これはゾンビですか?~純白の翼は飛翔する~《完結》   作:nightマンサー

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第14話 ゾンビ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちの生徒に何してるんですかぁ~」

 

おっとりとした声が墓場に響く。

白衣を着た、青髪をツインテールにしている少女が歩の腕をつかんでいる。

 

「だ、大先生!!」

 

ハルナが不意に叫ぶ。

 

〔この人がハルナの先生、

まさかこれだけ離れてるのにここまで力が伝わってくるなんて…〕

 

ピリピリとした雰囲気がここまで伝わってくる。

至近距離にいる歩は嫌と言うほど感じているだろう。

 

「大先生、離してくれ。コイツはやっちゃいけないことをしたんだ」

 

「嘘です!私何もやってません!」

 

歩の言葉に女は異議を唱える。

 

〔あの女、ここまで腐ってるなんてな…〕

 

俺は女を睨みつける。

 

「大先生!アユムを信じてくれよ!」

 

ハルナも大先生に向かって叫ぶ。

 

「でもぉ~、この子は良い子ですしぃ~、

何より---今あなたがしてる事がぁ、いけないと思うんですがぁ?」

 

そう言って大先生は歩を投げ飛ばし、歩は砂利の上を転がる。

歩が立つと同時に大先生はポケットから日本刀を2本取り出し、両手で構える。

 

〔まずいな…歩だけじゃ100%勝てねぇ。

加勢に行きたいが…正直もう身体動かすのが精一杯だ〕

 

「大先生!何で信じないんだよ!…アユムは…こいつ等は、良い奴らなんだぞ!」

 

ハルナが必死で説得しようとするが、大先生は聞かない。

 

「んー、信じるにはぁ、材料が少なすぎますねぇ~」

 

そう言って大先生は京子を庇うようにして立つ。

 

「三人とも下がってろ。俺がやる」

 

歩はミストルティンを構え言った。

 

「あ、アユム!あんた大先生に勝つつもりなの!バカなの!」

 

ハルナはさっきより大きな声で叫ぶ。

 

「歩。私まで下げるつもりですか?」

 

そう言ってセラが瞳を真紅に変えて、手にはいつもの葉っぱの剣が握られていた。

 

「悪いな、俺も戦えればいいんだが…」

 

「何言ってんだよ。飛翔は十分戦っただろ?そこにいろって」

 

歩はそう言ってくれた。正直助かる。

 

「んじゃ、いっちょ行くか!」

 

「参ります!」

 

その言葉と同時に歩とセラが大先生に向かって走り出す。

 

「秘剣、燕返し!」

 

一番速いセラが切りかかる。

 

ガキッ、ガキッ、ガキッ!

 

大先生とセラの打ち合いが続く。

するとセラが歩の方に飛ばされた。

歩はセラを受け止めて、大先生に突っ込む。

 

ガキィィィン!

 

日本刀とチェーンソウがぶつかり合う。

 

「すごいですねぇ~。アユムさんはぁ、私の授業をちゃんと受けたらー、

きっと最強クラスの魔装少女になりますねぇ~」

 

大先生の前では歩も子供扱いされているようだ。

それでも、力では限界突破できる歩が少しは有利のはず…

 

 

 

 

だが-----

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ…」

 

ドシャァァ!

 

急に発生した黒い霧によって、歩と大先生が吹き飛ぶ。

黒い霧を目で追うとそこには怯えていたはずの女が立っていた。

 

「そんな…なんで…」

 

「ユー!?どうしたんだ!?」

 

隣にいるユーは震え、少しだけど声もだした。

まるで何かにおびえるように…

 

「安心してくれ、ユークリウッド。何もしないからさ」

 

女はさっきとはまるで雰囲気が違う。何かが女を通して話しているようだ。

 

「今日はこれで失礼するとしよう。それでは…」

 

そう言った女の身体を黒い霧が包む。

 

「…アユムさんが正解だったんですね。逃がしませんよぉ!」

 

大先生は消えてく女を追う。歩は力を使いきったのか、その場に座り込む。

俺は歩に近づく。

 

「大丈夫か、歩?」

 

