魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第31話 女子会

激戦から一夜明ける。

シモンと同じ屋根の下に泊まったヨーコだが、何か間違いが起こるわけでもなく、普通に朝を迎えた。

そして朝食をとりながら、シモンとヨーコはお互いのこれまでのことを話し合った。

 

「「ふ~ん、そうだったんだ」」

 

シモンとヨーコが同時に呟く。

 

「ヨーコがコアドリルを使ってここまで来たなんて・・・」

「まさかここが私の知ってる地球じゃないとわね~、ロシウに言ったらどんな反応するやら」

 

「「「・・・・・・・・・・」」」

 

 

互いの状況整理が一通り終わった。それで話が終了と思われたが、

 

「ちょっと待てー!」

 

エヴァが叫ぶ。

 

「なんなんだ!そんなにアッサリ納得して!」

「そうです!大体違う世界ってなんですか!?」

「シモンさん外人さんやったん?」

 

ヨーコとシモンはお互いの情報交換を随分アッサリ終えたが、当然彼女たちはそれで納得するはずが無い。

 

「私もよく分からないんだけど、多元宇宙って奴じゃないかしら?」

「「多元宇宙?」」

「一種の平行世界みたいなものか?」

 

木乃香と刹那が頭を傾げる中、エヴァが答えた。

 

 

「私たちの地球とは違う進化を遂げた地球ってことね・・・多分・・・私も専門用語はよく分からないけどね。シモンがこの世界に来たのも、新しい世界を見たいと思ってたからじゃない?」

 

「しかし気合で来るなどバカげている。しかしそれが貴様らの世界の魔法か?」

 

「魔法ね~、昨日の変な男も獣人かと思っていたけど、あれがこの世界の人間の力なのね~」

 

「まあ要は気合じゃないのか?」

 

「う~む、まあ貴様らに説明するには時間が掛かりそうだからそれでかまわん」

 

 

ヨーコも螺旋力とは違うこの世界の魔法には驚いたが、すぐに順応した。

月が落ちてきたりと前の世界では色々あったため、今更生身の人間が空飛んだり、雷を落としたりなど、気合で片付けられる。

 

「ウチよ~わからんけど、シモンさんいつか帰ってまうってこと?」

 

木乃香が不安そうに聞く。

この言葉にエヴァと刹那も肩を震わせる。

 

 

「ああ、そうなるな・・・・」

 

「そんなんアカン!ウチとの勝負どうなるん!?」

 

「勝負?シモン、この子と何の勝負してるの?」

 

「え!?あっ・・・いや・・・・その・・・」

 

 

ヨーコに問われて急に黙るシモン。少し顔を赤くして、

 

「ニアと同じ7年過ごしたらプロポーズされることに・・・」

「・・・・・・・・・・・」

 

ヨーコのアッパーが炸裂した。

 

「カミナも女好きだったけど、そんなとこまで似なくていいでしょ・・・大体プロポーズって・・・・」

「ウチは本気やもん!せやからヨーコさんにも負けん!」

「そもそも何で私なの?昨日ノリで挑戦受けちゃったけど」

「だってヨーコさんシモンさんが昔・・「おいおいおいおい!」」

「?」

 

シモンが慌てて木乃香の口を止める。

 

「(なんでそのこと知ってるんだ!?そもそも俺ヨーコのこと話してないよ?)」

「(あっ・・・・せやった・・・・ま、気にせんといてや)」

 

シモンがヨーコを好きだったことはネギ以外には話していない。

なぜ木乃香が知っているのかと疑問だったが、木乃香もまさか、修学旅行のお風呂での会話を生映像で見ていたことを言えなかったため、慌ててごまかした。

 

「・・・まあよくわからないけど・・・・・あなたたち二人は・・・・・まあいいわ、聞かないでおく」

 

ヨーコは少しため息をつきながら刹那とエヴァを見た。その瞬間二人とも顔を赤くした。

それだけでヨーコは察することが出来たので、シモンの手前口に出して聞こうとはしなかった。

そしてヨーコはもう一度シモンを見た。

 

「アンタが悪いのよシモン、フラフラしているから」

「ヨ~コ」

 

シモンは少し情けない顔をしてうな垂れた。その時シャークティが声をかけてきた。

 

