主人公がDIOの『世界』を持ってて転生するって話を考えたけど、書けない……。
「はぁ……今日もバイトか。自分から週7で働くって言ったはいいものの、結構きついな」
今更ながら自分の軽率な行動を悔やんでいると、ワグナリアの従業員用入り口で1人の女性が瓶を持ちながら寝ていた。
「……美人だなこの人。とりあえず店に連れてってなんとかしよう」
どうやら酒を飲んでいて酔ってしまったらしく、頬の周りは赤くなっており、気持ちよく寝ている。
見た目はものすごく綺麗で、うっかり惚れかけてしまった五十嵐は、休憩室の椅子に座らせた。
「あのー…どこの誰だか知らないですけど、そろそろ起きてくださーい。そろそろ夜ですよ」
「………ほぇ?キミは?」
「ここで働いてる者です。とりあえず服をちゃんと着てください」
肩がはだけているこの状態は、正直ものすごく惹かれるが絵面的にマズイ。
しかもここは北海道。こんな薄着では風邪をひいてしまう。
「これはこーゆー服なのよ!気にしないで!それと、結婚してください!!!」
「………は?」
「こんな私に声をかけてくれるってことは好きってことでしょ?だから交際を前提に結婚してください!!」
「ちょっと待て、過程をすっ飛ばし過ぎではないでしょうか?あと俺まだ高1です!結婚とか出来ませんから!」
「高1?宗太と同い年ね!」
「宗太?誰ですかその人」
「小鳥遊宗太!確かここで働いてる人よ!!!」
「小鳥遊………宗太。ほむり」
小鳥遊宗太、ここワグナリアで働いているメガネの男。
この女性は小鳥遊の姉だということがわかった。それと普通の人とは違う頭をお持ちであることもわかった。
「あの……小鳥遊さん。あとはあちらのお方にお任せします……」
「ほえ?」
「何してんだよ……梢姉さん。それと五十嵐さん!」
「いや、俺はお前のお姉さまを救出しただけだ。悪くはない」
「そうよ!そこの子は悪くないわ!店に倒れてたのは私だし、そこで酒を飲んでたのも私。うん!全部私がやったのよ!!!」
「だったら余計タチが悪い!!!あと何しに来た!」
「……その人が小鳥遊くんのお姉さん?」
女子更衣室から出て来たのは男性恐怖症という謎の病を抱えている伊波さんだ。
「そうそう……この人が……って!なぜ伊波さんがここに!?」
「五十嵐くんがその人を担いでた時に私もここに来たから……」
「五十嵐さん、伊波さん、この事は他の人たちには内緒にしてくれませんか?
こんな酒乱がうちの姉だなんて知られたら……俺はもうダメになってしまいます」
小鳥遊がダメになる→バイトを辞めてしまう→自然と伊波さんの世話を自分がやることになる→無事死亡
などと最悪の方程式が思い浮かんでしまった五十嵐は小鳥遊の肩をガッと掴む。
「当たり前じゃねーか……!てかお前辞めんなよ?辞めたら俺も辞めるからな!マジで辞めんなよ!!!!」
「……ハッ!まさか五十嵐さん、そういうことですね!?」
「……どうしたの2人とも」
事の本人は、2人のやりとりを全く理解していなかった。それもそうか。伊波さんは小鳥遊のことを恐怖の対象としか見てないのだから…。
◇◆◇◆◇
梢さんが帰ると、五十嵐と小鳥遊は裏で皿を拭きながら話していた。
「美人な姉は素晴らしい。が、それを隠してたのは許せんな。小鳥遊」
「五十嵐さんにもあまり言いたくない秘密くらいあるでしょうに」
「あえてお前にだけ言わない秘密ならあるがな」
「アレでしょ?五十嵐くんには小学生の妹が3人いるっていうやつでしょ?」
軽快な声で五十嵐が小鳥遊に言いたくなかった秘密を暴露したのは、ワグナリアのキッチン担当、人の秘密をなんでも知ってるある意味最強の人、相馬さんだ。
「なんでそんなこと教えてくれなかったんですか」
「身の危険を感じた。妹たちは好きじゃないが、犯罪に発展しかねないと判断したからだ。教育に悪いと思ったし…」
「失礼な!俺のどこが教育に悪いんですか!」
「胸に手を当てて聞いてみろよ。お前の小さい子にすること全てがアブない」
「ちなみに小鳥遊くんにはさっきの酒乱さんを含む3人の姉と小6の妹がいるらしいよ!」
「おいコラ小鳥遊……!姉3人もいるだと!?梢さん以外に2人もいるだなんて、羨ましすぎるだろ」
2人は兄妹関係を暴露されたにもかかわらず、お互いの妹姉に自分の好きなタイプの人たちがいることを怒っていた。
「小学生の妹なんて天国じゃないですか!」
「年上の姉なんて天国じゃないか!!」
案外、自分の欲しいものは知ってる人、しかも自分の欲しいものを特に欲してない人が持ってるもので、今まさにその状態だ。
2人とも、小鳥遊と五十嵐が入れ替わってたらなぁ……などと思っていたのは、もはや言うまでもない。
「いや……待てよ。これ以上この話をするのは不毛だ。お互い損しかしないと思わないか?」
これ以上この話をしているのは面倒だし、とりあえずそれなりの理由を言ってこの話はやめにしておこう。などという魂胆が見え見えの発言に小鳥遊は乗る。
「そ、そうですね。我を失いかけませんからね」
◇◆◇◆◇
「とりあえず、お互いの秘密にしておきましょう。もう相馬さんはどうでもいいです」
「ひどいな……」
相馬さんを説得したとしても相馬さんは常に秘密を話した相馬さんしてるので全く無意味だ。
