それではどうぞ!
第27話 月光影
ホームルームを終え、ディアナの周りに男子や女子が群がり
廊下からは別のクラスの男子が覗き見していた
ジョエルは遠目からディアナを眺めていた
ジョエル(…今はレットは散歩中、だがここなら襲われることはないか…)
その時、夏海がジョエルの肩を叩き
夏海「なーに見とれちゃってんの?
遂に初恋?」
智花「…え!?そうなんですか!?」
ジョエル「いや、少しな…神凪はまだ見回りか?」
夏海「そうよ~、だからチャンスよ。
この間にあの子から色んなことを聞くわよ!」
ジョエル「…そうか、まあ頑張ってくれ。」
夏海「何言ってるのよ、あんたも来るの!」
ジョエル「な!?何故!?」
夏海「あんたのイケメンフェイスでメロメロになってる間に答えにくいものも答えさせる
ふっふっふ、夏海ちゃんの作戦に狂いはないわ!」
智花「いろいろあると思うんだけど…」
夏海「さあ行くわよ!、スクープがあたし達を呼んでるわ!」
ジョエル「待て!今は会うわけには行かないんだ!」
手を引かれ、ディアナの元に来てしまったジョエル
ディアナはその赤い瞳でジョエルを見つめる
夏海「ねえねえ、あたし報道部なんだけど取材させてよ!」
ディアナ「いいけど…ねぇ、あなた…名前は?」
ジョエル「え?俺か?俺は…その…」
夏海「彼は空条ジョエルって言うのよ。
で、あたしが報道部ゴシップ班副班長岸田夏海よ!
よろしくぅ!」
ディアナ「よろしくね、岸田さん」
ディアナのほのかな笑みは周囲の生徒達の頬を赤くさせる
少し青ざめ気味のジョエルを除いて…
夏海「夏海でいいわ、後で取材させてね。」
ディアナ「ええ、そうだ。聞きたいことがあるの。」
夏海「何?大体のことなら分かるわよ。」
ディアナ「この学園に…ジョースターの人間は…いる?」
ジョエル「……!!、岸田…その事は…」
夏海「あたしの隣にいるわよ?」
ジョエル「な!?」
ディアナ「……彼がジョースター?」
ジョエル「…俺はトイレに行ってくる。」
そう言うとジョエルはそそくさと教室を出る
夏海「どうしたのよ?さっきから変なやつ」
ディアナ「………さあ?」
その時、教師が入ってくる
「空条君いる?」
夏海「さっきトイレに行きました。」
「そう、6時間目に薬草を用意しておいてと伝えてもらっていい?」
夏海「分かりました。」
教師は礼を言うと立ち去った
ディアナ「…薬草?」
夏海「授業で使うのよ、無かったら誰かが採りに行かないといけないけど
今日はジョジョが日直だから用意しなきゃいけないの」
ディアナ「…無かったら取りに行くの?」
夏海「そうなるわね、でも前に補充したからまだあるはずだから」
ディアナ「………ふーん」
『私立グリモワール魔法学園~天文部部室~』
ジョエルが中に入るとそこにはミナと恋がいた
ミナ「ふっふっふ、よく来た。サーヴァントよ」
ジョエル「ああ、少し休ませてもらう…」
恋「なんじゃ、元気ないのう。
どれ、わっちの特製梅干しでも……」
ジョエル「そう言う疲れではないから必要はない。
心臓に悪いことが起きてな」
恋「ほほう、話してみればよい。
少しは助言をやれるかもしれんぞ?」
ジョエル「実は今日転校生が来てな、だが…
俺はどうも嫌われていてな…」
ミナ「なんだそれは、何かしたのか?」
ジョエル「…記憶はないが、どうしたものか…」
恋「まずは話してみてはどうかの?
訳を聞かんことには解決法は分からんじゃろう?」
ジョエル(…接触…か…第三者がいれば下手に手は出せないか?
だが…相手の手段によるな、流石に銃器はないだろうから
魔法?いや、魔法を使えば風紀委員にバレる。だとすれば一体何を使う…?)
