これはゾンビですか?~純白の翼は飛翔する~《完結》   作:nightマンサー

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第13話 約束

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心配…掛けさせるなよユー」

 

俺はユーを抱きかかえながら俺は言う。

ユーの身体は今にも崩れてしまいそうなほど、か細いものだった。

俺はその身体が壊れないように、そっと地面に降り立つ。

 

〔ユーまで家からいなくなったから来てみたら…〕

 

降り立った俺の元に歩たちが近づいてくる。

 

「飛翔!お前身体は…」

 

歩は少し焦った声で聞いてくる。

 

「俺の心配はいい。それよりも…ユーを頼む」

 

俺はそう言って歩にユーを任せる。

 

「お、おい飛翔!アイツは生体の宝珠って言う死を無効にするアーティファクトを持ってるんだ!

その身体で-----」

 

「悪い歩…少し黙っててくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪い歩…少し黙っててくれ」

 

俺は飛翔に声を掛けたが、飛翔の雰囲気がいつもと全く違う。

飛翔から放たれるオーラに俺は何も言えなくなった。

飛翔は京子の所へ向かおうとするが、

 

グイッ、

 

俺に抱えられたユーが飛翔の袖を引っ張った。

飛翔は振り返ってユーを見る。

 

『殺しちゃ…駄目』

 

ユーのメモにはそう書かれていた。

飛翔は少し驚いた表情をしたが、すぐに笑顔を作った。

 

「……分かったよ、ユー」

 

飛翔は一言そう言うと、京子の元へ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は敵であると思われる女の子の元へと近づく。

 

「へぇ~。もしかして貴方が夜の翼ですか?ネクロマンサーの付き人って話でしたけど…

まさか本当にいるなんて----」

 

「一応確認しておく」

 

「はい?」

 

「ユーを攻撃したのは…お前か?」

 

俺の問いに返ってきたのは高笑いだった。

 

「当ったり前じゃないですか、馬鹿なんですか貴方は。

その人の魔力をもらうためにやってるんですよ。

アレだけの魔力を持っていながら使い手が話になりません…宝の持ち腐れですね」

 

女は続ける。

 

「それに負けると分かれば次は『死んで』と連呼して…

全く話に「黙れ」……!」

 

そう言って俺は〔天翼〕を振るう。

女は咄嗟に剣でガードするが…

 

ジュッ! バキン!

 

「なっ!?」

 

剣は〔天翼〕に触れると同時にあっさり折れた…いや、斬られたと言ったほうが良いだろう。

既にフレアモードになっていた〔天翼〕の翼に魔装錬器はあっさりと壊されたのである。

魔装錬器が破壊されたことで女はコスプレ衣装が消え、マントのみとなった。

だか、これでは〔天翼〕の勢いは止まらず…

 

ジュジャ!

 

「ああああああ!」

 

そのまま女の身体を横に真っ二つになってその場に崩れた。

俺は女の復活を待たずに空中へ飛ぶ。

 

〔温度変化開始、モード、フリーズ〕

 

「く、クソが…!?」

 

女は上半身と下半身がくっついて立ち上がろうとしていた。

 

〔そんなの…待つわけ無いだろ〕

 

俺は以前ヘレにやった技を放つ。

しかし今回は少し違う…

 

「何!?」

 

女が驚く。

そう、フリーズモードで放った羽一枚一枚はまるで1つ1つが氷柱のようだ。

それが吹雪のごとく女に襲い掛かる。

 

「ちぃ!」

 

女は2つ竜巻を発生させ、氷柱を防ごうとするが…

 

シュシュシュ!

