魔法はお前の魂だ(魔法先生ネギま✖天元突破グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第36話 明日になる前に会いに来い

教会の外で賑やかな音がする。

まさに祭りと呼ぶにふさわしき日、とうとうこの日がやってきた。

 

「ついに来たな・・・皆・・・準備はいいか?」

 

教会に集いし5人と一匹の戦士たち。

 

「もちろんよシモン!」

「まかせて兄貴!」

「大丈ブ!」

「ぶひっ!」

「はいっ!・・・・とうとうこの日が来ましたね・・・」

 

グレン団のコートを身にまとい、お気に入りのゴーグルを頭に付けているシモン。

そしていつものように肌を露出し、ビキニ姿に短パンで上にジャケットだけを羽織るヨーコ。その肩には超伝導ライフルを背負っている。

そしてシスターの礼服に身を纏う、シャークティ、美空、ココネ。

シモンの肩に乗るブータ。

シモンは全員の準備万端の声を聞き、背を向け教会の扉に手をかける、そして

 

「よし!行くぞお前ら!」

「おう(はい)!!」

 

掛け声とともに全員が叫ぶ、

 

 

「「「「お祭りだーーーーーーーー!!!」」」」

 

「違います!!」

 

 

祭りの中に今すぐにでも飛び出そうとしたシモンたちをシャークティが止める。

 

「違うって・・・なんでだよ?こんなに楽しそうなのに?」

「そうよシャークティ、楽しまなきゃ」

「違います!今日は学園祭!つまり超鈴音が魔法公開、アナタたちから言わせれば過去の改ざんを行う日です!のんびり学園祭を楽しんでいる場合ですか!」

「まあまあ、シスターシャークティ少し落ちつい「なんです美空(怒)?」・・・いいえ何でもないっす・・・」

 

シャークティたちもグレン団に入った日に超の計画の全容を知った。

シモンとの約束のため他の魔法先生たちには言わなかったが、彼女も超の行動を止めることに賛成した。

だからこそ超の計画が動き出す日に遊ぶことなど考えていなかった。

しかしシモンたちは今そのことを考えていなかった。

 

「そんなこと言っても超との決戦は最終日だよ?だったらそれまで暇じゃないか?」

「そうよ、だったら学園祭楽しんできてもいいじゃない」

 

シモンとヨーコはまったく緊張感がないように言う、

 

「何楽観視しているんですかっ!?だいたい彼女が最終日に動くとは限らないじゃないですか!?そもそも罠かもしれないんですよ!?」

「多分・・・・罠じゃないと思う、少なくともアイツとの決戦は最終日だと思う」

「何故・・・・そう言い切れるのですか?」

「ただ過去を変えるためなら、ワザワザ俺とヨーコに計画前に教える必要は無い、そしてそれこそがアイツが過去に来た本当の理由だと思う」

 

シモンが感じた超の本心、それを感じ取ったからこそシモンも超の言葉を信じた。

しかしシャークティはやはりまだ納得していない。

 

「大丈夫、それにもう作戦ならバッチリ立てただろ!なっ!美空、ココネ!」

 

シモンの言葉に美空とココネはうなずく。

 

「バッチリ」

「まかせてよ兄貴!早くやりたくてウズウズしてんだから!」

 

しかしシャークティの顔は引きずっている。

 

「さ・・・・作戦って・・・アレのことですか?」

「ああ、もちろんだ!もちろん相手や状況によってアドリブになるけど一番核となる最後の言葉は変わらない!」

「それに相手が超だと『時間』とか『空間とか』そういう言葉を入れたほうがいいんでしょ?」

「その通りだ美空!そして最後に決め台詞!・・・・・・俺を!!!!」

 

シモンの言葉に美空とココネとヨーコが続く

 

「「「私たちを!!」」」

 

そして皆で合わせて

 

 

「「「「誰だと思ってやがる!!」」」」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

シモンの立てた作戦のリハーサルがされた。

この光景にシャークティはどう突っ込むべきなのか、顔を引きつらせながら見ていた。

 

 

「よしっ完璧だ!これで勝てる!」

 

「う~私も早くやたいー!」

 

「カッコイイ☆」

 

