埼玉県風飛市の風飛高校に通う空条ジョエル、彼は友人の頼みで魔物と戦う魔法使いを育成する私立グリモワール学園に向かう、しかし偶然出現した魔物によって平穏は一気に崩壊する。
ジョエルは友人たちを逃がすため自ら囮となり、一時は魔物から逃走するも、崖に追い込まれ彼の持つ力『波紋』を用いて魔物3体を撃退するも、潜んでいたボスによって瀕死の状態まで追い込まれる。
それを救ったのは、学園に通う16歳の少女、南智花であった。
しかし、魔物に狙われたジョエルは力を振り絞り、魔物の攻撃を退け、魔法使いに覚醒する
魔物討伐後、学園内に運び込まれたジョエルは一刻も早く学園から出ようとするが、魔法使いに覚醒したことで学園に『強制入学』させられてしまう、それを拒みある夢を見るのを恐れながら帰宅するのであった
第3話 尊敬する魔法使い
白い雪に覆われた銀世界、そこにはスキー場だったであろう坂やリフト、スキー道具のレンタルショップ等が建ち並んでいた、しかし人々はそれどころではなかった、叫び声や泣き声を上げながらあるものから逃げる人々がいた
逃げるものたちの背後には、火や雷等の魔法を放つ魔法使い達が何かを攻撃していた、その何かとは、様々な形をし、様々な鳴き声を上げる魔物達だった
次々と霧散させていくが更に数が増えていく、魔法使いが騒ぎながら
魔法使いA「なんなのよこの数!、あり得ないじゃない!」
魔法使いB「くそ!、簡単な演習じゃなかったのかよ!
何でよりによってこんな日に!」
魔法使い達が愚痴を漏らすなか、一人の細いバンダナを額に結んだ男性が魔物の群れに突っ込んでいった
男性は腰のホルスターに仕込んでいる銀色の光沢を放つトンファーを手に取り回転させながら魔物を攻撃する
男性「…コォーーー……」
男性は奇妙な呼吸をするとトンファーに電流のようなものが流れ、攻撃するたび、魔物の体に電流が流れこみ霧散する
男性は一気に襲いかかる魔物5体を一つの蹴りで吹き飛ばし、霧散させる
市民たちの最後尾には一人の女性魔法使いが誘導する、その足下には一人の少年が不安な眼差しでその女性を眺める
女性「急いで!、港まで急いで!、ジョリアス!、もう少しだから踏ん張って!」
ジョリアスと呼ばれた男性はニッと笑い
ジョリアス「大丈夫だ、まだ余裕で防げるぞ!」
その言葉を聞いた少年は目を輝かせながら男性を見つめる
この人がいれば魔物なんて目じゃない、僕の尊敬するヒーローだと、この………第6次大規模侵攻だって止められるヒーローだと…だが、全てはここから狂っていった
住民の避難がほとんど終わる直前、一人の魔法使いが叫んだ、それは魔法使い達にとって信じられなかった言葉だった
何故か、それは今まで聞いたこともなく、あり得ない事態だったからだ
魔法使い「11時方向にタイコンデロガ級3体接近!!」
ジョリアスと女性を除く魔法使い達がその報告に動きが止まった
そして一人の魔法使いがパニックを起こしたのか急に避難している住民を追い抜いて逃げ出す、何を思ったのか他の魔法使いもそれに続き次々に仲間と一般人をおいて逃げ出したジョリアスと女性は止めるが全く聞かなかった
ジョリアス「どこ行くんだ!、俺たちが足止めしないで誰が助けるんだ!」
「お母さん……」
女性の足下にいる少年は再び不安な眼差しで女性を見るが女性は笑顔で大丈夫よと元気付けた
だが、状況は絶望的だったタイコンデロガは100年前のアメリカの地方で初めて発見され、その強さは普通の魔物より桁違いなほど強く、制度を始めたばかりだが軍に匹敵するヒーローを全滅に追い込むほど、それが複数に同時に同じ場所に出現しているのだ
ジョリアス「セシリア!、他の魔法使いをつれて市民を誘導しろ!」
セシリアと呼ばれた女性はジョリアスを見つめながら
セシリア「あなたは!?、どうするつもりなの!?」
ジョリアス「俺はあいつらの相手をする、一秒でも長く足止めする!」
「お父さん!」
少年はジョリアスに抱きつくが、ジョリアスは抱き返したあと額のバンダナを外して少年に持たせた
