翌朝ーー
提督「ん、んー…!?いっ!?いててて…」
寝起きと同時に激痛で目を覚ました。
提督「やれやれ、鎮痛剤を打っていても少し、というかかなり痛いのだな」
そんな独り言を呟きながら、一旦針は抜かず、上のチューブを抜き、カッターを着て、制服に着替える。
再びチューブを入れ、痛む背中を庇うように執務室へと向かった。
あの時顔にかかった分はただの軽い火傷で済み、大事には至らなかった。
執務室ーーー
提督「ふぅ」
コンコンッ
鳳翔「失礼します」
提督「あ、おはようございます」ニコッ
鳳翔「あ、おはようございます…」
やはり鳳翔もショックなのだろう。
顔が薄暗い。
提督「どうした?」
鳳翔「いえ、朝食をお持ちしました」
コトッと料理を机に置く。
そして早足でドアへ踵を返す。
ムギュッ
鳳翔「ひゃうっ!?」
後ろから抱きつくも身長のせいで結局鳳翔のお腹あたりに手が回ってしまった。
鳳翔「て、提督?」
提督「しゃがめ」
あえて怒った口調で言う。
こうでもしないと恐らく言うことをきかないだろう。
鳳翔「はい…」やはり、怒ってるのですね…
ムギュッ
鳳翔「ふぇ?」暖かい?
鳳翔の予測とは違い、目の前に広がったのは怒った提督の顔ではなく、暖かく、柔らかな白い景色だった。
それが提督の上着だと気づくのに数秒かかった。
提督「お前こそばかというものだな」
鳳翔「て、提督…?どうして…ですか?」
提督「うまくは言えん。だが少なくともお前が自分を責めていることくらいわかる。俺は言葉が苦手でな。すまないがこうすることでしか表現できない」
鳳翔「ふっ…グスッ…!提督、ずるいです…」
ホロホロと鳳翔の頬を熱いものが伝わり、改めてその小さな優しさと、温もりにしがみつく。
背中を掴まないのはせめてもの気遣いだろう。
提督「よし、よし」ナデナデ
鳳翔は何一つ言葉にできず、なきじゃくるだけだった。
数分後ーーー
鳳翔「グスッ…ありがとうございます。ですが…やはりなにかお詫びがしたいです…グスッ」
提督「なら頼みを聞いてくれるか?」
鳳翔「頼み…ですか?私にできることならなんなりとおっしゃってください!」
提督「しばらく俺の身の回りのことを、特に眠るときや食事の時、世話をしてくれないだろうか?」
鳳翔「と、おっしゃいますと?」
提督「背中がまだ酷く痛むのでな。食事をするのに手を動かしたりするだけでも痛い。そこで食べさせてくれたり、眠るときは痛みでなかなか眠れん。そういう時は寝かしつけてほしいということだ」
鳳翔「そんなことでよろしいのですか!?わ、私はそれ以上の怪我を提督にさせたのですよ!?」
提督「はぁ。してくれのか?してくれないのか?どっちだ?」
鳳翔「提督…グスッ。はい!よろこんで!」ニコッ