石畳の道を踏みつける、青年の歩き方をどれだけの人が不自然だと評するだろうか。
否、屹度、まず彼の容貌に目が行ってそこに敢えて注目するということはしないだろう。ハーレクイン小説の表紙の中で美女を抱きしめる美男子という構図はよくあるが、この男はまさにその“美男子”の典型というべき顔立ちをしていた。まるで長らく中東で過ごしたかのように浅黒い肌とそれとコントラストを成す白い髪と相まって相当に目立つ。見目から想定される年齢はまだ精々20代の半ばから後半であるというのに、純白のダブルスーツという装いも彼を浮世離れさせる要素であった。
そして、次に注目されるべきは、兄妹や親子には到底見えないおかっぱ頭の少女を連れていることと、砂時計のような模様が表紙に刻まれた江戸紫色の分厚い本を抱えていることであろうか。
故に、“歩き方”が注視されるということがないのだ。精々、すらりとした長身を更に大きく見せている、背筋が伸びた洗礼され過ぎている歩き姿であると思うまでが堰の山だ。
――鰐皮という明らかに固い素材で出来た靴で石造の道を踏みつけているというのに、足音が一切しないことには誰も気に留めすらしない。
そもそも、隣に立つ少女の所為で男の足音の確認など不可能なのだが。
カランコロンと喧しい音が少女の足元から齎されているのだ。スイスはアッペンツェルの街にはまるで似つかわしくない、朱漆塗りの下駄が奏でる調べ。
青年の腰に頭の頂が届くか如何かといった小さな少女は和装であった。菫が描かれた淡い紫色の着物と藍色の袴――日本の明治・大正頃の女学生風ともいうべき恰好であった。
目を瞑っているせいでその全貌は分からないが、淡雪を思わせる純白の肌と“完全”とでも表現するのが似つかわしいパーツの一つ一つが美を予感させる。
呂色の髪に綺羅と映えるチャロアイトのような淡い紫の石で出来た紫陽花を象った髪留めが印象的である。
「なぁ、まだ着かへんの?」
青年の速い歩調に合わせ、忙しなくカラコロと音を鳴らしながら、少女は不満げに問い掛けた。
「まだだ」
青年は素っ気なく返した。
ムヌゥと、少女は頬を膨れさせつつも、歩き続ける。
怪しげで官能的な甘い香りを振りまきながら。
中世後期頃から時の流れが停滞したかのような趣の街を奇天烈な二人組が歩いていく。
落ち着いた空間では余りに浮いている筈の存在である。だのに、人々は誰も、そもそも初めから目に映ってすらいないかのように至って平静である。
ならば、この二人に纏わる異様さに気が付く可能性は零に収束するだろう。
――足音がまるでしない男に、目を瞑ったまま彼の体に触れることなく着いて行く少女。“気持ち悪い”と吐き捨てる以外にないのに。
知られざる怪奇を振りまいて暫く、二人の歩みは停止した。
「ここだ。もう目を開けても良い」
青年の言葉に少女は黒目がちな滅紫色の双眸を開く。まず蔓が巻き付いて、元がどのような創りであったか判然としない門が映った。そして、その更に奥にあるものを見て、
「わぁ、綺麗やねぇ」
少女は俗に白目と呼ばれる箇所がまるで無い眼を大きく開いて、驚嘆する。
赤、白、黄、桃、燈の色とりどりの薔薇、プべスケンス、サルビア、カーネーション、ジプソフィラ、アルストロメリア、スターチス――。
様々な花の色が匂う、美しい花園がそこにはあった。
バーネット夫人の“秘密の花園”。あの物語のような奇跡が起こってもおかしくはないと少女に思わせる程に余りに輝いて見える花園が。
光る風に揺れながらシャロンの樹が歓迎するかのようにさわさわと笑い声を上げる。
枝に吊るされたバードテーブルには花鶏(あとり)が集まっていた。
白い蝶達はひらひらと舞い遊んでいる。