ミナ「サーヴァントよ。これから円卓の騎士を集め試練を行う。
お前も参加するのだ!」
ジョエル「…ああ、悪いな。
今日いろいろやることが…」
ミナ「な、我の召喚に答えないつもりか!?」
恋「これミナ、わがままを言うでない
ジョエルも忙がしいんじゃからの。」
ジョエル「…すまんな、それじゃあそろそろ行くか…」
恋「うむ、またの…」
昼休み、ジョエルは職員室に呼び出され、教師の元に行くと薬草が無くなったから山へ行き採りに行ってもらいたいと言われる
職員室を出ると、チトセと会う
チトセ「あら、空条君。職員室に用でもあったの?」
ジョエル「ああ、薬草が無くなったから採りに行けとな」
チトセ「薬草?まだあったって聞いていたけど…?」
ジョエル「そうなんだがな、まあ無くなったのなら行かなきゃならない。」
チトセ「そう、たまに熊が出るらしいから気を付けるのよ?」
ジョエル「分かっている。行ってくる。」
そう言いジョエルは歩いていく
チトセ「……まさか…ね…」
「君も同じことを考えているのかい?」
チトセが振り返ると鳴子が歩いてくる
チトセ「ということはあなたもね?」
鳴子「ああ、ディアナ・ブランドー。
アメリカの探検家、ダリル・ブランドーの一人娘
6歳の時に母親を亡くしてから父親と二人暮らし。
数ヶ月前に父親が急死と共に覚醒、そしてグリモアに入学…
不思議だとは思わないかい?何故フロンティアアカデミーではなく
わざわざ日本の魔法学園を選んだのか?」
チトセ「…ジョースター、それに関係がある…」
鳴子「そう、だからこそ。彼女には気を付けなければいけない。
彼女は…ジョエル君を狙っている…」
『風紀委員室』
風紀委員室には怜と沙妃、風子が話し合っていた
沙妃「一体何故急に無くなったのでしょうか?
在庫は十分あって授業で使うには暫く持つはずですが…」
風子「全く…転校生が来るとどーして問題が起こるんでしょーかね…」
怜「鍵も掛かってあり窓も閉まっている。
こじ開けられた形跡も一切ない…
けれど、中には荒らされたような形跡がある。
一体どういうことか…」
風子「今空条さんが補充しに向かってんで2、3日分は間に合うでしょーが
原因が分からないことには意味ねーですね…」
その時、レットがドアを開け
レット「おーい!相棒来てねーか!?」
怜「いや、来ていないが…どうしたんだ?」
レット「それが…相棒、命を狙われてんだよ!」
沙妃「……はい!?」
風子「…詳しくせつめーしてもらいましょーか」
『魔法学園周辺の山奥』
ジョエルが山道を歩いていると後ろから気配を感じ取る
それはディアナ・ブランドーの気配だった
ジョエル「…?、ブランドー!?
後方29m、まだ離れては……!?」
その時だった、ディアナの気配が突然消える。
ジョエル「…ど、どういうことだ!?確かに、彼女の気配が後ろから……」
ジョエルが後ろを振り返ったその時、ディアナの気配を感じ取る
だが…気配を感じたのは…
ジョエル「…俺の、後方…1m!?」
ジョエルが振り返った瞬間、腕がジョエルに殴りかかる
ジョエルは咄嗟にガードするがその力は強く、ガードが解かれてしまう
ジョエル「な、何故!?俺の後ろ…しかも1mの距離に!?」
「まさか…受け止められるとはね……」
そこには、ゴシック風黒のミニスカワンピース、袖はパフスリーブになっていて
太股まである黒いソックス、少し開いた胸元にDの銀のアクセサリーをつけた
戦闘服のディアナ・ブランドーがジョエルの目の前にいた
ジョエル「…ブランドー。やはり俺を殺すのが目的か…!?
そして……お前の横にいるのは…スタンド!」
ディアナの横には、影のように黒い女性型フォルムのプロテクタースーツ
関節部分は機械のようになっていて、前頭部分は丸みを帯び赤い瞳のような光が見える
膝やベルトにはハートがある
ディアナ「…そうよ、私のスタンド…。
ムーンライトシャドウ、もうあんたは私から逃れられない!」
ジョエル(…くそ!まさか…スタンドだとは何故考えなかった!!
スタンドなら、魔法検出も妙な飛び道具もない!
あの瞬間移動のような能力…一体どうやってだ!?)
