NARUTO~木の葉の九尾・逆行伝   作:宮柴 舟

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第七話

 船倉で仙術チャクラを練りつつ船内部の様子を窺っていたヒナタ(ナルト)の前に突然黄色い閃光と共に三人の姿が飛び込んで来る。

 

 一人は金髪蒼眼、容姿端麗の青年。

 

「無事かいナルト」

 

「平気だってばよ。父ちゃん」

 

 一人は木ノ葉警務部隊隊長、”兇眼”二つ名をも持つ忍。

 

「その姿…日向家の…(ナルトか?…すでに変化の術が使えるのか)」

 

「あ、サスケの父ちゃんだってばよ」

 

 そして最後の一人は木ノ葉隠れの里の名門。日向一族の人間。

 

「一通り聞いてはいたが…怪我もしてないようだな」

 

「どこもケガしてないってばよ。お義父さん・・・?」

 

「おとう…。まぁいい無事で何よりだ。今はどういう状況だ?」

 

 ナルトはここまでの経緯を話していく。木の葉の里で他国の忍に誘拐されたこと、実行犯は雲隠れの忍で雷の国と繋がっていること。そして現在いる場所が雲隠れが所持している特使船の中だと言うことを伝える。

 

「ってことで入れ替わったまま誘拐されて、船の倉庫に閉じ込められてたんだってばよ」

 

「良くわかった、ミナトよお主の子はなかなかに聡いな」

 

 状況説明をするナルトにフガクは感心する。

 

「なはは、サスケの父ちゃんに褒められたってばよ」

 

『(これでも一応ナルトは七代目の火影だったからな、昔のように説明もできないようなあほぅではないわっ)』

 

 ナルトの中で得意げに自慢する九喇嘛に一応とあほは余計だってばよと突っ込みを入れる。

 

「そういえば、俺のことを知ってるようだが?」

 

 そういうフガクにナルトは

 

「勿論知ってるってばよ。うちはフガクさんは寡黙だけど実はシャイなだけ、ホントは親子で一緒に遊びたい親バカなんだよーって、母ちゃんがミコトさんから聞いたっていってたってばよ。あとうちはの一族が木の葉をしっかり守ってくれてるから里のみんなは安心して暮らせてるんだって」

 

 と大いに持ち上げて説明する。

 

「な、なんてことをアイツは話してるんだ///(クソっ、息子たちの前ではクールにしてたつもりだったが、全部バレてたのか…)」

 

『(くくく、おいナルト。親子ってのは似るもんだなサスケそっくりじゃねーか)』

 

「……(ナルト煽り過ぎ…ってフガク殿もヒアシさんも緊張なんてしないだろうけどいい感じにほぐれたみたいだね)」

 

「あと、乗組員は確認しただけで11人、そのうち4人が額当てをしてたってばよ」と二シシと笑う。

 

「そこまで調べててくれたのか(今まで知らなかったが想像以上だ)さて、敵の簡単な情報はわかったミナトよどうする?」

 

「敵は全員生きて捕らえます。ここで殺したりすると後々難癖付けてくるのが目に見えてるからね。フガク殿には敵の無効化をおねがいしたい。ヒアシさんは…これを船首と船尾の両方に取り付けてほしいのです」

 

 とマーキングが施されている特殊なクナイを渡す。

 

「わかった」

 

「俺はどうするってばよ?」

 

「ナルトはヒアシさんと一緒に行動。言うことを聞くこと。僕はもう二本このクナイを船のマストと船底辺りにマーキングして準備しておく」

 

「おう!了解だってばよ」

 

「詳しくはわからんがミナトは無駄なことはしないと聞いている。お主を信じよう」

 

「ん!ありがとう。では皆さん悪党退治といきましょうか!」

 

 全員が目線で合図を送ると、ヒアシが鍵の掛かっている扉を粉砕する。と同時にミナトとフガクが素早く外に出ると電光石火でそばにいた船員一人を縛り上げた。

 続けてナルトとヒアシが倉庫から外に出る。ミナトは下の階層にフガクは階段を上がり甲板に向かい、ナルトとヒアシは安全を確認しつつ頼まれ事を済ますために船尾の方へと進む。すると甲板の方から声が聞こえ

 

「し、侵入しーっ」

「誰かたっ…」

 

 ・・・てすぐに沈黙した。フガクに無効化されたようだ。

 

 

 ~~

 

 