「リッチ、これぇ、見せたかったん?」
少女は男の顔を見上げた。
「そうだ」
“リッチ”と呼ばれた男は虚無的な笑みを零した。
「アヤメは女の子だろう? 蝶や花を愛ずるのは、性の筈だ……と、思ってね」
「そういうんはよう分からんけど、ごっつおもろいわ。おおきにな」
少女――アヤメは輝かんばかりの笑みを返す。
「有難う。ケリィ……この花園の持ち主も喜ぶだろう」
そうリッチが謝意を示した一方で、ふと横眼をやると、アヤメはそわそわと所在なさげに辺りを見渡していた。
「……もっと色々見て回ったらどうだ? 遊びたいのだろう?」
「ええん?」
「君が望むならな」
リッチの言葉を聞くや否や、アヤメはわぁと声を上げて、跳ねるように駆け出した。
それと共に草と花弁がひようと舞い上がる。
「あまりはしゃぐと転ぶぞ」
そんなリッチのいさめも聞こえていないのか、アヤメはひっそりと咲く空色のチューリップに向かって突進していった。
「ええなぁ。綺麗やわぁ。心が毬やわぁ。ぽんぽん弾むで」
うっとりと頬を紅潮させ顔を綻ばせるアヤメを見て、柔らかく笑いながらリッチは彼女に歩み寄る。
「君は本当に、見せがいというか、そういうものを感じさせるような反応をするな」
「かて、おもろいもんはおもろいんやもん。どしたらええんちゅうねん」
「……そう本気で言える君はとても幸せなんだろうな」
ふとリッチが漏らした言葉に、アヤメは顔をくしゃくしゃに破顔させた。
「せや。ウチ、ほんまに幸せなんや。おもろいもんが一杯あって。こないな世界におうて。ごっつ幸せなんや」
フッとリッチは小さく皮肉気な笑みを零した。
「もっと幸せになりたいと思わないか?」
突然の問い掛けに、アヤメはきょとんとした表情でリッチの顔を見つめる。
無限の螺旋を描く不可思議な彼の瞳の、さらにその奥を。
「……もっとおもろいもん見してくれるん?」
アヤメの問いにリッチは小さく首を振る。
――否、と。
「“面白き事もなき世を面白くすみなすものは心なりけり”――と、言ってね」
「どないな意味?」
「世界がどういったものであるか、その総ては自身に依る。と、いう意味だ」
彼の言わんとする意味を測りかね、アヤメは唸り声を上げた。
「おもろくなるんか如何かはウチにかかっちょるいうこと?」
リッチは首肯する。
「然り。“蠱毒の紫”よ。働きという意味でも、感じ方という意味でも。私が如何なるものを示そうと、君がそういう姿勢でいなければ途端につまらなくなる」
その言葉にアヤメはクスクスとせせら笑いを上げた。
「リッチはウチにその気がないとでも思っとるん? せやったら、ウチぃショックで泣きそうやわ」
そう言いながらも、アヤメの瞳は細められていた。逆さまの弓のようなそれが空想石(タンザナイト)のような奇怪な輝きを放つ。
「で、リッチは“如何なるもの”を示してくれるん? かて、ウチおうじょうするんや。ウチにとっちゃ、此ン世はいかいな玉手箱みたいなモンやさかい。なんば選んでええか分さかいへんのや」
廻る、光を呑んで。
燕子花(アヤメ)の紫は、合わせ鏡が成すような無限螺旋の獅子の眼へ。
刹那、大きく裂けた獅子の口が答えを齎した。
「“心”だ」
自らの胸を指し示して。
「私達は“心”を見に行く」
その時、“蠱毒”と呼ばれた少女の口に三日月が生じた。
†
「ここは……?」
所変わり、日本・鬼松市中区砂岡町、“ロビンソン砂岡”。
JR鬼松駅にほど近いこのマンションの四十八階。
その部屋の一室にて、空が漸く白み始めた頃、エシュロスは目覚めた。
本の持ち主(パートナー)の家で暮らし始め、迎える二度目の朝。未だに天井に“見覚え”を抱けず、図らずもエシュロスはそう漏らしていた。
