東方守護執事   作:結城勇気

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 どうも初めまして、結城葵です。知り合いなんてほとんどいないだろうから初めまして。



 今作品はニワカ知識持ちのニワカ知識持ちによるニワカ知識によって作られる作品です。ぶっちゃけ東方その他の知識はそこまで深くないです。そういう作者が書いているのは嫌だ、という方はバックを推奨させていただきます。


 ご感想や悪いところのご指摘、アドバイス等はよろこんで。

 さて。
 続けられるかどうかは分かりませんし、続いても確実にノロマな更新速度だと思われますが、どうぞよろしくお願いします。

 ……なんだか長くなってしまいました。ごめんなさい。
 では、どうぞ。






第一話「朝はフランで始まる」

 とある春の日、目が覚めたら目の前にフランの顔があった。

 

 より正確に言うなら僕の腕の中。つまりは僕がフランの華奢な体を抱きしめながら、同じベッドの中で寝ているのだ。

 一応言っておくと、別に忍び込んだとかそういう訳ではなく、いつもこうして二人で寝ている。いつも通り、ってわけ。腕の中のフランから女の子特有のいい匂いが、起き抜けの僕の鼻をくすぐるのも、少し覚醒しきらない頭が、抱きしめる力を少し強めて彼女の温もりと柔らかさをもっと感じようとするのも、いつも通りだ。

 

「ん……」

 

 フランが小さく息を漏らす。起こしてしまっただろうか、と覚醒してきた頭を速攻で完全覚醒状態にし、様子を見る。小さくぎゅっと抱きしめ返された。起きたわけではないらしい。そのまま小さく微笑み、すぅすぅ、と再び寝息を立て始めた。

 

 ……可愛い。

 

 起こさないように後頭部に手をやり、静かに彼女の髪に顔をうずめる。

 

 ――フランの髪がヤッベェいい匂いで僕がヤッベェ。

 

 そんなセリフがふと出てきてしまった。いやこれもいつのもことなんだけど。だっていい匂いなんだもん。超贔屓(ひいき)目で見なくとも、フラン以上にいい匂いで柔らかくて可愛い女の子はこの世には存在しない。例えレミリアお嬢様だろうと咲夜だろうと、はたまた美鈴(メイリン)だろうと、フランの可愛さには勝てないはずだ。否、勝てない。

 

 ……とまぁ。今この場でフランの可愛さについて語り尽くしたいところではあるけれど、そろそろフランを起こさなくては。もうじき咲夜が朝食に呼びに来る時間だ。

 

「フラン、フラン。起きて。そろそろ朝ごはんが出来るよ」

 

 あくまで優しく彼女の体を揺さぶりつつ声をかける。若干不機嫌そうに顔を歪めながらも意識だけは浮上してきたらしい。薄らと、その真紅の瞳を見せた。

 

 すると、するりと僕の首に彼女の腕が回された。見ると、目を(つむ)って何かを催促するように軽く下あごを上に突き出してきている。意味は瞬時に理解した。

 

 目を閉じ、ふっ、と小さく、その唇に触れるだけのキスを落とす。今まで体で感じていた何よりも柔らかいのではないか、と思ってしまうほどに柔い。

 

 唇を離し、目を開けると、嬉しそうに微笑むフランの顔があった。

 

「いつも我が儘だね」

「これが無いと目が覚めないんだもん」

 

 首に回した腕を戻し、ゆっくりとその小さな体を起こす。さらりと落ちる金糸は日の光がなくとも輝き、真紅の瞳は美しいほどに純粋な紅。肌は白く、着ているネグリジェは透けているようで実は透けていないため、幼い体でありながらも誘惑されそうになる。ぶっちゃけエロい。

 

 僕も同様に起き上がりベッドから立ち上がって、いつもの執事服に着替える。その時間まさに一秒。マンガレベルなこれは、練習したら出来るようになりました。

 

 今度はフランの着替え――と、一昔前ならなっていたものだが、今では自分で着替え始めるようになった。常識的に考えれば今頃、ではあるのだが、まぁ当時僕も過保護すぎたというかなんというか。なんでもやってあげたかった時期があったわけだよ。レミリアお嬢様に怒られてからはそういうのもなくなったのだけれど。

 

 一応マナーとして後ろを向いたままでいる。時間通りならあと二分くらいで咲夜が呼びに来るはず。完璧なメイドたる咲夜のことだし、ジャストな時間で来るはずだ。

 

「――終わったよ」

 

 フランの声と共に振り返ってみると、そこにはいつも通りのドレスっぽい赤と白の服(僕にはそうとしか表現しようがない)を着たフランがいた。

 

「どう?」

 

 くるりと回って見せるフラン。服はいつも通りでしかないのに、どう? と聞かれても。などと思ったり言ってはならない。っていうか、いつも通りだろうと何だろうとそんなの関係ないし。

 

「うん。可愛い」

 

 言うと、えへへと笑った。今日も今日とてフランは可愛い。この笑顔を見るだけで今日の活力が湧いてくるというものだよ。

 

 ふと腕時計を見る。――時間だ。

 

「いつも時間通りだね。たまには遅刻すればいいのに」

「そんなようではお嬢様のメイドは出来ないもの」

 

 振り返らずに言った僕の言葉に答えたのは、いつの間にやらそこにいた、ここ紅魔館がメイド長、十六夜(いざよい)咲夜(さくや)だ。銀色の髪を三つ編みにして下げ、当然のごとくメイド服を着ている。

 

「あなたこそ、いつも私の来る時間ピッタリに身支度を済ませているじゃない」

「残念ながらピッタリではないかな。お嬢様と二言三言話す間くらいはあるし」

 

 呼び捨ては二人きりの時だけ、というのが僕とフランの秘密の取り決めだ。とはいえ、多分レミリアお嬢様にはバレてるんだろうけど。何も言ってこないあたり黙認してくれているのだろう。

 

 ……ところで、何やら咲夜の顔が不機嫌そうに見えるのですが、僕何かしちゃったかな?

 

 ……何故か沈黙。

 

 気まずいので話を進めることにした。

 

「えーっと、朝ごはんだよね?」

 

 僕の言葉にハッと我に返った(?)咲夜は、こほん、と一つ咳ばらいをした。

 

「えぇ。今日はお嬢様のご要望で和食にしているわ」

「あら、お姉さまったら珍しい」

 

 いつもなら朝ごはんに注文なんて付けないのに、と笑いながら言う。

 

「妹様も、ご要望があれば仰ってくだされば、なんでも」

「うん、ありがとね咲夜」

 

 キラキラと輝くフランの笑顔。可愛い。可愛いのは良いけど咲夜、とりあえずその溢れ出る忠誠心()は拭いておいた方がいいよ。

 

 そんな咲夜など気にせず、フランは僕の手を取り、

 

「行こう、宗次朗」

「はい、お嬢様」

 

 その手に引っ張られるのに抵抗もせず、ただついていく。する必要もないし。

 

 さぁ、今日も今日とて一日が始まるぞ。

 

 

 ――これは僕こと紅魔館が執事長兼フランドール・スカーレットが執事兼恋人、九重宗次朗の日常その他諸々を(つづ)ったものである。

 

 ……こんな感じで絞めればカッコ付く?

 




 短けぇ。

 第一話たる今回の話ですが、なんだか短くなってしまいました。ごめんなさい。次からもう少し長くしてきます。
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