 

「そ、そんな!」

 

氷柱は竜巻なんて無かったように竜巻を消し去り、女を襲う。

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

女は竜巻を出して安心していたので、氷柱は遠慮なく女に突き刺さる。

腹、胸、足、腕…身体のいたるところに氷柱を受け、女は再び地に伏した。

 

〔これで2回…もう数えるのも面倒だな〕

 

俺が地面に降り立つとさっきと同じように女は立ち上がった。

 

「こ、この…化け物がぁ!」

 

少女はがむしゃらに魔法弾を作って発射してくるが、

俺の〔天翼〕に全て防がれる。

魔法弾の連射が途絶えたところで俺は近づく。

 

「お前は感情を抑えないといけないのが…どれだけつらいかわかるのか!!」

 

ドガッ!

 

「がはっ!!」

 

〔天翼〕で女の横腹を強打…いや、砕く…

 

「声を出す事ができないつらさがわかるか!!」

 

ゴシャ!

 

「げぼっ!」

 

次は肩…

 

「普通に生活できないつらさが…お前にわかるか!!」

 

ドスッ!

 

「あ、あっあっ…」

 

そして心臓を貫く。

 

女はまた地面に倒れこむ、前と同じでまた女は立ち上がる。

 

「こ、のぉぉぉぉ!800!!」

 

女はさっきとは比べ物にならないほどの大きな魔法弾を連発するが

結果は変わらず、〔天翼〕を突破できない…

 

「う…そ……」

 

もう勝てない事が分かったのか女は震えだした。

女は魔法弾を撃った反動で手はもう使い物にならないでいる。

 

ゴシャァ!

 

俺は再び〔天翼〕で女の身体を切断する。

さっきと同様女はまた生き返ったようだが、ずるずると俺から逃げようとする。

 

「どうやら、これでラストらしいな…」

 

「い、いや……死にたくない…」

 

女の声には既に戦意はなく、身体も震えている。

 

「お前には…感謝してる」

 

「えっ?」

 

「俺の大切なものを改めて認識させてくれた……だから」

 

俺は〔天翼〕を振りかざす。

 

「俺は…大切なものを……ユーを傷つけたお前を許さねぇ!!」

 

ドゴォォォォォォ!!

 

一際大きな音が墓場に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バトンタッチだ、歩」

 

「いいのかよ、確かに俺は止めをさしたいけど…

それは飛翔も同じだろ?」

 

俺は歩達の所へ歩いてきた。

あの女は殺していない、最後の一撃は顔のすぐ横の地面に突き刺さった。

 

「確かにさしたいのは山々だけど…」

 

俺はユーの方を見る。

 

「約束だからな」

 

「…そっか」

 

「それに…結構頑張りすぎて少しやばいのよ」

 

「!」

 

俺は小声で歩にそう言うと歩は驚く。

 

「…大丈夫なのか?」

 

「まぁ、大事無いよ。一応…」

 

俺はそう言った後、歩の顔を見て言った。

 

「それに、この件は歩が背負ってたんだ。幕を下ろすのは歩の仕事だろ?」

 

俺は歩の肩に手を乗せながら言う。

 

「…あぁ、わかった。お膳立てありがとな」

 

そう言って歩は女の所へ行った。

俺はそれを見送ってからユーたちのところへ来た。

 

「羽の人!アンタすごいな!」

 

ハルナがはしゃいだ様に話しかけてきた。

 

「お疲れ様です、飛翔」

 

続いてセラが労いの言葉をかけてきた。

 

『終わったの?』

 

ユーが心配そうに俺を見てきた。

 

「あぁ、それに…約束は守ったよ」

 

『…ありがとう』

 

その時、ユーは少し嬉しそうな顔をしていたと俺は思った。

 

 

 

ふと歩に視線を向けると歩は女に向かって振りかぶっていた…が

次の瞬間、その腕は突然現れた何者かに止められた。

歩の声が聞こえる。

 

「おい、止めるなよ。コイツを生かしておく訳にはいか---」

 

 

 

 

「貴方がアユムさんですね~」

 

 

 

 

おっとりとした女の子の声が響く。

 

 

「うちの生徒に何してるんですかぁ~」

 

歩の腕をつかんでいる、青い髪のツインテールをした少女はにっこりと微笑んだ。

 

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