それではどうぞ!
第32話 奇妙な共闘
見渡す限りの瓦礫、遠くにはビルらしき人工物が見えるが
人がいない、猫の子一匹もいない。
そんな中に透明できれいな一対の羽をもつ緑色の体の何かが飛んでいく
微かに光る黄色い眼で辺りを見る、それと同時に一人の男にその視界が共有される。
「う~ん、酷い有り様だなぁ…」
その瞬間、地響きが足元を震わせる
スキッド「なんだ?、誰かが妙なことしたのか?」
そう言いながら青年は頭を掻いた、緑のナポレオンロングジャケット黒のダメージジーンズ、ベルトにはガンホルスターに黒の自動拳銃、ジャケットには16枚のドッグタグが飾られている。
スタンド、スローダウンを操るスキッド
「魔物は?」
振り返ると、戦闘服姿の結希が歩み寄る
スキッド「いーや、何もないよ
卯衣ちゃんや香ノ葉ちゃんは?」
結希「いえ、魔物以外は何も見ていないわ。
しばらく休んでも構わないわ」
スキッド「ならお言葉に甘えようかな
一旦スローダウンを戻らせるよ」
その時、自由が駆け寄ってくる
その形相からして只事ではないと感じ取れた
自由「立華氏ー!!立華氏はどこすか!?」
スキッド「卯衣ちゃんはまだ飛び回ってるけど何か用かい?」
自由「それがお嬢が崩落に巻き込まれて落ちちゃって
立華氏空飛べるじゃないですか!」
結希「まだ戻ってないわ、少し時間が掛かるわ」
スキッド「なら俺が行く。
空は飛べないが似たようなことはできる。」
自由「スキッド先輩がですか?」
結希「それと南条さんも行ってもらうわ」
自由「え、あのお子さますか?、て言うかスキッド先輩どうやって降りるんすか!?」
~崩落跡~
智花と恋が相談していると、スキッドが歩み寄る
スキッド「恋ちゃん、ちょっと力貸してもらえる?」
恋「話しは聞いとるぞ。わっちに任せろ。」
智花「何をするの?」
恋「大きな階段を描くのじゃよ
絵を描くのは得意じゃからの」
智花「絵を描く?、どういう…」
スキッド「とりあえずそっちは任せるよ。
スローダウンを送って合図するからその時によろしく頼むよ」
智花「え?スキッドさんは…!?ええ!?」
智花が振り返るとスキッドは空中を階段を下るように歩いていた
スキッドの足元を見ると、石をもったスローダウン達が
スキッドの足元に石を運んでいた
石はスキッドの体重で沈むが落ちることはなかった
恋「こ、これはどうなっておる!?」
スキッドのスタンド。スローダウンは30体で1体のいわゆる
群体型のスタンドだ、彼らの能力は取りついた相手、物体を減速させることができる
つまり……
スキッド「石の落下速度を減速させ、発動限界を超える前に足を離せばいいだけ
これだけで空中階段ができるわけだ」
そして徐々に速度をあげながら崩落した穴の中へと入っていった
~洞窟内~
洞窟の中では戦闘が繰り広げられていた
レット、つかさ、刀子が数体のブルイヤールと交戦し
ジョエルとディアナは目の前の一回り大きいブルイヤールと対峙している
ジョエル「ブランドー、ここは協力するべきだ
俺の案を聞いてくれ」
ディアナ「…なんなの?、その案は?」
ディアナはジョエルの提案を聞いていく
ディアナは驚くが
ディアナ「…うまくいくの?」
ジョエル「やるしかない、とにかく時間がない
朱鷺坂の魔力がなくなる前にカタをつけたい」
ディアナ「…あんたと協力なんて癪にさわるけど
野薔薇さんを助けるには他に手はなさそうね」
そう言い二人は構えた、ジョエルはブルイヤールに突っこみ
ディアナはブルイヤールの横に回り込む
