征海魔王   作:カンジョー

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ざっくりとした設定

~登場人物設定~

 

◇安東・海人(あんどう・かいと)

 

・性格など

 

 主人公。酒が好物で、規則に縛られるのを嫌い、自由に振舞う。生まれつき鬼のような怪力を持ち、大の大人を軽々掴み、簡単に投げ飛ばす。

 両親がいたが、小さい頃に他界。その後、重蔵に拾われ、養子となる。そのため重蔵の実子である仁実は、海人の義妹となった。

 魔術は全く使えない。権能で魔術の真似事はできる。代わりに魔術抵抗が強く、そこらの魔術師が攻撃してもかゆい程度にすらならない。体内からかける魔術も、あまり効力がない。

 

 第一章は、およそ一六〇〇年。海人は、倭寇の集まりである重蔵海賊団の副船長だった。

 両親から教えられた槍の鍛錬を続けており、祠のある広場で行うことが日課になっていた。行っていた時に、迷い込んできた愛代と知り合い、親密な仲になっている。

 愛代のピンチを知り、祠に封じ込められていたアテルイから三振りの刀を借りて、まつろわぬ八郎太郎を刹逆する。瀕死の重傷になるも、パンドラに認められ、晴れて神殺しの羅刹王となる。

 

 第二章では、湊に住居を移し、安東水軍のトップとなり率いることになる。愛代と結婚するが、愛代は表では男と通っていたため、結婚しているとは表ざたにはされなかった。

 結婚して安東の姓を名乗るようになる。

 この頃から鍛錬は全く意味がないとアテルイに言われ、槍には触るが鍛錬はしなくなっていった。

 義妹の仁実が攫われてしまったため、大湊に乗り込み、首謀者のまつろわぬ水天を刹逆。しかし目前でまつろわぬポセイドンに、またもや仁実を攫われてしまう。

 

 第三章では、義父で実質安東のトップだった重蔵に、船の建造を依頼する。その間、海人はアテルイに実戦形式の修行を行われ、まつろわぬ神との戦い方を体で学ぶ。

 建造された船で、地球の裏側まで仲間達と共に旅立つ。しかし旅の途中で突入した海域で、まつろわぬセイレーンに仲間達全員が操られてしまい、海人以外死亡してしまう。このことが海人の中に残り、死者を弄ぶ者を憎み、許せなくなる。と同時に心に傷が残り、人間では助けどころか足手まといにしかならないと考えるようになる。

 セイレーンの島が沈んだ後、様子を見にきたデルピノスを脅して、アトランティスに案内させている。

 

 第四章では、アメリカに寄り道した後、ポセイドンの根城であるアトランティスに到達している。

 死闘の末、ポセイドンを倒し、仁実を救出する。できるだけ多くの島の住人を救出し、海人はデルピノスの呼んだアリオンに助けられている。そしてアメリカに、ポセイドンに攫われた島の住人を送ると、日本に帰った。

 

 しかしそれから三十年後、海人は海外を船で転々とし、日本にはあまり帰らなかった。ポセイドンを殺され、怒り狂ったまつろわぬアンフィトリテが、手下を散発的に襲撃させていたのだ。

 愛代や仁実、生まれた我が子に被害が及ぶと考え、大切な人達を遠ざけていたのだ。

 だが、そんな海人の心の内を知らない子供達の心は離れていった。二男の実季は、母が病床に伏せるのは父のせいである、と海人を憎むようにまでなっていた。

 海人が海外にいる間に愛代が亡くなり、次男の実季と長男の業季の南北に分かれた家中争いが起こると、日本には帰らなくなってしまった。

 

 第四章の一六五〇年頃から百年経ち、第五章は一七五〇年頃となっている。

 この間に海人は弟子は何度もとり、一人前になったら拾った国に戻している。

 またデルピノスの生みの親であるアンフィトリテを、海人は刹逆している。デルピノスが操られることはなくなり、海人は奪った権能で海の生物で兵士を創ろうとしている。

 

 第五章では、海人は二人の弟子をとっている。セイレーンの事もあり人間は遠ざけてはいたのだが、完璧には断つことはできないと考えていた。人肌恋しかったこともあり、身寄りのない子供を拾っては弟子にし、槍を主に武器の扱いを教えていた。

 しかしヴォバン侯爵が襲来。セイレーンのような権能で弟子の一人が囚われているのを見ると、ヴォバンを目の敵にするようになる。また自分から離れた人間にも被害が及ぶのを見て、自分に関わった者は不幸になると思いこむ。

