「僕と、け、結婚してくださいっ!」
緊張で上擦った声で僕はプロポーズをした。
心臓が煩いほどバクバクと音を鳴らして、夏でもないのに体中から汗が噴き出していた。
何週間も前にこの日にしようと決心して、何週間も前から心の準備をして来た。
仕事の合間に今日のプランを考え、前夜なんか一睡も出来なかった。
一世一代の大勝負だった。
けれど、彼女は目を見開いたまま沈黙してしまった。
その沈黙が僕の不安をかきたてる。
「ど、どうですか……?」
思わず、不安に耐えきれなくて聞いてしまった瞬間、聞き返してしまったということを酷く恥ずかしく思えた。
いや、プロポーズ自体上擦った声だったから最初っからダメダメだったのだが、緊張していた僕は聞き返してしまった事の方が男らしくなくて情けなく思えたのだ。
「…………いえ、すみません。」
一瞬にして目の前が真っ暗になった。
断られたのだと、そう思ったからだ。
どこが駄目だったのだろうか、あの時ああしとけばよかった、プロポーズをもっとちゃんとしたやつにしておとけばよかった、と後悔が沸々と沸いてきた。
「……あなたが告白してくれるなんて思ってなかったの」
今度は何を言われたのかわからなかった。
俯いていた顔を上げて彼女を見ると、凛々しくも美しい顔が、今まで見たことないほど綺麗で優しく微笑んでいた。
「末永く、よろしくお願いします」
彼女はそう言って僕の頬を触れた。
「えっ、あっ」
言葉がでなかった。
なにか言わなければと考えても思い浮かばなくて、戸惑いの声しかあげられなかった。
ただ彼女の言った言葉が何度も頭のなかをリフレインしてた。
「私は貴方を愛しています」
この時初めて僕は嬉し泣きというのを体験した。
★☆★☆★☆
「Hey!テートクゥ!ちょっとは落ち着くネー!」
「そそそそんなこことできるるわけねぇだだろろ!」
「はは榛名はだだ大丈夫ですぅぅ!」
「榛名お姉さま!?そちらは壁です!榛名お姉さまぁぁ!!」
「比叡!テートクを押さえつけるネー!」
「はい!お姉さま!」
「いってえぇぇぇ!!比叡!のし掛かんな!てめぇらのが落ち着けやぁ!金剛型4姉妹!!」
「提督!」
「は、はい!大淀さんどうしてそんなに焦られているんで……!?」
「哨戒艦隊より本鎮守府から北西600の距離に敵機動部隊を発見したとのことです……!」
「……ああっ!もう!何でよりによってこんな時に!しかもここは本土にも近いのに!大淀さん敵の情は!?」
「……まだ、詳しくはわかりませんが少なくともヲ級が1から2隻はいるものと……」
「……了解。金剛!比叡!第二艦隊出撃準備!編成は、金剛、比叡、飛鷹、隼鷹、時雨、夕立だ!執務室に出頭せよ!」
「了解ネー!」
「気合、入れて、いきます!」
「榛名、霧島は待機!第二艦隊出撃後に少し遅れて第三艦隊を編成し出撃させる。逐次投入になるが、情報がないことにはどうしようもない。」
「はい!」
「了解です、司令!」
「大淀さんは警報を鳴らして、第二艦隊の艦娘を呼び出してくれ!」
「はい!」
「よしっ!作戦は執務室で伝える!総員動け!」
『はい!』
☆★☆★
「状況報告!」
『敵機動部隊はretreatしたヨ!ヲ級轟沈1、中破1、タ級轟沈1、大破1、レ級轟沈1、ヌ級轟沈2、イ級轟沈3、大破1、被害は中破2、小破3、大破、轟沈はnothing!』
「了解、第二、第三艦隊は警戒しつつも撤収してくれ」
『了解!帰ったらテートクからのご褒美pleaseネ!』
「ああ!間宮アイスくらいなら奢ってやるさ」
『やったネー!』
「…………ふぅ」
「お疲れ様です。提督。ほうじ茶です」
「あぁ、ありがとう。……んくっ。うん、美味しいね。ホッとする」
「ありがとうございます。…………それにしても……また、敵の侵入を許してしまいましたね……」
「今月で2度目の緊急出撃か……一応、この鎮守府は絶対防衛圏の内側なのにね」
「最近は、前線の戦況があまり良くないらしいですし……」
「……はぁ、嫌になるねぇ。そろそろ大本営から大攻勢の作戦でも通達されそうだし……本当に嫌になる」
「提督…………」
「おおっと、すまんすまん。つい、大淀さんの前だと弱音を吐いてしまう。でも、もう、大丈夫」
「い、いえ、私の前ならいくらでも吐いてください」
「ありがとう。さて、第二、第三艦隊の皆が帰って来る前にさっさと書類書いとくか……」
「て、提督!」
「ほ、鳳翔さん?どうしてそんなに急いで……って、もしかして……!?」
「は、はい!お産まれになりました!元気な男の子です!」
「……ぁ……ぁぁ!や、やった!やったぞ!息子だ!大淀さん!ちょっと行ってくる!」
「あ、提督!」
☆★☆★
告白以外台詞なのは仕様です。
決して描写が面倒だったわけじゃないんだからね!?