「何が作戦ですか!?ただの名乗りの練習じゃないですか!?」

 

「なに言ってるんだシャークティ!グレン団に名乗りは必須だ!そしてこれが相手を圧倒し、どんな壁をも突破する!」

 

 

シモンの立てた作戦とは全員での名乗りのことだった。

これには美空とココネはノリノリで喜んで参加した。

相手に何かを強要することは好まないシモンだったが、これは一歩も譲れなかった。これにはヨーコも賛成だった。

 

「シャークティ、これがグレン団、細かいことは考えず、壁や天井が見えたら気合で突破するものたちよ」

「よ・・・・ヨーコさん・・・・」

「でも今はまだ壁が見えているわけじゃないんだし、その間はバカやってもいいと思うわ!もちろん警戒はするからね!」

 

この中で唯一の常識人だと思っていたヨーコもやはりグレン団だった。

 

「しかし・・・私は何も間違ったことを言っていないと思うのですけど・・・・・なぜ味方が一人も居ないのでしょう・・・・」

 

グレン団のノリにまだついていけないシャークティは悲しそうに呟いた。

シャークティの意見は決して聞き入れられずにシモンたちは祭りの中へ飛び出した。

そして生徒や多数の一般来場者が溢れかえる中、第七十八回麻帆良祭が開催された。

 

「すごいや!・・・こんなのカミナシティでもやってないよ!」

「ホントね!これを生徒たちでやっているなんて大したものよ!」

 

シモンとヨーコもあまりにもスケールのデカイ光景に度肝を抜かれた。

まるで遊園地。いやそれ以上に大々的な催し物や参加者たち。さらに人ごみで溢れかえった一般来場者。今まで教会から一歩外に出て見た光景とはかけ離れた世界が広がっていた。

派手なことが好きなグレン団には興奮を抑えずには居られない。

シモンもヨーコもこの時は年齢を忘れ、大いにはしゃいだ。

 

「いや~、毎年見てる私でもやっぱこれには驚かされるわ~、でも凄いでしょ兄貴、ヨーコさん!」

「ああ、これは帰らずに残った甲斐があるな、よしっ!さっそく遊びにいくか!」

「そうね!」

「よっし!じゃあ私が案内する・・・「美空!」・・・・はいっ・・・」

 

シモンたちを連れて祭りの中へ行こうとした美空をシャークティが制する。

 

「私たちは見回りの仕事が入っているのですよ?」

 

美空の背後に笑みを浮かべたシャークティが告げる。

 

「グレン団として行動するのはかまいませんが、一度引き受けた仕事もちゃんとこなしましょう」

「別に遊んでもいいじゃないシャークティ、せっかくのお祭りなのよ?美空とココネもかわいそうよ」

「もちろんその時間もあとで取りますが、やはり告白防止も重要です。私たちがサボったばかりに歪んだ恋を成立させるわけにはいきませんから」

 

グレン団に入っても頭の固いシャークティだった。

 

「なんかロシウみたいだな。シャークティは・・・・」

「シモンさんとヨーコさんは楽しんできてください、勿論警戒は怠らないように、何かあれば連絡を入れますので」

「わかった、美空とココネもまた後でな!」

 

結局シモンとヨーコとブータで祭りを回ることになってしまった。

しかしやはりどこから行くべきなのか、そもそも何があるのかも二人には分からず、ただ賑やかな祭りの中を歩いていた。

時折すれ違いざまに何人もの人が自分たちを見ては振り返ったりしていた。

コスプレや仮装などはあまり珍しくは無いが、シモンとヨーコの姿は大衆の目を惹いていた。

 

「何だか・・・落ち着かないな」

「そうね~私たちの居たところでは、いつもこんな服だったしね~・・・シモン・・・アンタそのカッコでデートするのはまずいんじゃない?」

 

シモンは勝負服でもあるグレン団のコートを身に纏っている。

しかし学園祭では木乃香やエヴァとのデートが入っている。

シモンのカッコはロマンチックもかけらも無いものだった。

さすがにヨーコも木乃香たちと同じ女としてシモンの服装はどうかと思った。

 

「これは俺の意思の象徴と超へのメッセージだ!俺がグレン団として戦うことのな!それに木乃香たちともデートってほど大げさなものでもないさ!」

 

