転生した彼は考えることをやめた   作:オリオリ

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評価と感想が嬉しくて急いで書き上げました!
原作との乖離が凄まじいですが、楽しんで貰えたら幸いです!


第三話 彼の日記 2ページ

 緋真とルキアが天使すぎてヤバい。

 今の俺はこの世界に来る前よりも充実していると断言できる。

 可愛い妹達は、この小屋で色々と出来ることをしてくれている。

 ルキアもまだ5〜6歳くらいの年齢だが、緋真の後について手伝いをしている姿は実に可愛らしい。

 

 それにしても、朽木白哉と緋真は出逢えたのだろうか?

 時期が全くわからんし、緋真は散歩には行くが逢い引きしている様子もない……よな?

 

 あれ?

 もしかして、これもフラグか?

 もしかして、散歩じゃなくて逢い引き?

 もしかして、すでに結婚間近?

 

 これは、緋真に聞いてみるべきか?

 けど、妹の恋路に口出しするのもどうかと思うし……。

 いや、待て。

 

 朽木家へと嫁入りしたら原作ルキアと同じ目にあうよな?

 俺の自慢の妹が、流魂街出身だとかでネチネチ言われるよな?

 んで、朽木白哉は掟を厳守しようとするよな……それでルキアは寂しい思いをしたわけだし。

 

 ……ふむ。

 朽木白哉は緋真を護れるか?

 身体だけじゃなく、精神もしっかり護ってくれるか?

 

 …………よし、まずは緋真へ意思確認。

 その後、朽木白哉の意思確認だな。

 最低でも朽木家の人達全員への意思表示をして貰わねばな。

 

 私は緋真を愛していると。

 なんか朽木白哉のキャラじゃない気がするが、此処は譲れません。

 もし出来ないならば、最近名前を聞いた『雷公』で高町流お話をするとしよう。

 

 では早速緋真を問い詰めるとしよう。

 

 

 

 結果から言うと空ぶった。

 緋真はよく散歩に出かけるが、逢い引きしているわけではないとのこと。

 まぁ自分から挨拶に来ようともしない輩には、緋真を渡すつもりはないからな。

 例え流魂街出身だろうと、四大貴族だろうと、通さなきゃいけない筋ってもんがある。

 

 と、俺は思う。

 

 まぁ、外れてたわけですけどねー。

 いやー、良かった良かった。

 原作は完全に崩壊してる気がするけど、それでいーんだよね!

 

 

 何て思ってた数日前の俺死に晒せ。

 

 イノシシ狩ってきた帰り道、緋真がよく行く花畑で1組の男女を遠目に発見。

 即座に霊圧を殺して、気配を殺し、息をひそめた。

 雷公が呆れたような念を送ってきたが俺には重大事項なんだ。

 

 女の方は緋真で、男の方は男用の着物を着ていたがあれは間違いなく朽木白哉!

 頭にしている銀色のナントカという髪飾り? を、しているから間違いない!

 

 けど、なぜに顔が赤いのだ。

 白哉ってそんなキャラだったっけ?

 斬魄刀も持っておらず、完全に逢い引きに来たといった感じだ。

 緋真も顔が赤いが恋する乙女の様に、顔が綻んでいる。

 

 いや、恋する乙女の様にじゃない。

 恋する乙女なのだ。

 緋真の肉体年齢は18歳くらいで止まっているらしいが、体が小さい。

 恋するには遅いくらいだが、この戌吊ではまともな奴なんて数えるほどしかいない。

 

 そんな中で出逢った朽木白哉は、緋真には魅力的だったのだろうか。

 む、よく見てみればルキアも居るではないか。

 花に埋もれて寝ているから気がつかなかった。

 

 しかし、何と幸せそうな顔をしているんだ。

 ただ傍に居るだけだというのに、プラトニックなラブを感じる。

 

 なに? 死語だと? ほっとけ!