ワインレッドのシンプルなデザインのカーテンの、その隙間から漏れる僅かな光。それを頼りにするだけでもよく分かる程、白い筈の天井は黄ばんでいた。壁紙も同様である。
恐らくこれが原因だろうと、エシュロスは枕元を見る。吸殻で山盛りになった灰皿があった。
畢竟、煙草のヤニである。
薫はヘビースモーカーであった。禁煙が義務付けられている場所以外では、気が付くと吸っているほどである。
漫画を含む本の類の多さ以外に取り立てて言うことのないそこそこに散らかった部屋。その中において途轍もない存在感を放つのが脂の臭気である。
この部屋に存在するあらゆるものに染み付いて、剥がれる事はない。
しかし、エシュロスは不快感を抱くことはなかった。寧ろ、不自然なほどの安心感に包まれる程だ。
それよりも目下問題にすべきは――。
「苦しい……」
と、つい口に出してしまいたくなる首を絞めつける薫の腕である。
身動きが取れないくらい、がっちりとホールディングされている。
然う――エシュロスは薫と同じベッドで寝ているのだ。
曰く、『人の体温を感じていないと眠りが浅くなる』らしい。エシュロスはそれを胡乱じたが、何やら立て込んでいるらしいダンに薫が電話を入れて確認してみせた所“事実”であることが証明されてしまった。
ともすれば取るべき手段は只一つ。成すがままだ。
睡眠は大事だ。体の働き、頭脳の働き、見目に纏わる諸々に関わってくる。三番目に至っては女性にとっては死活問題であろう。ならば、エシュロスに断ることが出来るものか。
……とはいえ、この決断がエシュロスに与えたダメージは余りにも大きすぎた。
前述した苦しさもさることながら、背中に当たる柔らかな感触。豊かさの象徴、とどのつまり乳房である。薫のものは、超質量兵器とでも名状するのが相応しいほどの代物である。それを押し付けられるのは、年頃のエシュロスにとってしてみれば精神衛生上最悪としか言えなかった。
それを暗に示す様に、胸が不穏な程高鳴っているのがエシュロスにはよく分かった。
――唯一救いは、カオルの寝巻が“ジャージ”とかいう地味で肌が隠れるものだということか。
実際問題、訴えに来ているのは“視覚”ではなく“触覚”であるから雀の涙程度の救いであるのだが。
しかし、ネグリジェのような透けて見えるような服装で背後に居られたら心臓が爆裂してもおかしくない。否応なく想像してしまいかねない。エシュロスでなくとも、恐らく男であれば誰でも。
「……抜け出そう」
エシュロスは人知れず呟いた。
こんな状況下で尋常を保っていられる筈もない。三十六計逃げるに如かず。
そもそも、彼には今やらねばならぬことがあるのだから。
†
魔界に居た頃に練習していた縄抜けの要領で関節を外し、薫の腕からあっさりと脱出するとエシュロスは台所に立っていた。
服装はエプロン。花柄である。本来薫のものである為に、明らかにサイズが合っていない。
エシュロスがやらねばならぬこととは料理であった。
では何故、料理をやらねばならないのか。それは、この二日で分かった薫のことに由来する。
――薫について分かったこと。
“THE IDOLM@STER”なるゲームに於いて“水瀬伊織”のプロデューサーであること。“デジモンアドベンチャー”というアニメが大好きで、特に“太刀川ミミ”という人物に思い入れがあるということ。歌うことが趣味であり“カラオケ”なる店によく行くということ。また、歌が上手いということ。目が悪く、家にいる時は眼鏡を掛けているということ。
そして、過去に纏わることについて。
――道端を歩けば何処にだって転がっているような不幸話だよ? 全く面白くなく、うんざりするほど月並みな。それでも聞きたい?