ヨーコはシモンの言葉を聞いて心の中で少し木乃香たちに同情した。

他愛の無い会話をしながら祭りの中を徘徊していると、見知った顔に巡り会った。

 

 

 

二人のウサギのコスプレをしている少女と少年、誰がどう見ても愛くるしい姿だった。

そして少女の方にいたっては、へそや太ももをはだけさせて、ヨーコ程ではないにしろ中々露出が高い格好だった。

しかしその可愛らしい姿とは裏腹に女の目はある一人の女を鋭い瞳で睨みつけていた。

その女こそ今回の敵である超だった。

 

 

「時間旅行はいかがカナ皆さん?」

 

「超さん!?」

 

「まずは体験してもらうのが一番と思い、保健室のお茶に眠り薬を入れさせてもらたヨ」

 

 

超の言葉に刹那とネギは、ネギが持っている懐中時計に目を向ける

 

「あの超さんに貸してもらったこの時計ひょっとして・・・・」

「ウム!それこそ懐中時計型タイムマシン、カシオペア!使用者と密着した同行者を時間跳躍させる超科学アイテムヨ!」

「そうなんですか!?うわ~、こんなすごいもの貸していただきありがとうございます!」

 

ネギは超の説明を聞き、懐中時計を持ちはしゃぎ回っている。

その様子を見てカモが超に言う

 

「タイムマシン?そんなもんいくら天才だからって開発できるもんじゃねえ、お前はいったい何者だ?」

 

カモの質問に超が答えようとした瞬間、超が自分たちに近づいてくる人物に気がついて笑みを浮かべる。

 

「ふっ・・・来たネ」

 

超の言葉に刹那とカモが振り返るとそこにはシモンとヨーコがいた。

 

「よう!随分変なカッコだな刹那」

「シモンさん、ヨーコさん!・・・・あっ!?・・この姿は仕方なく・・・」

 

刹那が顔を真っ赤にしながらあわてて自分の肌を手で隠す。

するとシモンとヨーコに気づいたネギが走って駆け寄ってきた。

 

 

「シモンさん!ヨーコさん!こんにちは!見てくださいこれ、超さんがくれたんですけどタイムマシンなんです!」

 

「「!?」」

 

 

ネギが自慢気にカシオペアをネギに見せる。超が未来人であることを知っている彼らはその言葉で全てを理解した。

そして超がシモンたちに笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

「悪いネ二人とも、先手を取らせてもらったヨ」

 

 

ネギたちに時間跳躍をさせ過去に関わらせる。

超の味方にネギたちがなるかならないかよりも、まずは身をもって体験させることにした。

 

「そうか・・・・じゃあ今ここにいるのは?」

「お察しの通り目の前にいる刹那さんとネギ坊主は少し先の未来から来た二人ネ!」

 

超の先手。まず時間旅行をネギたちに安易なイメージを持たせることで自分の行為を認めさせることだった。

シモンもヨーコもいきなりの超の先手を受けて、真剣な顔で超を睨む。シャークティが言っていたように水面下ではすでに戦いは始まっていた。

そして二人の様子に何かを感じたネギと刹那は不安そうにシモンに聞く。

 

「シモンさん、超さんと何かあったんですか?先手とは一体何のことでか?」

「そうですよ~、もっと仲良くしてください!」

 

二人を見てシモンは少し悲しい顔をしてネギたちを見る。

 

「ネギ・・・刹那・・・お前たちがどれだけそれを使うかは分からない・・・でも・・・それに頼る限りは、俺は何も言えない・・」

「えっ・・・どういうことですか?」

「シ・・・・シモンさん?」

 

シモンの言葉にネギはただ呆然とした。刹那も同様である。

いつも自分たちに言葉をくれたシモンが始めて自分たちを拒絶した。そしてヨーコもシモンと同じく自分たちに何も言う気はなさそうだった。

そしてシモンは超を再び見た。

 

「やるじゃないか超、こんな先手は予想外だった」

「ふふふ、ネギ坊主を仲間に引き入れグレン団と戦うにはこれぐらいのズルは当然ネ!」

 