ジョリアス「大丈夫だ、悪いがこいつを持っててくれ、無くすなよ?」
少年は軽くうなずくと頭を力強く撫でられ、セシリアの方へ歩かせる
そして二人に笑いかけると、こちらに近づいてくるタイコンデロガ3体に突っ込んでいった
セシリアは少年の手を引きながら住民の誘導を再開する
30分後、どれだけ歩いたのだろうか、周囲を警戒しながら歩き続ける、だが次の瞬間、ドシンと足音が背後から近づいてくるタイコンデロガだった
セシリア「全員戦闘態勢!、絶対に守るのよ!」
セシリアは魔法を放ち、タイコンデロガを牽制する、タイコンデロガはそれを避ける
住民はパニックを起こして上手く避難が進まなかった
そこに突如巨大な何かが飛び込み、目の前にいた魔法使いが消える、残っていたのは腕と足の一本ずつ、そして狼の姿をしたタイコンデロガ級の魔物がいた魔物の口からは血が溢れていた
魔法使いA「う、うわぁ!!く、来るなあぁー!」
魔法使いの言葉は届くはずもなく、セシリアを除く魔法使い達が1体のタイコンデロガに蹂躙されていく、それで満足しなかったタイコンデロガは今度は住民たちに目をやると、走っていく
住民A「い、イヤだぁ!」
住民B「助けてぇ!!」
住民たちは魔物に対抗する力を一切持たなく、ただ喰われるしかなかった
セシリアは持てる力を使いタイコンデロガを辛くも勝利したが既に自分と少年以外に残っている人間は居なかった
少年「…あ…あう…」
少年はただ、みていることしかできなかった、食われていく様を、ただ殺される様を、そんな少年をタイコンデロガは睨み付けた、ジリジリと歩み寄り、構えたあと、少年に噛みつこうとする、だが次の瞬間少年はセシリアに突き飛ばされる、気が付くとそこにはタイコンデロガにくわえられ、みるみる口の奥へと吸い込まれるセシリアの姿だった
少年「…!!、お母さん!、逃げてお母さん!!」
その姿に我に返り、少年はセシリアに駆け寄り右腕を掴んだ、セシリアはただ笑った、そして少年に
「…生きて……」
といい終えた瞬間魔物の口が閉ざされる、少年はセシリアの右腕を持っていた、だがその先の胴体がなかった、足も彼女の顔すらなかった残っていたのは血が滴る右腕とその右腕の薬指にはまっているSJと掘られた指輪だけだった
魔物が少年を見た瞬間急激に膨れ上がり、破裂する瞬間に霧散する、セシリアが食われた直後に爆発魔法を使ったのだった
少年「…あぁ、あああぁーーーー!!」
少年は泣きながら右腕を抱き締めた、救えなかった母親の右腕を抱き締めながら
少年は感じた、そして考えた、僕にもっと力があったら、自分の母親を守れる力があったら…
それ以前に、魔法使い達が逃げるのを止められたら、魔法使い達が……嫌いになった、大嫌いになった
魔法使い達が……憎くなった……
朝、8時32分
ジョエルは目を覚ますと、見慣れた自分の部屋のベッドに横たわっていた
身を起こすと、自分の頬に一筋の涙が出ているのに気付く、目を擦りながら
ジョエル「…だから…魔法使いに会うのは嫌なんだ…」
ジョエルが時計を確認し、完全に遅刻だと感じて焦るが、自分が憎き魔法使いの学園に強制的に転校させられていることに気が付く
ジョエルはため息をついて棚に飾られる一つの写真立てに目をやり、手に取った
そこには富士山を背景にジョリアスとセシリア、ジョエルの家族写真だった
楽しく笑いあう幸せな家族写真、だがもうここにはいない、会いたくても、願ってもいない
そして、その隣に一本のバンダナが掛けられていた真ん中にはJJと刺繍が施されている
ジョエル「父さん、母さん、俺…魔法使いになったよ、でも俺は嫌だ、あいつらみたいな奴等にはなりたくない
仲間も、守るべき人たちも見捨てるような奴等には……なりたくない…」
ジョエル「…ごめん、愚痴っちゃったな、さて、バイトでも探すか…」
ジョエルは身支度を始め、バイト探しに出る
ジョエルの家は小さなアパートで空条の実家とは離れているジョエルは家を出るとあることに気が付く
ジョエル(…ん?、人の気配…?)
