「どうだったかしら、学院は?」
東南外周島の1角に建てられた邸宅。そこがスコーピオン本部にしてエレオノーラ・アレイクスの自宅だ。
「はい、中々。強いものや、強くなるものが集まっていて楽しい場所でした」
『DQNpizza』の人気商品、鮫ピザと鴨ハムピザを食べながら語る夕死狼とエレオノーラ。
「ただ、和奈がいることは想定外でした」
「優樹和奈。信州コロニー消失事件の唯一の生存者。優樹家長女で君のお姉さん」
「はい。能力はわかりませんが強力な範囲攻撃ができます」
かつて夕死狼よりも優秀だった和奈を、夕死狼は嫌っていた。
・・・・・・8年前から変わらず無邪気で理想主義で、どこか抜けてて。
そんな能天気な和奈を今でも嫌っている。
「ところで、学院内に・・・・・・殺しを前提として勝てない相手はいる?」
”私を除いて”。
「生徒会役員は一通り見ましたが、庶務以外は全員無理です。ルークレギオンは主席、次席は難しいです。桜逆憐夜は勝てますが厄介です。それから、仙宮矛はまだ実力を見ていません。ビショップの
「結構いるのね。綾と舞蝶はまず戦うことはないから安心して・・・・・・あら?」
ふと、窓の外を見る。
「夕・・・・・・いえ、私の猟犬。侵入した超能力者を狩りなさい」
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倉庫の一つで、一組みの男女が戦っていた。
「・・・・・・はぁ!」
少女が指先から炎を出して攻撃する少女。その火力は凄まじく、500°の熱にも耐えれるコンテナの横っ腹を一瞬で融解した。
対する男は虚空から剣を取り出すと、それを投擲した。剣は白い軌跡を描きながら少女に向かっていく。少女は避けようとはせずに炎で壁を造って剣を溶かした。そこに突然巨大な盾を持った少女と、
「こんばんわ!DQNpizzaのデリバリーサービスでーす」
ミサイルランチャーを持ってバイクに乗った女性が、倉庫の中に入ってきた。ご丁寧なことにDQNpizzaの制服を身につけている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
呆然と二人を見続ける二人を意に返さず、ミサイルを発射する。DQNpizzaにミサイルのデリバリーサービスは存在しない。
「くっ・・・・・・このっ!」
放った炎がミサイルを爆発させ、少女にはダメージはなかった。代わりに少年の姿を見失った。
「凍てつけ!」
狼のような仮面を付けた少年が氷の槍を飛ばしてくる。
「邪魔!」
「効かん」
槍を融かした炎を何十層ものぶ厚い氷壁が防いだ。
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それは風を断つほど鋭く、それは炎すら斬り伏せ、音よりも早く、振るう刃は裂けた皮膚から出てきた血によって赤く染まっていた。
「紅蓮一刀!!!」
緋色の―――――――血色の刃の一閃が氷壁と炎を切り裂いた。
この技は、【超強化】の超能力を持つ桜逆憐夜以外が使うことはできない。何故なら、彼の持つ【超強化】によって放たれる音速を越えた斬撃と、そのなかでも敵を的確に捉えるための【第六感覚】が必要なのだ。
「・・・・・・!」
もうすでに、二人はその場にいなかった。