ブルイヤールは真っ直ぐ迫るジョエルを攻撃するが
かわされる
ジョエル「まずは目を潰す!」
ジョエルはブルイヤールの顔面に飛び掛かり
波紋の手刀でブルイヤールの眼球を破壊する
ジョエル「今だ!」
視界を無くし混乱したブルイヤールを横から氷漬けにし
ムーンライトシャドウのラッシュで粉々にする
「ムゥダムダムダムダムダムダァ!!」
粉々になり、実体化を維持できなくなったブルイヤールは霧散した
だが、二人は気を抜くことはなかった
なぜなら、その後ろにいる一回り大きいブルイヤールが迫ってきたからだ
ジョエル「つぎはあいつか…、残り2、3分で朱鷺坂の魔力が尽きるかもしれない
すぐに終わらせるぞ!」
ディアナ「なら早く行くわよ!」
ディアナはブルイヤールに突っこみ
近くの影に飛び込んだ
するとブルイヤールの背後にある影からディアナとスタンドが現れる
ディアナ「凍りなさい!」
ディアナはブルイヤールの足に手を伸ばしたが
跳躍してかわされる
空中にいるその時、ジョエルは手を合わせた
ジョエル「波紋、シャボンランチャー!」
波紋の纏ったシャボン玉の大群がブルイヤールを襲った
しかし、たいしたダメージは与えられなかった
ジョエル「波紋との相性が悪いか…!」
ブルイヤールが着地した瞬間
ディアナに触れられる、背中から下半身が凍っていく
「ムダムダムダムダムダァ!!」
ムーンライトシャドウのラッシュがブルイヤールを襲ったが
少しのヒビしか入らなかった
ディアナ「ここまで大きいと砕けない!?」
ブルイヤールは腕を振るい、ディアナを攻撃しようとしたとき
突然周囲が光に包まれる
構わず振るった腕はディアナに直撃した
しかし、腕はディアナの体をすり抜けた
その近くには、ジョエルとスタンド
スターライトがいた、スターライトからは微かに光を放っている
ディアナ「余計なお世話よ」
ジョエル「そういうなブランドー、奴の全身を凍らせるか?」
ディアナ「できたところで私のスタンドじゃ砕けないわ」
ジョエル「問題ない、あとは任せてくれ」
ディアナ「…まあいいわ、なら光で影をつくって」
そう言いディアナは駆け出す
ブルイヤールは腕を振るい近付けないようとするが
光が放たれ、その瞬間ディアナの姿が消える
ディアナ「…今度こそ!」
ブルイヤールの頭上に現れ、頭部から上半身が凍りつく
そしてジョエルがブルイヤールの腹部に飛び込み
魔法を発動させる、右腕には黒い斑点が浮かび上がる
ストロングアームオーバードライブ
ジョエル「波紋、強腕波紋疾走!!」
肉体強化魔法で強化された右腕の放たれた
攻撃は全身を砕き、ブルイヤールは霧散する
それと同時に右腕から血が噴き出す
ジョエル「ぐ……なんとか…なったか…
朱鷺坂!、野薔薇の容態は!?」
チトセ「…大丈夫、これなら運べるわ
それよりあなたは」
ジョエル「問題ない!、すぐに移動しよう!」
「みんな、大丈夫か!?」
崩落した穴からスキッドが降りてくる
周囲にはスローダウンが舞っていた
戦闘を終えた皆が集まる
レット「なんだ今ごろか?
もう終わっちまったぜ?」
スキッド「遅れてすまないね、今
恋ちゃんにつくってもらうから」
ジョエル「南条が?」
その時、穴から洞窟のそこまで階段が出来上がっていく
ディアナ「こ、これは…!」
ジョエル「急いで上がるぞ
これほどの物を作り出したとしたら
魔力が尽きているはずだ」
刀子は姫を背負い、上がり出す
皆は階段を昇っていく、洞窟からでると
横たわる恋と智花がいた
智花「皆さん、野薔薇さんは…!