ディアナ「大人しく、くたばりなさい。」
ジョエル「何故だ!何故こんなことをする!」
ディアナ「こんなこと…?、バカ言わないで!
ジョースター家が何をしたのか、分かってないようね!」
ジョエル「…ジョースター家が…?」
ディアナ「…ジョースター家は…いえ、ジョーガン・ジョースターは…
私の…父を…殺したのよ……!!」
ジョエル「…!?、バカな!爺ちゃんはそんなことは絶対にしない!!」
ディアナ「…言ってなさい。だからあんたには死んでもらう。
ジョーガン・ジョースターにも私が受けた苦しみを、家族を失う苦しみを味わってもらうわ!」
ジョエル(…駄目だ、ここは逃げるしか…!)
ジョエルは逃げ去ろうとしたそのとき
何処からかスタンドの腕がジョエルの脇腹を打つ
ジョエル「…ガッ!?」
しかし、それを耐えてジョエルは駆け出した。
ディアナは舌打ちをすると、突如消える
ジョエル(…まずは遠くへ、何とかして学園に戻らなければ…
今の俺では、対処する方法がない!)
ディアナ「逃げられると思っているなら…」
その時だった、ディアナが突然木の陰から現れ、スタンドの拳で攻撃を仕掛けてくる
ディアナ「ムダァ!!」
ジョエルは咄嗟にガードをする。
腕にミシミシと音がしたが受け止めることに成功する
ジョエル(…このスタンド…パワーはレットよりあるが
驚異的ではない。何とか耐えられ……、!!)
ジョエルの脇腹に痛みが走る、先程受けた打撃ではなく、今受けた打撃だった。
脇腹にはもう片方の拳がめり込んでいた
ディアナ「ムゥダムダムダムダムダ!!」
ムーンライトシャドウのラッシュがジョエルを襲う。
ジョエルのガードをすり抜け数発のパンチがジョエルの胴体に当たる
ラッシュを受けたジョエルは近くの木に背中を叩き付けられる。
ジョエル(な…なんてスピードだ…レットより少し早い…!)
ディアナ「ムダだと言ってるでしょ?
あんたはもう、【私の30m以内】に入った以上逃れることは不可能」
ジョエル(まさか…30m以内限定で転移する能力!?
逃れられるわけがない!、ど、どうすれば…!)
ディアナ「さっさと死になさい。あんたの次は…
ジョーガン・ジョースターを殺す。すぐに後を追わせるわ」
…追わせる…つまり、爺ちゃんを……
爺ちゃんは絶対に人は殺さない、必ず何かあるはずだ!
それを知るまでは…【真実】を知るまでは死ねない!
ジョエル(逃げることが出来ないなら、やるしかない…
何とかして、ブランドーを止める!)
ディアナ「何を考えているのか知らないけど…」
…今だ!
ジョエル「次にお前は!【私に勝つ可能性は0%!】と言う!」
ディアナ「私に勝つ可能性は0%!……!?」
その時だった、何処からか突然猛烈な光が現れ、ディアナは目を瞑る
ジョエルは訳が分からなかったがチャンスと見て駆け出した
ディアナ「!?、今のは!?」
ジョエル(…一体、なんだ?
運が良かった、ブランドーの目が眩んでくれたお陰で距離が空いた。
だがすぐに詰められる。あのスタンドの能力を知らなければ!)
ブランドーの気配が一瞬で近付いてくる。
木の陰から現れて、攻撃を仕掛けてくる…
30m以内の…木…?
何故木からだ?、いきなり目の前に現れて奇襲を仕掛ければ確実に殺せるはず…
…いや、木からしか転移できないとしたら…?
ディアナ「ムダァ!!」
ジョエル「そこだ!」
その時、ジョエルの一番近くにある木から遠ざかる
するとスタンドのラッシュが外れる
ディアナ「!?、そんな!?」
ジョエル(…やはりだ!…木の陰…影だ!
