NARUTO~木の葉の九尾・逆行伝   作:宮柴 舟

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今回オリキャラを登場させました。
また会話が多めとなっております。ご了承ください。


第四話

 見知った天井であるな。

 体が痛い、すこし寝すぎたのだろうか?上体を起こして布団からでる。周りをみると昼過ぎではあるようだがやはり自分の部屋のようだ。服もいつもの寝巻きを着ているようだし、やはりさっきのは夢であったようだ。

 

「(まぁあり得ん話だ。この私が三歳児に負けるなどと…)」

 

「父上、目が覚めましたか。なかなか目が覚めませんでしたので少し心配いたしました」

 

「大丈夫だ、この通りなんともない。どうやら疲れがたまって少し寝過ごしたようだ」

 

「そうですか良かった。怪我をなされて半日もお倒れになってたので、一応奈良家からお薬を頂いて参りましたので服用なさってください。では私は母上に知らせて参ります」

 

 半日も寝ていたのか・・・ん?怪我をしてだと、いやいやあれは夢であったはず・・・

 

「あるわけがないそんなことは…」

 

「あ、お義父さんきがついたったてば?今朝はご免なさいってばよ。流石に仙人モードでの攻撃は反則だったってば…つい昔の癖で…」

 

 夢じゃなかった…だと。

 

「いやー、家の息子が迷惑かけたってばね。ヒアシ様体は無事だってばね?。ともあれ本当に申し訳ございませんでした」

 

「いやいやクシナ殿、私もすこし頭に血が昇って冷静さをかいてしまっていた。流石ミナトとクシナ殿…の…子…」

 

 はて?なぜクシナ殿がここにおるのだ?クシナ殿は九尾復活の際に四代目のミナトと共に亡くなっていたはずでは?

 

「ありがとうございますヒアシ様。今度改めてお見舞いの品をお持ちいたしますので」

 

 私はこれでとクシナは二本の足で部屋を出ていく。

 

「うむ。いや、まて、まてまて。どうしてクシナ殿がここにいるのだ?お主…亡くなったはすでは」

 

「それについては僕から話すよヒアシさん」

 

 はて、今度はミナトがいるな。あぁそうか私はまだ夢を見ているのだな、いやはや吃驚した夢の中であるなら納得だ。クシナ殿とミナトといい…たまには夢を見るのもいいものだな懐かしい顔に会えた。

 

「どうやら私はまだ夢の中のようだな。死んだはずのミナトに会えるとは。ふふ、夢だとしても懐かしい顔だ、死んだ三年前とまったく変わっておらんではないか」

 

「夢の中?…なにをいってるんですかヒアシさん、死んでないですよ僕もクシナもちゃんと足がついてるでしょう」

 

 どういうことだ。死んだはずのクシナ殿やミナトが目の前にいて…するとどこからが夢…まさか幻術か!いったい私はいつから攻撃を受けていた。まずいはやく術を解かなくては・・・

 

「解っ!」

 

だめだ、目の前のミナトは消える気配はない。見る限り自分のチャクラは正常の筈。もう一度だ。

 

「解っ!」

 

「・・・なぁヒナタ、お義父さん…さっきからなにやってるってばよ?」

 

「寝ぼけてるだけだと思うけど。・・・まさか父上に限って幻術に掛かったと勘違いして解除しようとしてるんじゃ・・・」

 

「(え、幻術ではない?では何か、目の前にいるミナトや先ほどあったクシナ殿は本物?いやいやそれこそまさかだ。しかしチャクラは正常であるし…)」

 

 ヒアシは混乱した。

 

