「イッセー、元気出せよ」
「うう、こんなんじゃ上級悪魔になるにはどれくらいの時間がいるんだ・・・」
イッセーが悪魔になって数日がたった。俺は悪魔じゃないから夜の悪魔の仕事は行ってないけど、イッセーは契約を取れないから落ち込んでいた。しかも、契約が取れないのに評価は最高だという。部長は前代未聞でどうしたらいいかわからないと言っていた。あと、魔方陣で転移出来ないくらいに魔力がないらしい。
「はぅっ!」
うん?俺とイッセーが振り返ると、シスター服を着ている子がころんでいた。俺達はその子の元に向かう。
「だ、大丈夫?」
イッセーが声を掛ける。
「うぅ、どうして何もないところでころんでしまうのでしょう。すみません、ありがとうございます」
少女が立ち上がる。すると、風が吹き少女のヴェールが飛んでいく。イッセーはそれを拾う。
「拾っていただきありがとうございます」
少女が礼を言う。その少女は金髪の緑の瞳をしているまさしく美少女と言うのに相応しい姿をしていた。イッセーが少女を見て固まっている。
「どうした?」
俺はイッセーを軽く叩く。
「あ、ご、ごめん」
イッセーはヴェールを少女に渡す。
「旅行?」
「いえ、この町にある教会に赴任してきたんです。ですが、場所がわからない上に言葉も通じないので困っていたんです」
悪魔はどの言語でも会話が出来るからイッセーは会話が出来ているんだな。俺は、朱乃姉ちゃんに同じようなことが出来るように魔力を掛けてもらっている。
「亮吾、この町に教会って1つだけだよな?」
「確かに、1つしかなかったよな」
でも、今は無人だったような気がするな。
「俺が案内してやるよ。亮吾、いいよな?」
「時間はあるし、いいぞ」
イッセーは、悪魔と教会が関わったらいけないことをあんまり自覚してないな。俺もついていって何かあれば守ってやるか。
「本当ですか!ありがとうございます。これも主のお導きですね」
少女は手を合わせて祈り始めた。少し、イッセーはダメージを受けたようだ。俺達は教会に向かった。その途中で、
「うえ~ん!」
膝を擦りむいて泣いている男の子がいた。少女が近づき、
「男の子がこのくらいで泣いてはだめですよ」
少女が傷に手をかざすと、淡い緑色の光が放たれ傷が治っていく。たしかこれは、『
男の子が傷が治ったので喜んでいると、母親のような方が来て、男の子を連れて行った。しかし、その人が少女を見る目はまるで異質なものを見ているかのような目だった。少女が気を落としていると、
「ありがとう、お姉ちゃん!」
男の子が大声でお礼を言ってきた。でも、日本語がわからないので、
「ありがとう、お姉ちゃん、だって」
イッセーが少女に翻訳してあげた。
「すみません。つい、癖で」
少女が舌を出して微笑む。そして、再び教会に向かった。
「凄い力を持っているんだね」
イッセーが言う。
「はい、神様がくださった素敵な力です。あ、あれが教会ですね」
少女が言うように教会が見えてきた。
「お、俺達、行くところがあるから行くね」
イッセーがあわてて離れようとしている。悪魔の本能で教会が危険と感じているんだろう。
「教会にいらしてください。お礼をさせてくれませんか?」
少女が言う。
「俺達、急ぎの用事があったんだ。俺は、兵藤一誠、イッセーって呼んでくれ」
「俺は、剣 亮吾だ。剣でも亮吾でも好きなように呼んでくれ」
「私は、アーシア・アルジェントです。アーシアとお呼びください」
「シスター・アーシア、また今度ね・・・」
「イッセーさん、亮吾さん、またお会いしましょう」
俺達はアーシアと別れて、学校に向かった。