習い事の物理的ダメージと精神的ダメージが混ざって歩く事が苦行なうなinvisibleです。
結構キツい
「……で、何をすればいいんだ?」
店長に採用と言われたはいいが、それから何をすればいいかは聞かされていない。
ゆえに、ここからは全く知らない領域だ。バイトの掟とか、ルールとか、制服とか、何もわからない。
「そうだ。メガネから何をすればいいか聞こう」
先ほどゴミ出しに行ったメガネは、多分いまさっき話した場所で色々やってると思い、そこへ向かう。
「おいメガネー。ちょっと用がある……ん、だ………が」
「……もしかして君は迷子かな?お兄さんに分かることは教えてくれないかな?ハァ……かわいい」
その光景はまるで誘拐犯が小さい子を誘拐しようとしてるようだった。
幸い(?)話しかけられた子は男の子で、ちょっと危ない方向へは行かないことがわかった。
だがメガネの息は荒い。間違いなくこいつロリショタコンだ。
「……変態」
「どわぁぁ!?ななななにしてるんですか!てか、何の用ですか!」
「店長からは採用と言われたのだが、なにをすればいいのかと……迷った挙句こうなった」
「店長に聞いてくださいよ……まぁまだわからないと思うから俺が店長に聞いてみますよ。それより、これから一緒に働く身として、名前を聞きたいんですが」
メガネは小さい男の子をなでなでしながらそう言う。なんかどうでもいいように思われてる気がする。
「い、五十嵐 光希、16歳の○◎高校の1年生だ」
「俺は小鳥遊 宗太。高校は五十嵐さんとは違いますが、同い年です」
小鳥遊、随分珍しい名前だ。五十嵐が言うことではないが。
「じゃあ、小鳥遊。お願いします」
「早速呼び捨てかよ」
軽快なツッコミの後、小鳥遊は男の子を抱えながら店の中に入っていった。
それに続いて五十嵐も店の中に入っていった。
◆◇◆◇◆
「……店長。彼が新しく入った五十嵐さんです。何をするかとかを説明してあげてください」
小鳥遊が必死に説得してくれているが、店長はさっきあげたお菓子に夢中で聞いていない。
「チッ……この年増」
小鳥遊がボソッと呟くと店長は持っていたフォークを小鳥遊の目の前に突き出した。
「………刺すぞ」
「そうでもしないと聞かないと思いましたよ……」
どれだけ年増と言われるのが嫌なのか。まぁ美人だから年増ではないがな。
「年増って…店長何歳なんですか?」
「28歳」
「全然年増じゃないじゃないか小鳥遊。お姉さんと言える歳だろ全然」
「なかなか見どころのあるヤツじゃないかお前」
五十嵐は頭をポンポンと叩かれ、ご満悦な様子。それを見ている小鳥遊はイライラしていた。
「お前には募集要項通り、フロアスタッフをやってもらう。教育係は……どうしよう」
「流石に俺は嫌ですよ。伊波さんもいるし……」
「種島も小鳥遊がいるし……八千代は多分出来ないし……松本にするか」
店長は勝手に選んでしまったが、いいのだろうか。
他にアテが無いそうなので、松本さんには申し訳ないがお世話になってもらうしかない。
「松本ー!ちょっといいか?」
「……どうしたんですか店長」
松本さんと思われる女性が箒を持ってやってきた。
その辺にいそうな、いたって普通の女性だ。
「今日からコイツがお前の教育係だ。私は仕事のことに関しては一切口出しはしない。働かないから知らないので」
店長の口から驚きの言葉が出た。
どうやらこの店は店長が働かないトンデモナイ店らしい。
「まぁいいや、で、店長の名前は?」
「白藤 杏子。他は松本から聞け」
「あっはい」
「え!?私ですか」
松本さんは箒を落とし、動揺している。そんな人には見えないが、何かあるのだろう。
「どうも……今日からバイトをする五十嵐です。16歳○◎高校の1年です」
「○◎高校?私と同じじゃない」