 

 ~~~~

 

 

 それからどうにか立ち直ったヒアシに対してミナトとクシナはかいつまんでいままでのことを話す。

 ナルトの中に九尾を封印して三年。漸くチャクラが安定したため外にでることができたこと。ナルトには精神世界の中で修行をつけてあげていたこと。そして最後に、ナルトとヒナタが相思相愛であったことなど…勿論自分たちが違う世界の未来から転生したことは隠したが。

 

「うむ?最後のはどうにも頭が受け付けようとせんが、一応は理解はした。まさか三年もかけて九尾を封印してのけるとは…しかしどうしてこのタイミングで私の家におるのだ」

 

 そ、それはーとクシナが苦笑いをして答えた。

 

「私がばれないようにと変化の術を使って久方ぶりの木の葉の里を買い物を兼ねて散歩してて、そしたらアカリさんが買い物しててね。懐かしいなーとかおもって見てたんだってばね」

 

 クシナは罰が悪そうに答えるとヒアシの妻である日向アカリが続いてこ答える。

 

「私も最初は全然わからなかったのよ。でいつものように買い物してたら"アカリさんも好みは変わらないってばねー"とか言うんだもの。こんな変な口癖はクシナっていったら」

 

「あははは、つい返事しちゃったってばね」

 

「母ちゃんどじすぎるってばよ。それにアカリ義母さんってば勘だけは凄くて、ヒアシお義父さんが嘘つくといつも見抜くんだってばよ。いつだったかヒマワリ…」

 

「ほ、ほらナルト。尻に敷かれるくらいが丁度いいんだよ(だめだよナルト、まだボルトもヒマワリもいないんだから)」

 

「たしかにそういうもんだったってばよ、なははは…(そうだった。つい絵本を内緒で買ってもらったときの事を思い出したってばよ)」

 

 なぜナルトがそんな事まで知っているんだと疑問を持ちつつも、掘り返すのもなんとなく後味が悪いと感じたヒアシは矛先を変えることにした。

 

「そ、それでこれからどうするのだミナト、再び四代目として職つくのか?」

 

「ええ、一応はそのつもりで動いています。まだヒルゼン様には秘密にしておりますが信頼のおける数人には事情を話してそちらでも根回しをしていただいております」

 

「そうか、まぁそんな根回しをせんでもおまえが生きていたという事実だけで万事解決のような気がするがな」

 

「そうだとよいのですが一応念をいれて、それにいまは雲隠れの国との条約締結の件もありますし、まだ公にはしたくないのです」

 

「ふむ、その日はヒナタのお披露目の日でもあるしな。その方が都合がよいのなら私はなにもいうまい。何か手伝う事があれば力になろう」

 

「そういってもらえれば僕もクシナも心強いです」

 

 そういってこれからのことをかいつまんでヒアシと話し始めるミナトをよそにアカリはナルトに対して疑問を尋ねていた。

 

「時にナルト君、さっきお義父さんとか私のことをお義母さんとか…どういうこと?」

 

「あー、んと、今日の昼に正々堂々ヒナタを賭けてヒアシお義父さんと勝負して…なんていうか完膚なきまでに勝利しちゃったってばよ」

 

 とナルトは先ほどの戦いのことを話す。それを聞いたアカリは

 

「ほんとなのあなた!」

 

「うっ、いやその…あれは…」

 

「へぇ、ナルトなかなか情熱的だってばね」

 

「ヒナタもだけど、その場には日向コウっていう証人もちゃんといたってばよ」

 

「ふぅん、へーぇ、あ・な・た?日向は木の葉で最強じゃなかったのかしらねー?」

 

「ま、まて、アカリ…いやアカリさん…目がビキビキしてるおるぞ。すこし落ち着いてだな…(なんだ角の生えた女性が見える気がする)」

 

 っぎゃー!ーー!、ーーーー

 生真面目一辺倒のヒアシが問答無用でシバかれ倒されている姿はもはやギャグであった。

 

「お、お手柔らかにねアカリさん(返り血…怖い…)」

 