30m以内の【影で】転移しているんだ!…ならあとは…」
ジョエルは突然、方向を変える。
ディアナは戸惑いながらも後を追いかける。
ディアナ(どういうこと?、いきなり方向を変えるなんて
学園から離れる…?そんなわけない。
立ち向かう方法なんて、アイツにはないはず…)
暫く走ると、広い場所に行き着いた
中央に川があり、所々岩場がある。
ジョエル「…やはりな、お前はここでは転移できる場所が限られる。」
ディアナ「…!?」
ジョエル「…ようやく分かった。お前のスタンド能力
影をワープゲートにすることができるんだな?」
ディアナ「…………」
ジョエル「…止すんだ!、こんなことしてもお前の親父さんも喜ぶはずがない!」
ディアナ「……黙りなさい!、汚れきったジョースターの言葉なんて
聞こえはしない。私には情報提供者がいるもの…」
ジョエル(…情報提供者?一体…)
ディアナ「…それで能力を封じたと思ってるのなら
ムダな考えね……影がないなら……」
ジョエル「…何?」
ディアナは近くの石を拾い上げ、岩に近付き
石を優しくジョエルの方へ投げる
ジョエル(…石?、そんなものなんの役に…?」
ディアナ「作ればいいじゃない!」
その時、ディアナのスタンド
ムーンライトシャドウが何かを投げた、それはプラスチック製の筒のようなもので、それは石の上に投げられた
その筒には紐のようなものがあり、そこから火花が付いていた
ジョエル「…!?、何を!?」
その瞬間、プラスチック製の筒が爆発し強烈な光が放たれる
ジョエルはそれを直に見てしまい、目を瞑る
そこから気配は20m離れていたはずが1mにまで距離が詰められていた。
ディアナ「ムゥダムダムダムダムダ!!」
ムーンライトシャドウのラッシュがジョエルの身体中に命中し、大きく吹き飛ばされ岩に叩き付けられる
ジョエル「…い…一体……なにが…!?」
ディアナ「アルミニウム粉末と塩素酸カリウムから作られるフラッシュパウダー
この光で石の影を作ったの…だからこそ。
移動することができた、あんたの近くに」
ジョエル(…く、左腕が…折れた…、ダメージがデカイ…)
ディアナ「どう?まだ足掻くつもり?」
ジョエル「…まだ……だ。まだ…死ぬわけには…いかない!」
そうだ、絶対に…死んでたまるか!…俺は生き残る!
その時、ジョエルの体から白いオーラのようなものが浮き出る
ディアナはすぐさま下がった
ディアナ(…この光…まさか…)
次の瞬間、ジョエルの体から卵のようなものが現れる。
中央に大きな星が描かれたスタンド
斜めに大きな割れ目があり、隙間から目が覗かれる
ジョエル(…俺の…スタンド!?、一体いつから!?)
ディアナ(…スタンドの常識…どんな姿のスタンドであれ
注意するのは能力…こんな弱そうなスタンドでも能力で厄介なものになる……)
ジョエル「…これなら……切り抜けられる!
いけぇ!、俺のスタンドォ!!」
ジョエルのスタンドが徐々に光出し、強くなっていく
それを見たディアナは警戒する
ディアナ「…来る!?」
そして、ジョエルのスタンドが強烈な光を放ち、周囲を覆った
その光にジョエルは目を瞑る
これで……何か起こるはず……これで……
だが……聞こえてきたのは、一人の声だった
「………なによ」
ジョエルが目を開けると、そこには平然と立つディアナとそのスタンドだった
ジョエルのスタンドは微かに光続けているが、特に変化はなかった。
ディアナ「なにも起こらないじゃない」
ジョエル「………そんな………バカな……」
ただ……光るだけ…?光るだけのスタンド……
ディアナ「さすがは性根の腐ったジョースター家
スタンドもしょうもないものだったわね。」
ジョエル(…終わった…のか…?、なにも…起こらない…)
ディアナ「今度こそ、死になさい!」
……俺は…死ぬのか……?このまま……
そして、ムーンライトシャドウのラッシュがジョエルと
ジョエルのスタンドの体を貫いた……
to be continued……
ムーンライトシャドウ
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続性:B 精密動作性:B 成長性:A
能力:30m以内の影同士をワープゲートにして移動する
生物の影は通れない、またディアナが入れる大きさでないと転移できないが
腕だけなど一部だけ通すことができる。
やあ、スキッドだ。今回は出てないけど次回に出れるといいな。
まだまだ物語は続く…はず!
次回 【星の光】お楽しみにね。