片桐提督と艦娘   作:大石蔵良 ショタ 提督

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第30話 異変

その日の夜…

開催時刻

 

霧島「それでは!室蘭鎮守府!年越し蕎麦大会!開催です!司会進行、及びコメントは私!霧島が務めさせていただきます!」

 

「「「「ザワザワザワ」」」」

 

皆騒ぐ中、霧島が一層声を上げて司会を続ける。

 

霧島「それでは!ルールの説明をします!各チーム食材は自由!制限時間は午前0時まで!審査は我らが提督!片桐和樹中将に務めていただきます!それでは提督より一言!」

 

おい、聞いていないぞ。と霧島に視線を向けるが避けられた。

 

提督「片桐だ。諸君らの今夜に向けての努力はわずかであるが見させてもらった。その努力の成果を存分に発揮してもらいたい。以上だ」

 

霧島「ありがとうございます!それでは!調理スタート!」

 

カンカンッ!

 

とベルが鳴らされると一斉に調理を始める。

 

長門「隣構わないか?」

 

どこから来たのか。長門に声をかけられ横にポフンッと座る。

 

提督「良いという前にすわっているだろう。まぁ、かまわん」

 

長門「皆手際がいいな」

 

提督「努力の成果だろう。響の指を見てみろ」

 

長門「あ、あれは!」

 

そこには響らしくないくらいに多くの包帯が巻かれてあった。

 

提督「あとで声をかけるべきだろうか」

 

長門「それも大事とは思うが、一番は、お前が美味しそうに食べてやることだ」

 

提督「そんなことでいいのか?」

 

そんなとき、何故かわからないが、昔軍医から言われたことを思い出していた。

 

《身体に気をつけてね。いつまた再発するかわからない》

 

長門「提督?どうした?」

 

提督「はっ!いや、なんでもない」

 

長門「大丈夫か?顔色が」

 

提督「うぐっ…」

 

心臓が…痛い…。くそっ!

 

長門「ど、どうした!おい!しっかりしろ!」

 

提督「ふぅ、ふぅ、もう平気だ」

 

長門「疲れているんだろう。完成まで少し時間はある。ほら」

 

提督「わっ!?」

 

グイッと引っ張られ、柔らかい長門の太ももに頭を埋める。

 

長門「少し、こうして眠っていろ。彼女たちの様子は私が見ておこう」

 

提督「すまないな」

 

まさかこんなところで出てくるとはな。

 

帽子を取り、顔に乗せて暗くする。

ふと思い出していた。

 

《一応特効薬は打ったが数年後に出てくるかもしれない。その時は正直言って助かるかどうか》

 

数年前のことーー

 

かつて戦線にいた頃、ある化学兵器が投入され、一時期政府軍は不利な立場にあった。

しかしそんな中でも新兵は突撃あるのみ。

故に提督はその化学兵器の影響をうけた。

幸いにも化学兵器に対する抗体が身体にあり、軽度で済んだが、毒とは溜まるもの。

特効薬を打ったところで持つのは数年程度。

その化学兵器は人間の神経に作用し、提督の場合は心臓周りの神経を破壊されていくものだった。

このことをまだ艦娘たちは知らない。

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