執務室ーーー
天龍「なあ、提督」
提督「なんだ?」
天龍「なんで普段はそんな喋り方なのにあの時は子供なんだ?どちらかといえばあっちの口調の方が、なんつーか、子どもらしいぞ?」
提督「だからだ」
天龍「あ?」
そっとペンを置き、天龍に目を向ける。
提督「お前は軍のことをどのくらいまで知っている?」
天龍「まぁ、色々と面倒くせえとこってのはわかってるぜ」
提督「その色々の中に上層部の問題があってな。俺のような子供を提督にすることに対して、ガキがなにができるんだなんていう声が上がったりしていてな、子ども提督というだけで簡単に周りから舐められてしまうんだ」
天龍「はっ!面倒くせえな」
提督「だから他のやつに舐められないようにこうやって大人の雰囲気を保とうとしている」
天龍「なんか提督も子ども割に色々あんだな」
提督「まあな」
再びペンを持ち、仕事を進める。
しかし天龍にはまだ疑問があった。
天龍「なあ、提督、もう一個だけ良いか?」
提督「ん?なんだ?」
仕事をしながら答える。
天龍「ここに来た時言ってたよな」
《俺には親はいない。気がついたら軍にいた。》
提督「ああ。そんなこともあったな」
天龍「寂しくないのか?誰にも甘えねえで、誰にも頼らないでそんな無茶してよ、苦しくねえのかよ?」
提督「それは…」
そっとペンを止める。
図星だ。いや、図星?なのかもしれない。
なぜか気がつけば軍にいて、誰にも甘えずにやってきた。
あのプレーンオムレツを食べて変わるのはもしかしたら子どもながらに誰かに甘えてみたいというものがあるからなのかもしれない。
天龍「わ、悪い。聞いちゃまずかったか?」
提督「いや、構わん。俺自身よくわからんな。まあ、少なくとも今のところは特になんともないな」
天龍「そ、そうか」
そんな時いきなり提督が声を上げる。
提督「いたっ!」
天龍「だ、大丈夫か!?」
提督「あ、ああ。紙できっただけだ」
天龍「紙だと!?傷見せろ!」
提督「大丈夫だ。このくらいなら」
天龍「良いから見せろって!」
この時ばかりは威圧に負けて傷を見せる。
天龍「うわぁ…派手にいったな。ちょい我慢しろよ?」
提督「天龍?なにを…!?」
その瞬間ハムッ!と指をくわえ、血を吸いだすように吸い込まれる。
天龍「ん…。プハッ!よし、なんとか血はおさまったみてえだな」
提督「お、おい汚いぞ?」
天龍「あ?そんなもん気にしねえよ。とりあえずあとは絆創膏でもはっときゃ良いだろ」
そう言うと手慣れた手つきで絆創膏をポケットから取り出し、シュルッと巻きつける。
提督「慣れてるな」
天龍「あん?まぁな。よく一緒に出撃したら駆逐艦が怪我するからよ。慣れちまったんだ」
提督「案外優しいところもあるのだな」
天龍「う、うるせえよ!ばか、さっさと仕事するぞ!」
提督「ふっ。そうだな」
少し鼻で笑っておく。