 

 ヴォバン侯爵を追いかけ続けた。それは百年後の一八五一年、アイーシャ夫人の権能で大地の裂け目に吸い込まれて死んだ(と海人が思い込む)まで続いた。この頃にはもう何のためにヴォバンを付け狙うのか忘れていた。

 百年間の間に、海人は弟子をとるのを辞めた。自分に関われば不幸になると、ヴォバン侯爵の情報収集以外では人間との関わりを一切断った。

 

 第六章では、海人は日ノ本に戻ってきた。愛代も仁実も、遠い時の人になっているからだ。

 しかし仁実は生きていた。安東の血筋は途絶えておらず、仁実が存続するよう見守っていたのだ。

 海人は仁実が死なない体になってまで自分を待っていたと聞いて、自分が仁実をこんな風にしてしまったと己を責めた。罪滅ぼしとして、できる限り傍にいてやろうと決意した。

 

・権能

 

 1、八郎太郎の権能

 

 2、アナーヒタ(水天)の権能

 

 3、セイレーンの権能

 

 4、ポセイドンの権能

 

 5、アンフィトリテの権能

 

 

◇安東・愛代(あんどう・ちかよ)

 

 第二章から安東氏当主となり、海人の妻となった女性。第一章では海人という英雄に助けられる女性となった。

 表向きには安東氏当主は男ということになっており、男性としての名は安東愛季(ちかすえ)

 海人との間に長男業季(のりすえ)、次男実季(さねすえ)を儲けた。

 

 第一章では、世間も安東の内情も知らぬお嬢様だった。

 湊と檜山で家を二分して争うのはいけないと思い立ち、争いを仲裁するために奔走している。

 しかし安東について調べる中で真相に近づき、檜山に訪れる理由も海人に会うためになってきている。

 海人は彼女の目標のためにひたむきな所に尊敬しており、仁実は海人の自由に動ける所に憧れと嫉妬の混じった感情を抱いていた。

 

 第二章では、当主となり、重蔵から政務を学んでいる。

 海人と結婚し、海人が仁実を救いに旅立った後も帰る場所を守り続けた。

 

 五十代で他界。畳の上での大往生だった。

 

 

◇安東・仁実(あんどう・ひとみ)

 

 重蔵の実子であり、海人の義妹である。第二章では愛代の義妹にもなった。

 重蔵は檜山安東の人間なので、その娘である仁実は檜山の姫である。

 独身を貫き、その身は誰にも許していない。

 魔術が結構使え、第六章では人類の最高峰にいた。

 

 海賊として矢面に立って活動する海人の傍に寄り添い、補佐する立場にいた。

 父親が連れてきた海人を最初は警戒するも、長年連れそう内に家族としての愛情を持つようになった。海人が愛代と結婚することになっても、義兄がとられると思いながらも、海人が幸せならと心の中では祝福していた。

 

 しかし自身がまつろわぬ水天、まつろわぬポセイドンと立て続けに攫われるも、長い旅路の果てに助けに来てくれた海人に、家族の愛を越えた感情を持つようになる。

 愛代が生きていた時はその様子を見せなかったが、海人が日ノ本に帰ってこなくなってから歪んだ愛へと発展していく。

 海人が帰ってきた一八五一年には、海人の愛情が極端に変化。海人の望むことはなんでもするが、海人以外には関心を示さず、檜山を管理する道具程度にしか思っていない。

 

 『不死の存在』となり、二百歳以上になっている。海人との年齢も、十歳も離れていない。

 

 

◇安東・重蔵(あんどう・じゅうぞう)

 

 娘の仁実がおり、身寄りのなかった海人を息子にした。後に海人の嫁として、愛代が義理の娘になっている。

 檜山の安東に生まれたが、姓を捨てて家出する。倭寇の荒くれ者を率いて海賊団を率いていたが、実家が危機に瀕していると知り、再び安東の姓を名乗るようになった。

 

 荒事には向かず、それは海人に任せるようになっていた。しかし物造りについては深い知識を持ち、異国の情報が入りやすい港町に生まれたからか、銃や船のことをよく知り得ていた。

 海人がポセイドンを追いかける際、地球を半周して帰ってこれる船を造ったのも重蔵だ。

 

 第二章で当主となって愛代を補佐し、舜季の代わりとなって、実質安東の政務のほとんどを任されていた。

 

 海人がアンフィトリテから逃げ回っている海外にいる間に、病にかかり亡くなった。

 

