあえず、零課の依頼だから仕方なく受ける事にした。仕方なくだからな!