ジョシュア・メージャーが席についたのを見送ったエマは視線を再び泳がせた。
その先にいたのは同級生。
丸メガネをかけた少年だ。
無論ただの少年ではない。いま現在、最もこのホグワーツを騒がせている少年。
赤ン坊でありながら名前を言ってはいけないあの人を退けたという生き残った少年
「ハリー・ポッター…」
今年はあのハリーポッターが入学するという話は記者である母から聞いていた。
そして、そのハリーポッターが今、視線の先にいる。
その事実にエマは震えていた。
エマ・レイモンドには夢がある。
魔法界で活躍する記者になるという夢が
記者志望であるエマにとって、ハリーポッターという著名人は学校で出会った最高の取材対象だと感じられた…
本当なら特急からずっと喋ってくれたジョシュアともハリーの話や自分の夢の話をしたかったのだが、彼は組み分け帽子が来てからとても緊張していたようでとても話しかけられる雰囲気ではなかったのが少し残念だ。
「ポッター・ハリー!」
ハリーの名前が呼ばれるとあたりが少しざわめき始めた。
生き残った男の子。
やはり学校中の注目の的だ…
帽子をかぶるハリー
しばらくの間沈黙が降りる。
どうやら、どの寮に行くのか帽子自身も決めかねているようだ。
生き残った男の子はどの寮に入るのか…
誰もが注目して見つめる
無論、エマも注目していた…
「グリフィンドール!!!!」
グリフィンドールの席へと移動するハリー
それを見たエマは思った
(私もグリフィンドールに入りたい!)
ハリーポッターは将来必ず話題になる。そのためこの学園生活で親しくなっておけば将来記者になった時に必ず特をすると考えたからだ。
「レイモンド・エマ!」
そして呼ばれる名前
頼んでみてなんとかなるかは分からないが帽子さんにお願いしてみよう!と思い席についた
(そうか、君は…)
頭の中ですぐに念じるグリフィンドールがいいと…
(グリフィンドール…残念だがその寮は君の夢を叶えるのに大きな妨げになるだろう)
え、とエマは動揺する
グリフィンドールは勇敢なものが集う場所。現場に向かい情報を集めるためには勇敢さが必要だと彼女は思っていた。
だから、自分もグリフィンドールに入れる可能性があると思っていたのだ
(だが、勇気は言い換えれば無謀にも成り得る。グリフィンドールに選ばれるということは一番自身を危険に晒す可能性が高いということだ。命だけでなく、その名誉や世間からの信頼もな…)
考えたこともなかった。命だけなら彼女はかけることができるだろう。しかし、名誉や信頼は捨てることができない。彼女は記者になったら、自分の記事を読んでもらいたいと思っているからだ。信用を失って誰も読んでくれなくなったら意味がない
(故に君には夢のためにもこの寮に入ってもらおう)
「レイブンクロー!!!!」
レイブンクローの先輩たちからの拍手が上がる
こうしてエマはレイブンクローへと入ることとなった。
(まぁ、いっか…ハリーとは同じ学校なんだから会うことだってできるし…それに…)
通りがかり、列車で出会った少年に声をかける
「同じ寮だね。よろしくジョシュア」
「こっちこそ、よろしくね。」
(魔法学校に来て初めて出来た友達と同じなんだから…)
そして、エマは席についた…
ーーーーーー
「ハリーポッターか…」
席についたままジョシュアはその様子を見ていた。闇の帝王から生き残ったと言われ、特別視されている少年。周りの生徒からは尊敬や羨望といった眼差しで彼を見ていた。
しかし…
(何が英雄様だ…奴もまた、人に害なす化物であることに変わりはない)
ジョシュアがその少年に向けた眼差しは…敵意だった