これはゾンビですか?~純白の翼は飛翔する~《完結》   作:nightマンサー

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第10話 ボーリング

 

 

 

 

 

 

 

シロナガ&アリクイ戦があったのが既に昨日の事。

今日は歩と織戸に誘われて、ボーリングに行く予定になっている。

今はマスク・ド・ナルドで昼食を買っていた。

 

「いらっしゃいませ~」

 

俺達は普通にマスク・ド・バーガーセットを頼んだが、

 

「ご一緒にマスクはいりませんか?」

 

店員がウルウルした目で俺と歩を見てきた。

俺は…すぐにギブアップしたよ。歩も熱心な勧めに負けたようだ。

俺と歩はバーガーセットとマスクを手に先に行った織戸を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼食も食べ終わって、俺達はボウリング場にきていた。

友達とボーリングなんて何年ぶりかなんて思っていると、準備が出来たようだ。

 

「よぉし、相川、井之上!漫画本一冊賭けて勝負だ!!」

 

織戸はボールを持ちながらそう言った。

 

〔ホント、織戸といるとこれが日常なんだって思えてくるな〕

 

俺は心の中で日常を与えてくれる織戸にちょっと感謝した。

そうしてしばらくボーリングを楽しんでいると、織戸が急にしゃべりかけてきた。

 

「おい見ろよ、二人とも!あそこのグループ!」

 

そう言って織戸は隣のレーンを指す。

 

「だらっしゃぁぁぁ!」

 

バコーーンッ!!

 

聞き覚えのある声がする、既に歩はうな垂れていた。

声がするほうに視線を向けると…

 

「よし、やっぱあたし天才だな!天才美少女悪魔男爵だな!」

 

アホ毛をピコピコと揺らしているハルナに、

 

「ハルナ、少し静かにしないと。周りの人のことも考えてください」

 

そのはしゃぎっぷりにブレーキをかけているセラに、

 

『…〔グビッ』

 

ボトルのお茶を飲んでいるユー…

相川家の居候集団が全員集合していた。もちろん俺を含めて…

 

「あそこのグループ滅茶苦茶レベル高いなぁ~」

 

織戸はそんな事を言っている。

 

「あの人は美人だな~。俺の好みドストライクだ!」

 

織戸はセラを見てそう言った。

どうやら織戸は大人っぽい人が好きなようだ。

 

「あの子は爽やかなストライフ」

 

次に織戸はハルナを見て言った。

…ハルナさん、ボーリングの玉をそんな風に回さないで、皆見てるよ。

 

「しかし、あの子は何故鎧を着てるんだ?

…あ、そうか!コスプレで撮影なのか!」

 

次はユーを見てそんなこと言ってた。

織戸、ユーにだけは手を出させないからな。

 

〔あれ、待てよ?もし俺と歩とあの3人が一緒に住んでるってばれたら…〕

 

やばい、本格的に、ガチで、真面目にやばい。

歩と目が合う、

 

〔〔なんとしても、ばれちゃいけない!!〕〕

 

俺と歩の心がシンクロした!!

そして歩はおもむろにさっき買ったマスクを…被るのぉ!?

 

〔ごめん、歩。俺こんなところでそれは無理だわ…〕

 

それで無くとも人見知りなんだ!こんな目立つの無理ぃ!

 

 

 

 

 

 

 

マスクが効いているのか、まだハルナ達はこちらに気づいてなかった。

ユー達は全員がストライクという恐ろしいスコアだった。

それに比べ俺達は一般的で、

順位は歩、俺、織戸の順だ。今は歩が投げてる。

歩はストライクこそ取れなかったがきっちり全部倒してスペアを取った。

俺と織戸が拍手していると、

 

「へたくそ、集中力不足もいいとこ」

 

…ハルナがいた。

 

〔ばれたあぁぁぁ!!絶対ばれたよねこれぇ!?〕

 

織戸は美少女が来たことに感激してどう言葉を掛けようか迷っているようだ。

 

「えっと、どちらさまですか?」

 

歩はまだ騙すつもりでいるようで必死に落ち着いた声を意識して尋ねていた。

 

「何言ってんの?」

 

ハルナはわかっていないようだ。万事休す!