超の行動はグレン団の信念に反する。そしてもしネギたちが何の考えもなしにタイムマシンを使って一日を何度もやり直すようになれば、当然ネギたちとも道が分かれる。

しかもネギがタイムマシンを使うことはすでに確定されたこと。現に今自分たちの目の前に少し先の未来から来たネギたちがいる。タイムマシンを使う前のネギたちは保健室で寝ている。もしシモンが今から保健室に行ってネギたちを起こしタイムマシンを取り上げたら、歴史を改ざんすることになる。

未来の情報を知って歴史を変える。シモンたちが決してそうしないことを確信しているからこそ超はこの手段を選んだのだ。

 

「シモンさん・・・・それに超さん・・・・仲間?グレン団?何のことを話しているのですか?」

 

シモンと超のただならぬ雰囲気に刹那は不安を感じた。しかしシモンもその答えを言わない。

 

「・・・・知りたいことがあれば・・・・明日になる前に会いに来い・・・」

 

そう言ってシモンとヨーコはその場に背を向け、立ち去った。

後ろからネギや刹那の声が聞こえたが、シモンもヨーコもなにも言わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・・さっそくやられたわね・・・・どうする?」

 

ネギたちと離れたのを確認してヨーコが聞く、

 

「どうするも何も・・・・俺たちは俺たちだ。しかしいきなりタイムマシンを使われるとはな・・・・」

 

超の思わぬ先手に出鼻をくじかれたシモンとヨーコは呟いていた。

 

「なあヨーコ、少し気になったけど・・・もしアニキが・・・・あのタイムマシン持ってたらどうしたかな?」

「カミナが?・・・・・使ってたでしょうね・・・・コイツは便利だ!っとか言ってさ~」

「ハハハ、絶対にそうだ!」

「ふふ、そうね・・・・だからネギたちが使おうとするのも分からなくは無いわね・・・・」

 

二人は思わず笑い出した。

たしかにもしカミナがタイムマシン持っていたら考えなしに使っていたかもしれない。

だからネギたちが使おうとする気持ちも分からなくは無かった。しかしシモンもヨーコもカミナではない。グレン団の誇りだけ受け継いで、自分たちがこれまで進んできた道を信じて超と戦う決意をしたのだ。

もしネギたちがタイムマシンに依存するようになれば自分たちとの立位置はハッキリさせるつもりだった。

 

お互いに笑い合うシモンとヨーコ。

二人のカッコは異質ではあったがその様子は回りから見てお似合いの大人のカップルに見えた。

 

そしてそれに嫉妬した自称悪の魔法使いが姿を現す。

 

 

「シ~モ~ン~、随分と楽しそうだな~」

 

「「えっ?」」

 

 

振り返るとそこにはエヴァンジェリンがいた。そしてそのカッコは・・・

 

 

「なっ・・エヴァ・・・・おまえ・・そのカッコ変じゃないか?・・ホントは俺より年上なんだろ・・・・」

 

「うわ~、何か可愛いけど痛々しいわね・・・・」

 

 

ゴスロリ姿に身を包み、隣に不気味な人形を従えていた。

 

「ケケケ、オマエガ御主人ノ新シイ男カ?」

「おまえは?」

「こいつはチャチャゼロ、茶々丸の姉のような存在だ、・・・・・・それよりキサマ私とのデートになんだそのカッコは!?」

 

エヴァはシモンのグレン団のコートを指差した。どうやらお気に召さなかったようだ。

 

「それならお前も変なカッコじゃないか?」

「キサマ!?これは私の勝負服だぞ!!」

「う~ん可愛いけど・・・エヴァを自分より年上だと思うと・・・・・」

「御主人ハ、一時間以上悩ンデアレニシタンダガ・・・・」

 

エヴァも実はかなり気合を入れてオシャレしてきたようだが、健全な成人男性であるシモンにはその手の性癖が無く、エヴァのゴスロリファッションに顔が引きつっていた。

 

「まあいいや・・・・デートって言っても二人だけで回っても仕方ないし、せっかくだから皆で・・・「「ドガッ!!」」

 

シモンが言い終わる前にエヴァとヨーコのダブルパンチが炸裂した。

 

「アンタはホントに・・・・穴掘りかグレンラガンに乗る以外はダメね~」

「ケケケ、デートドコロカ女トシテ見テモラッテネーンジャネエカ御主人?」

 