 階段を上がったフガクは甲板で見張りをしていた二人を素早く無効化することに成功すると船に括り付けてあった縄できっちり縛り上げる。

 

「ふむ、これで3人目…おい。そこにいる2人も出てこい」

 

 フガクは気配を察知するとその方向に向かって声を掛ける。

 

「貴様どこから現れた…いやその"うちは"の紋印、貴様は木の葉のうちは一族だな」

 

 そこには陣羽織を着た男と全身黒ずくめの男が立っており、発見されるや否や苦無を数本フガクに向かって投げつけてくる。がフガクは難なくそれを躱し余裕を見せつける。

 

「ほう、流石に雲の三下でも知っていたか」

 

「丁度良いうちはも良い眼を持ってると聞く。貴様も殺してその眼も土産してやる」

 

「ふん、残念だが貴様のような奴にくれてやるものなど…この捕縛用の縄位しかないがな」

 

「くそっ、いい気になるなよ木の葉の忍がっ」

 

 黒づくめの男は素早い動きで近づき苦無で切り込んでくる。それを写輪眼を使うまでもなく寸先で躱し逆に蹴りを食らわし吹っ飛ばす。

 フガクの攻撃はそのままでは終わらず、錘の代わりに苦無を括り付けて縄鏢(じょうひょう)と化した縄を巧みに操り吹き飛んだ黒づくめを空中で捕縛し甲板に叩きつける。その攻撃の一連で黒づくめは気絶した。

 

「遅いな、まさかそれで全力か?だが攻撃を仕掛けてきたのはそちらが先だ、俺は手加減をするのが下手なんだ悪く思うなよ」

 

 フガクは手のひらをクイクイと挑発して残る敵を煽る。

 

「いい気になるなよ。俺の方が強いことを教えてやる」

 

「ほう、最近事務仕事が多くてな運動不足なんだ。せいぜい楽しませてくれ」

 

 戦闘は終始フガクに傾いていた。飛んでくる手裏剣を苦無で叩き落とし、落した手裏剣を器用に足にチャクラで吸着しそのまま雲隠れの忍に蹴り投げ返す。それだけではなかった、いまだ縄で捕縛されて気絶したままの黒づくめの忍を引っ張り上げて立たせるとフガクは思い切り蹴り上げ忍に対してぶつけたのである。

 

「くっ、人質を武器として使うなど卑怯な…」

 

「俺の里とは言葉の意味も違うようだな。木ノ葉から子を攫う方が卑怯ではないのか?」

 

「いわせておけば・・・くらえ雷遁・散雷(サンライ)

 

 すると結んだ印から放電した電気が飛来、フガクはすぐさまバックステップで後退しその術を躱すが放電はそのまま後退した先に飛んでくる。

 

「馬鹿め。この術は操作可能なのだ、逃げても攻撃が当たるまで追っていくぞ」

 

「自ら術の効果をばらすなどと忍としてはやはり三下だな。ならばあたる前に貴様を倒すまでだ」

 

 追尾してくる術から一度大きく離れて距離を置くとフガクは巳→未→申→亥→午→寅と印を結びながら敵に向かって突進する。

 

「その印…火遁術かっ、しかしこの火鼠の陣羽織の前では火遁など恐るるに『木ノ葉隠れ秘伝体術奥義・千年殺し』ぁっぎゃーーーーーーっ」」

 

 と物凄い浣腸をお見舞いした。火遁が来ると身構えた雲隠れの忍は悶絶。そのままフガクを追尾していた自らの術を食らって気を失った。フガクは縄脱けできないように素早く縛る。

 

「馬鹿目、貴様なんぞにチャクラを使うまでもないわ」

 

 フガクは縛り上げた二人を更に二人まとめて縛り上げると残りの人員を無効化するため探し始めるのだった。

 

 

 ~~

 

 

 その頃、苦無設置のために船底に降りたミナトの前にも忍が近づいていた。

 

「貴様どこから・・・」

 

「木の葉から、理由は大事な子供が君たちに誘拐されたからかな」

 

「くそっバレていたのか、だがいいのか?この船は雷の国の特使船だ、この船で暴れたらどうなるかわかっ…「いいよそういうのは」て…えっ?」

 

 相手がなにかを良い終える前にミナトは瞬身の術で当て身を食らわせて気絶させると、来る途中気絶させた数人と一緒に縄で縛りあげて身動きを封じる。

 

「(よし、こっちのほうは完了かな?僕も甲板ににあがろう)」

 

 

 ~~

 

 

 一方その頃敵と出会う事がなかったヒアシとナルトの組み合わせはクナイの設置終え甲板に居た。

 目の前にはフガクが引っ張ってきたと思われる忍と船員が数人転がっていた。

 

「これ黒こげだってばよ、しんじゃった?(こっちの黒い男は見事に全身骨折状態だってばよ…)」

 

 つんつんとナルトがつつくがピクピクしているだけでそれ以上の反応がない。

 

「取り合えず、動いてはおるし死んではいないだろう。周囲を警戒してよう(フガクさん…張り切りすぎ)」

 

 ん?そういえばなんかお義父さんの雰囲気がいつもと違ってキリッとしてるってばよ?