そう微笑しながら語った話は、彼女が中学生の頃にまで遡る。両親を失くし、身寄りが無かった為に施設に預けられた薫はそこで“虐待”を受けた。それに耐え兼ねて或る日施設を脱走。そこでダンと出会い、教育を受けそして娼婦となり現在に至る。
大凡、こんな話である。
……そんな生活を送っていたせいだろうか。満足に料理などする機会はなかったのだろう。エシュロスが思うに、薫は料理が出来ない。
その証拠に、此処二日の食事は全て、“コンビニ”や“スーパー”といった場所で買える出来合いのものか、レストランでの外食であった。
多くこういった食べ物に於いては嗜好性に重きが置かれている。要するに塩分や脂肪分が過多である場合が多いのだ。魔界でも人間界でもその辺りは変わらなかった。
別にエシュロスはそういった食べ物を否定したいわけではない。実際既に“セブンイレブン”の“揚げ鳥”はエシュロスのお気に入りである。
だが、毎日食すことが体の調子を損なうことは目に見えている。
――あれだけ煙草を吸うんだ。食事くらいは労わってやらねば……。
というのが、エシュロスが抱いた思い。そう思ったが吉日、台所に立っていたというわけだ。
無論、女を前線に立たせ、その上で女に住まで保証して貰い、それでいて何もしないというのはエシュロスのプライドに関わる問題だった、というのもあるが。
「……さて、何はともあれIt’s cooking time! 先ずは食べ物の在庫を確かめるか!」
此処に食べ物があると薫に教えられた冷蔵庫の中身を確かめる。
……ライムにレモンやハーブに炭酸水。その殆どが酒に用いると思われるものだった。
そんな中で見つけることが出来た卵と幾つかの調味料。
――オムレット。あれが作れるのではないか?
正直エシュロス自身料理などしたことはない為、この発想は完全に勘に因る。
「まぁ何とかなるだろう。なんたって私はエリートなんだ。料理くらい、如何ということはない」
この時、エシュロスはそう信じ切っていた。
†
「で、これはなんなのかな?」
エシュロスが調理を始め二時間後。
起きてダイニングに遣って来るなりに齎された薫の第一声がそれであった。
分厚い黒縁眼鏡の向こう側に映るテーブル。見下ろすは鎮座する二つの皿に乗ったもの。
「……何処からどう見ても、オムレットだ」
そう答えるエシュロスの声は消沈し切っていた。
それもその筈――
「どこからどう見ても、“タタリ神”にしか見えないんだけど?」
料理が失敗していたからだ。
炭化した卵と調味料の混合物。それらがまるで無数の蚯蚓のような塊と化した様はまさしく“タタリ神”であった。
「面目ない……」
申し訳なさそうに顔を伏せるエシュロス。
薫は寝起きでいつもよりも癖が強くなっている髪を撫で、殆ど無意識にリトルシガーに火を点ける。
そして、枕元から持ってきたシガーケースと血赤色のオイルライターを置き席に着くと煙を吐いた。
「まぁ、人の料理の技量をとやかく言うつもりはないよ。でも、なんで料理なんて?」
吹きかけるつもりは無くとも、紫煙がエシュロスを纏った。
エシュロスは自分が料理をするまでに至った経緯を話した。
「嗚呼、成程。私が料理出来ないと思ったのと、自分の立場を情けなく思ったと。そういうことだったんだね」
薫はテーブルに置かれた灰皿に手を伸ばし、灰を折った。
リトルシガーはフィルターこそあれど分類上は紙巻煙草ではなく葉巻である。普通、紙巻の煙草は灰を落としながら吸うが、葉巻はそうではない。灰を折りながら吸うのである。
「エシュロス、一つ勘違いしているみたいだけど私料理できるよ?」
「そうなのか?」