逆に自分の弱みを握られるだけなのでやるだけ無駄になってしまう。これならもう勝手に話してくれと負けを認めるしか選択肢はない。
「どうせ相馬さんに言うなと言っても言ってしまうでしょうに」
「そんな簡単に言わないよ!ただちょっと必要な時に言うだけだよ!」
「また説得という名の脅しですか……」
「人聞き悪いなぁ……」
「間違ってないでしょう」
「何してんだお前ら」
店長がスパゲッティをすすりながら3人にいうと、小鳥遊は店長を指差す。
「いくら相馬さんでも、店長のヤンキー時代の話は知りませんよね?だって店長の方が年上じゃないですか」
「………刺すぞ」
店長がフォークを小鳥遊の目に向ける。店長は年上とか年増と言われるのが嫌らしく、小鳥遊にはいつもこんな感じである。別にそんな気にする年ではないとは思うが。
店長、28歳ならまだまだ若いでしょうに……。
「知ってるよ?ただ、話していい内容なのかなぁ…。当の店長はどうも思わないけど……ね?」
「いや、別に俺は聞きたくないですよ。知らない方がいいこともありますし」
「ハハッ、そうだよね」
本当はちょっと気になるが、さっきの相馬さんの会話の時の「……」の間が、「本当にヤバいことだから心して聞いた方がいいよ」という言葉が含まれてる気がするので、深追いすることをやめた。
店長が元ヤン時代がヤバいことは前々から少し聞いていたが、相馬さんがああやって注意してくるレベルのヤバさなら、ここで引くのは良い判断だ。
「きょーこさーん!今月の目標はどうしますか〜?」
ジャキン!ジャキン!と武装した兵士が走ってくるような音がしたということは、チーフの八千代さんがこちらに向かってきたということだ。
彼女はなぜか帯刀している。なぜだかは知らない。
「あ、忘れてた。じゃあ八千代が書いといてくれ」
「は〜い!!」
八千代さんは笑顔で休憩室へと向かい、目標を書き始めていった。
「目標か………」
「どうかしました?店長」
「毎日八千代のパフェを5個以上食べる…」
「それはもう目標じゃなくて義務になってません?」
◇◆◇◆◇
数日後、休憩室には八千代さんが書いたと思われる文字で、『お客様の目線で行動しましょう』と書かれていた。
「これが今月の目標、ですか……」
「あら五十嵐くん、それに小鳥遊くんも。ほら、自分ではわからなくても他人は気になることってあるでしょう?」
「「ええ。そういうことって、ありますよね」」
2人が息を合わせていうと、八千代さんの腰に目をやる。
「あるわよねぇ…」
「「はい。今、目の前に」」
2人は刀をじっと見ながら、アハハハハと笑った。
当の本人は気づいてないみたいだ。困った困った。いや、もうどうでもいいか。
「そもそもこの目標って、店長は守れるんですか?」
「……杏子さんはいいのよ」
「ですよね……」
八千代さんはウフフと笑いながら話を続ける。
「杏子さんは店長だからいいのよ」
「いや、店長だからこそ守らなきゃいけないんじゃないんですか?」
「そう?」
予想外の答えが返ってきた。普通なら「確かにそうね……」的な答えが返ってくると思っていたが、あの反応はマジの奴だった。ものすごくキョトンとしている。
「例えばですけど、もし店長が客殴ってケガさせたらどうするんですか?」
「それはもちろんお客様に………」
必死こいて謝「バレないように、トドメを刺す?」
「あー………はい。やっぱなんでもないです…」
「あら、どうしたの?」
「いろいろ、自分の中の何か(主に常識)が破壊されていくような気がして……」
「それは大変ねぇ…」
八千代さんが困った顔をしていると、目標を守れないであろう店長がご飯を片手にやってきた。
「何してんだお前ら」
「ああ店長。今月の目標について話してたんですよ」
店長は目標を見ると、眉を寄せて口を開く。
「なんで客に尽くさないとならんのだ。店員の方が偉いだろ」
「え」
「客あっての店じゃないんですか?
「いや、店員いないと店にならないだろうが」
あれ?常識ってなんだっけ?
「ファミレスだと、客がいない店はたまにあるが、店員がいない店はないだろ。だから店として成り立つには店員の方が大事。つまり店員の方が偉い!!!」
「いや……その…」
「そもそも私らがいないと水も出ねーし料理も出ねえ。店員がいないと客は何もできん。よって客に媚びる必要はない。店員第一。以上」
なんとなく筋は通っている気はするが、五十嵐は1つ重大な問題に気づいた。
「なんか納得しかけましたけど、こっちって金もらってる立場ですよね?」
この後店長が五十嵐たちに何かを話すことはなく、キッチンへと去ってしまった。
「私もまだまだ未熟ね…」
「いや、店長の頭が未熟なのでは……」
「店員第一だとそのままだし……こうしましょう!」
『店長の目線で行動しましょう』
「杏子さん素敵………」
「なんか嫌だなぁこんな店」
つくづく変な店だと思う五十嵐であった。
1週間後くらいに出せそう…→本当に出せました。
なんか今日は愛の石でガチャれるゲームで単発引いたらURの和装ダイヤさん出てきて焦りました。
別にそのアニメ見てないけど…周りがやってるから、つい。
明日からテストだし今月なんか忙しいし来月から高3で受験モードまっしぐらだからやばいね。次回はいつになるんだろう……。
いつになるかはわかりませんが、またのご来店、お待ちしております!!!
(感想欲しい(切実))