ジョエルが周囲を見回すと、そこには誰も居なかった、だがジョエルは誰かが塀に隠れているのを感じ取った
ジョエル「…俺を見ているのか?、泳がせてみるか…」
ジョエルが歩いているとそれに続いて距離をおきながら誰かがついてくる
ジョエルが足を止めると誰かが近くの物陰に隠れる
ジョエル(やはりつけてるな、靴はローファーか、10mを維持してるな)
ジョエルは走りだし、相手の様子を音で伺う、誰かもそれに続いて走り出す
ジョエル(早いな、走り慣れてる?)
ジョエルは角を曲がり誰かも角を曲がる、だがジョエルはそこで待ち伏せていた
誰かが驚くとジョエルも驚いた、なんと目の前にいたのは、グリモワール学園にいた南智花であった
ジョエル「お前は、あの時の…」
智花「あ、あはは…おはようございます、空条さん…」
ジョエル「てめぇ、何でつけてんだ?」
智花「え、え~と、それは…」
ジョエルは予想はついていた、学園から頼まれて俺を連れ戻せと
ジョエル「どうせ連れ戻せとか言われたんだろうが
とっとと帰って無理だと言え、俺はあそこに行く気は微塵もないからな」
智花「そんな、待ってください、空条さん…お願いです。戻ってきてください!」
ジョエル「戻る以前に入った覚えは一度もねえよ
帰れ、俺はこれから就活だ」
そう言うとジョエルは歩き出した、だが智花もそれに続いて歩き出す、ジョエルは徐々に速度を上げるが智花も合わせて速度を上げる
最終的にダッシュで逃げる形になり、それが10分ほど続いた
近くの公園にて
ジョエル「…はぁ…はぁ…てめぇ、何でそんなに早いんだよ…」
智花「…私、陸上部なので、走りには自信があるんです、でも驚きました、空条さんも足が早いんですね」
ジョエル「ったく、疲れた…」
ジョエルは近くの自販機を見つけるとコーラを購入し、近くのベンチに座る
智花「空条さん、コーラが好きなんですか?」
そう言いながら智花はお茶を買い、同じベンチに座った
ジョエルは不機嫌そうに端に座り
ジョエル「…なんだ、悪いのか?」
智花「いえ、そういう意味じゃ…、それよりも空条さん腕はもう平気なんですか!?」
ジョエル(今更なんだな…)
ジョエル「…お前に心配される筋合いはねーよ、いいからとっとと帰れよ、うぜぇな
てめぇは俺に構ってねえで学校行けよ」
智花「クエストをすると授業が免除されるんです、実は空条さんを説得するのが今回のクエストなんです」
ジョエル「…質が悪い、これだから魔法使いは……
あーくそ、魔法使いなんかと話すと吐き気がする…」
そう言っていると、突然ジョエルの顔面めがけて何かが飛んでくる、ジョエルはそれを受け止めると6,7歳位の子供たちが駆け寄ってくる
少年A「ごめんなさーい、大丈夫~?」
飛んできたのはサッカーボールだった、ジョエルはそれを投げて返すと
ジョエル「遊ぶのはいいが周りに気を付けろよ?」
少女A「もう!だから思いきり蹴っちゃダメだって言ったのに~」
少年B「ごめんよぉ、あ!、お姉ちゃんもしかして魔法学校の人でしょ?」
子供たちは智花を見るなり聞いてくる
智花「うん、そうだよ、それよりも君たち今日は学校の日じゃないの?」
子供達「校外学習でーす!」
子供達が元気よく言うと、智花に質問をする
少女A「もしかしてお兄さんとお姉さんはお付き合いしてるの?」
智花は一瞬赤くなりそれを否定する
智花「え!ち、違うよ!、空条さんとは知り合いで」
ジョエル「ああ、俺はこいつが嫌いだ」
