その日の夜…
開催時刻
霧島「それでは!室蘭鎮守府!年越し蕎麦大会!開催です!司会進行、及びコメントは私!霧島が務めさせていただきます!」
「「「「ザワザワザワ」」」」
皆騒ぐ中、霧島が一層声を上げて司会を続ける。
霧島「それでは!ルールの説明をします!各チーム食材は自由!制限時間は午前0時まで!審査は我らが提督!片桐和樹中将に務めていただきます!それでは提督より一言!」
おい、聞いていないぞ。と霧島に視線を向けるが避けられた。
提督「片桐だ。諸君らの今夜に向けての努力はわずかであるが見させてもらった。その努力の成果を存分に発揮してもらいたい。以上だ」
霧島「ありがとうございます!それでは!調理スタート!」
カンカンッ!
とベルが鳴らされると一斉に調理を始める。
長門「隣構わないか?」
どこから来たのか。長門に声をかけられ横にポフンッと座る。
提督「良いという前にすわっているだろう。まぁ、かまわん」
長門「皆手際がいいな」
提督「努力の成果だろう。響の指を見てみろ」
長門「あ、あれは!」
そこには響らしくないくらいに多くの包帯が巻かれてあった。
提督「あとで声をかけるべきだろうか」
長門「それも大事とは思うが、一番は、お前が美味しそうに食べてやることだ」
提督「そんなことでいいのか?」
そんなとき、何故かわからないが、昔軍医から言われたことを思い出していた。
《身体に気をつけてね。いつまた再発するかわからない》
長門「提督?どうした?」
提督「はっ!いや、なんでもない」
長門「大丈夫か?顔色が」
提督「うぐっ…」
心臓が…痛い…。くそっ!
長門「ど、どうした!おい!しっかりしろ!」
提督「ふぅ、ふぅ、もう平気だ」
長門「疲れているんだろう。完成まで少し時間はある。ほら」
提督「わっ!?」
グイッと引っ張られ、柔らかい長門の太ももに頭を埋める。
長門「少し、こうして眠っていろ。彼女たちの様子は私が見ておこう」
提督「すまないな」
まさかこんなところで出てくるとはな。
帽子を取り、顔に乗せて暗くする。
ふと思い出していた。
《一応特効薬は打ったが数年後に出てくるかもしれない。その時は正直言って助かるかどうか》
数年前のことーー
かつて戦線にいた頃、ある化学兵器が投入され、一時期政府軍は不利な立場にあった。
しかしそんな中でも新兵は突撃あるのみ。
故に提督はその化学兵器の影響をうけた。
幸いにも化学兵器に対する抗体が身体にあり、軽度で済んだが、毒とは溜まるもの。
特効薬を打ったところで持つのは数年程度。
その化学兵器は人間の神経に作用し、提督の場合は心臓周りの神経を破壊されていくものだった。
このことをまだ艦娘たちは知らない。