◯◯な原子力空母・・・ゲルマン 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
【???】〔???〕
「・・・さて、何年目だろう?ここで生活するのは。」
とある博物館の敷地内で女性が呟く。
女性はとある船の上に乗っていた。
《世界初の原子力空母・・・ゲルマン》
看板にはそう書いてある。
女性はその船の化身である。
・・・ただ、もう彼女は動くことはできない。
心臓とも言えるエネルギー・・・原子力が供給されていないからだ。
「戦争・・・先輩達は改装されて別の場所で活躍した。・・・同期は解体されて新たな体を得た。・・・後輩は新時代の戦争で活躍した・・・私は?・・・初の原子力空母と言う肩書き以外には何か目立った活躍は・・・してないな。敵の潜水艦の哨戒任務しかしてないや。・・・居心地が悪い。」
周りを見渡せば通商破壊作戦で約80隻もの輸送艦を沈めた化け物潜水艦や、イギリス攻略に活躍して有名になった駆逐艦等が沢山あった。
そんな先輩艦や後輩艦からは陰口される日々を送っていた。
「人間でいったらタダ飯喰らい・・・かな?私は・・・。」
もう少し早くできていればジブラルタル攻略作戦に参加できたのに・・・もう少し遅ければ解体されて新たな艦の材料か役立つものになれたのに・・・悔しかった。
そしてもっと活躍したかった。
叶うはずもない願い事を彼女は思う。
私の体の中で観光をしている子供の言葉が一番傷つく。
「お父さんこの艦はどんな活躍をしたの?」
「いや、この艦は潜水艦の哨戒だけだよ。ただ、世界初の原子力空母だよ。」
「原子力!?凄いや!!どこにあるの?」
「ここには無いらしいよ。」
「なんだ!!つまんないの。」
このつまんないが一番心に突き刺さる。
「・・・はぁ。」
溜め息が出た。
そんな生活をするゲルマンだったが、深夜・・・閉館時間に私の体を触る人がいる。
「なんだろう?私は疲れているのに・・・。」
目を開けるとユダヤ系の男性達が立っていた。
「どうせ見えないのだから言ってもしょうがないけど・・・閉館の時間だよ。」
すると男性達がざわつく
「・・・データにない艦だ。」
「これはドイツ語か?」
「極秘艦か?」
等と訳のわからないことを喋っている。
「失礼な・・・私はドイツ共和国とイタリア王国の技術の結晶の原子力空母だ!!」
すると私はなぜか殴られた。
頬に痛みが生じる。
私は初めて体が人間のようになっていることに気がついた。
「ドイツ共和国?イタリア王国?はん。どうせナチの実験艦だろ。そんな技術力はねーよ。おい!!こいつをさっそく実験に使う。・・・たく、イスラエル国初の艦娘とはな・・・。」
「えっ?痛いぃぃ。」
髪の毛を無理矢理引っ張られた。