これはゾンビですか?~純白の翼は飛翔する~《完結》   作:nightマンサー

17 / 23
第16話 ゲームセンター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーーン、カーーンコーーーン

 

「それでは今日はここまで。しっかり復習しておくように」

 

それだけ言って先生は教室から出て行った。

 

「歩~。弁当食おうぜ」

 

俺はいつも通り歩に声をかける。

ユー達と七夕をしたのが昨日の夜の事。

俺と歩は普通の日常を満喫している。

 

「貴様が相川歩だな」

 

「はい?」

 

これから食事という所で一人の女子生徒が歩に声をかけてきた。

髪は黒のストレートで雰囲気がセラと似ている。

 

「話は聞いているな、これが例の物だ」

 

そう言って女子生徒は歩に一つのケースを渡してきた。

 

「確かに渡したぞ」

 

「いや、これって一体「プルルルッ、プルルルッ」…」

 

歩が聞こうとしたら女子生徒の携帯が鳴った。

女子生徒は携帯に出る。

 

「私だ、どうした……」

 

「えっと、あの「そんな事ぐらい自分で判断しろ!痴れ者が!」……」

 

歩が再度声をかけようとしたが、女子生徒は電話の相手に罵声を浴びせて歩き去ってしまった。

 

「歩、一体誰なんだ?」

 

「いや、俺も分からんのだが……」

 

そう言って歩は貰ったケースを開ける。

歩はケースに入っていた物を取り出すと……

 

「……メガネ?」

 

「……みたいだな」

 

歩がケースから取り出したのは黒ぶちのメガネだった。

 

「一体何に使うものなんだ?歩に渡してきたんだからなんかあるんだろ?」

 

「いや、覚えが無いのだが……」

 

「おい!ちょ、ちょっと!」

 

俺と歩がメガネについて考えていると、誰かが声をかけてきた。

 

「…って!お前昨日の!」

 

「ん?ああ、この前歩とキ「「言わせねえよ!」」…」

 

何故か見事にハモッた二人のおかげで俺の声は遮られてしまった。

 

「その、な?その事でなんだけど……ほら」

 

そう言って女子生徒2〔?〕は歩に…アレは弁当か?

 

「え?」

 

歩は突然の事に頭が回っていないようだ。

 

「ほら、その……あれはオレたちにとって大切な掟なんだ…!」

 

「掟ぇ?」

 

俺には彼女の言っている事が分からん…。

 

「いや、その掟の事はセラから聞いてる。

その…この前の事は事故だろ?そんなんで結婚って……」

 

「でも!オレ達にとって掟は大切なものなんだ!

オレはその事に誇りを持ってんだ!!」

 

歩の意見に彼女は反論する。

 

〔なるほど……予測だが、

おそらくキスした相手と結婚するみたいな掟があるんだろうな。なんて面倒な……〕

 

「だから、オレは……相川の嫁だ!!!」

 

俺が考えをまとめていると、彼女は歩に向かってそう宣言した。

 

「おお!トモノリじゃんか」

 

その宣言後、織戸が俺たちの所にやって来た。

 

「おま、トモノリ言うな!!」

 

「「トモノリ?」」

 

俺と歩は同時に首をかしげた。

なんせ女の子の名前とは正直思えなかったからだ。

それに…

 

「織戸、お前こいつの事知ってんのか?」

 

歩が俺の疑問を代弁してくれた。

 

「隣のクラスのトモノリだろ?」

 

「だ~か~ら~!!トモノリ言うな!!」

 

トモノリと呼ばれた少女は織戸の襟を掴んで振り回す。

 

「んで、織戸。トモノリって言うのはなんだ?」

 

俺は息切れしている織戸に聞く。

すると織戸は黒板に【友紀】と書く。

 

「これ、トモノリって読めるだろ?」

 

「「納得」」

 

いや、納得の理由だね。

 

「バカ!メガネかけてよく見てみろ!!」

 

そう言ってトモノリは歩が持っていたメガネを奪って、

無理やり歩にかけさせた。

 

「うぉぉ!?」

 

「どうかしたか歩?」

 

メガネをかけた歩が何故かでかい声を出していた。

すると歩はメガネを外して俺に渡してきた。

かけてみろって事らしい。

 