 

「とりあえずヒナタ様、二人が来るまでここで待機しましょう。」

 

『(ヒナタ様?…おいナルト。チャクラの質が似てるから気づかなかったが、こ奴双子の弟のヒザシじゃないのか?)』

 

「えーーー!ヒザシさん?・・・どーゆーことだってばよ?なんでヒザシさんが来るんだってばよ?」

 

「気づいたか…、実は兄者からこの作戦は炙り出しの作戦なのだと聞いてね。変化しているとはいえヒナタ様を攫った事には日向としてきっちり落とし前をつけようと思って代わりに出張ってきたのだ。まぁ出番はなかったがな」

 

「なるほどだってばよ。ネジもいい父ちゃんもってるってばよ」

 

 ニシシとナルトは笑う、変化を解いていないのでヒナタの姿ではあったがヒザシもニコっと笑顔を見せた。

 

「しかし、あんなものを取り付けて四代目はどうするつもりだ?」

 

「それはね、証拠品である”この船ごと”木の葉に持っていこうかと考えて…」

 

 とマスト天辺で最後の作業を終えて戻ってきたミナトが答える、ヒアシは何を馬鹿げたことをと呆れていた。

 

「普通に救出するだけだと思っていたが、とんでもないことを言い出す…してどうやってだ」

 

 後方からもぼこぼこにされて気を失っている雲隠れの忍達を引きずりながらフガクが現れて同じく呆れている。

 

 父ちゃん、二人から呆れられてるってばよ。とナルトが追い討ちを掛けるとミナトは頭をポリポリとかいて作戦を改めて伝えた。

 

「避雷陣の術を使いたいのですが少しチャクラが足りないので、皆のチャクラもお借りしたいのです」

 

「それでもこれだけでかい船となると、我々3人では無理ではないか?」

 

「ナルトのチャクラも貸してもらいます」

 

「「ナルトの??」」

 

 二人はニシシと笑うナルトとそれを見てにこやかにするミナトを見比べ頭に二人は?マークを浮かべるのだった。

 

 こうして一世一代の”大げさすぎる”捕り物も終幕へと向かっていく。

 

 

 ~~

 

 

「お前で最後だ船倉で仲良くしてろ」

 

 フガクが船倉に入念に縛り上げた実行犯を含む11人全員を放り込むと四人は甲板中央に集まった、甲板にはチャクラで術式が書き込まれておりミナトが行う忍術の準備を終えていた。

 しかし、先ほどの言葉にフガクとヒザシは口には出さないが途惑いがあった。

 ナルトの力を借りるという事はそのままの意味ではなく、九尾の力を借りると四代目は暗に言っているのだ。

 

 ミナトは丸薬を口にしてチャクラを回復させて何やらナルトと話していた。

 

「それで四代目よ、どうするつもりだ。俺は瞬身は出来ても飛雷神はできんぞ」

 

「それに、ナルトに力を借りるというのは…九尾の…」

 

 とそこまでいってヒザシは口を閉ざす。

 

「ん!正解。でも大丈夫ナルトはもう九喇嘛と親友ですからね」

 

 とミナトは間髪入れずに答える。

 

「まさか封印術式を解くとかいうんじゃなかろうな、ナルトの中には三年もおぬしらが封印し続けたとはいえ木の葉の里を襲った九尾がいるのではないのか?封印を解いて再度暴れでもしろ。この船を転移するどころの話では済まんぞ」

 

「だから大丈夫ですよフガクさん。ナルトの中に「意味を理解して言ってるんだろうなミナ…四代目よ」…ですからそれを説明しようと…」

 

「フガクのおっちゃんは正しい意見を言ってる、でも納得はできない。なら実際に見せた方が早いってばよ」

 

『そうだな。ナルト主導権を儂に貸してくれるか。そこの奴らと話がしたい』

 

