NARUTO~木の葉の九尾・逆行伝   作:宮柴 舟

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皆がうつむき気持ちをこらえていた。
部屋にいるものも家に入りきれないもの皆が悲痛な面持ちでに涙をこらえていた。
七代目火影うずまきナルトが死を迎えようとしている。
ナルトは最後の気力を振り絞り口を開いた。


第一話

 皆がうつむき気持ちをこらえていた。

 部屋にいるものも家に入りきれないもの皆が悲痛な面持ちでに涙をこらえていた。

 七代目火影うずまきナルトが死を迎えようとしている。

 ナルトは最後の気力を振り絞り口を開いた。

 

「ボルト傍にいるのか…もうあんまり見えねぇけどお前は父ちゃんの誇りだ。九代目の火影や…木の葉丸達と共にこの里を…皆を守ってやってくれ」

 

「あぁ、父ちゃん任せろってばさ」

 

「はは、忍者は人前で涙をみてちゃ駄目だってばよ」

 

「ヒマワリお前にもいやな役回りをさせてすまなかったな、波風と日向をそれからボルトを支えてやってくれ」

 

「はいお父様」

 

「孫たちの顔も視たかったが・・・もう限界みたいだ。真っ暗になってきたってばよ…」

 

 かろうじて視界に入る全員にを一礼した後ナルトは静かに口を開く。

 

「最後だから伝えておくってばよ。ボルト、ヒマワリ、孫たちそして木の葉の里の皆。俺ってば結構幸せだったってばよ…みんな愛してたってば・・・ょ」

 

 そう告げてナルトは静かに目を閉じた。

 

(ようやく、サスケ達皆に会いに行けるなぁ…ヒナタもずいぶん待たせてごめんだってば…)

 

「七代目様」「父ちゃん」「お父様」「ナルト」「おじいちゃん」

 

 最初は火影の厄災として里の皆に疎まれていたナルト、だが友を得て持ち前の明るさとド根性で英雄となり亡き父波風ミナトの様に火影となり木の葉のために走り抜けていった。

 その日心優しい九尾の人柱力が死んだ。

 堰を切らしたように皆が皆。天すらも涙を流し先代の火影を尊んでいた。

 

『ようナルトそろそろお迎えか?』

 

 ナルトの中にいた九喇嘛がいままでどおりの声でナルトに語りかける。

 

「あぁ、そろそろみてぇだな。もう外の声は聞こえねえみてぇだ…」

 

『この数十年いろんなことがあったよな。悪かったなナルト』

 

「なにいってんだ九喇嘛。相棒のおめぇがいたから木の葉の里を守れた、火影にもなれた…親として二人も子にも恵まれた。感謝しかねぇってばよ」

 

『そうか、俺ももっとお前とバカしたかったがな』

 

 そういって拳と拳を合わせて子供のころのようにニシシを笑いあう

 

『お別れだなナルト、楽しかった。こんど生まれ変わったならまた会いに行ってやる』

 

「寂しい思いをさせてわりぃ。ならその時までお別れだな九喇嘛。その時はまた一緒にバカするってばよ」

 

 

 ~~

 

 

 時は流れ九喇嘛は一人森の中にいた。

 何をするでもなく最早天災などともいわれなくなり、木の葉の里のアカデミーの生徒たちが修行や遊びに来るような穏やかな森だった。

 通称九喇嘛の森と呼ばれるその森。先日も里の忍たまが手裏剣の修行をしていたので眺めていた。うまく的に当てれないらしくアドバイスを求めてきたのでチャクラをホンの少し貸して補助をしてやった。

 

「ありがとう九喇嘛の狐さん」

 

 逆だろがガキぃと思いながらも、ありがとうなんていわれると嬉しくおもう。

 他にも現在の火影がフラッと酒や油揚げを持参してやってきて愚痴を吐くのを聞いてやったり、ときには相談なんかも乗ってやった。

 

「…そんな平和になったいまだからこそ、お色気の術は研究しなきゃ七代目様に顔向けできないんですって」

 

「お前も年なんだからそんな下らねぇ術にうつつを抜かす前に、先日話してた次の火影を育成するほうが先だろうが。木の葉丸にいいつけんぞ」

 

「そ、それは待ってください。あの人三代目様以上の術の使い手なんですって、下手したら」あわわわ

 

 などと冗談をいえるような友も多少は増えてきた。これもナルトのお陰なのだろうなと九喇嘛は懐かしんだ。

 

「また相談という名の愚痴をいいにきますって。それじゃー」

 