「いえ、ミナト様。当主自らの勝負でナルト君が勝利したのは事実のようですし。ヒナタをどうぞよろしくお願いいたします(それに火影様の息子と婚約を結べば日向はまず安泰ね)」

 

 血だるまと化した”モノ”を転がしてにこやかに答える、そして瞬間的に判断した日向家当主の嫁、日向アカリはこの日改めて跡継ぎとなる第二子を作ることを決めたと後にクシナに話したという。

 

「ヒナタ、お義父さんたちってあんなひょうきんな性格だったってば?」

 

「うーん、あそこまでギャグ体質じゃなかったとおもうけど、私たちが転生した影響でいろいろ変化があるのかもしれないね…」

 

「せっかくだしミナト様もクシナ達も今日は泊まっていきなさいよ。いろいろ今後のことも話しておいた方がいいのだろうし」

 

「なら、ご飯作るの手伝うってばね」

 

「あら、お客様なんだから団欒してていいのに」

 

「三年間料理から離れてたから、ある意味再修行だってばね」

 

 そんなことを言い合いながら台所がある方へとボコボコにされた当主であるヒアシを放って(アカリは一度踏みつけてから)二人は消えていく。母親通しと言うこともあり和気相合のようだ。

 

「(さ、さすが…日向の嫁も木の葉で最強…)」ガク

 

「あ、なんか魂っぽいの出てきたってばよ?」

 

「え?それはまずいんじゃないのかい」

 

「しっかりしてください父上、父上ー」

 

 その後なにもなかったかのように夕飯をみんなでとり、子供化した影響が強いのかナルトとヒナタは仲良く眠りについた。

 

 

~~

 

 

「しかし、ナルトが九尾の尾獣を完全に制御しているとはな。信じられん」

 

「ナルトの中にいる九尾もあのときは操られていたことが判りまして」

 

「操られていたというのはどういうことだ」

 

「私がナルトを産んだ時に、私の封印術式が弱まったんだってばね。九尾も一緒に押し出されて…」

 

「その時突然現れたのが仮面を着けた写輪眼の男でした」

 

「そいつが九尾に幻術を掛けて操り里で暴走させたのよ。思い出したら腹立ってきたってばね」

 

「そやつの名前は?」

 

「うちはマダラと」

 

 何だってという表情を見せる日向夫妻。かつての初代火影様、千手柱間と共に木ノ葉隠れの里を創設したうちはの者だったはず。しかしそのご決裂、終末の谷にて敗北したと伝えられている。

 

「まさか、あり得んだろう死んだ筈だ」

 

 ミナトはマダラの目的はいまの段階ではわからないことなど、多少事実とは違う身の振りを交えていきさつを話した。

 

「それで私たちはナルトに九尾を再度封印することにしたんだってばね。でも嬉しい誤算がそこで発生したんだってばね(前世ではその頃は虫の息で半分死にかけだったってばね)」

 

「ええ…僕の封印術式とクシナの術式が変な方向に混ざって発動してしまったみたいで、九尾と一緒に肉体ごとナルトの中に封印されてしまったんです(ほんとは屍鬼封尽で陰陽に九尾を別けて封印して死んでしまったのだけど)」

 

「そうか波風に伝わる時空忍術とうずまきの封印式が…事実は小説よりも奇なりというが不思議なことだな」

 

「あら、きっとご両親の愛がそんな奇跡を起こしたのよ」

 

 そんな話に納得出来なかったが、現実に目の前にいる二人を(こっそり白眼を使い)見てヒアシが知っている二人のチャクラと同じ事を確認して納得する。他にも質問を受けたが、二人は九尾のチャクラと本来発動する筈の術式が暴走した結果ではないかと説明した。

 

「そんな経緯があったか…ときに二人はナルトの現状をしっているのか?」

 

「ん!なんのことでしょうか?」

 

「ナルトはこの里一部では疎まれておる。里の子供達には知らされておらんが三年前のあの事件の事を覚えている当事者たちは口に出さずとも恨んでおるものもおる」

 

 その話を続けるようにアカリが話す。

 