智花「え~!」
智花の反応に子供たちは爆笑し、しばらく会話が続く
そこから将来の夢の話になり
智花「将来大人になったら何になりたいの?」
少年A「俺サッカー選手!」
少女A「私はお花屋さんかな?」
少年B「ぼ、僕は……魔法使い…」
その言葉にジョエルは眉間にシワを寄せる、智花はそれを察したのか
智花「へ、へ~、そうなんだ、な、なれるといいねー」
ジョエル「…坊主」
少年B「ぼ、僕?」
智花「く、空条さん!?」
智花はジョエルを止めようとした、この人が怒ると、そう思っていたが…
ジョエル「…何で魔法使いになりたいんだ?」
少年B「僕、魔法使いになって困ってる人を助けたいんです。
困ってる人を助けて、楽しく暮らしてほしいから…」
智花「え、えと、空条さん…?」
ジョエル「…そうか、まあ、頑張れよ…」
智花「え…」
少年B「うん!」
ジョエル「絶対に困ってる人を見捨てるな、何がなんでも守るんだ、そうすればお前は絶対凄い魔法使いになれる…俺が保証する」
少年B「はい!、がんばります!」
また暫くすると教師がみんなを集めて帰っていった
困惑する智花を横目に
ジョエル「…キレると思ったのか…」
智花「…はい」
ジョエル「ガキ相手にムキになんねえよ、まあ下らない理由でなろうとしてたらキレたけど」
智花「下らない理由、ですか?」
ジョエル「金儲けのためだとか、目立ちたいからだとか
自分の為だけにしか動かないやつだったら俺はキレた、あいつは人のためになろうとしたから応援しただけだ、ああいう魔法使いは別だ」
ジョエル「…ああいう魔法使いが多かったら、好きだったんだがな………」
智花「空条さん……」
ジョエル「…くそ、何ではなしてんだよ……」
ジョエルが立ち上がると、智花はジョエルを説得する
智花「空条さん、空条さんはなろうとしないんですか!?
空条さんだって覚醒したじゃないですか!」
ジョエル「……………」
智花「空条さんだって守りたいんじゃないんですか?」
ジョエル「……はぁ…お前に話しておくことがある」
智花「話すことですか?」
ジョエル「それは俺を9年も苦しめた話だ、訓練所であの金髪の女が言ったこと、覚えているか?」
智花「えっと、『紅雪の恨み子』…でしたっけ」
ジョエル「ああ、9年前の第6次大規模侵攻で俺は北海道にいた
家族三人で…」
智花「家族で?」
ジョエル「俺の両親は魔法使いで、二人とも強かったが父さんは始祖十家の次に強いと噂されるヒーローで
俺の自慢だった、誰にたいしても優しく、どんなに強い魔物と対峙しても諦めなかった
俺にとって両親はどんな魔法使いよりも尊敬して、大好きだった」
ジョエル「父さん、母さんで楽しく過ごした、スキーもしたし、スケートも鍋と言うものも食べて、本当に楽しかった、だがこれも全て、魔物に壊された
侵攻が始まって、一般人を避難させているときだ、大きな魔物が3体現れた途端その場にいた魔法使い達が逃げていった、一般人と仲間を置いてだ」
智花「そんな、それって…」
ジョエル「敵前逃亡だ、あいつらのせいで勝てたかもしれない戦いも…いや、負けたかもしれない、相手はタイコンデロガ級だったからな…」
智花はただ黙って聞いていた、ジョエルはそんなことを構わず話続けた
ジョエル「父さんは俺たちを逃がすためにタイコンデロガに立ち向かった、母さんはみんなを誘導した