 そんな生活が続いてた日、いつものように転寝をしていた九喇嘛は突然真っ白な空間に飛ばされた。

 

『真っ白だな、儂もとうとうお迎えってやつが来たのか?』

 

 そんなことを考えていたら覚えのある声が聞こえてくる。

 

「いや儂が口寄せした。久しいな九喇嘛よ」

 

『あぁ六道の爺なんで?口寄せだと、ここは何処だ』

 

「まぁまて九喇嘛、儂は今天上神ってやつに手伝いをさせられている。いまいるここは何処でもない始まりの世界の一部だ」

 

『よくわからん、ともかく爺が儂にいまさら何の用があって呼び出した用もないのに呼び出したとかなら全力で (〝お手〟すんぞ?』

 

「相も変わらずせっかちじゃなぁ、(てか全力の“お手”とか食らったら潰れてまた死ぬわっ。追加で“お替り”もきっとしてくるに違いないわい)全く…実お前のいる世界とは別の世界でも戦争の歴史を繰り返しそうなんじゃが…そこでだ九喇嘛。もしナルトと一緒に平和を早めることが出来るとしたらどうする?」

 

『あぁ?ナルトと?あいつはもう何年も前に死んだろうが、それに同じ歴史を繰り返してるってことはまたくだらねぇ戦争をしないといけないじゃねぇか』

 

(まったく何をいってるんだこの耄碌爺が、まぁ年も年だからしょうがねぇか)

 

「いまお前、耄碌爺とか考えなかったか?まぁいいわい。九喇嘛。もしお前がナルトともっと早く和解していたら。ナルトの父や母が生きていたらどうなっていたともう?」

 

(少なくともナルトは一人であんなつらい思いはしてないかもなぁ…ん?まさか爺)

 

「お前が考えている通りじゃ。もしお前がその気なら条件付きだが転生という形で別の世界に送り込んでやる。ナルト達と一緒にな」

 

『ナルトと一緒にだと?』

 

 寝耳に水だった、本当にそんなことが出来うるのかと、ましてや爺のいう事が本当ならば過去に遡って転生させてやるというのだ。しかしそれは未来を変えてしまうという事なのではないだろうか。

 

『未来が変わってしまうのはいいのか?少なくともこの世界と同じには絶対ならないぜ爺』

 

「ふふ、乗り気のようじゃな。お前を転生させる時点で歴史は変わるだろうが誰にも分らん。そこに住んでる人々からしたらまだ未来の話なのだからな」

 

 そも過去に戻るという事はどのへんなのだろうか、また条件というのもどういったものかも判らないが再びナルトとバカをするのも悪くないかもな。

 

『爺、条件ってのは何だ?』

 

「ふふ、九喇嘛なら乗ってくれると思ってたわい。条件だったな。それは平和にした世界でお前が結婚して子をなすことじゃ」

 

(…は?このくそじじいは今なんていった?儂が結婚?誰と?…はぁ?)

 

『ケッコン?何のことだ俺は九尾だぞ子供とかいったい何を言っているんだ冗談は存在だけにしやがれ爺』

 

「冗談などではないぞ?大丈夫だ問題ない。その辺はいろいろ考えてある。転生にはいろいろと“特典”が必要ときいたしな・・・」ニヤニヤ

 

『ちょっと待て爺、なにニヤケてやがる。おまえよからぬ事を考えてないか?その考えを話してからにしろ・・・』

 

「では行ってまいれ。頼むぞ九喇嘛、世界の平和とお前の結婚が解放の条件じゃからな」

 

『おいまて、だから俺の話をきけーーー』

 

 

 

 ~~

 

 

 

(くそ、飛ばされたと思ったらまた真っ白だな、今度は何処だ。っと誰かいるな…あれは)

 

『そこに誰かそこにいるのか』

 

「ん?って九尾の狐?…おまえ九喇嘛の知り合いか?」

 

『いや儂が九喇嘛だそういうお前は…』

 

「はぁ?九喇嘛だってじゃぁお前も死んだのか」

 

『何を言って…お、お前ナルト。ナルトなのか』

 

「あ、あぁ九喇嘛お前なのか?はぁ~真っ白になっちまってお前。ずいぶんと綺麗になっちまったなぁ九喇嘛。もしかして俺が死んでから苦労かけちまったか」

 

(真っ白何をいってるんだ…ってぬおっ。全身真っ白じゃないか、腕も足も…っとなんか違和感があるな)

 

『ないっ。ないぞ。どうしてだ』

 

(漢の象徴的なもんが無くなってるじゃねーか。どういうこ…と…。まさか転生の特典とかぬかしたあれか!)