 

◇海賊団の乗組員達

 

 重蔵が集めた、海賊船に乗る倭寇たち。海人のことは兄貴と呼んで慕い、仁実のことを姉御と呼んで慕っていた。

 重蔵のことも船長として尊敬している。

 第二章では、海人直属の部下として安東海軍に取り込まれた。

 

 第三章で、セイレーンの歌を聴いて惑わされる。セイレーンにゾンビのように操られるも、海人がセイレーンを倒すことで開放される。

 しかしセイレーンの歌を聴いた時点で全員が死亡しており、魂は開放されたが目を覚ますことはなかった。

 彼等を失った傷は、海人の心に深く刻み付けられている。

 

 

◇安東・舜季(あんどう・きよすえ)

 

 愛代の父親。安東の血筋ではなく、外から入ってきた。安東直系の妻もおり愛していたが、生贄として犠牲になった。

 魔術が使えるが、かじった程度である。

 たったひとりの家族である愛代を守るため、あらゆる手段を用いてまつろわぬ八郎太郎を殺すことを計画する。

 

 娘が、海人に心を寄せているということを知り、海人に接触する。愛代が危ない目にあうと知れば、邪魔をしてくるのではないかと考え、不確定要素は排除しておきたかった。

 

 八郎太郎は、生贄を差し出さないと現れないと判明し、危険に晒すのを渋りながらも愛代を囮にする。

 しかし計画はまつろわぬ神に暴かれ、八郎太郎の凶刃から娘をかばい、崖から転落する。

 最後は到着した海人に愛代を託して、息を引き取った。

 

 

◇海人の父親

 

 檜山安東軍の一兵士だった。海人に槍の使い方と、鍛錬方法を教える。

 

 まつろわぬ八郎太郎の川にまいた呪詛により、流行り病にかかり妻ともども亡くなった。

 

 アテルイとは姿は見たことはないが、話相手になっていた。

 

 

◇安東・芽衣(あんどう・めい)

 

 一八五一年に海人が帰郷した時の、秋田氏の次期当主だった少女。海人と愛代の子孫である。

 姫で、箱入り娘で、何かに向けて一生懸命という、愛代と共通点が多い。

 それもそのはずで、仁実がわざと愛代に似るよう、世間知らずの娘に育てた。いずれ海人が帰ってきた時に、海人に夜の相手として差し出し、体で海人を引きとめようという計画だった。

 そんな事は露知らず、芽衣は裏表のない活発な子に育った。海人が仁実に言い含めたおかげで、芽衣が生涯その事を知ることはなかった。

 誠実で年齢も近い男性と結婚し、特筆すべき偉業はないものの、秋田氏に生まれた者の責務を全うした。

 娘や孫達に囲まれ、その時代の人間にしては長い生涯に幕を閉じた。

 

 

◇芽衣の母親

 

 仁実の考えにより、結婚はしていない。種馬となる男性だけがいた。

 初めは芽衣と同じような教育を仁実に施されて、秋田家当主となる。しかし結婚適齢期を過ぎると、仁実の『海人を留まらせる計画』を知らされ、次期当主を産むよう命令される。

 種馬との間に芽衣を儲けると、仁実から開放され、自由になる。

 

 唯一の家族である芽衣を溺愛している。そのため芽衣が海人の相手に選ばれてしまった時、ひどいことをされないか非常に心配し、海人の機嫌を損ねていないか何度も伺ったりした。

 海人が芽衣に非道なことをしないと分かると、安心して預けるようになった。

 

 

 

~まつろわぬ神と神獣~

 

 

◇アテルイ

 

 筋骨隆々の大男で、額からは大きな角を一本生やしている鬼である。酒をいつも飲んでいるが、酔わない。

 顕現してから世界中で暴れまわっていたが、飽きると顕現した奥羽に戻ってくる。その後通りかかった術師にわざと封印され、民衆に祠を建てられ奉られていた。

 しかし時が経ち、祠自体忘れ去られたとき、偶然見つけた海人の父親にアテルイから話しかける。

 

 幼い頃から見守ってきた海人に何度も手を貸し、助言を授ける。まつろわぬ神の存在についても海人に教えたり、愛した女性の形見を貸し与える等している。

 海人に姿を見せた後、海人の周囲の人間にも度々姿を現している。

 

 その正体は、悪路王。坂上田村麻呂に討伐された鬼。

 鈴鹿御前の形見として、『三明の剣』という三振りの剣を所持している。

 大通連は、持つと敵を自動的に斬りつける。

 小通連は、縁のある者と繋ぐことができる。

 顕明連は、朝日に照らすと三千大全世界を見渡せる。

 