空条さん!?その腕は!?」
ジョエル「大丈夫だ、すまないが椎名を呼んでくれ
野薔薇の治療を頼みたい」
智花「でも空条さんの怪我が…」
ジョエル「心配ない、これくらいは波紋でどうにもなる」
話しているなか、ディアナは姫を見ていた
ディアナ(野薔薇さんはだいじょうぶかな…
友達…助けられたかな…)
ディアナが考えていると、自由が話し掛ける
自由「ディアナ氏、お嬢を助けてくれてありがとうございます。」
ディアナ「ううん、友達を助けただけだから」
自由「お嬢が落ちたときどうなるかと…」
ディアナ「…他の人にもお礼を言ってあげて
朱鷺坂さんも生天目さんも助けてくれたから
それに、空条くんも」
自由「そうすね、それじゃあ行ってくるので」
そう言い自由は駆け出した
それとすれ違いにジョエルがよってくる
ディアナ「何か用?」
ジョエル「ありがとう、ブランドーが来てくれなければ…」
ディアナ「…勘違いしないで、私は野薔薇さんを助けに来たの
あんたはどうでもいい」
ジョエル「そうか、礼を言いたかっただけだ
後で魔力を渡しておく」
ジョエルはそのまま歩き去り
ディアナは遠くに見える廃墟の町を眺めた
虎千代「…それで、見つけたものはなんだ?」
そこには虎千代とメアリー、梓がいた
梓は動揺しながらも報告を始める
梓「えー、まずはこれはイタズラではないということをですね…」
メアリー「安心しな、そうだったらアタイが蜂の巣にしてやるよ」
梓「えぇ、とにかく状況をせつめいしますと
生天目先輩が派手に戦ったときに崩落したじゃないですか」
虎千代「…あれはつかさだったか」
梓「それで崩落したところを見に行ったときにこれを…」
梓は1つの表札を見せた
そこに彫られていたのは
【私立グリモワール魔法学園】
メアリー「……どーゆーことだこれは…!」
梓「それが、その…自分でも分からなくて…」
虎千代「ここは風飛市だというのか!」
梓「えっと、そういうことになりますね」
虎千代「…くそ、遊佐のところに行くぞ」
あらゆる計器を操作する結希と天だった
天「なにこれ…地球じゃない…!?」
結希「冬の大三角形が見える、それを構成する
オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座
気候、大気成分、植物
そしてこれが空中から撮影した写真」
天「…風飛市、ずいぶん変わってるけど
山と川の位置が一致している…未知の世界じゃない
裏側で風飛市もグリモアがある
けれど魔物に滅ぼされている、この一帯は…
どうなってるのよこれ!?」
結希「遊佐さんのところに行ってくる
何か知ってるわね…」
鳴子はつかさに質問をしていた
つかさは少し期待が外れたようだった
鳴子「どうだった?満足する相手はいたかい?」
つかさ「ふん、体がほぐれた程度だ
あの女に何体か獲物を奪われたがな」
鳴子「だろうね、君たちが派手にやってくれたお陰で
少し楽に動けたよ
…おや、どうやら来たみたいだ」
虎千代と結希が歩み寄る
鳴子はその用件をすでに察していた
虎千代「遊佐!なぜなにも言わなかった!」
鳴子「向こう側にもう1つの風飛がある
それを教えたところで信じたかい?
君が知ったところで取り巻きは?国軍は?
説得する暇がなかったのでね、いつかはわかることだ
じぶんで気づけて感動がひとしおだろ?」
虎千代「それを知っていたらお前を自由にはしていなかった
何かを探すと言ったな?見つけたのか?」
鳴子「いや、見つけられなかったよ
運が悪かった」
虎千代「以前こちら側に来たのはここなんだな?」
鳴子「ああ、霧の嵐でここに飛ばされた
そのショックで魔法使いに覚醒したんだ
幸運だったのが、ここである人に拾われて魔法の訓練を受けられたことだ
もとの世界に戻れる保証はなかったからね」
虎千代「それは人間なんだな?」
鳴子「もちろん、ここで会うはずだった
だけれどデバイスが繋がらなかった。【運が悪かった】
どうやら今回は抑えきれなかったようだ」
虎千代「…とにかく撤収だ!