 

『あの爺…まさか』

 

「お、おい九喇嘛どうしたんだってばよ?さっきからさっぱりわからねぇってば、俺たち死んだんじゃないのかってばよ?」

 

『あぁすまんナルト。少し混乱しててな今から話す』

 

「あーーー。父ちゃん、母ちゃん。それにヒナタ。皆あいたかったってばよー」

 

(って聞いてねぇ。ナルトらしい)

 

「え?ナルト?どうして此処に」

 

「ミナトにナルト?あれ私どうしてここにいるってばね?」

 

「ナルト!ほんとにナルトなの…ってなんか違和感が…」

 

 そういって皆が皆お互いを見合わせる。

 

「ヒナタなんか幼くなってるってばよ」

「ナルト。なんか縮んだ?って幼児?」

「ミナトは変わってないってばね」

「クシナも綺麗なままだね」

 

『あーお前ら説明してやるから混乱せずに聞け』

 

「それに九尾…君は九喇嘛なのかい」

 

 ミナトが声をかけてくる九喇嘛もああと小さく頷く。

 

「どうして九尾が目の前にいるってばね。てか真っ白で綺麗なんだけど何があったってばね」

 

『実は儂たち全員が転生した』

 

「「「「はぁーーーーーーー」」」」

 

(まぁ普通はそういう反応だよな)

 

 そこで六道仙人から聞いた話を全員にしてやる。

 

 転生したこの世界は元いた世界とは別の世界だと言うこと、世界がまた戦争へと向かっていること。そして転生の条件が世界の平和と儂自身の結婚だということを。

 また転生には特典とかいうのが付いていると言っていたことも付け足して説明をした。

 

『という訳でだ、儂たちはどうやら過去に遡って転生したらしい』

 

「転生の特典ってのが経験や記憶ってことなのかな?」

 

『それは分からんが、儂の特典は…(雌…orz)』

 

「ヒナタはどうみても幼児だってばよ」

 

「ナルトこそ昔に会ったときくらい可愛くなってるね」

 

 そういって二人はボルトやヒマワリの子供の頃みたいとか言って懐かしんでいた。

 

「しかし九尾が結婚するってどうやってだい?まさか人間に変化してとかじゃないよね?」

 

「父ちゃん、妖狐のハーフとか物語にはよくいるってばよ?案外クラマ次第かもしれないってばよ」

 

「うんうん、九尾は雌として転生しちゃったってばね。はぁー神様の特典ってのはとんでもないってばねーこれだけ綺麗な毛並みなら天狐や空狐程度きっと悩殺できるってばね」

 

(そう雌として…悩さ)

 

『ってやっぱり儂は??どういうことだ・・・いやしかし』

 

「そっかーそれで九喇嘛はこんなに真っ白で綺麗になっちまったのかーびっくりしたってばよ」

 

(まてまてナルト儂は結婚する気なんてないぞ、というか悩殺ってなんだクシナ儂は雄であって…いや今は雌で…じゃない)

 

「しかし、うまく言い訳とか考えないといけないねこれは」

 

「(流石のスルースキルだってばね)ともあれヒナタちゃんは日向の家で過ごすほうがいいのかしら?」

 

「あーそっか、まだ俺ってばヒナタと結婚式あげてないのか」

 

「う、うん///」

 

「でも記憶としてはナルトの奥さんで…子供もいるんだったわね」

 

「はい、えっとクシナお義母様その辺はどうしましょうか」

 

「ちょ、ちょっとミナト聞いたってばね。おかあさまだって。きゃー」

 

「どうどう、クシナ。といってもナルトもヒナタちゃんも今は三歳児程度に見えるし結婚とかそういうのは無理だからね」

 

「何言ってるってばね、その辺は4代目の権限で何とかするってばね」

 

「え、ちょっとクシナ流石に難しいんじゃないかなそれは…四代目の僕は既に死んだことになってるはずだし」

 

「やっぱりできませんか?ミナトお義父様」

 

「お義父…いやなんとかしましょう」キリッ

 

『「父ちゃんェ(ミナトェ)」』

 

「しかし九喇嘛の結婚相手ねぇ…何処探せばいるんだってばよ…」

 

 こうして転生特典で九喇嘛は雌に…ミナトとクシナは生存し、ナルトとヒナタは前世の記憶を持ったまま平行世界での新しい幕が上がった。




多分続きません。
気が向いたら…

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