 

「ハルナ、あなたの番ですよ」

 

セラさぁぁぁん!ありがとう、ホント助かったよ!

ハルナは自分のレーンへ帰っていった。危機は…

 

「ところで歩、何故そんな気持ち悪いマスクを被っているのですか、

いつもの3倍は気持ち悪いですよ」

 

『飛翔、何してるの?』

 

 

 

…すぐ目の前でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、相川も井之上も、俺に隠し事してたなんてな…」

 

結局、セラとユーの一言が決定打となり織戸に説明を要求された。

まぁ外国から来たって言って誤魔化しているけど。

 

「悪いな、こっちもバタバタしてたからさ」

 

「俺も歩の家に厄介になってる身だから、何も言えなかったんだ」

 

今俺達はデパートに来ている。

ハルナがパーフェクト出したから服を買ってくれと歩に強請ったからだ。

 

「まぁいいけどよ、話してくれたし…

で、アレはしたのか?なんつうかこう、トキメキイベントは…」

 

織戸は俺等だけにきこえるように聞いてくる。

 

「そんなことしたら、俺は今頃バラバラになってるよ」

 

歩は深刻そうな顔つきで言った。

これにはさすがの織戸も動揺しているようだ。

 

〔トキメキイベントか……〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまぁ~」

 

スーツ姿の俺をエプロンを着たユーが出迎える。

 

「おかえりなさい、

ご飯にする?

お風呂にする?

それとも……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おい!どうした飛翔!顔が真っ赤だぞ?」

 

「き、気にしないでくれ」

 

「そ、そうか」

 

 

〔何考えてんだよ俺!これじゃただの変態だぞ!

俺は変態という名の紳士になった覚えは後にも先にもない!〕

 

結局しばらく顔は真っ赤のまんまだった。

 

 

 

「あー。アレ可愛い!アユム見て!」

 

ハルナはさっきから服を選んでは歩に見てもらってる。

セラもユーも服を選んでいて、織戸は男として服の選別を手伝っているようだ。

 

〔ユーも楽しそうだな…ん?〕

 

そこで俺の視線はある店に向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は楽しかったな~、んじゃまた学校でな、相川、井之上!」

 

あれから歩はハルナとセラに服を買って、俺達はデパートを出て織戸と別れた。

ユーにも俺が「ほしい服があったら言っていいよ」と言ったが、

フルフルと首を横にしか振らなかったので、ユーの服は買っていない。

 

「楽しかったな、ボーリング!また行こうな!」

 

「そうですね、また行きましょう…4人で」

 

「もしかしてそれ、俺を抜いてですか…」

 

歩とセラとハルナは俺とユーの少し前を歩いている。

丁度いい…

 

「なぁ、ユー」

 

『何?』

 

そう言ってユーは俺のほうを向く。

 

「あの、さ、これ」

 

そう言って俺は小さな赤い袋を取り出してユーに渡す。

 

『これは?』

 

ユーは不思議そうに袋を見つめる。

 

「開けてみて」

 

コクリと頷いてユーは袋の中身を出す。

ユーが手に持っていたのは木で出来た三日月が印象的なネックレスだ。

ユーは驚いた顔で俺のほうを見る。

 

「さっきのデパートの服売り場の隣が小物ショップでさ。

それでその…ユーに似合うと思って………」

 

そう、さっき皆が服を選んでたときにたまたまそのネックレスを見つけたのだ。

作りもいいし、値段は…ちょっとしたけど。

 

『これを私に?』

 

「もしかして、嫌だった?」

 

俺は少し心配したが、

ユーが首をこれでもかと思うほど横に振ったので安心した。

 

『ありがとう、大切にする』

 

ユーはメモを見せた後、

ネックレスを両手で握り締めながら嬉しそうな〔俺がそう思っただけだが〕顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう?アユム、可愛い?」

 

ハルナは先ほど買った服を着て歩に見せている。

 

「ああ、可愛いと思うぞ」

 

歩は少し照れているのか顔が少し赤い。

 

「だが、この猫耳ヘアバンドを付けてくれ!できればメイド服で!!」

 

「こんの変態!!」

 

…何時から俺の親友は変態になってしまったんだろう。

少し現実から目を背けるために居間へと視線を移す。

居間ではユーが俺からもらったネックレスを早速付けてくれている。

それ以外はいつもと変わらない居間の風景だ。

そう思っていると、歩が居間からどこか見ているのが目に映った。

 