これ以上は危険だ、帰ったら説明してもらうからな」
鳴子「ああ。不都合でない範囲なら」
虎千代「撤退開始だ!
魔物に気を付けて順次ゲートをくぐれ!」
~上空~
数体のスローダウンが飛んでいると何かが横切る
「ウワワ!ナンダ!?」
「アレ、U.F.Oダ!」
「デモナンデコンナトコロニ?」
スローダウンより一回り大きいU.F.Oのような青色の光沢を放つそれは飛び去っていった
~???~
そこは暗闇だった
暗闇に包まれた1つの部屋
しかし、光がある。
数台のモニターから放たれる光が部屋を頼りなく照らしていた
そこに一人の男性が入ってくる
赤毛にアロハシャツに茶色の半ズボン
腕や首には豪華な腕時計やアクセサリーが掛かっていた
「よお、相変わらず湿気てんな」
「何か用かい?」
スーツ姿に眼鏡をかけた青髪の男性、モニターから目を離さずに話す
「なんか情報はねえかとな
たとえば、飛びきりいい女とかよ
あいつらの情報とかでもいいぜ?
殺れば金が入るからよ」
そう言いアロハシャツの男は下品に指を擦る
眼鏡を直しながらスーツの男は
「今のところは…いや、今来た」
『未確認のスタンドを発見解析結果を表示します…』
そこには数体のスローダウン、影から飛び出たムーンライトシャドウ
針を伸ばしながら戦うレット・イット・ビー
光を放つスターライトが表示された
「未確認だぁ?スローダウンがいるじゃねえか
もうデータにはいってんだろうが
とうとうボケたか?」
「よく見ろ、一部能力に違いがある。
スピードと持続性が既存のデータより劣っている。
それにこれは……」
「…一応伝えとくか、で、見たことねえのがいるな?
新入りか?」
「…いや、若すぎる
その可能性は0ではないが…」
「…ダハハハ!、おいなんだよこの卵スタンド!
パワーもスピードもねえ!単なる雑魚じゃねえか!
こいつから行こうぜ!こんなのでも殺れば…」
「お前はよく見ることを勧める。この映像を見ろ」
「……げっ、原種が一撃…だがあれは制御できてねえな」
「それにこのスタンド。おかしい」
「…何がだ?」
「成長性が異常だ。測定ができない…」
「…伸びしろがあるってことだな…」
(…なんだ?このスタンドは成長性が測れない…
Aではない、それ以上ということになる…
それになぜ既存のデータと差がある?能力が劣ることはほぼないはずだ)
「…【彼女】は、場所を特定できたか?」
「…いや、ダメだ。またあの野郎に邪魔された。
だが今度は目を潰したそうだ
これまでのようには戦えねぇだろうよ」
「…そうか、だが油断は出来ない。
今のところ【彼女】に対抗できるのは奴のスタンドだけだ
奴を始末できれば今後の狩りも楽になる…」
「ま、なんかあったら情報くれよ!」
そう言いアロハシャツの男は部屋を出た
スーツの男は眼鏡を直しながらモニターに向き直り
今回の事を書き始める
スローダウン…既存のデータより劣化している部分が見える
調査が必要。
ムーンライトシャドウ…既存のデータより大幅に劣化を確認
誤認の可能性あり、再調査の予定
レット・イット・ビー…未確認のスタンドを確認
物質同化型、能力及び詳細なデータを収集し記録開始する
スターライト…未確認のスタンドを確認
脅威は一切ないが…成長性に異常を確認、更なる調査の必要あり…
to be continued……
この先どうなるか、おたのしみに!!