だが他のタイコンデロガが襲ってきた、みんな戦ったが…負けた、そして俺を喰おうとしたときだ、母さんが俺を庇ったんだ
俺は助けようとした、だが間に合わなかった、母さんは魔物に食われて残ったのは俺が掴んだ右腕だけだった…」
ジョエル「もし、あの魔法使い達が逃げずに戦っていたら、結果が違ったかもしれない
それからだ俺が魔法使いを嫌うようになったのは、そして、お前ら魔法使いを見ると、見ちまうんだ、あの夢を、母さんが喰われる瞬間の夢を…」
ジョエル「あの夢を見るたび、心が…痛くて…苦しいんだ……」
智花が見たのは振り返り、一筋の涙を流すジョエルだった
悲しみが、見るだけで伝わってくる涙だった
ジョエル「最初で最後の頼みだ、もう、俺に関わらないでくれ……あの夢を見るのが……怖いんだ…頼む………」
智花「…………はい、分かりました…」
そう言うと智花はジョエルに一礼し、その場を去った
ジョエルは近くのコンビニでバイト募集の本を読んでいたジョエルは未だに考えていた、智花が言った自分がなろうとしないのか、自分が変えれば良いのではないかと、だが裏腹に怖がりな自分がそれを止める、魔法使いに関わればまたあの夢を見る、恐怖と絶望に満ちた悪夢を、その時、サイレンが鳴り響く、魔物が現れたと
学園の前では智花と、ショートパンツに黒いソックスと腹部が見える程のタンクトップが繋がったものを着て黄色い短いジャケットベルトにはフィルムとバッテリーを着けた戦闘服に変身した夏海が現場に向かう
現場に到着すると智花たちは魔物に荒らされた街を目の当たりにする
夏海は冷静に辺りを見回しながら写真を撮っていく
夏海「結構支配地域を広げてるわね、これはちょっとまずいかも」
智花「何でこんなに早く広げられたんだろう?」
夏海「多分下水でゆーーくり力を貯めてたのね、そういうところは見つかりにくいから
うぅ、女の子VSスライムって嫌な予感しかしないんだけど…」
智花「でもクエストだし、仕方ないよ」
夏海「クエストと言えばあいつどうなったの?、例の転校生」
智花「うん、ダメだった、入らないって」
夏海「んもう、せっかくどういう取材にしようか考えてたのに、智花はなんか聞いてないの?、彼のこと、教えてよ、少しはわかったんでしょ?」
智花「ごめんね、教えられない、空条さん…色々大変な思いしてたから
あまり記事にするのは…」
夏海「なに、なんか重そうな空気、分かったわよ、とりあえずこの話は終わりにしましょ
来るわよ、突撃取材開始!」
一方ジョエルは警察の誘導にしたがって避難の列に立っていたそこに一人の女性の教師が大声で子供のことを叫んでいた、そう、公園で会った子供たちの教師だった
ジョエル「おい、公園で遊んでた子達のことを言ってるのか!?」
教師「はい、一緒に避難していたのですが途中で…どうすれば……」
ジョエル「最後に見たのはどこだ!?」
教師「確か大通りに、大勢の人の波に押されて…」
ジョエル「……ちっ、しょうがない、待ってろ、探してくる!」
ジョエルはそう言うと警察の目を盗んで街へ向かっていく
その頃智花たちは余りの魔物の大群に苦戦していた
夏海「うっわベトベト、なにかやるたびに破裂するのやめてほしいわ」
智花「大丈夫?」
夏海「カメラは…うん、無事!」
智花「カメラのことを言ったんじゃないんだけど…」
その時、スライムが2匹やってくる、夏海は一匹のスライムに蹴りを喰らわすとスライムにカメラを向けて光を照射して霧散させる
