イッセー視点
レイナーレ達との戦いから数日がたった。アーシアは今後のことを決めるために今は旧校舎に住むようになった。今は、普通の部活の時間のため、亮吾も部室に顔を出している。
「亮吾、堕天使と住んでいて危なくないか?」
亮吾が堕天使の総督と知り合いでも、レイナーレ達と一緒にいるのは危険じゃないかと思い、聞いてみた。
「別に、もし戦っても俺の方が強いし」
そうだ。亮吾は人間なのにめちゃくちゃ強い。
「気になるなら見に来いよ。夜の仕事まで時間があるんだろ?」
そういえば、亮吾の家は行ったことはなかったな。
「アーシアも来てくれないか?」
「私もですか?」
アーシアが首を傾げる。
「あいつら、今日の夜に迎えが来るんだ。その前にイッセーとアーシアに謝りたいらしいんだ」
あいつら、今日帰るのか。
「わかった、行くよ」
「私も行きます」
俺とアーシアは亮吾の家に行くことになった。亮吾の家って、どんな感じの家なのかと考えていると、
「あそこが俺の家だよ」
亮吾が指差す方を見ると、俺の自宅よりも大きい一軒家が建っていた。
「ええ!亮吾、お前一人暮らしだろ!なんであんなに家がデカイんだ!」
「俺の親がいたときから住んでたからな。今は親父の弟さんが管理してくれている。」
そういうことか。そういえば、亮吾って一人暮らしの割りに金に困ってた所見たことないな。
「まあ、入ってくれよ」
亮吾が玄関の扉を開ける。
「お兄ちゃん!おかえりっす!」
いきなり、ミッテルトが亮吾に抱きついてきた。
「ただいま。ミッテルト、離れてくれるか」
「いやっす。離さないっす」
え?なにこれ?
「亮吾さん、お帰りなさい」
「ただいま。レイナーレ、ミッテルトを離してくれるか?」
「わかりました」
レイナーレはじたばたするミッテルトの襟を掴んで引きずっていく。
「亮吾、なんか馴染んでないか?」
「そうなんだよ。あいつら、話してみると色々溜まっていたらしくてな。話をする内に結構仲良くなれたよ」
この数日でそんなに仲が深まったのか。
「なんで、ミッテルトにお兄ちゃんって言われてるんだ?」
「いつの間にか言われるようになったからわかんないな」
「とりあえず、上がってくれ。」
俺とアーシアはリビングに通された。リビングにはレイナーレとミッテルトが立っていた。あの時とは違い、ミッテルトは水色のTシャツに黒っぽいズボン、レイナーレはベージュのワンピースを着ていた。
「レイナーレ、ミッテルト、連れてきたからあとはまかせるぞ」
亮吾は部屋から出ていく。しばらく、沈黙が続く。
「イッセーくん、アーシアさん、ごめんなさい!」
レイナーレが頭を下げる。続けて、ミッテルトも頭を下げた。
「謝って済むようなことじゃないのはわかっています。しかし、私はあなた方の命を奪ってしまった。本当に申し訳ありません!」
「レイナーレさん、ミッテルトさん、顔を上げて下さい」
アーシアが言う。
「たしかに、命を奪われました。しかし、ここに呼ばれたことでイッセーさん達に出会えることができました。悪魔になってしまいましたが、ある意味、感謝しています」
アーシア・・・なんて優しい子なんだ。
「恨んでないのか?罰を受けることを覚悟していたのだけれど?」
「はい、恨んでいませんよ」
アーシアはとびきりの笑顔で答える。アーシアがそんなんだと、俺も強くは言えないな。
「俺も騙されたのはちょっとムカついたけど、恨んでないよ。そもそも、俺は殺されてないしね」
「そんなはずはないわ。たしかに、ドーナシークに貫かれたはずよ」
「亮吾の神器で治してもらったんだ。異世界から俺の傷を治すことが出来る人を呼び出したって言ってたぜ」
「異世界?どういうこと?」
あれ?知らなかったのか?