「あぁ、なんとかな…」

 

そこにハルナも来る。

 

「すごいじゃん!大先生相手にあそこまで戦えるなんて!」

 

ハルナにしては珍しく歩を褒めている。

 

「歩、歩きづらいです。松葉杖になってもらいます」

 

歩の意思は無視なんだ…セラ。

俺はユーの方を向く。震えはもう収まっているようだ。

 

「なぁ、ユー。さっきの奴は一体誰だ?」

 

するとユーは少し悲しそうな目をしてメモを向けてきた。

 

『あれは私が消滅させたはずの…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾンビの力』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの事件から数日たった。

おかげで横腹の傷は完治した。傷が悪化したのをユーに知られた時、かなり怒られた。

まぁ、俺が悪いのだが…

結局大先生はあの女〔織戸の友達で入院してた京子と言う人物だった〕を逃がしてしまったようだ。

でも、これからは俺達に協力してくれるようだ。

京子の捜査も続けるそうだ。まぁ、前にあったエルスと言う女性も言っていたが、

この世界での殺しは魔装少女達の法に引っかかるそうだ。

これで、歩が殺された件はひとまず解決したわけだ。

で、今は数少ない休日なのだが…

 

「なんでプリン作ってたら石鹸になるんだっ!」

 

「ハルナが用意した食材に問題があると考えますっ!」

 

ハルナとセラが絶賛喧嘩中。

あれから知ったのだが、セラはかなり料理が下手だ。

一度お粥を作ってもらったのだが………ガチで意識が飛んだ。

ちなみに今俺はユーとお茶を飲んでる。

 

「はぁ?ちゃんとこの世界の物に合わせたじゃん!マズイ料理はあってもマズイ食材なんか無いの!」

 

「みんなでもう一回作ればいいんじゃないか?」

 

喧嘩を見かねた歩が仲裁に入る。

 

「………まあ、アユムがそういうなら」

 

「----そうですね。過ぎたことは忘れましょう」

 

2人とも歩の登場で落ち着いたようだ。

再びプリン作りに戻る。

 

「では私は牛乳を唐津焼に……」

 

「よしセラ、お前は風呂を沸かしてきてくれ」

 

「早速戦力外通告か、歩。…まぁ、正しいけど」

 

「飛翔まで……わかりましたっ!」

 

そう言うとセラは風呂場へ向かった。

 

〔そういえばユーって料理できるのかな?〕

 

ふと疑問に思ったので俺はユーに聞いてみる事にした。

 

「ねぇ、ユーは料理って出来るの?」

 

するとユーは少し考えてメモを見せてくる。

 

『飛翔は料理できるほうがいい?』

 

何故か疑問に疑問で返された。

 

「ん?いや、それは、料理できるんなら、その…

ユーの手料理も食べてみたいって言うか///」

 

〔って何言ってんだ俺ぇ!メッチャ恥ず!〕

 

そう思ったが時すでに遅し。

ユーは俺の答えを聞くと何か考えているようだ。

 

『〔今度ハルナに料理教えてもらおうかな…〕』

 

 

 

「おーい、2人ともぉ!手伝ってくれ!」

 

いろいろ考えていると、歩が声をかけてきた。

それからみんな〔セラ以外〕で作ったプリンを皆〔セラ入り〕で食べていると、

ハルナがしゃべりだした。

 

「そうだアユム!メガロ駆逐作戦に抜擢されたぞ!」

 

「「メガロ駆逐作戦?」」

 

俺と歩は同時に首を傾げた。

 

「最近メガロが大量に出てるから、

ヴィリエから魔装少女がたくさんくるんだぜ!爽快だろうな~」

 

ハルナは浮かれていたが歩は逆にうな垂れていた。

まぁ大変そうだもんな、駆逐作戦…

ふと隣に視線を移すと、ユーがプリンを食べていた。

少し顔が赤くなっているのがまた可愛い。

 

「そうだ、ユー。ユーは今の生活どう思ってるんだ?」

 

唐突に思い出した質問。

ユーはスプーンを置いて、メモを向けてくる。

 

 

 

 

『嫌いじゃない』

 

 

 

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