これはゾンビですか?~純白の翼は飛翔する~《完結》   作:nightマンサー

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第4話 介入

 

 

 

 

あの魔装少女襲撃から随分経った。

高校受験は何とかうまくいき、この春はれて俺は高校生になった。

前世じゃ男子校だったから、男女共学の高校に通うのは初めてだ。

まあ普通二度も高校生活送るなんて事できないけど…。

太陽の日差しが眩しい、もう高校に入ってから初めて

…いや、俺にとっては二度目の夏がきた。やはり地球温暖化の原因だろうか、

とても蒸し暑い…っと、この天気じゃあいつが心配だ

 

「おーい、歩!生きてるか~?」

 

「つ…飛翔、いい所に、み、水を…〔ガクッ」

 

「はいはい、いつものね。」

 

そう言って俺はかばんに入れていたペットボトルを取り出す。

毎度毎度こうなるので常時入れているのだ。

………………カーテン閉めればいいのに。

そう思いつつ俺は歩に水を頭からかけてやる。

 

「うぅ、サンキュー飛翔、助かったよ」

 

「いいって、俺たち親友だろ?」

 

「お前と出会えてホントよかった」

 

「おおげさだな」

 

あぁ、説明が遅れたな、こいつの名前は相川歩…

 

 

 

 

ゾンビだ。

 

 

 

 

まぁ、いきなりこんなこと言われてもピンとこないからな…

少し時間をさかのぼることにしよう。

あれは今から数週間前だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジですか?」

 

俺はいつものように学校が終わってからコンビ二で買い物して、

自分の住んでるマンションに帰ってきたところだ。

あぁ、ユーとは今会っていない。

べっ別に嫌われたとかそんなんじゃないぞ!!

冥界でやる事があるからって、俺が高校生になってから冥界に帰ったんだ。

 

それで、今日はコンビニでクラスメートの相川とたまたま出会ってコンビニの話で意気投合して、

いい友達ができていい気分だった。実は俺女性恐怖症の上、

人見知りもするからクラスの人に話しかけられなかったんだよな…。

んで、そんな気分のいい俺に最悪のニュースが突きつけられた。

 

「えぇ、どうやらお隣の部屋の人のタバコの火の不始末だそうです。」

 

そう、なんと俺が住んでいたマンション、正確には俺が住んでいた部屋の階のほとんどが黒こげ状態だった。原因は俺の部屋の隣の人のタバコの不始末だそうだ。

 

「隣というだけあって、あなたの部屋の被害が大きくて

…しばらくは別の場所で寝泊りしていただけますか?」

 

と警察官は申し訳なさそうに俺に言った。

 

「いや、そんな顔しないでください。あなたが悪いわけじゃないんですから。

とりあえず寝泊りできるところを探して見ます」

 

「そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいです」

 

そう言って俺はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とは言ったものの…これからどうするか」

 

いつもユーと会っていた公園のベンチに座って俺は途方にくれていた。

だっていきなり家がなくなりましたって言われても実感わかないだろ?

とりあえず…今日は誰かの家に泊めてもらおうかな?

いや、いきなり泊めてといって了承してくれる友達がいない…。

今からホテル探すか。

 

「はぁ、不幸だ」

 

「ん、井之上じゃないか、こんなところでどうしたんだ?」

 

俺はその声に導かれるように顔を上げた。

そこにはコンビニの袋をぶら下げている、今さっき友達になったばかりの相川の姿があった。

 

「あぁ、相川か?」

 

「どうしたんだ?そんなやつれた声を出して、何かあったのか?」

 

「いやな、実は…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか、火事で………」

 

「そっ、でこれから今日泊まるホテルを探しに行こうとしてたところだ」

 

そう言って俺は立ち上がる。

 

「こんな話聞いてくれてありがとな、相川。じゃ、俺行くわ」

 

そう言って歩き出した、が

 

「なぁ、井之上がいいんなら俺の家に来ないか?」

 

「え?」

 