半信半疑のエシュロスに対して、薫はコクリと小さく頷いた。
「今までずっと一人だったから。自分の為に何かを作るというのが面倒でね。料理にも楽しさを感じなかったし」
証拠に昼は作って見せようか? と薫は笑ってみせた。
「でもだからといって、外食や出来合いばかりでは体に悪いんじゃないのか?」
「承知の上だけれどね。実のところ、長生きにはあまり興味はないんだ」
薫の言葉にエシュロスは顔を曇らせる。
――長生きに興味がない。恰好を付けているわけでも、強がっているわけでもない。本心からの言葉であった。
だからエシュロスは理解出来ない。誰だって死ぬのは嫌な筈だ。それが故に長生きを望むのも当然の帰結だ。なのに、彼女は興味がないと本気で言っている。
困惑するエシュロスに、薫は煙交じりの溜息を吐いた。
「でも、私が長生きしてくれないと君的には困るっていうのは理解出来るよ。“魔物の王を決める戦いっていうのが、実際どれくらいの期間で蹴りが付くものなのか分からないんだし。だったら私に残された未来は長い方が良いってこともね」
そうではないと、エシュロスは言い掛けて、口を噤んだ。
次の口上が思い浮かばなかったから。
「うん。だったらこれからは料理をすることにするよ。あまり好きではないけどね」
微笑み返す薫の言葉に、
「……そ、そうか。なんというか、すまないな」
エシュロスは恐縮した。
すると薫は、
「それ、良くない」
エシュロスを指差して言った。
「え?」
呆けるエシュロスを気にもせず、薫は吸い終った煙草を灰皿に置く。
「君は私を助けてくれた。何をする必要もなく。それだけで此処にいる理由にはなるんだ。だから気を遣ったりしないで、堂々とここにいれば良いんだ」
薫は微笑み、テーブルの向かい側まで身を乗り出して、エシュロスの頭を撫でた。
――……嗚呼。
熱い。肉の裏側に火が点ったかのように。エシュロスは頬に火照りを覚える。
その正体は分からないが、今は薫の目を見ない方が良いと判断して顔を背けると、
「……オムレット、片づけるぞ」
と誤魔化す様に言った。
すると、
「待ってよ」
薫がそれを静止した。
何をするのか?
エシュロスがそう思う間もなく、薫はフォークとナイフを手に取って、混沌と化したオムレットと名付けられた廃棄物を食べ始めた。
「カオル⁉」
バリボリととても卵料理から発せられているとは思い難い咀嚼音を発しながら、薫はそれを食べ進めていく。
「うん、美味しい」
「そんなわけないだろ! 無理しなくて良いから止めるんだ」
エシュロスが無理矢理皿を取り上げようとすると、薫は皿を遠ざける。
「おい!」
「折角エシュロスが私の為に作ってくれたものだし。誰かに料理を作って貰うなんて初めてのことだから。全部食べたいんだ」
それに、と続いた。
「一生懸命な気持ちっていうのは裏切らないよ? ちゃんと美味しいから」
笑顔でそう言い切られてしまっては、最早エシュロスに成す術はなかった。
エシュロスは、観念したかのような苦笑を浮かべる。
「もし良かったら、それも私にくれないだろうか?」
薫が向かいの席に置かれたオムレツもどきに目を遣ったので、エシュロスは急いで席に腰かけ、
「厭だ」
と返して自らが生み出してしまったダークマターにナイフを通した。
ゴリッ、メリッと轟音を立てながら、黒い物質は一口大にカットされていく。
「エシュロス?」
「食事は一人で食べるより誰かと食べたほうが美味い。セオリーだろう?」
エシュロスのぶっきらぼうな言葉に、薫は自然と顔を綻ばせた。
ガリっとフォークを突き立て、エシュロスは料理を口に運ぶ。
「マズッ!」
と短い悲鳴が響いたのはその直後であった……。