FGOで学園恋愛ゲーム   作:トマトルテ
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13話:虫捕り

 それは、ほんの小さな出来事がきっかけだった。

 

「ギルー! 大変だよ!」

「どうしよう、どうしよう!」

「どうした、ジロウ、イマヒサ。騒いでばかりでは伝わらぬ。大きく息を吸ってから答えてみよ」

 

 近場の森にて近所の子ども達と虫取りをしていた英雄王、もといギルガメッシュ。

 そこへ何事か事件があったのか、ジロウとイマヒサの二人の少年が駆け寄ってくる。

 

「すー、はー……ギルの黄金のカブトムシが逃げちゃったんだよ!」

「ミミが良く見ようとして虫かごから出したらバーッてさー」

「ふむ……それはまことか、ミミ?」

 

 二人から事情を聴き、ビクビクとこちらを窺う少女、ミミに目をやるギルガメッシュ。

 ミミは蛇のような赤い眼光に怯えてしまうが、勇気を振り絞り前に進み出る。

 そして、頭を叩かれるのを受け入れるように首を垂れる。

 

「ごめんなさい。ギルのカブトムシ逃がしちゃって……」

「よい。(おもて)を上げろ、ミミ」

「え…っと?」

「顔を上げろって意味だよ」

「あ、うん。ありがとう、エルキ」

 

 一緒に遊びに来ていたエルキドゥに意味を教えられ、顔を上げるミミ。

 そんな彼女の様子を穏やかな目で見つめながら、ギルガメッシュは尋ねる。

 

「ミミ、カブトムシはどこに行った?」

「それは……森の中に」

「ふむ、ならば、この世界からは出ていないのだな?」

「…? うん」

 

 ミミの返答にギルガメッシュは満足そうに頷くギルガメッシュ。

 エルキドゥはその様子から何を言おうとしているのかを察し、クスクスと笑う。

 一体どういうことだろうと、小首を傾げている子ども達に王は告げる。

 

「よいか、この世界は余すことなく我の庭だ。我のペットが我の庭に飛んでいっただけのこと。

 ならば、何も問題はなかろう。カブトムシはどこにも逃げてはおらん」

 

 清々しいまでの王者としての発言。

 この世のものは全て自分のものであり、どこに行こうとも自分の掌の上でしかない。

 それ故に黄金のカブトムシはどこにも逃げていないと言うのだ。

 いっそ暴君に聞こえるかもしれない言葉だが、子ども達は、ただ彼の威光に心を奪われるだけである。

 

「さて、くだらん話は終わりだ。

 ミミ、我の蔵からアイスを人数分取り出すがよい。しばしの休息だ」

「わかった!」

「ああ、言い忘れておいたが、あずきバーは注意して食べるのだぞ。あれは狂犬故な」

 

 自身の蔵からアイスを取り出させ、アイスを頬張る子ども達を眺めるギルガメッシュ。

 そんな、穏やかな表情を浮かべるギルガメッシュにエルキドゥが声をかける。

 

「あれでよかったの? 何なら動物達に聞いて探そうか」

「くどい、世界(ここ)は我の庭だ。何も問題はなかろう」

「ふふふ、相変わらず子どもには優しいんだね」

「子は国の未来そのものだ。王たる我がそれを分かっていないとでも言うのか、友よ?」

 

 自然そのもののような透明感に中性的な顔立ちのエルキドゥ。

 ただ佇んでいるだけで、この人に従いたいと思わせるカリスマを持つギルガメッシュ。

 二人の友人関係は、夕日のウルクで殴り合って以来決して切れぬものとして続いている。

 

 余談ではあるが、そんな二人の関係にミミの中でよからぬ物が芽生え始めている。

 そう、男は男と、女は女と恋愛すべきだという究極の思想が。

 もっとも、エルキドゥには性別はなく、人格が男性よりなだけであるのだが。

 

「まさか。でも、君のことだから捧げものだったら酷いことでも許容するんじゃないの?」

「さてな。まあ、我に奉げられることはこの世に二つとない名誉ではあるだろうよ」

 