「(おう、九尾化するってばよ)」

 

 ナルトは自分の深層意識に注意を向けると九喇嘛に声を掛ける。その深層意識下にある森林の中で白く輝く九尾の狐がナルトと意識を同化させると表裏が逆転する感覚になる。

 

 ナルトは感覚上は表にいるのだがそれを覆うようにチャクラがナルトを包んでいくと姿が変化していく。

 今まで来ていたオレンジをベースにしていた子供服はだんだんと巫女服とわかるそれへと変化していく。上着は白を基準とした白衣へ、下は朱と金の袴に変化した。ナルト自身も子供の顔立ちから中性顔へと変わり髪の毛は金色から白銀の長髪になっていく。さらにはピンととんがった耳が生え極め付けに後ろの方では真っ白なモフモフの尻尾が9本生えてきた。

 

『ふぅ、同化すると何故かこの姿になってしまうのはなぜなのか・・・まぁ今はいいか…。さてお初にお目にかかるな木の葉の忍。我が名は九喇嘛。ナルトの中に住まう九尾の狐じゃ』

 

「な…ナルトが九尾・・・いやこの女童が・・・九喇嘛とは九尾の名前か?」

「もっふもふ///・・・(って九尾だと)」

 

 うむ九喇嘛と呼んでくれと目の前の女童が答える。

 フガクもヒザシもその姿を目のあたりにして驚きを隠せず(ヒザシは本音が出ているが)動揺していた。

 

「ナルトじゃなくて九喇嘛が説明するのかい?」

 

『うむ、チャクラだけを貸すより、儂が表に出てきて説明したほうが早いと思うてな』

 

「確かにそのほうが後々の事を考えても楽になるけど、いいのかい?このまま帰るとその姿のまま木の葉の里についてしまうけど」

 

『何時までも隠すわけでもあるまい。いずれ皆の前には姿を現すのだ遅いか早いかの違いだろう、それに儂自身木の葉の里には謝罪をせねばいかんと思うておる。例えそれが過去の儂だったとしても』

 

「まだまだこの時代は恨みや憎しみ、恐怖なんかが九喇嘛に向かうけどそれも含めてってことかい?」

 

『まだ三年だからな仕方あるまい。ナルトにはまだまだ迷惑をかけてしまうが半分は肩代わりする覚悟だ』

 

「(今更だってばよ九喇嘛、お前とは死ぬまで一緒だったんだ。また死ぬまで相棒として頼ってくれていいんだってばよ)」

 

 なら多少は考えておかないと、かなとミナトが思案しているとフガクが声を出した。

 

「すまんが、ミナ…いや四代目。この女童が九尾の災厄だというのか?」

 

 それに対し九喇嘛が返答する。

 

『うちはの者だったな。そうだ儂が九尾だ今はナルトの中に身を置かせてもらっておる』

 

「ナルトはどうなったのだ」

 

『案ずるな、ナルトも意識を持っておる。今は儂が表に出ているだけで会話も聞こえておる「一応会話もできるってばよ」…急に話すな。声が上擦ったではないか(ごめんってばよ)ともかくお互い同意の上でこの姿を取らせてもらっておる』

 

「さっきも言ったけどもう九喇嘛は禍々しいチャクラを持った災厄なんかじゃいよ。ナルトとは仲良しというより親友以上の…そうだね家族と同じくらいの存在なんだよ。もちろん僕やクシナともね」

 

「…信じられん。あの禍々しさも欠片もない」

 

「だがチャクラの力強さは三代目様や四代目様をはるかに上回っている」

 

『あぁ、すまん儂が表に出る瞬間だけはチャクラが漏れてしまうようでな。今抑える…これで大丈夫だろう』

 

 すると今まで漏れ出ていたチャクラは消え去り、忍ではない一般人レベルまで存在が薄れる。

 だがそこで改めてフガクとヒザシはチャクラの存在を認識した。九尾から漏れ出ていたチャクラの質に。

 九尾から漏れ出ていたチャクラは禍々しさではなく優しさ。森林に抱かれているような母のような慈悲のチャクラ、森を吹き抜ける快い風のような澄んだチャクラだったことを。

 

「三年前とは全く逆のチャクラ…恐怖ではなく慈愛に満ちたかのような錯覚」

 

『っ///照れることを真顔で話されると困る』

 

「えっ、いやすまぬ。しかし三年前は禍々しさで気が狂いそうになるほどのチャクラだったのに対して今のチャクラはそう感じたのだ」

 