「全く一体どうし……!!?」

 

メガネをかけた俺は驚いた。

なんと周りにいる人の服が透けて見えるのだ。

俺はメガネをはずし歩に返す。

そして一言…

 

「変・態」

 

「俺が頼んだんじゃねぇよ!!…ってあれ?飛翔、お前顔赤くなったりしないな」

 

〔なんだ、そんなことか…〕

 

俺は歩の肩に手を置く。

 

「歩、お前俺の自称病の事覚えてるよな?」

 

「………ごめん」

 

まぁ、今見たのがユーだったらたぶん俺は血の海に沈んでいただろうがな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、また明日」

 

「おう、また明日」

 

そう言って織戸は教室から出て行った。

現在は放課後である。まぁ俺らはいつも道理、歩が帰れるまで教室でダラダラしている。

 

「アユム」

 

歩を呼ぶ声がしたのでそちらを見てみると、

この前デパートで買った服を着たハルナがいた。

 

「ハルナ?何でここに?」

 

「あ、あたしが迎えに来ちゃいけないのか?」

 

ハルナは顔を赤くしながら答える。

 

「そっか、ありがとな」

 

歩はそう言いながらハルナの頭を撫でる。

 

〔迎えか……ユーが来てくれたらなぁ…って何考えてるんだ俺は!?〕

 

俺は頭に浮かんだ考えを吹き飛ばすため頭を振る。

 

クイッ、クイッ、

 

不意に制服を引っ張られた。

 

〔一体誰……!?〕

 

俺はその人物を見て驚いた。

そこにはいつも通り、ガントレットとプレートアーマーをつけたユーが立っていた。

 

「ユー!?何でここに?」

 

『飛翔を迎えに来た』

 

「そ、そうなの?でもどうして急に迎えなんて…」

 

いや、滅茶苦茶嬉しいんだけどね?

脳の処理が追いつかないんだよ。

 

『ハルナが歩を迎えに行くって言ったから』

 

「な、なるほど…」

 

『迷惑だった?』

 

ユーは突然来た事に俺が迷惑がってると思ったのか、そう聞いてきた。

 

「そんなことないよ!ユーが来てくれて嬉しいよ俺」

 

『よかった』

 

そんな事を俺たちが話していると歩が声をかけてきた。

 

「なぁ飛翔。これからゲーセン行かないか?ハルナのおかげでテストがうまくいったからその礼にな」

 

「ゲーセン?俺はいいけど……」

 

俺は隣に居るユーを見る。

ユーはゲーセンが何かわからないのか首をかしげている。

 

「ユー、ゲーセン行ってみる?」

 

『…行ってみたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ド派手な音が耳を直撃する。

学校を出た後セラも呼んで相川家総出でゲーセンに来ている。

 

「何!?この魔道具達は!?歩、私を殺す気か!?」

 

ハルナはゲーセンが気に入ったのか滅茶苦茶はしゃいでいる。

するとハルナはゲーセンの奥へと入っていってしまった。

 

「おい、待てよハルナ!」

 

歩はその後を追いかける。その後をセラも追いかけていった。

 

〔なんか……微笑ましいな〕

 

俺がそんな風に思ってると、ユーがメモを見せてきた。

 

『飛翔、ここには何があるの?』

 

ユーはこの騒音に少し怯えているように見えた。

ゲーセンはユーには少し合わなかったかな?

 

「ユー大丈夫?キツイなら帰ってもいいけど?」

 

『大丈夫』

 

そう言ってユーは俺の服をつかんできた。

こうなったら、せめてユーを楽しませてあげないと…

そう思った俺の目にUFOキャッチャーが映った。

 

「そうだユー。あれして見る?」

 

俺はユーを連れてUFOキャッチャーの前まで来た。

 

『これは?』

 

「えっと、UFOキャッチャーって言ってね、見てて」

 

そう言って俺は財布から100円を取り出して機械に入れ、ボタンを押す。

 

ウィィィィン

 

アームが動き出す

ボタンを操作して目標のぬいぐるみのところまで持って行き止める。

そして……

 

スカッ

 

……………

 

…………………

 

〔うわぁ!何で持ち上がらないの!?メッチャ恥ず!〕

 