 全てを見透かす瞳で、ここではない別の世界を見るように目を細めるギルガメッシュ。

 そんなどこか邪悪さも含んだような友にも、エルキドゥは微笑み続ける。

 彼にとっては友の邪悪さなど気にする程のことではないのだ。

 何より、彼自身結構やんちゃをする。例えば牛の内臓を女神にブチまけるとか。

 

「でも、黄金のカブトムシはちょっと勿体なかったかな」

「なんだ。お前が欲しがるなどイチゴ畑以来だな」

「そういうのじゃないよ。ただ単に珍しいからね」

「我の財宝なのだから当然だ。しかし……確かにこのまま終わるのは少々つまらんか」

 

 失ったこと自体は大して気にしていないが、何もしないというのも芸がない。

 そう考えたギルガメッシュの頭にフッとアイデアが湧いてくる。

 

「ふむ、面白いことを思いついたぞ、友よ。偶には催しを開かねばな」

「ろくでもないものじゃないよね?」

「フハハハハ! 心配するでない。さて、そうと決まれば早速準備をするか」

 

 セミの声が聞こえる森の中に、どこまでも自信に満ちた笑い声が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

『黄金のカブトムシを捕まえた雑種に賞金100万円…か』

「おい! ボサッとしてんじゃねーよ。100万先に取られちまうぞ!!」

 

 モードレッドの怒声を聞き、広告のチラシをポケットにしまいなおす。

 今日は英雄王主催の虫捕り大会に二人で参加しているのだ。

 あたりを軽く見まわしてみると、俺達と同じように参加している人が多くいる。

 

「はーい。虫除けスプレーはちゃんとしましたか?

 沖田さんとはぐれないように気を付けて、コフッ!?」

「まーた血を吐いとるんか、この人斬りは。どうせなら蜜でも吐けば虫が寄ってくるのにのう。

 ところでじゃが、この火縄銃式虫捕り網なんてどうじゃ? 木の上でも簡単に狙えるぞ」

「子どもに物騒なものを持たしてるんじゃありません!」

 

 近所の子ども達を引率している沖田さんにノッブ。

 正直、火縄銃式虫捕り網がカッコいいので一つ欲しい。

 

「黄金のカブトムシってのはゴールデンじゃねえか。よし、俺達が一番に見つけだすぜ!」

「黄金か、リンゴなら欲しいが……まあ、今日は子ども達の引率だしな。

 うむ、子どもの引率だしな…!」

 

 さらに、黄金と言えば俺、俺と言えばゴールデンな金時。

 そして、虫には興味はないが子どもと触れ合うために来たアタランテさん。

 冷静になろうと努めているが耳がピクピクと動いているので、楽しんでいるのが丸わかりだ。

 

「おい! だから、ボサッとすんなって言ってるだろ!!」

『ごめんごめん、モードレッド』

「たく、ライバルは多いんだからな。とにかく一番最初に見つけんだ」

 

 再び怒鳴られて、他の参加者から目を逸らし、モードレッドの方を向く。

 麦わら帽子に赤いTシャツ、そしてギリギリ男性ものと判別できる短パン。

 非常に動きやすく、どこか色気を感じてしまう服装の今日のモードレッド。

 本当にこの子は性別を隠せるのだろかと、少し不安になるが思考を止めて声をかける。

 

『100万円手に入れたら何に使うの?』

「あ? サーフボードを買う資金にすんだよ」

『モードレッドってサーフィンするの?』

 

 友人の新たな一面を知り驚く。

 そもそも、彼女が水着を着る姿が想像できない。

 いや、確かに波に乗っている姿は似合いそうではあるが。

 

「まあな。結構面白いんだぜ? 波を乗りこなしたり、偶に沖に流され過ぎて死にかけたりな」

『後半って面白いの?』

「ハハ! 流石に最近はねえけどな。初めたては正直やばいときが結構あった」

 

 木の上を見上げてカブトムシを探しながら、快活に笑うモードレッド。

 彼女の姿からは、昔を懐かしむ経験者特有の雰囲気があった。

 