 

◇まつろわぬ八郎太郎

 

 十和田湖に巣食っていた、八つの頭を持つ巨大な蛇のまつろわぬ神。

 十和田湖の地脈点から大地の生命力を吸い取り、無限の再生力を得ていた。その影響で、十和田湖周辺の大地は植物の育たない、やせ細った大地だった。

 特に檜山の大地は荒地が広がり、異様なほど植物が育たなかったが、それは十和田湖の下流である八郎潟まで、八郎太郎が意図して川に呪詛をまいて流していたから。

 

 百年以上前に顕現し、十和田湖を住処としたが、当時奥羽の支配者だった安東氏が総力を上げて討伐隊を派遣した。

 それを容易く蹴散らし、腹をたてた八郎太郎が安東軍を全滅に追い込んだ。

 わずかに生き残った安東氏とは『安東家の若い女を生贄に捧げることで、街には下りてこない』という約束を結び、安東氏は衰退していった。

 

 そして安東舜季が当主となり、時間により八郎太郎の恐怖も薄まった頃、再び討伐隊が結成された。

 一度は撃退され、八郎太郎の逆鱗に触れ、檜山では流行り病が蔓延した。このとき海人の両親は亡くなったが、海人は魔術に強かったため、気分を悪くするだけで済んだ。

 十数年後に、二度目の討伐隊が派遣され、この時舜季が命を落とした。

 

 攻撃方法は、その巨体での押しつぶしや、八つの頭による噛み付き、口から放つ水流。

 

 アテルイから武器を借りた海人に、再生力の根源を見破られ、最後はお互い傷ついた体での決死の一騎討ちで討滅された。

 海人を羅刹王にするきっかけとなった。十和田湖の噴火によって生まれた神であるから、奪われた神力は『天災をひきおこす』という権能となった。

 

 

◇まつろわぬ水天

 

 ゾロアスター教の大河の女神アナーヒタが、時代が下るにつれて神格が剥離し、神祖寸前まで神力が弱まった姿。

 力は他のまつろわぬ神に比べて弱かったが、ポセイドンと同盟を組み、力を得た。

 顕現した場所である日本の名を名乗り、民衆に雨乞いの巫女として崇められながら、民衆を支配していた。

 『最後の王』を見つけるため、日本統一をたくらんでいた。

 

 大湊から侵略を企んでいたが、そこで羅刹王の海人が生まれたのを知ると、海人を自分が最大限の力を発揮できる拠点におびき出そうとした。戦場に紛れて仁実を攫い、まんまと海人をおびき出した。

 

 権能は周辺地域の水を操り、自身も流体となって物理攻撃を無効化する。だが決して無駄というわけではなく、体を切られる等してそぎ落とされれば、周辺の水で補完しなければならない。

 水天は拠点に地下水や河川水、温泉までも集めて、無敵となる環境を造っていた。しかし周辺地域ではそのせいで干ばつが起こっていた。水天はそれも利用して、民衆を操ろうと画策していた。

 

 海人は八郎太郎から簒奪した権能を使い、水天の拠点で干ばつを引き起こした。水天のまわりから突如として水がなくなり、体を再生できずに徐々に削られ、海人に討滅された。

 

 

◇まつろわぬセイレーン

 

 霧に包まれ、行方不明の船が沢山出る魔の三角海域、バミューダ・トライアングルの元凶。海域の中心にある島に居座り、人間を操る歌を歌っていた。

 姿は鳥の下半身に、人間の上半身。背中に両翼が備わっている。

 その歌声を聴いた者はセイレーンの島に行くよう命令され、島に船の金銀財宝を降ろすと、魂を奪い取られる。セイレーンの島には船と乗組員の死体が横たわり、『船の墓場』と海人は呼んだ。

 

 権能は人を操る歌声と、操った手駒を強化する歌声。空を飛べるが、翼は使わない。

 歌声は耳から入り、直接脳に呪力を注ぎ込む。そのため体外からの魔術に強い神殺しでも、近くで聞けば操られてしまう。しかし海人は特別、魔術の耐性が強かったため頭痛だけで済んだ。

 

 操っていた人間や、既に白骨化している人間も操って、海人に差し向けた。多対一の攻撃を海人に仕掛けるも、仲間を操られて頭に血が上った海人に、まとめて噴火による炎の岩で焼く尽くされた。