「はいはいそれまでにしましょう、シモンさん今日はアルバイトの日ですよ?」

「そしてなぜ貴様や美空はそんなに落ち着いているんだ!?」

「いや~もう私たち兄貴の経緯とかみんな知ってたしさ~、今更驚くこと無いっつ~か」

 

美空たちもシモンから毎日グレン団の話も聞いていたので、シモンとヨーコの話し合いの内容にはさほど驚いていなかった。

 

「バイト?偉いじゃないシモン、アンタちゃんと働いてるのね」

「まあな、俺は夜には帰るからまたな!」

 

そう言ってシモンはブータを肩に乗せ出かけていった。

 

「う~結局進展なんもなかったわ~」

 

せっかく寝泊りしたのに何も無かったことに木乃香は肩を落とした。

しかし刹那はシモンとヨーコが異世界の住人だとか気合がどうとか、驚くことばかりだった。

 

「進展ね~、あなたホントにシモンが好きなの?」

 

木乃香を見てヨーコが聞く。それに対して木乃香は真剣な顔でうなずく。

 

「シャークティ、それに美空にココネ、私あなたたちに本当に感謝してるわ!私には見送ることしか出来なかったから・・・・旅立つシモンを・・・」

 

急に真面目な顔になったヨーコの言葉を全員が聞く。

 

「シモンは割り切っているように私たちの前では振舞っていたけど・・・・やっぱり無理よね・・・・だってそれだけニアは大きな存在だったから・・・・」

 

そしてヨーコはシャークティたちを見て

 

「だから昨日アイツがあなたたちを誇らしげに家族って言っていたのがすごくうれしかったの・・・・・アイツも明日へ向かっているんだって分かってね」

「それならお礼を言うのは私たちの方ですよ」

 

ヨーコとシャークティはそう言ってお互いニッコリ笑った。

 

 

「でもね・・・やっぱり恋人とかそういうのは話が別かな?」

 

ヨーコは木乃香を見た。するとエヴァが口を挟む。

 

 

「私は以前闇の中にいた。自分で回りに闇を作りそれと一体化していた・・・それを打ち破ったのがシモンだ。薄暗い世界に居た私を自身が光となって明かりを照らしてみろと言ってな」

 

「へ~、アイツそんな気が利いた言葉が言えるのね~」

 

「そして奴は私が輝くかどうか見極めると言った、・・・・・私が輝くにはアイツが・・・・シモンが必要だ」

 

 

顔を赤くしながらも強い口調でエヴァは言う、

 

 

「エヴァンジェリンさんやっぱりシモンさんの事好きやったん!?」

 

「ああ好きだ文句あるかー!!私のほうがキサマより先だ!」

 

「告白したんウチが先やもん!」

 

 

とうとう公表したエヴァ。この様子にヨーコとシャークティはため息をついた。美空は爆笑中。

 

 

「そんなのどっちでもいいわよ・・・・それでそっちのオデコちゃんは?」

 

「私の名前は刹那です!・・・・・いえ私は・・・お嬢様が心配で来ただけで・・・シモンさんにどうとか・・・

 

「・・・・・・・はあ~」

 

 

木乃香に遠慮して自分の気持ちを隠す刹那。しかし木乃香以外全員、刹那の本心を読み取った。

そしてヨーコは一度ため息をつく。

 

 

「木乃香っていったわよね・・・シモンに告白した時アイツなんて言ったの?」

 

「最初、やだって言われたんやけど・・・・シモンさんはニアさんを好きやから・・・・・でもウチは本気やからあきらめへん、ニアさんと同じ7年かけて口説いたるゆうたらシモンさん、笑ってウチの挑戦受けてくれたんよ・・・・」

 

「ア・・・・・アンタいい根性してるわね・・・・」

 

 

木乃香のトンデモ決意にさすがのヨーコも唖然とした。

 

(あの穴掘りシモンが今では女の子を落としまくってるとわね~)

 

そう言うとヨーコはさっきまでと違って今度は優しい笑顔になった。

 

 

「私は恋する乙女の味方になりたいところだけど、今はニアの味方!アンタたちがシモンのことを好きになるのはいいけど、簡単には置いていってあげないからね!」

 

「はい!」

 

「望むところだ!」

 

 

そう言ってニッコリ笑った。

木乃香たちはニアのことを知りながらなお、自分の想いに正直になっている。

その本気をヨーコも理解できたため、このことで自分がこれ以上口を挟む必要はないと判断した。

ヨーコもどうやら木乃香たちのことを認めたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、ヨーコさんは教師の仕事をされているのですね」