『でも、モードレッドが泳ぐ姿って見たことないな』

「そりゃあ……なぁ。水着着るとなると…あれだろ?」

『ああ……もろに肌が出るもんね』

 

 彼女は少し苛立ちの籠った顔で虫捕り網を一振りする。

 ダイバースーツでも着れば隠せるだろうが、一般の男性物の水着では無理だ。

 どうりで海水浴に誘っても来なかったわけだ。

 

『ということはいつも一人でやってるの?』

「べ、別にいいだろ! サーフィンなんて波との一対一(サシ)の勝負だしな」

『……ぼっち』

「うるせえ! 虫かごにつっこむぞ、お前!」

 

 ビシビシとかごを叩きつけてくるモードレッドに平謝りしながら考える。

 今度からモードレッドと遊ぶときは、海やプールを避けなければならないだろうな。

 

『あ、あそこにカブトムシが見える!』

「おし! Take that, you fiend!」

 

 取りあえず、モードレッドの仕置きから逃れるために、木の上に見つけたカブトムシを指差す。

 すると、彼女はすぐさま切り替え、勢いよく木に飛び蹴りをかますのだった。

 小柄な体格からは考えられないような重く鈍い音が辺りに響く。

 そして振動に耐えられずボトリとカブトムシが落ちてくる。

 ついでにボトリと俺の肩に毛虫が落ちてくる。

 

「黄金の奴じゃねえな。ま、捕まえとくか。お、こっちにはクワガタか」

『待って、この毛虫どうしよう?』

「いや、掃えよ。なに呑気に意見求めてんだよ」

『それもそうか』

 

 冷静なツッコミに真顔で同意を示し、葉っぱを拾い、刺激しないように毛虫を掃いのける。

 危なかった。これが頭だったら即死だった。

 そんなことを考えながら、毛が残っていないか丁寧に確認していく。

 

「おい、ちょっとこっち向いてみろよ」

『なに? って痛たたたたッ!?』

 

 突如として鼻に襲い掛かる痛みに、目を白黒させてながら何事かと見てみる。

 すると、何故かクワガタがぶら下がっていた。

 ガッチリと俺の鼻を挟んだ状態で。

 

『なにやらしてるの!? というか、これ本気で痛い!』

「あははは! マヌケな面してるぜ、ぐだ男」

 

 いたずらに成功した小学生のような笑顔で、俺を笑ってくるモードレッド。

 実際にやってることは、小学生か芸人がやるようなことなので違和感はない。

 

『泣きっ面にクワガタとかやめてよ!』

「ハチよりマシだろ?」

『確かに。て、どっちも痛いのには変わらないからね?』

 

 毒がないだけマシかもしれないが、痛いものは痛い。

 何とかクワガタに放してもらい、鼻を抑えるが幸いなことに血は出ていない。

 それにしても何でこんなことを?

 

「また、ボサッとしてただろ、お前」

『えぇ…それだけで…?』

「それだけってなぁ! せっかく二人で来てるんだからよ……もっと、こう…さ。

 ……ああ! とにかく、お前が悪いんだからな!!」

 

 顔を赤らめてそっぽを向くモードレッドに、思わずキュンとしてしまう。

 なんだろう、構って欲しいのに構ってもらえなかった猫のような感じだ。

 ある意味で子供らしいというか、上手く言えないが非常に可愛らしい。

 

『モードレッド』

「…………」

 

 チラッとこっちを見ただけで、まだ機嫌を直してくれない。

 本当に猫みたいだ。こういう時は何か気を引くものを。

 そう思った時、探し求めていたものを見つけた。

 

『モードレッド……』

「……なんだよ」

『あそこのカブトムシ黄金じゃない?』

「居たのか、100万円!?」

 

 拗ねていた状態から、一瞬にして目をランランと輝かせるモードレッド。

 その変わり身に思わず一言申したくなるが、今はそれどころではない。

 100万円なのだ。うまい棒が10万本買えるのだ。

 