「まぁ三年間ナルトの中でいろいろあったからね。それこそ”生まれ変わる”ほどに・・・ね」

 

 実際生まれ変わった(転生したのだから)間違っていないとミナトや九喇嘛達は思う。

 転生の事を話すわけにもいかない。が全部が嘘でもない。

 

「そんな訳で、九喇嘛はもう二度と暴れたりはしないよ。あの時はクシナの出産とある人物の妨害…強制的に操られた結果だからね」

 

「なに?操られた…九び、いや九喇嘛が操られていたのか?」

 

「ええ、犯人は仮面をつけた写輪眼の持ち主。おそらくうちはマダラ…」

 

「馬鹿な!マダラはすでに死んでいる!」

 

 新たな事実を四代目に告げられたフガクは先祖とはいえ身内の仕業と一瞬憤りを感じたが、すぐに冷静さを取りもどす。

 

「いや、怒鳴って悪い四代目よ」

 

「あくまでも僕の見解です。”眼”だけとも考えられるけど、九尾を操ることができたのは過去にも彼位だとおもってね」

 

 と四代目もこれ以上の話はしないよう口を噤んだ。

 

「ともあれ、この話は後にでも。とりあえずはこの事件を解決しましょうか」

 

「・・・まぁ納得はしかねるが話は後でしっかりしてもらうぞ四代目よ。それで木の葉に戻った後…九喇嘛はどうするのだ」

 

「正直包み隠さずってことにはいかないけど、正直に話すしかないでしょうね。そのうえで納得してもらうのが最上でしょう」

 

『儂も心からお詫びしよう。誠意を見せよう儂とナルトの為にも里の為にも』

 

 九喇嘛は自分の尻尾の一本を胸の前に持ったまま二人に頭を下げる。残りの尻尾八本も消沈したかのように垂れている。

 九尾が頭を下げるとは思わなかったフガクとヒザシはその姿をみて自分自身の気持ちに整理をつける。この九尾は心から謝罪をしている、自身が操られ自分の意思で暴れた訳ではないのに自身が里で暴れてしまったことを

 

「俺は九喇嘛を信じよう。俺自身あの時暴れていた九尾と対峙したがあの時は恐怖しかなかった。だか今は全く怖くない」

 

「姿形に惑わされているわけでもない。俺も今の九・・・九喇嘛からは敵意や悪意というものを感じない。俺も信じよう」

 

『ありがとう、儂も少しつかえが取れた。ふふナルトたち家族以外で里のものは二人が初めてだな』

 

「ん!だね。少しづつでいいんだ木の葉の里のわだかまりを解いていこうか九喇嘛」

 

『うむ、そうだな』「(へへっ、九喇嘛。やっぱりいいもんだよなこういうのって)」

 

 そういって微笑む姿はただの愛くるしい少女の顔だった、垂れていた尻尾も意気揚々と忙しくフリフリ動く姿をみてフガクとヒザシは不覚にも可愛いなぁと思ってしまった。

 

「(こうしてみるとサスケのような息子もいいが、娘も欲しかったな…)」

「(尻尾が可愛く動いてる。尻尾触ってみたい)」」

 

 かろうじて本音を口にしないだけ流石上人というところだろうか。がそんな気持ちを見逃さないミナトは流石四代目なのだろう抜け目なくその気持ちすら利用しようと考えを巡らす。

 

「よし、とりあえず里に戻ったあとの考えもまとまったしそろそろ戻ろうか?九喇嘛もお二人も準備はいいかい?」

 

『チャクラを皆に渡せばよいのだったな(おう、任せろってばよ)』

 

「よろしく頼むよ。お二人も気持ちを一つにする感じで僕にチャクラを同調させてもらえるかな」

 

「ああ。わかった」

「やってみる」

 

 九喇嘛とナルトはチャクラを練りこみ始めるとミナトを介して船全体にチャクラを巡らし始めた。

 フガクとヒザシもミナトとチャクラを同調させるためにミナトの肩に手を置きもう片方は九喇嘛の手をとりチャクラを練る。九喇嘛の方を見るとその姿は頑張る少女そのもので、時折もっふもふの尻尾と耳がフリフリ動く。ついその姿をみたフガクとヒザシは

 

「「(やっぱモフリてーー)」」

 

 くしくもフガクとヒザシの心が一つになった瞬間だった…

 そして船は一瞬で時空を超えて水面から姿を消した。

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