 じゃあ、純愛だ。

 

 流石にあの2人の邪魔はできんな。

 まぁ、緋真なら結婚しようとする時は挨拶にくるだろう。

 その時に試させてもらおうではないか。

 

 そんな事を考えつつ、俺はなんちゃって瞬歩を使って小屋へと向かった。

 今日は俺が飯を作ってやるか。

 

 まぁ、イノシシを使った牡丹鍋なんだけどな。

 

 

 

 何て思っていた数時間前の俺死ね。

 

 

 今現在、俺は4人で飯を食べている。

 ……そう、4人だ。

 俺とルキア、緋真、そして朽木白哉である。

 

 牡丹鍋はお気に召したらしく、美味いとの言葉が飛び出ていた。

 緋真は朽木白哉の隣でご飯をよそったりしている。

 

 なんだこれは。

 既に夫婦間のやり取りが成立している様に見えるんだが。

 ルキアも朽木白哉に、懐いている様で朽木白哉の隣で楽しそうに食べている。

 待てルキア、そいつはまだ義兄ではない。

 だから白哉義兄様とか言うな。

 

 つまり今の構図は、東軍俺、西軍緋真、ルキア、朽木白哉の布陣である。

 俺に援軍はないのか。

 既に外堀まで埋められて本丸を攻められてるんだが。

 

 何て思ってると、緋真がこっち側に来てご飯をお代わりするか聞いてきた。

 

 やはり、うちの妹は天使だった。

 終始楽しそうな妹達を眺めつつ、少ないながらに朽木白哉とも言葉を交わした。

 ヌググ……規律を重んじる性格ゆえか、俺相手にもちゃんと礼を尽くしている。

 飯を食い終わった後、朽木白哉を連れ立って外へ出た。

 緋真とルキアは待っている様に言っておいた。

 

 それから朽木白哉と話をしたんだが……言葉が少なくても緋真の事を本気で想っているのがわかった。

 だからこそ、朽木家へと根回しは終わっているのかと尋ねた。

 俺の質問は想定外だったらしく、緋真と一緒になる許可が貰えたら根回しするつもりだったらしい。

 

 結婚することは構わない。

 原作通りだとかそんなんじゃなく、花畑で見た緋真は本当に幸せそうだったし、今こうして話している白哉からも緋真を思う気持ちは感じ取れた。

 だから結婚は許可する。

 けど、もし緋真を悲しませたら罪人になろうとも殺しに行くから覚悟しとけ。

 

 まぁ、そんな事したら緋真にも嫌われそうだがな。

 あと、白哉には自分が迎える人をどれだけ愛してるか周りに示せと言っておいた。

 多分原作でも言ってたんだろうけど、むしろ溺愛レベルで示してほしいものだ。

 そうすりゃ、周りは何も言わなくなるだろ。

 

 緋真にも周りを認めさせるくらいに頑張らせないとな。

 というわけで、あっという間に緋真の婚約(仮)が決まった。

 緋真にまだ求婚してないから、まだ婚約(真)ではない。

 

 なんてことを考えてた数分前のオレシニサラセェ!!!

 

 帰る前に2人きりにしたら、顔を真っ赤にして戻ってきた緋真を見て、刀を取り出した俺を緋真がすぐさま止めた。

 どうやら、白哉からプロポーズされたらしい。

 早い、とんでもなく早いぞ朽木白哉ぁ!!!

 サラマンダーよりもはやーい! なんて言ってられっかぁ!!

 なに? ふるい?

 じゃあ、島風よりもはやーい! なん(略

 

 もしやキスしたのか! 接吻したのか!?