「じゃあ松本先輩ですね。よろしくお願いします」
「いいわよフツーで。さん付けで構わないわ」
思ったよりもフレンドリーな人だった。フツーに綺麗だし、幼女(種島)よりかは100倍マシな教育係だ。
「とりあえず場所の紹介ね……ここは事務室よ。店長とかが基本的にはいる場所よ。その隣が休憩室。休憩室を出るとキッチンとかその他あるわ」
「は、はぁ…」
松本さんは淡々と説明を始めた。
その他にも、キッチンとかホールの人がするべき仕事の説明をパパッとされ、1日が終わる。
なんやかんやで夜遅くまでワグナリアにいてしまった。
「……ここが男子更衣室よ。明日からここで制服に着替えてホールに出ること。わかった?」
「はい。わかりました」
「……む、お前新人か」
「お?小鳥遊くんに続いて2人目かー。よろしく」
青髪の人と金髪のチャラチャラしてそうな人が声をかけてきた。多分悪い人ではないと思うが、ちょっと怖い。
「ああ、そんな怖がらなくてもいいよ。俺は相馬 博臣。こっちは佐藤 潤。よろしくね五十嵐くん」
……あれ?この人初対面なのになんで名前を知ってるんだ?
松本さんの声がどこかから聞こえてたのか、と勝手に決めつけ、五十嵐は話を始めた。
「はい。五十嵐 光希です。明日からよろしくお願いします」
「おう、よろしくー」
そう言って佐藤さんは私服に着替えた後、タバコを口に咥え、更衣室から出ていった。
話した限り、悪い人ではなさそう……。
「じゃあ、先帰ります。明日からよろしくお願いします!」
◆◇◆◇◆
五十嵐が自宅に帰ると、"いつもの"光景が広がっていた。
仕事疲れで死にかけている母、おもちゃで遊んでいる妹達。
母はぐったりしており、声をかけても起きる気配はない。
妹達も、ピーピーキャーキャー叫んでいるので、兄が大声出しても怒られるだけだ。
仕方ないのでただいまも言わずリビングに上がり、夕飯を作ることにした。
30分後、料理を作り終えた五十嵐は料理を机に置く。
「あれ?おにいちゃん帰ってきてたの?」
「お前らがうるさいから聞こえなかったんだろ。ほら母さん。夕飯出来たよ。起きて起きて」
五十嵐のその姿は、まさしく介護してる人だった。
「相変わらず光希は料理上手いわね……そういえばバイトどうだったの?」
「オッケーだったよ。明日から働くから、帰るのはちょっと遅くなるかも」
「いいのよ、バイトはキツい事もあるかもしれないけど、やり遂げることに意味があるの。だから途中でやめたりしちゃダメよ…?」
「……キツいというか、メンバーがちょっと危ないかも……」
「いじめられたりしたら言うのよ?私がガツンと言ってあげるから」
「そんな弱々しい声で言われても……」
母は若干元気そうに話してくれた。自立(?)してくれたことが嬉しいのか、いつもより頬がちょっと緩んでいた。
妹達は平常運転。料理をこぼすわ口には付けまくるわの惨事の連続だ。
さて、明日から正式にワグナリアで働くことになったが、五十嵐 光希はちゃんと働けるのだろうか。
………フツーにフツーな、1日を過ごそう。
次から原作にあるストーリーを混ぜてきますが、若干の修正を。
原作一巻で小鳥遊は伊波さんに会う前に「店長ってガキですね」発言をしますが、この小説では、小鳥遊が既に伊波さんに会っている状態で、かつ五十嵐が伊波さんに出会った後にその出来事が起こるようになります。予めご了承ください。
その他は原作通りに進めていこうと思っております。みんな大好き山田もあと数話で出るかもです。
次回は、デスパンチガール降臨。これだけでわかります……よね?w
『こんな話みたいなぁ』なんて思ったら感想欄にGO!話のネタになるのでじゃんじゃんください。
あとは好きなキャラ言いまくってください。
では次回のご来店(?)お待ちしてます