 最後は巨大な炎の岩に押しつぶされながら、海人の仲間は既に死んでいることを海人に教える。ざまあみろと嘲りながら、最後に一矢報いたことに満足して消えた。

 

 

◇まつろわぬポセイドン

 

 ギリシャ神話のビックネーム、海と大地を支配する神。競馬の神でもある。

 その本質は征服者であり、他国を侵略し、その領土を占領した証として女性を妾としていた。自分のものではないものを、自分だけのものにすることを至上の快楽としており、領土だけでなく他人の女も支配しようとしていた。

 そのためポセイドンの寝所の神殿には、世界から集められた美女達がいた。彼女らはポセイドンの支配を受け入れざるを得なかった人達であり、愛する異性や婚姻を交わした者もいた。

 アンフィトリテも海を征服した証として、無理やり婚姻した者だった。

 

 アトランティスという大西洋に浮かぶ大陸を所有していた。しかしそれはポセイドンの権能で浮いているつぎはぎの島であり、アトランティスの土はポセイドンが世界中から切り取ってきた陸の一部だ。

 陸の上にあった民家も一緒に連れてこられており、大西洋が何処かわからない人達は、アトランティスでの生活を余儀なくされていた。

 アトランティスの周囲には神獣が多数おり、例え船で逃げれたとしても、島を渦巻く海流で外には出れなかった。

 

 征服者である他方、自ら槍を持ち、軍の先頭で戦うような戦闘狂でもあった。玉座で待っているとうずうずしてアトランティスを飛び出したくなったり、自分と似ている海人を見つけた時は大いに喜んだ。

 

 水を操ることもできる三叉槍トリアイナを使って戦う。三叉槍トリアイナは、海水から呼びだすことができた。実体をもたせれば他の鋼の武具に負けない強度を持ち、壊れても海水があればまた呼び出すことができる。

 ポセイドンはそれに加え、愛馬ヒッポカムポスに騎乗してのランスチャージの戦法を得意としていた。ヒッポカムポスはポセイドンの呼びだした神獣であり、音速の速さで陸も海上も走る。

 

 水を操ることにおいては海人のどの権能にも勝っていたのだが、海人が無理に二つの権能を同時に使ったことで、水の支配権を剥奪される。

 ポセイドンの使える権能はトリアイナひとつだけだったため、水からつくるトリアイナをつくれなかった。己の体ひとつで真っ向から海人に勝負を挑むも、敗北して消滅する。

 

 

◇まつろわぬアンフィトリテ

 

 海の支配者である三面相の女神の、地方名のひとつ。侵略され、ポセイドンと婚姻を結ばされ海の支配権も奪われてしまう。

 しかしまつろわぬ神になっても神力は衰えを見せず、長年に渡って海人を苦しめた。

 

 デルピノスも アリオンも。ポセイドンが呼び出したヒッポカムポス以外の神獣は、彼女が生み出した。

 アンフィトリテの権能は、海の生物を改造し、彼女の僕となる神獣に造りかえることができる。そのためアトランティスの周囲を懲戒する神獣も、彼女の命令に従う。世界のどこからでも命令を発すことができる。

 

 一世紀近くにわたり追跡し、海人に尖兵を差し向けて疲弊させて殺そうとした。海人にとどめを刺すその時まで、決して海人にその姿を現すことはなかった。

 しかし海人におびき出され、権能を簒奪された。

 

 ポセイドンのことは、嫌々ながらの結婚であったが、長い付き合いで愛するようになった。海人を追っていたのは、復讐と敵討ちのためだった。

 

 

◇デルピノス

 

 まつろわぬアンフィトリテが生み出した神獣。イルカの知能を特化させるため、脳を改造して神獣になった。

 ポセイドンは知らなかったが、神獣達の司令塔の役割を担っていた。

 

 セイレーンの島が沈んだ時に海人に捕獲されるも、海人に接するうちに、手駒扱いするポセイドンや、一度しか会わなかったアンフィトリテを見限り、海人につく。

 

 アトランティスが沈むとき、神獣達に指令を下し、住民達を救出した。

 その後アンフィトリテから召集の命が下るも、海人の下に海馬のアリオンと共に残った。

 

 アンフィトリテが海人に討滅された後は、自分の命を脅かす最も怖い存在が消えたことで、海人を支える右腕のような存在となった。

 海人がアンフィトリテの権能で造った神獣達は、すべてデルピノスか、トリアイナを通して海人の命令に従っている。

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