 緋真をじっと見ても口元を気にするようなそぶりも無い

 だが、緋真には逢い引きを隠してた前科がある……しかしそこまで踏み込むのも兄としてはどうかと思うので、疑問を呑む。

 

 もしも接吻していたら、俺は卍解まで至るかも知れない。

 

 

 一周回って落ち着いた。

 しかし、白哉の行動が本当に早いな。

 まさか2人きりにした途端求婚するとは……まぁ、それだけ思い合っているということだな。

 仲良きことは美しきかな……ただし、節度は守れ。

 

 

 しかし白哉と接してみると意外と普通だったな。

 牡丹鍋も気に入ったらしく、緋真も作れるって言ったら、表情は変わらないのに雰囲気がめっちゃ嬉しそうだった。

 緋真の料理は俺が作るよりも美味いからな。

 

 緋真にそのことを教えたらまた真っ赤になった。

 今日は林檎が良くとれるな。

 カメラが無いことが恨めしい……現世まで行って取ってこようか。

 いや、そうなると死神にならないといけないのか……。

 始解は出来るけど、鬼道は白雷くらいしか知らないし、歩法は春野野菜先生のやり方を真似ただけのなんちゃって瞬歩だし、白打なんて近けりゃ殴る蹴るくらいの喧嘩殺法だ。

 ついでに言うと勉強なんて大っ嫌いだ!

 

 なので、非常に口惜しいが……諦めるか。

 今の生活の方が楽しいし。

 

 さて、次に白哉が来るまで目一杯緋真を可愛がっておこう。

 簡単には会えなくなるだろうけど、月に一度は絶対に来させる。

 ルキアだって寂しがるだろうしな。

 

 

 

 

 だから白哉、君行動が早すぎるって……。

 翌日の夕方に白哉の霊圧を感じて、まさかと思って玄関に出てみたら瞬歩で目の前に現れたよ。

 その手には何やら紙束が……。

 なに? これが説得の署名?

 

 パラパラとめくって見ると、どれも違う筆跡で署名があった。

 ていうか、一番上に六番隊隊長朽木銀嶺とその下に朽木蒼純の名前で、朽木白哉と水無月緋真の婚姻を許可する、そして相手方の兄上を説得する為に署名を求むと書いてある。

 祖父と父の説得早くね?

 なんかあまりにも出来すぎてると思い、尋ねてみたら緋真は既に御二方と面識があり、気に入られたらしい。

 

 ……緋真よ、いつの間に瀞霊廷まで行った?

 どうやら君にはお話が必要な様だ。

 外堀埋められて本丸を攻められるどころか、既に首が取られていたよ。

 

 思いっきりため息をつくと、今度は手紙を渡された。

 それも二枚。

 既に予想がつくが、恐らく御二方からの手紙だろう。

 

 手紙を開くと、緋真がいかに良い子か(言われんでもわかっている)力説してあり、白哉との仲も良く(よくなかったら渡さん)四楓院家の当主も気に入っており(え、なにそれ聞いてない)是非とも我が家の嫁に欲しいとのこと。

 あとルキアも可愛いみたいなこと書いてあった。

 

 

 銀嶺さんの手紙を読み終わって思った。

 これ、断ったら攻めてくるんじゃね?

 しかも相手方、緋真にデレッデレじゃないか。

 反対意見はないのか。

 いや、断るつもりはないけどさ。

 ついでに言うと、緋真の人脈がチートになってる。

 まさかこの流れでルキアも朽木になるのか?

 

 そんな事を考えながら二枚目へ突入。

 こっちは祖父が色々済まない的な事が書いてあり、嫁入りしてもいつでも我が家を訪ねてきてくれと書いてあった。

 許可証と来賓用の服を渡しておくから、訪ねる事があったらそれを持っていつでも来なさいと書いてあった。

 

 お父さんめっちゃ常識人の上に気配り上手でした。

 まぁ、新婚の家に入り浸るつもりはないから月一くらいで顔を見せに行くか。

 そこまで考えて気づいた。

 既に結婚後の事を考えてる自分に。

 

 それに苦笑しながら、結婚を認める事を白哉に告げると、小さくガッツポーズしていた。

 なんか、俺の知っている白哉と違うがそういう世界なんだろうと、俺は考える事を放棄した。

 

 




やばい、時系列を整理してたら緋真と白哉が結婚したのは55年前……夜一達居ないやん……
けど、イチャイチャタイム増やしたいのでもうこのまま行っちゃうことにしました。
白哉が早く生まれてるって設定にすればなんとかなりますよね!

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