ヨーコがあきれたようにシモンに言う。シモンはその意味が分からず殴られた顔を抑えながら呆然としていた。

そしてヨーコはアゴでエヴァを指した。するそこには肩をわなわな震わせているエヴァがいた。

 

「キサマは・・・・デートをなんだと思っている!?誰がこんなダブルデートなどするかーーーー!」

 

シモンの胸倉を掴み子供のように叫ぶエヴァ、シモンは未だに呆然としていた。

 

「・・・・二人きりがいいのか?」

「うっ・・・・コクン」

 

シモンの問いにエヴァは顔を真っ赤にして小さく頷いた。

その姿に悪の魔法使いの影も形も感じられなかった。

顔を真っ赤にしてうつむくエヴァを見て、シモンもようやくエヴァの気持ちに気づいた。

 

「エヴァ・・・・まさかお前まで俺のこと好きって言うんじゃ・・・「「ドガン!!」」

 

先ほどよりもさらに強烈なヨーコとエヴァのコンボがシモンのデリカシーの無い発言を遮った。

 

「シモン・・・・・人の好意に鈍くないのはいいけど、本人前にして言うかしら?」

「ケケケ、随分ト自信過剰ナ奴ダナ、マア図星ナンダガナ」

「こいつは・・・・・もう少し恋愛ごとに関して言葉を選べんのか・・・・」

 

ヨーコたちは再び頭を押さえながら苦言する。

そしてヨーコはため息をついてエヴァの隣にいるチャチャゼロを片手で持ち上げた

 

「シモンは貸してあげるから、この子を借りていくわ、アンタもせいぜい頑張りなさい!ブータ、アンタも来なさい」

「ぶ~う!」

「よ・・・ヨーコ?・・・・」

「憐れみのつもりか?キサマ・・・私に塩を送るつもりか?」

 

シモンの言葉にさすがのヨーコもエヴァに同情した。

ヨーコはエヴァとシモンを二人きりにさせようと自らチャチャゼロとブータとともにこの場から離れることを口にした。

ヨーコの同情にエヴァも気づき、少しヨーコを睨む。しかしヨーコはそれを軽く交わし、

 

「そ、塩を送ってあげるのよ!私はニアの味方って言ったものの、今のアンタたちじゃニアと勝負にならないからね・・・まあ、がんばりなさい」

 

軽く微笑んで、ヨーコはその場にシモンとエヴァを残し、チャチャゼロを連れてその場から離れていった。

 

「まったく・・・何も本気で殴らなくてもいいじゃないか・・・・・」

 

体を起こし、腫れた顔を擦りながらシモンが言うが、エヴァは少し頬を膨らませてソッポを向く。

 

「ふん、まだ殴り足りない、キサマは本当に・・・・・」

 

そう言ってエヴァはまた口を濁す。相当不貞腐れてしまったようだ。その姿に少し胸を痛めたシモン

 

「まあ今日は相手するから機嫌直してくれよ・・・」

「当然だ!本来なら学園祭中の時間全てを貰ってもいいくらいだ!」

「まあそう言うなって、そこらへんは年上として大目に見てくれよ」

 

そう言ってシモンはエヴァの頭をポンポンと叩いた、

 

「子ども扱いか大人扱いかハッキリしろー!まったく・・・・」

 

そう言ってエヴァはシモンの手を払いのけ、そのままギュッと繋いだ。

 

「エヴァ・・・・」

「手ぐらい繋ぐのは構わないだろ・・・」

 

恥ずかしそうにエヴァはシモンの手を握り締めた。

今の自分たちの様子を見てシモンは少し微笑んでエヴァを見る。

 

「なあエヴァ・・・・こうして手を繋いでいるとさ・・・・・」

「むっ、なんだ?(まさか・・・こうしていると恋人同士に見えるとか・・・)」

 

シモンの言葉にエヴァが急に緊張しだした。そしてシモンの言葉は・・・・

 

「親子に見えるな!「ドガッ!」」

 

一瞬でも期待したエヴァが浅はかだった、本日3度目の攻撃をくらってしまった。

相変わらずエヴァは恋愛対象外だった。

 

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