「はい、全校生徒の顔と名前がすぐに覚えられるところで悪ガキの相手をしていますけど、私はあそこが大好きです!」

 

ヨーコもいつまでもシモンとニアのことをグチグチ言うのはやめて、自分のことを話すことにした。

 

「でも、ここはすごい大きい都市かと思っていたけど学校だったとわね~、いったいどうゆう勉強してるの?」

 

ヨーコが先生をしている学校は田舎の離れ小島。そのためここが学校の敷地内であることに最初驚いていた。

 

「別に大して他と変わんないよ!変わってるのは生徒と教師のほうっすね!」

 

美空は明るい声で言う。

その時だった。教会に訪ねてくる者がいた。

 

「あの~ごめんくださ~い」

 

少女の声が教会に響く。

 

「あれ、アスナさんの声ですね」

「せや、どうしたんやろ・・・・・」

 

教会の訪問客はアスナ。いったい何の用かと、みんなで声の主の所まで行った。

 

「おはよ~アスナ、どうしたん?」

「木乃香も刹那さんも、美空ちゃんたちもおはよう!シャークティ先生もヨーコさんもおはようございます」

「神楽坂さんおはようございます、何か御用ですか?」

「あの~ちょっとシモンさんに頼みたいことがあって・・・・・」

 

アスナの言葉に全員が首をかしげる。

 

「その・・・ネギが昨日の戦いのことで元気なくて・・・・本当はパートナーである私の仕事なんだけど、昨日何も私出来なかったし・・・・だからシモンさんに何かネギに言ってほしくて・・・」

 

なるほどと全員思った。

さすがに昨日はあれで決着がついたとはいえ、色々とショックなこともネギにはあった。元気がないのも無理は無い。

しかしシモンなら簡単にネギを立ち直らせてくれるという期待があったため、アスナは朝早くから来たのである。

 

しかしシモンは今居ない。

 

アスナにそのことを教えると、少し落ち込んだ顔をした。

 

しかしここに居るグレン団はシモンだけではない、

 

「ネギって・・・確か昨日のボウヤのこと?」

「そうです、そして私たちのクラスの担任です」

 

刹那の言葉に一瞬ヨーコは耳を疑った。

 

「・・・・・・ゴメン・・・もう一度言ってくれないかしら?」

「信じらんね~かもしれないっすけど事実っすよ!10歳だけど天才少年なんすよ」

 

美空の言葉に驚きを隠せないヨーコ。

まさか昨日の子供が自分と同職だとはまったく考えもしなかったからである。

もう一度確認のため事実なのか周りのものに確かめたが事実だった。

 

「でっ、その迷える天才少年を救うのに、シモンが必要なわけね~、アイツもこの世界では随分信頼されてるのね」

「刹那はシモンをものすごく嫌っていたがな~」

「せっちゃんそうやったん?」

 

エヴァが意地悪そうな顔で刹那を見る。

 

 

「そんな嫌いなど!確かに最初色々ありましたがむしろ今はす・・・す・・・じゃなくて・・・エヴァンジェリンさんこそビービー泣いてたではありませんか!」

 

「ふざけるな!私が泣いたりするものか!」

 

「いえ、マスターはネギ先生との決闘の後にシモンさんに泣かさ「茶々~丸~、余計なことを言うなよ~」」

 

「なんやエヴァンジェリンさんあんまシモンさんと進展しとらんの?」

 

「ふざけるな!私たちはいつでもラブラブだ!」

 

「「「「・・・・・・・・・・」」」

 

「・・・ふう、世界は違えど恋は世界を変える・・・・それはどこでも同じね・・・」

 

 

ヨーコが呟いた。そして

 

「いいわ、そのボウヤとは私が話をするわ!」

「えっ?ヨーコさん・・・・がですか?」

 

ヨーコの言葉に皆が首をかしげる。

 

「ええ、このグレン団のヨーコことヨマコ先生が悩める少年の問題もバッチリ解決するわ!」

 

ヨーコはそう言ってウインクをした。この瞬間アスナも含め皆思わずヨーコに見惚れてしまった。

 

 

思わず頼んでしまったアスナ、

 

 

 

 

しかしこれが自体を少しややこしくしてしまうことになるとは誰もこの時は想像しなかった。

 


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