「あの日…九尾が暴れた地区では死傷者もでたから。三代目火影様は四代目様が木の葉の里を守るために命を賭して九尾を封印した。ときちんと報告したのだけど信じない者も少なからずいることを覚えておいて…」

 

「そのせいもあって、ナルトに対して執拗な虐めじみた行為も少なからずあるようだ。まぁ今日の様に本当は実力をひた隠し芯は強いことを知ったがな」

 

「ええ、ナルトの中にてある程度は知っております、そしてそんなことに負けないように二人と九尾とで鍛えましたからね」

 

「九尾も話してみるととっても美人なんだってばね」

 

 は?九尾が美人?なにのことをいっておるのだこの波風夫婦、と日向夫婦は一瞬おもった。九尾は天災とか災害クラスの化け物じゃなかったのか?と 。

 

「ん!実際見て、感じてもらった方が都合がいいのかな?お二人には是非味方になっていてもらいたいし」

 

 そういってナルトを起こす。

 

「父ちゃんなんだってばよ。何か事件でも起きたってば?」

 

「いや、ナルト少し九尾と話がしたいのだけどできるかな?」

 

 とミナトがいうと、「ちょっとまってて」とチャクラを練りつつ九尾モードに移行する。

 すると深い森の中にいるような風が一瞬吹いたと思うと目の前に白髪長髪、獣耳に九本のモッフモフの尻尾が生えた愛くるしい少女になったナルトがいた。美獣化である。

 

「いま九喇嘛と変わるってばよ…」

 

『ふむ、やはりこの姿になってしまうようだ。仕方がないがおいおい考えることとしよう…さて何が聞きたいのだ』

 

「貴女が九尾の…」

 

『いかにも、名を九喇嘛という。今はナルトと同化しているためこうして体を貸してもらっている』

 

「三年前の時のような禍々しさはなったくない、本当にあのときの妖孤なのか(尻尾モッフモフだな///)」

 

「チャクラの質がとても暖かい、むしろ澄んでいるように見えるわ(モッフモフ且つ可愛いわね)」

 

 二人は(違う意味でも)驚きを隠せなかったが、冷静に勤めようと白眼でナルトを見据えた。

 

『あのときは暴走させられていて正直覚えておらん。多々暴れろと”面の奴”に命令をされていた。そのせいで迷惑を掛けてしまったことに対しては頭を下げよう』

 

 九喇嘛は口裏を合わせるように話した、実際にはすべて覚えているしあの当時は恨み憎しみといった憎悪の塊であったことを思い出す。

 

「でも、三年間いろいろあって本来の心を取り戻し心優しい真っ白狐様にもどったってばね」

 

「もはや疑いようがないな、あの禍々しさをここまで清らかな…木漏れ日のようなチャクラに変えるなど火影にしか出来ない偉業だろう(年がいもなくあの尻尾にモフりたい)」

 

「ええ、それにこの姿を見ればナルト君に対する気持ちも変わる気がするわね(てかなにこの娘可愛いー、厚揚げとか油揚げとか好きかしら)」

 

『そ、そうか(なぜじゃ、この二人から悪意ではないが邪なオーラを感じるな尻尾がムズムズする)』

 

「ん!信じてもらえてよかった。ヒアシさんにそういってもらえれば僕たちの苦労も少しは和らぐしナルトにとってもこれから環境をよくしてあげれる」

 

「全部がすぐに落ち着くとはいかないだろうけど、元人柱力として頑張るってばね」

 

「モフらせてくれ(私も改めて協力しよう)」

「油揚げ持ってきてあげる(私も手伝うわ)」

 

「「…あ…///」」

 

『どっちも本音なのだろうが…本能の方が先になってるぞ。ちなみに油揚げは大好物だ』

 

「と、とにかく今後ともよろしくおねがいするよヒアシさん(僕のしってるヒアシさんってこんなだっけかな)」

 

 こうして、日向夫妻の新たな一面をみてしまった夜はふけていった。


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