「いや、俺ん家両親海外旅行してて何時帰ってくるかわからんし、

井之上が嫌じゃなかったら…」

 

「いいのか?」

 

正直ありがたい話だ。でも会ってまだ間もないのにそんな図々しい事するのも…。

 

「当たり前だろ?俺たちもう友達じゃんか」

 

「相川……」

 

俺はいい友達にめぐり合えたんだな…。

このことを祝かのように夕日は真っ赤に燃えていた。

 

「ありがと、相川。それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」

 

「あぁ、それと俺のことは歩って呼んでくれ」

 

「なら俺も飛翔って呼んでくれ」

 

「あぁ、わかった飛翔」

 

「おう、歩!!」

 

こうして俺らは親友になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから歩の家に居候しだしてから2週間ぐらい経ったころだ。

今は夜中の11時前、ちなみに俺は歩の家の一室を借りてパソコンをしてた。

するとコン、コン、とノック。

 

「入っていいよ歩」

 

「あぁ」

 

そう言って入ってきた歩は財布を持っていた。

 

「どっか出かけるのか?」

 

「あぁ、ちょっとコンビ二まで。飛翔はどうする?」

 

「愚問だな。ちょっと待っててくれ、準備するから」

 

「あぁ、わかった」

 

そう言って歩はドアを閉める。

 

「さてと」

 

俺はパソコンの電源を落とし、財布を持って歩の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「月が綺麗だな」

 

「飛翔がそんなこと言うなんてな」

 

「ん、知らなかった?俺月好きだよ」

 

歩と俺はすでに暗くなった夜道を歩く。街灯がちかちかしていてあまり役に立っていないが、

今夜は満月、月明かりを楽しむにはよい仕事ぶりだ。

 

「へぇ~、おっ着いたぜって…」

 

そう言った歩が固まっていた。まるでゴーゴンにでも見られて石になったかのように…

いったい何を見て…………

そこまで言って俺も固まってしまった。

コンビニの入り口の端にちょこんと座っている女の子、

世界が嫉妬しそうなほどの銀髪のロングヘアー、おとぎの国から来たような西洋の鎧、

間違いない…

 

「ユー…」

 

俺は小さく呟いた。高校生になってから会っていないから約2ヶ月強かな、

それだけの時間なのにとても長く感じた。それほど俺の中でのユーの存在は大きいものなんだ。

そんな感動に俺が浸っていると…

 

「すみません、ものOけ姫を信じますか?」

 

 

歩がバカな質問をした。

いやいや!!ここ感動の場面なんだよ!!雰囲気一気にbreakしてくれちゃったよ!!

 

プイッ

 

ほら見ろ!ユーもそっぽを向いちゃったじゃないか!?

そう思い歩を見るとなんだか膝をついて落ち込んでいる。

喋りかけたかったの?今ので?

すると歩は何か思いついたように顔を上げその場から少し離れる。

何する気だ?

 

「おりゃーー!!」

 

そう言うと歩はいきなり走り出した。

あの構えは………ロンダートからのムーンサルトォ!!!

歩そんなことできたのか!!?

 

 

 

 

グキッ

 

 

 

あっ、今嫌な音が。そう思った途端、

 

「ぎゃぁーー!!」

 

歩むが盛大にずっこけた。見ると足を押さえている、

…足首ひねった音だったんだ、今の。

そう思いユーに視線を向けると肩が小刻みに揺れている。

…笑ってるのかな?

するとユーは歩むの服を引っ張る。

 

『面白かった』

 

ユーが歩に突き出したメモにはこう書かれていた。

歩はそれを見て少し安堵したように見える。

…よかったな歩、苦労が報われて。

そう思っているとユーは再びメモを見せてきた。

 

『だから二度とするな』

 

歩は「何でやねん」って顔してるな。まぁ、ユーの事知らなければそうなるわな。

一呼吸おいて俺はユーに話しかけた。

 

「ユー、久しぶりだな」

 

『飛翔、久しぶり』

 

「あれっ、飛翔たち知り合いなの?」

 

「まぁな、それよりユー、お腹減ってるだろ、いつものでいいか?」

 

コクッ

 

ユーは首を縦にふる。

 

「じゃあ、ちょっと待っててくれ〔ニコッ」

 

『!〔コクコクッ』

 

そう返事するとユーは顔を赤くして頷いた後下を向いた。

 

 

 

 

やばい、超可愛い

最近会っていなかったからホント寂しかったんだよ!!

