穏やかな春の日差しが入り込んでくる、1年D組の教室。
「はーい。今からHRを始めマース。え?私の名前?千屋市屋です」
明らかに日本人ではない女性教師が笑顔と共に入ってきた。
話し方、立ち振る舞い、纏っている雰囲気、その全てが教師というよりは近所に住んでいるお姉さんという印象を抱かせた。
「え~と、先ずはみんなの自己紹介からしれもらおうかな~?って思うんだけど」
一番前に座っている鮎河と呼ばれる生徒に目を向けながら、困ったような笑みを浮かべて言った。
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「はーい、ありがとうね。じゃあ、次は桜逆くんだね?」
「はい」
桜逆憐夜はその場で立つ。
「桜逆憐夜です。出身コロニーは三河。夜警隊員も兼業しています」
本来なら政府機関員は兼業を禁止している。しかし、夜警は活動時間の特異性から兼業が許可されている。
「え~。これで終わり?他には?・・・・・・好みの女の子とか、趣味とか、無いの?」
「・・・・・・今ここで言うつもりもありませんし、趣味も存在しません」
ぶっきらぼうに言い放つ憐夜の態度に肩を落とす。
憐夜は着席しながら、別の席に座る祖郷領という生徒に目を向けた。
(昨日戦ったスコーピオン所属の奴に似ている)
顔を見たわけではない。だが、体格や雰囲気が似ているのだ。
「はーい。正直言ってどんぐりの背比べみたいな自己紹介ですね~祖郷君、一発芸やってくださいよ」
「やりません・・・・・・祖郷領です。好きな食べ物はお徳用レーション『食べれる消ゴム君』とDQNpizzaの鮫ピザと激辛麻婆豆腐ピザで、趣味はありません」
『食べれる消ゴム君』が好きな奴初めて見るわ!
多くの生徒が同じ感想を抱いただろう。しかし、
「あ~!わかるわかる!あれ美味しいわけじゃないのに・・・・・・贔屓目に見ても不味いのに、食べてるとなんだか落ち着く味だもんね♬!」
因みに『食べれる消ゴム君』とは原材料不明の味のない物質を消ゴムのような形にしただけの加工食品である。
(((あ、あれを好きになるような猛者が二人もいたとは)))
戦慄を隠せない生徒たちだった。
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「は~い、じゃあ1時限目兼HRは終了。で、今日から3日間、2限目以降は自習と評したクラス行事で~す」
クラス全体がざわめく。ざわ、ざわざわざわ。
「ここでは一年生は5人1組のチーム活動が強制されてるの。だから、今日から3日間の間に行われる行事、<スカウト>でしっかり考えてチームを造ってね?」
そう言いながら、前の席の生徒に資料を渡す。
「これには、一年生全員の情報が乗ってるから、欲しい生徒がいたらスカウトしに行くこと。ただし、ほかのチームリーダーにスカウトされていたら、力尽くで奪ってください・・・・・・あ、そうそう。殺しはダメだからね?」