「今日はピザを取るか~♪」

 

「どうしたんだ歩。なんか急にご機嫌だな」

 

「いや実はね…」

 

そう言って歩が指差したのは玄関の方。

いったい何が…

 

 

 

 

そこではさっき歩が持っていたと思われる猫耳を装着したセラがいた。

 

「なるほど、確かにピザだ」

 

「だろ?」

 

セラの意外な一面を知った記念に…だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~、アルフレットガナーソンLなんて久しぶりだ!」

 

ピザを見て早々、ハルナはそんな事を言った。

 

〔アルフレットガナーソンL?ハルナの世界の食べ物かな?〕

 

そう俺が思っているうちにハルナはピザを一口。

 

「こ、これ、アルフレットガナーソンLじゃない!?」

 

食ってわかったのか、ハルナは落胆していたが

 

「あ、でもこれもうまいな!」

 

と言っていた。隣で歩が「いいのかよ…」と突っ込んでいたがハルナはピザを食べるのに夢中だ。

 

「歩、今日の命令の「今日一日わがままを言っていい」というのはまだ有効ですか?」

 

セラが歩を見てそんな事を言ってきた。

 

〔セラが服買ってたのってそれが理由か〕

 

道理で今日は機嫌が良かったわけだ。歩のこと名前で呼んでるし。

 

「どうしたんだセラ?」

 

歩が尋ねるとセラは思い切ったような顔で話し出した。

 

「実は私、和食以外口にしたことがないのです。

恥ずかしながらこのような食べ物は少々、その、怖いのです」

 

「大丈夫だよ、一口食ってみろって。うまいぞ」

 

「…吸血忍者たる者、いかなる敵が現れても臆さず戦うべし」

 

歩に背中を押され、

セラはまるで嫌いなものを食べる小学生のように目をつぶってピザを一口。

 

「…これは」

 

そうして目を開け一口、また一口。

 

「これほどまでとは…」

 

どうやら気に入ったようだ。

食卓はピザの登場で今日は一段と賑わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふい~、ピザって言うのもなかなかうまいじゃん。アユム、携帯貸して~」

 

「ほらよ」

 

ピザを食べ終わって、少し休憩しているとハルナがどこかに電話するようだ。

 

プルルルルル、プルルル、

 

「あ、大先生ですか?---あ、そうですか。

ではリフネイン年ライジング組、出席番号634526379番のハルナから連絡があったとお伝えください」

 

〔いやいや、一クラス何人いるんだよ!〕

 

6億!?普通にどっかの国の人口だろそれ。

 

「はぁ~、アーティファクトは見つかんないし、魔装少女にはなれないし、

大先生とは電話できないし、最悪だ~」

 

「なぁ、ハルナ。そのアーティファクトってなんだ?俺も探すの手伝うよ」

 

テンションが落ちたハルナを励ますように歩は言う。

 

「アユムなんかじゃ見つけられないっつーの」

 

「それでも、1人でも多く探したほうが見つかるだろ?

名前はなんていうんだ?」

 

「うん、そうだな。確かにその通りだ。えっと名前は……キョウドウ、

いや…キョウフ、そう、キョウフって奴だ」

 

ハルナは指をびしっと向けて言い放った。

 

「恐怖?それって形ある物なのか?」

 

「当たり前じゃん!こう白くて・・・四角い…」

 

ハルナは身振り手振りで表現するが何かわからん。

歩も分からないらしく、俺とセラに視線を向けてきたので俺とセラは首を横に振った。

 

「まぁ、見つかったら伝えるよ」

 

「あんま期待してないけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン。

突如相川家のインターホンが鳴る。俺は時計に目を向け時間を確認すると既に10時を超えている。

 

〔こんな時間に誰だろ?〕

 

ピンポーン。

 

「は~い、今でまーす」

 

歩は居間を出て玄関へ向かった。

 

〔まさか織戸が来たりとか「ドゴォォ!」…!〕

 

いきなり玄関の方から大きな音がした。

見に行こうと立ち上がると同時に、肩が血まみれの歩が居間に入ってきた…

 

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