「おぉ…マジで金ぴかじゃねーか」

『よし、他の人が来ないうちに―――』

「―――一歩音越え、二歩無感、三歩絶通」

 

 早速捕まえに行こうとした瞬間、俺達の横を何かが通り過ぎる。

 そして、瞬間移動したかのように黄金のカブトムシがとまる木の下に現れる。

 縮地の使い手、沖田総司が。

 

「沖田さん大勝利ー! カブトムシは沖田さんがもらっていきますよ」

「あー! ずっりーぞ!」

「勝てば官軍、負ければ賊軍。戦いなんてそういうものです」

「クソッ、正論過ぎて反論できねー…!」

『いや、これって戦い?』

 

 思わずツッコミを入れるが、沖田さんからカブトムシを奪おうと反応してしまう以上、否定もできない。

 というか、勝てば官軍、負ければ賊軍という言葉がやたらと重い。

 

「さあ、後は捕まえてみんなでお団子食べ放題です―――」

「今じゃ! 三段撃ち、開始ィー!!」

 

 沖田さんがカブトムシに手を伸ばしたところで、クモの網のような銃弾が飛んでくる。

 黄金のカブトムシはそれを間一髪で避け、別の場所に飛び去っていく。

 その光景に舌打ちし、ノッブはさらに号令をかける。

 

「皆の者、第二段に入れ替わり放つのじゃ」

「いきなり出てきて何やってんですか!? この第六天魔王!!」

「はっはっは。人斬りに100万は勿体ないわい。儂が有効に使ってやるから全額よこすのじゃ」

「子どもに射撃やらしといて、独り占めとか何言ってるんですかぁ!?」

「ちゃんと駄賃は払っておる! 団子ぐらいは好きに買えるわ!」

 

 仲間かと思いきや、仲間割れを始める沖田さんとノッブ。

 一瞬仲裁に入ろうかと思うが、今は黄金カブトを追うのが先だ。

 

『モードレッド!』

「おう! 追うぜ、次の木にとまったところで仕留めるぞ!」

 

 二人の仲間割れをチャンスと見て、一気に森の中を駆け出す。

 そして、ちょうどいい高さに止まった瞬間を見計らい、虫捕り網を伸ばす。

 が、次の瞬間には俺の網は矢で射抜かれていた。

 

『…は?』

「む、網に阻まれたとはいえ私が外すとは……カブトムシめ、中々に良い動きをする」

 

 矢の飛んできた方を見ると、アタランテさんが悔しそうに次の矢をつがえていた。

 森の中での狩猟で彼女の右に出る者はいない。

 それだけにカブトムシにすんでのところで逃げられたのは、プライドに触ったのだろう。

 

「いやいや! 落ち着けって姐さん! ゴールデンなカブトムシは撃ったらダメだろ!?」

「…? あのカブトムシを獲れば(・・・)いいのではないか?」

「そっちの獲るだと木っ端微塵だろ! 捕まえる方だよ、今回は!」

「そう言えば、この子達も虫を捕まえているだけだな……」

 

 金時の必死の説明により、なんとか誤解を解くアタランテさん。

 もし金時が居なかったら、今回の催しは誰も得をしない結果で終わっていただろう。

 最悪、グロテスクな光景に子どもが泣いたかもしれないので、金時のファインプレーだ。

 

「驚いてる場合じゃねぇぞ! 今のうちに捕まえんだ!」

『でも、かなり高く飛んでるよ。このままじゃあ、手の届かない場所まで行く』

 

 黄金カブトはもうコリゴリだと言わんばかりに、高々と飛んでいこうとしている。

 流石に木の頂上付近まで行かれたら、俺達では捕れない。

 唯一の飛び道具を持っているノッブが、自動的に勝者となってしまう。

 

「へ、なら上に行く前に捕りゃいい。ぐだ男、前に屈め!」

『は? とにかく、わかった』

 

 何がしたいのかわからないが、言われたとおりに腰を曲げて地面を見つめる。

 そして、聞こえるモードレッドが駆け出す音。

 続いて、背中を全力で踏みつけられる強烈な衝撃。

 