智花は火の玉を作りスライムにぶつけ霧散させ、周囲を警戒する
夏海「あーもう、数が多い!、油断したわ、魔力を使いすぎちゃった」
智花「うん、あとちょっとの筈だから頑張ろう?」
智花「……!、あの子達!?」
そこには公園で出会った子供たちだった、三人が固まって移動し、少女と眼鏡をかけた少年Bが泣いている
少年Aは少し涙目だったが、踏ん張って二人を引っ張っていく、だがそこにスライムが寄っていく、智花は急いで子供たちのところに駆け寄る
少年A「あ、お姉ちゃん!」
智花「伏せて!」
そう言うと智花は魔法を発動させ、スライムに炎の玉を当て霧散させる
緊張の糸が切れたのか、少年Aも泣き出してしまう
智花は三人をなだめる
智花「もう大丈夫だよ、お姉ちゃんが全部やっつけてあげるからね」
夏海「智花!!、後ろ!」
夏海の声に反応して後ろを振り向くとスライムが猛スピードで接近してくる
智花はすぐに魔法を発動させるが…
智花「そんな…魔力が!?」
智花の魔法は不発して消える、スライムが飛び上がり、智花たちに襲い掛かった
夏海「智花ぁ!!」
その時、誰かがスライムへ走っていく
「コォーーー…」
「波紋、ズームパンチ!」
誰かの放った腕がガコンと何かが外れる音と共に腕が2倍まで伸びスライムに命中させる
スライムの体に電流のようなものが流れ霧散する
「おい、そいつらは無事なんだろうな!?」
そこにいたのは、ジーンズをはき、黒い長袖のシャツを着た黒髪のショートヘアーの男だった
智花と夏海はよく知っていた、昨日も会っていた人物だった
智花「…空条さん…?」
そう、智花を助け、スライムを倒したのは波紋を操る空条ジョエルだった
ジョエルは智花を見ながら再確認する
ジョエル「子供は大丈夫なのか?」
智花「…は、はい!、大丈夫です!」
ジョエル「…そうか、お前はどうなんだ?」
智花「…え?」
ジョエル「お前は大丈夫なのかと聞いてるんだ、動けないならそこにいろ」
智花「だ、大丈夫です!、動けます!」
そう言って立ち上がるが、ふらついた、ジョエルが智花の腕を掴んで支える
すると、智花の体は魔力に満たされていく
智花「…あ、ありがとうございます…」
ジョエル「おい、カメラ持ち!」
夏海「岸田よ、岸田夏海!」
ジョエル「お前は魔力は足りてるのか?
足りないなら渡すぞ?」
夏海「魔力を?」
ジョエルは夏海の肩に触れると夏海は自分の体に魔力が入ってくる感覚を覚える
夏海「嘘!?、魔力が!?」
ジョエル「へばってる場合じゃないぞ!、近くにでかいのがいる
恐らくそいつがボスだ!」
智花「何でわかるんですか?」
ジョエル「…俺は北海道で一週間さ迷った、魔物から隠れながらな
気付いたら感覚が研ぎ澄まされたようだ、だから気配で分かる」
夏海「それじゃあ、とっとと倒してしまいましょ」
話をしていると、ジョエルの言うとおり、普通の2倍はあるだろう巨大なスライムが現れる
三人は構えると、ジョエルは智花に
ジョエル「…悪かったな、強く当たって…」
智花「…え?」
ジョエル「…さっさと片付けるぞ、南…」
智花「…はい!」
二人の会話に夏海はニヤつきながら、次の記事を考える
ジョエル「覚悟しろ、ヘドロ野郎、全身に波紋を流してやる!」
第3話、完
どうも、カミスケです!、なに?今日は早いな?
当たり前だ、妄想がとまんねえんだよぉーーーー!!!
というわけで早くも投稿してしまいました
それではまたお会いしましょう!