あれから付きっ切りで面倒を見てくれている。
そんな時鳳翔が話を切り出した。
鳳翔「そういえば提督はあの広島の反乱戦争に鎮圧に行かれたのですか?」
提督「そうだが?」
鳳翔「お話を伺っても?」
提督「なぜ急に?」
何故か顔を赤くしている。
熱でもあるのか?
鳳翔「そ、その…提督のことを少しでも多く知りたくて…その、半年間いるのにあまりよく知らないので」
提督「ふむ」たしかにコミュニケーションも大事か
鳳翔「提督?あ、あの!む、無理には構いませんので」
提督「いや、話そう」
そっと鳳翔が隣に椅子を持ってきて座る。
提督「今から約2年前のことだ。あの頃はまだ政府に対する不安も強く、加えて軍があまりに圧政をひいたため国民の怒り、軍関係者までもが反乱を起こした。まぁ、仕方のないことといえば仕方がないのだが」
鳳翔「というと?」
提督「深海棲艦が現れて、艦娘が現れて各地の深海棲艦は多少は撃退できた。が、しかし、日本は島国だ。各地の大陸各国とは大きく異なった点がある。航路がなければ我々の政治経済は成り立たない。何故かわかるか?」
鳳翔「たしか日本は輸入大国…でしたっけ?」
提督「そうだ。輸入がなければ我々に資源はない。そして輸入がなければ国内生産に頼るしかない。しかし当時の政府はそんな状況にもかかわらず、物価を上昇させ、国民から財を絞り出そうとした。そんなことをしていれば当然」
鳳翔「反乱も起こる…と」
黙って頷く。
提督「そこでその反乱の鎮圧に選ばれたのが、当時の海軍精鋭部隊と陸軍の精鋭部隊。くわえて卒業したての我々だった」
鳳翔「なぜ卒業したての新兵を反乱軍の鎮圧に?」
提督「それだけ人がいなかったのだ。そこで精鋭部隊を後方につけ、我々新兵を肉壁とし、敵中枢に押し込み、一気に叩く策にでた」
鳳翔「なんて酷いことを…」
提督「だが案外その案は上手くいった。大半の新兵は精鋭部隊の盾となり死んでいった。当時の俺の友人も皆死んでいった」
鳳翔「最終的には何人ほど生還したのですか?」
提督「800人もの新兵がいたのに帰ったのはわずか40名。つまり20分の1」
鳳翔「そんな…!残りの760名は皆死んだというのですか!?」
提督「そうだ」
鳳翔「なぜ!?陸海軍の精鋭部隊がいたならもっと被害は少なく済んだのではないのですか!?」
提督「相手に軍人もいたとしたらどうだ?相手は多少なりとも戦車といった大型兵器を持っているのだぞ?」
鳳翔「そ、それは…」
提督「すまない。責めるつもりはない。つまり戦車などの大型兵器に体に爆弾をつけて突っ込む特攻の役割を果たしたのも新兵だったのだ。俺は幸いその特攻団に選ばれなかったし、戦車の砲弾を食らうことはなかった」
鳳翔「残酷ですね…」
ふと鳳翔の顔を見ると悲しみの涙を流していた。
気の優しい鳳翔のことだ。死んでいった仲間たちのことも思ってくれているのだろう。
提督「ありがとう」
鳳翔「そ、そんな私はなにも!」
提督「その涙は仲間たちのことを思ってのことだろう?その礼だ」