こうしちゃいられないな。早くファミOキを買ってこなくては!!

 

「じゃぁ歩、ちょっとユーの事見ててくれ」

 

「ちょっと待て、ファミOキ買ってくるんなら俺の分も買ってきてくれ。

金後で払うからさ」

 

「わかったよ」

 

そう言って俺はコンビニに足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、お待ちどうさん」

 

「おっ、悪いな」

 

『ありがとう飛翔』

 

「いいって、これくらい」

 

そう言って俺はファミOキを二人に渡す。実はこれがラス2だったりするため俺の分は無い。

まぁ、ファミOキが欲しかったわけじゃないけど・・・・

 

『飛翔は食べないの?』

 

「あれ、ホントだ。飛翔、お前の分は?」

 

俺が食べないのを不審に思ってか二人が心配してくる。

 

「あぁ、その2つで売り切れちゃったんだ。俺は腹減って無いから二人とも食べていいよ」

 

そういうと歩は「そうか、悪いな」と言って食べることに戻った。

ユーはと言うとなにやらファミOキをじっと見つめている。

 

「?ユーどうかしたのか?」

 

そう聞くとユーは

 

『はんぶんこ』

 

と言って自分が持っていたファミOキを手で2つに割りその片方を俺に渡してきた。

 

「え!…いいのユー?」

 

コクッ

 

少し顔を赤らめてユーは言った。

 

 

 

い、いいのか俺!!ここで受け取ってしまって!?

なんかすごく恥ずかしいんですけど!

歩もニヤニヤしながらこちらを見ている。

断るべきか・・・・

 

『嫌?』

 

「ううん、もらうよ。ありがとうユー」

 

あんなこと言われて断れるわけ無いじゃん!!上目遣いだぞ!

もともと全然嫌じゃなかったし!!

 

 

 

 

 

 

 

それから俺ら3人は他愛も無い雑談をした。

しばらく話して歩は

 

「俺さき帰るから、遅くならないうちに帰って来いよ」

 

と言って先に家に帰った。歩ありがとう!!

今の歩はとても輝いてるよ!!

 

 

ということで今はユーと二人っきりだ。

やっぱユーは可愛い。見ていて全然飽きない。

 

『どうかしたの?』

 

俺がユーを見ていたからだろうか、ユーが尋ねてきた。

 

「いや、俺嬉しいんだ。ユーとまた会えて」

 

『私も嬉しい』

 

「そっか」

 

ユーもそう思ってくれてたんだ。なんかいいな、こういうの・・

 

ポンッ

 

『!』

 

「えっ、あ!ごめん、つい…」

 

気づくと俺はユーの頭に手を置いていた。なんか自然に動いたってゆうか、

急いで手を引っ込めたけど、まずかったかな…

 

『いい、嫌じゃなかった』

 

「そ、そうか。よかった」

 

ひとまず嫌われていないことに安堵、

ふと思って夜空を見上げる。夜空では満月が神々しく輝いていた。

 

クイッ

 

夜空を見上げているとユーに服を引っ張られた。

 

「どうかしたの?」

 

そう言うとユーはメモを見せる。

 

『歩が危険』

 

えっ……………………

 

 

 

 

 

 

ユーに連れられて俺は住宅街に来ていた。

 

「ねぇ、ユー。歩が危険ってどういうこと!?」

 

『この辺りで魔力が使われた痕跡がある』

 

「あのときの奴か?」

 

フルフルッ

 

ユーは首を横にふる。

 

『あの時のとは違う』

 