『俺を踏み台にしたぁ!?』

「わりー! でもこれしか思いつかなかったんだ!」

 

 背中を擦りつつ顔を上げて飛翔するモードレッドを見る。

 高々と舞い上がり、大きく虫捕り網を振りかぶる。

 そして、宙を飛ぶ黄金カブトに狙いを定め、振るい降ろす。

 

「よーし捕ったぁッ!! 着地は任せたぞ!」

『え? 着地考えてなかったの?』

「いいから任せたぞ!」

 

 何も考えずに落ちてくるモードレッドに、文句を言いたいがそんな時間はない。

 とにかく反射的に落下地点に入り、受け止め体勢をとる。

 さあ、どんとこい!

 

『まそっぷ!?』

「あ、やっべ。潰しちまった」

 

 空中から落ちてくる人を受け止めるなんてできなかったよ……。

 モードレッドに押しつぶされながら変な声を出すが、情けないことこの上ない。

 

「おーい無事か?」

『……ムリポ』

「大丈夫そうだな。それより見ろよ、こいつ。ホントに全身金ぴかだぜ」

 

 嬉しそうに笑いながら、黄金のカブトムシを見せつけてくるモードレッド。

 その姿はボールを取ってきた子犬のようで、非常に可愛らしい。

 可愛らしいのはいいのだが……。

 

『モードレッド……』

「なんだよ? あ、分け前は半々な」

『いや、その……そろそろ、退いてくれないかなーって』

 

 俺に言われて初めて、自分の状態を確認するモードレッド。

 大の字に倒れる俺。それを押し倒し馬乗りになる彼女。

 そして、運悪く二人の腰の位置がいつフュージョンしてもおかしくない位置にあるのだ。

 正直、俺のエクスカリバーがいつ極光モルガーンしてしまうか分からない。

 

「う、うわっ! 悪い、すぐに退く!」

『いや、謝らなくていいけど…』

 

 顔を真っ赤にして俺の上から退くモードレッド。

 少し、ホッとした息を吐きながら俺も立ち上がるが、お互い目を合わせられない。

 

『と、とにかくカブトムシを見せに行こうか』

「お、おうそうだな」

 

 話を無理矢理逸らし、この微妙な空気から脱却しようとする。

 そもそも、俺達は友達なのだからそういう関係じゃない。

 これでいいんだ。

 

「……ぐだ男、なんでオレが着地のこと言わなかったか分かるか?」

『…? いや』

 

 恥ずかしそうに頬をかきながら、モードレッドが声をかけてくる。

 一体何だろうか。

 

「あのさ…お前なら、オレをちゃんと受け止めてくれると思ったんだ。

 まあ、押し潰しちまったけどさ」

 

 その点は少しだけ文句を言いたいが、役得だったのも確かなので黙っておく。

 

「でも、嬉しかったぜ。……ほ、ほんの少しだけな」

 

 モードレッドは照れくさそうに笑い、それっきり顔を背けてしまう。

 しかし、その首筋が赤く染まっていることから、どんな顔をしているのか想像するのは容易い。

 

『モードレッド……』

「い、いいから行くぞ! ほら、サッサと金貰おうぜ」

『そうだね』

 

 恥ずかしがる彼女の声色にクスリと笑いを一つ零し、その背を追っていく。

 だからだろう。木々の陰からこっそり、俺達の様子を窺っていた存在に気がつかなかったのは。

 

 

「やっぱり、男の人は男の人同士で恋愛すべきよね!」

 

 

 モードレッドが自身を男と偽っている弊害がこの日新たに生まれた。

 ギルガメッシュとエルキドゥで開きかけていた扉をミミは二人の後押しでこじ開けたのだ。

 そう、BLという名の禁断の扉を。

 

 彼女がイリヤとクロに「男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの」

 と言って引かれる日はそう遠くない。

 




コンビニで「濃厚デミ・マッシュルーム」という商品名を見て、マシュとの濃厚なイチャラブを思い浮かべてしまうのは作者だけでしょうか?



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