あれから食事を無事に終え、長門は出撃、提督は執務室にまたこもることにした。
外ではこんなに寒いのに駆逐艦達が遊んでいた。
提督「皆元気だな」
時雨「どうしたんだい?いきなり」
提督「いや、駆逐艦の子達はなぜこんなに寒いのにあんなはしゃげるのか不思議でな」
時雨「みんながみんなってわけじゃないさ。僕だって寒いのは嫌いだし、晴れてても読書ばかりしているよ」
提督「思えばお前と話す機会も少なかったな」
時雨「まったくだよ。なぜ僕を早く秘書艦にしてくれなかったんだい?」
提督「仕方ないだろう。こればかりはくじ引きなのだからな」
時雨「それはそうだけど…」
ムスッと頬を膨らませている。
提督「ほう、お前でもそんな一面があったのだな」クスッ
時雨「提督だからみせるのさ」
提督「変な奴だな。そういえばお前はその名の通り雨が好きなのか?」
時雨「もちろんさ。雨の日ほど良いものはないよ」
突然目をキラキラとさせる。
提督「ならお前にとってここは少々居心地が悪いな。雨どころか雪しか降らんからな」
時雨「そうだね。でも雪も嫌いじゃないさ」
やはり不思議な少女だ。
しかしいつ見てもあの青い目には吸い込まれてしまうな。
吹雪「あ!司令官!危ない!」
提督「ん?」
ガコンッ!
時雨「提督!?大丈夫かい!?」
提督「いててて…なんだ」
そっと後頭部に当たったものを見るとバドミントンのシャトルだった。
まったく誰だ打ったのはと外を見る。
吹雪「もう!夕立ちゃん加減しないから!」
夕立「うぅ!ごめんっぽいー!」
提督「はぁ…お前か」
プルプルと肩を震わせる。
時雨「て、提督?」
上半身を大きくひねり、シャトルを夕立の額目掛けて思いっきり投げる。
投げられたシャトルは戦争によって鍛えられた提督の筋力と重心移動によりかけられたパワーで推進力を生み、凄まじい速度で夕立の額に衝突した。
夕立「ぽいーー!」
吹雪「え!?夕立ちゃん大丈夫!?」
提督「まったく」
柄にも会わずムスッとして席に座る。
時雨「まあまあ、夕立だって悪気があったわけじゃないんだし許してあげなよ?僕も友達として謝るよ。ごめんよ?提督」
提督「はぁ…。なら友人としてしっかり夕立にバドミントンの力加減というものを教えてやってくれ」
時雨「わかったよ」
外をチラッと見ると目を回した夕立を吹雪が介抱していた。
提督「さて、仕事をしようか」
時雨「うん!早く終わらせて、本を読みたいしね」
提督「ふっ…飽きないな」
しかし日頃から読者をしていることもあり漢字や、文字に詳しく、時々うっかり忘れてしまった漢字などの読み方を教えてくれるのは助かるし、報告書を読み上げる時もスラスラと呼んでくれるので助かる。
その甲斐あってか案外早めに終わり時雨は執務室の秘書艦専用の机に腰掛け本を読んでいた。
提督は椅子を外に向け、背もたれに体を預けて眠っていた。