「そうか……で歩は何処に」

 

『ここ』

 

そう言ってユーはひとつの家を指差した。

 

「よし、ユーはここで待ってて」

 

そう言って俺はその家に入る。

 

家の中は酷いものだった。壁は血まみれ、家具も何かに切られたように大破していた。

そしてその廊下で倒れている人を見たとき、俺は絶句した。

 

「おい、歩!!しっかりしろ歩!!」

 

そう言って俺は胸を貫かれ血まみれになっている歩を抱き起こす。

しかし息があるわけが無い、これだけの重症だ、即死だっただろう。

 

「せっかく、親友が出来たってのに…こんな別れ方あるかよ!!」

 

そう言って俺は冷たくなった歩を抱きかかえる。

 

「なにか、何か方法は無いのかよ…」

 

そう思っているといつの間にかユーが隣に来ていた。

 

「なぁ、ユー。歩を…救う方法は無いのか?」

 

『ある』

 

そのメモを見た俺は驚きを隠せなかった。

 

「あるのか!?」

 

『ここでは出来ない。人のいない場所に移動しないと』

 

「もしかして、言葉の力を使うのか?」

 

コクッ

 

ユーは頷いた。確かにユーの力なら出来るかもしれない、でも…

 

「それ、痛いんだろ?」

 

そう、ユーの言葉の力は強大だがそれなりのリスクを伴う。

それを使うと激しい頭痛に襲われるのだ。

 

『大丈夫、耐えられるから』

 

「ユー…」

 

『それに、歩は飛翔の大切な友達。』

 

「あぁ、そうだ。ありがとうユー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして俺とユーは人のいない場所に移動した。

 

「ここでいいかユー?」

 

『問題ない』

 

「そうか」

 

そう確認して俺は歩を地面に寝かせた。

 

『飛翔は離れていて』

 

「あぁ、わかった」

 

そう言ってユーから距離をとる。

ユーの言葉は聴いた者すべてに影響を与えるからこうするのである。

 

 

しばらくすると歩が起き上がった。

 

「あれ、俺確かに貫かれて…!君は飛翔の…」

 

『落ち着いて』

 

「もしかしてこれしたの君?」

 

『そう。私が死なないようにした』

 

「はぁ!!じゃなにか、君はネクロマンサーだとでも言うのか!?」

 

『そう』

 

「まじかよ…」

 

「歩!!よかった!」

 

「飛翔!!これはいったいどういうことだ!?もしかしてお前もネクロマンサーだったりするのか!?」

 

「生憎俺は違うよ。まぁ多少一般人と違うとこがあるとすれば…」

 

これかな----

 

ブワッ!!

 

俺は〔天翼〕を出現させる。

 

「!」

 

これ見せちゃもう歩の家にはいれないかもしれんが…

見せないとなんか騙してるみたいだしな。

 

「驚いただろ、歩が嫌って言うんなら俺は歩の家を出て行くけど…」

 

「何言ってんだよ。飛翔がどんな姿になったって飛翔は飛翔だろ?」

 

「歩…」

 

「たかが翼だろ?これからも頼りにしてるよ親友!」

 

「…………ああ!!これからもよろしく、親友!!」

 

なんかいいなこういうの……温かい気持ちになる。

 

「あ!でも俺が生きてるってばれたらまた犯人が…」

 

『心配ない、私が一緒に居る』

 

「え、じゃあユー歩の家にすむのか?」

 

『そう』

 

「じゃあ、ユーと一緒に住めるのか。これからよろしくなユー」

 

俺はユーと握手した。ユーの手は思っていた以上に柔らかかったと言っておこう。

 

 

 

 

 

 

「なんか俺、忘れられてね?」

 

「そんなこと無いぞ!?なっユー!」

 

コクコクッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁそんなこんなで今の状況だ。

 

「歩~。日も落ちたし帰ろうぜ」

 

「おう、そうだな」

 

家ではユーが待ってるし、さてと、今日の晩御飯は何にしようかな。

 

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