「あ、じゃあ、あの虫みたいな人は、異世界の人だったんっすね」
ミッテルトは知っているようだ。
ズタズタズタズタ
うん?亮吾が部屋に戻ってきた。どうも怒っているようだ。
バチッ!
「痛てっ!」
俺は亮吾に叩かれた。
「何すんだよ!」
「こっちのセリフだ!何、俺の神器のこと教えてるんだ!レイナーレもアーシアも知らないんだぞ!黙っとく約束だったはずだ!」
そういえば、そうだったっけ。
「亮吾さん、異世界とは何のことですか?」
レイナーレが亮吾に聞く。
「はぁ、知ってしまったから言うけど、お前らは絶対に誰にも言うなよ。約束だ」
「わかりました」
「ラジャーっす」
「はい、わかりました」
レイナーレ、ミッテルト、アーシアの順番で返事をした。それから、亮吾は神器と異世界の説明を3人にした。そのあと、結構話すようになった。
「レイナーレは、前と雰囲気違うよな」
「実は、結構キャラを作っていたの。本当の私はこんな感じよ」
「そうなんだ」
「イッセー、アーシア、そろそろ部室に戻った方がいいんじゃないか?お前らは転移できないだろ?」
時計を見ると結構時間が立っていた。
「そうだな。アーシア、戻ろうか」
「わかりました、イッセーさん」
俺とアーシアは部室に戻ることにした。
亮吾視点
イッセー達が帰った後、堕天使からの使いを待っていた。すると、リビングの床に魔方陣が出現した。その魔方陣から銀髪の少年が現れた。
「なんだ、ヴァーリが来たのか。珍しいな、戦いもないのに引き受けるなんて」
「別に、たまたま予定がなかっただけだ。アザゼルには多少の恩義があるからね。」
「お兄ちゃん、誰っすか?」
「亮吾さん、この人は誰ですか?」
うん?堕天使なのに知らないのか?
「なんだ?ヴァーリのこと知らないのか?」
「仕方ないことだ。俺のことを知っている堕天使はほとんどが幹部クラスの奴らだからね。」
ヴァーリが答えてくれた。
「ヴァーリはアザゼルさんが集めている神器所有者の1人だよ。今世紀の白龍皇だ」
レイナーレとミッテルトは驚愕する。
「白龍皇!じゃあ、イッセーくんのライバルになるの!」
レイナーレが言う。
「イッセー?誰のことだ?」
「兵藤一誠って言ってな、俺の友達でこの前悪魔になったばかりなんだけど、実は赤龍帝でな。レイナーレはイッセーにやられたというわけだ」
「赤龍帝、ついに目覚めたか」
ヴァーリは笑みを浮かべる。
「ヴァーリ、まだ手を出さないでくれよ。今回は、レイナーレが油断してただけだから勝ったようなもので、めちゃくちゃ弱いから。主の悪魔に鍛えられると思うから強くなるまで待っていてくれ」
「わかった。弱い者と戦いたくはない。赤龍帝の前に亮吾と戦いたいものだ。また、強くはなっているな」
「できれば戦いたくないんだけどね。」
「ふぅ、ではそろそろ帰ろうか?お前ら俺の魔方陣に入りな」
ヴァーリは魔方陣を展開する。
「亮吾さん、この数日ありがとうございました」
「ああ、俺も楽しかったぜ」
レイナーレは魔方陣の上に乗る。
うん?ミッテルトが動かないでいる。
「・・・いやっす・・・お兄ちゃんと離れたくないっす」
少し、涙目になっている。俺はミッテルトの両肩に手を置く。
「ミッテルト、罪を償うって言ったよな。俺もこの数日は楽しかったし、離れるのは少し寂しいけど、約束は守らないと駄目だ。また、遊びに来ていいから今回は帰りなさい」
「ぐすっ・・・絶対、また来るっすよ」
ミッテルトは魔方陣の上に乗る。
「じゃあな。また、来いよ。ヴァーリも今度、ラーメンでも食いに行こうぜ」
ヴァーリの魔方陣で転移していった。
次回から新章に入ります。