そう思ってユーを見るとユーはこちらを瞬きせずに見ていた。

 

「えっとねユー。ホントはこのアームでぬいぐるみを掴んでここまで運べばいいんだ」

 

俺はそう言ってユーに100円を渡す。

 

『やってみる』

 

ユーは俺からもらった100円を握り、UFOキャッチャーの前に立つ。

100円を投入し、アームを動かす。

 

ウィィィィン、ガシッ、ウィィン、ポトン

 

………

 

……………

 

…………………

 

「す、すごい……初めてで取れるなんて……」

 

『そうなの?』

 

ユーは不思議そうに首をかしげる。

どうやらユーはUFOキャッチャーが得意なようだ。

 

「ユー、もっとやる?」

 

『いいの?』

 

「うん、せっかく来たんだから楽しまないとね」

 

そう言って俺はユーに1000札を渡す。

 

『ありがとう』

 

それからユーは再びUFOキャッチャーをし始めた。

しばらくして歩達がこっちに来た。

 

「……歩、どうして顔にあざが出来てるの?」

 

「飛翔……まぁ、想像に任せるよ……」

 

そう言って歩はセラの方を見る。

 

〔………ああ、大体想像できた〕

 

とりあえず歩に労いの言葉をかけているとハルナが声を上げた。

 

「アユムッ!あれ何?」

 

そう言ったハルナの指差した方にはプリクラがあった。

 

「ああ、あれはプリクラだ」

 

「プリクラァ?」

 

ハルナが分からないのか歩に聞き返している。

不意にユーがメモを見せてくる。

 

『プリクラッシュセーフティシステムのこと?』

 

「えっと………それではないと思うよ」

 

「確か車の機能だったと思うぞ」

 

わからない俺に歩が助け舟を出してくれた。

 

「んで?なにする奴なの?」

 

「写真を撮るものですよ、ハルナ」

 

セラがハルナに教える。

するとハルナは目を輝かせた。

 

「よし!アユム、撮りまくるぞ!撮り殺そう!」

 

そう言ってハルナを先頭に俺たちはプリクラに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たのしかった~」

 

俺たちはプリクラを撮った後、ゲーセンから出て帰路についている。

ちなみに俺は大量のぬいぐるみが入った袋を両手に持っている。

全てユーがUFOキャッチャーで取ったものだ。

袋もらうとき店員さん苦笑いしてたな…。

歩はさっきプリクラで撮った写真を見ている。

俺も横からそれを見る。

 

ハルナが手を突き上げて白い歯を見せている奴。

セラが微笑みかけている奴。

俺がユーのほっぺたを引っ張って笑顔にした奴。

どれも良い写真だと思う。

 

「アユム!またここ来たい!」

 

「ゲーセンくらいいつでも連れてきてやるよ」

 

「それなら少しはゲームの腕を上げることですね」

 

ハルナとセラはゲーセンが気に入ったようだ。

歩も二人が楽しそうなのを見て笑顔になっている。

ふと俺は思い出してユーに聞いてみる。

 

「なぁユー。ユーはゲーセン楽しかった?」

 

それが不安だった。

最初の方はゲーセンの雰囲気に怯えていたから、

楽しめたのか聞いておきたかった。

するとユーはメモを突き出してきた。

 

『飛翔と一緒にまた来たい』

 

俺はそのメモを見て安心した。

 

「そっか、じゃあまた一緒に行こうか、ゲーセン〔ニコッ」

 

『////〔コクッ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「赤は血で真っ赤になってんだよな!」

 

信号待ちをしているとハルナがそんなことを言い出した。

 

じゅるり…

 

セラさん、血と言う言葉にそんな敏感に反応しないでください。

周りの人が見てるよ…

 

そうこうしてる内に信号が青に変わった。

皆が横断歩道を渡る。

俺は普通に歩いていたのだが、隣にユーがいないことに気づいた。

辺りを見回すとユーは1人の男と向かい合ってた。

少し長い髪を後ろで1つ結んだ落ち着いた雰囲気の男だ。

 

「ユーどうし「ユークリウッド、何故ここに…」……!」

 

俺は瞬時に身構える。

 

〔この男、ユーの名前を知ってる!!〕

 

ユーは恐る恐るメモを向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『夜の…王』

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。