◯◯な原子力空母・・・ゲルマン 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
私達からすれば嬉しいことがおこった。
チェルノブイリの事故から約1年半経過したいま、ソ連が崩壊した。
最高指導者のゴルバチョフが東欧と中央の一部を分離独立させて残った地域の再編に行動を開始しているがその混乱は計り知れない。
「・・・この国も潮時だ。」
ソ連に輸出入を結構な割合で頼っていたイラクは暴走の兆しを見せていた。
私と妖精3体は旧ソ連・・・ウクラナイの海軍基地に移動した。
分離独立したがチェルノブイリという爆弾を抱えさせられたウクラナイは混乱の真っ只中だった。
密入国を果たした私と妖精3体はウクラナイのセヴァストポリにある海軍基地に到着した。
「にひひ・・・やっぱりいた。」
そこには妖精達が基地の近くで右往左往していた。
「にひひ・・・こっちにおいで。」
「見たことない艦です?」
「ひこーきのりたい。」
「羅針盤回すよ。」
呼び掛けたら60体くらい集まってきた。
全てを袋に詰め込んで逃走。
もう一度イラクに戻り、資材を全て積んでインドに向かった。
「にひひ・・・計画道り。」
国境警備が万全でない今だからこのような密入国と密出国をできているが、混乱が収まれば到底無理なことだった。
数日後にはパキスタンの南部に私達はいた。
拐ってきた妖精はルーデルと私で黙らせた。
ルーデルはなぜかソ連の妖精のトラウマらしく、さらに私が高濃度ウランを常備していることから力で不満を抑えた。
パキスタン南部は無政府状態で、所々に男の死体が落ちていた。
・・・女性は全く見えなかった。
気になって少し探してみると崩れた建物の底でうねうね動く蒼白い少女がいた。
「イタイイタイイタイ・・・オカアサン。」
「あれが深海艦です。」
腰にある箱から飛び出してきたメッサーシュミットが私に告げた。
私はガスマスク越しに少女を見ていたが、とても弱そうだった。
「・・・。」
パン
懐に入れていた拳銃で少女の頭部に向かって発砲した。
グチャァ
少女は青色の液体をばらまきながら動かなくなった。
「ソ連妖精・・・解析を頼む。」
「「「了解!!」」」
彼らは元ソ連の兵士や技師だったらしいが、めんどくさいのでソ連妖精と読んでいた。
「メッサーシュミット・・・深海棲艦とはこれほど弱い存在なのか?」
「いえ、恐らく燃料切れです。詳しくはルーデルに聞いた方が早いですよ。」
「ルーデルは知っているのか?」
「ああああ。・・・こここいつらは地上に上がり海が見えなくなると極端にじゃじゃ弱体化する。だがもう一度海に戻ると強くなるから厄介だ。」
「・・・だから大国はある程度力が残っているのね。」
陸地に誘き寄せて撃破するのが簡単だろうが、それができない国も多数存在する。