コインの表と裏   作:ラーカー

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読み返すとフラグ塗れなんだな
1巻での理子との会話って


峰理子という女~リコリンって語呂がいいよね~

 ・・・・・・なんでだろう?

 アリアと引き分けて『勝っただろ』いや、勝ったわけじゃないだろ。

 というかお前が勝手に引き分けにしたんじゃないか。

 

『知らんな』

 

 とぼけんなよ。

 それはともかく、アリアといい勝負をしたためになぜかは知らないがアレ以来、以前にも増して付きまとってくるようになってきた。

 

『最近、懐いた猫のごとく甘えてくるようになったよなあ』

 

 懐いた猫って・・・・・・俺は餌あげる人か?

 

『猫ってそんな風に認識してるって話だねえ。ホントかどうか知らんけど』

 

 そうだっけか?

 そんな感じにどうでもいいことを考えながら女子寮前の温室(ビニールハウス)にギンが勝手(いつのまにか)に設置したハンモックで昼寝をしていた。

 ここはいつも人気がないため、ゆっくりしたり密会するのに向いている。たまに人が来るとしても園芸部が花の世話の為にくるくらいだろう。

 

 というかこれ(ハンモック)いつ設置したんだ?

 

『ちょっと前に白雪に頼んだらOKくれたぜ?』

 

 いつの間に―――って記憶ねえんだけど?

 

『この前、お前が白雪の胸にダイb(やっぱ聞きたくないわ)―――え?いいのか?』

 

 ああ、思いだしたくないからな!

 

『いい加減に慣れればいいのに』

 

 無茶言うな。

 あんなの慣れないし、慣れたくねえ。

 

『ならその変なラッキースケベ(リトさん)体質直せ』

 

 そんな体質ねえよ・・・・・・。

 

『どうだか。それより誰か来たみたいだな』

 

 え?誰が「キーくん探したよー!」―――理子か

 

「もー、リコリンに依頼しといて忘れるなんてプンプンガオーだぞ?」

「あ、忘れてた」

「忘れてたなんてキーくんひどーい!」

『そう言えばアリアが付きまとい始めたときに依頼したんだっけ?』

 

 確か、ドレイ命令の後に理子に依頼したんだっけ。

 

「ちょい待ってろ」

『あ、依頼料か。オレが買ったやつな』

 

 ギンに買って来てもらって、買ってからカバンの中で眠っていた依頼料を理子に渡す。

 

『それ渡す暇いくらでもあったろ』

 

 忘れてたんだよ。

 

「わかってるとは思うがこれは他言無用で頼む。特にアリアにバレルと面倒だ」

「うー!らじゃー!」

 

 理子はキヲツケの姿勢になり、両手で敬礼ポーズを取る。

 見てわかるように峰理子はバカだ。しかし、探偵科に転科してから知ったがノゾキ・盗聴盗撮・ハッキング等の趣味があり、情報収集が並外れてうまいのだ。さしずめ情報怪盗と言ったところか?ちなみにランクはAだとか。

 

「これでいいだろ?」

「うっわぁーーーー!『しろくろっ!』と『白詰草物語』と『妹ゴス』だよぉー!」

『ギャルゲーって男向けじゃなかったっけ?』

 

 知らんし、興味もない。

 

「なんでこれを俺に買わせたんだ?」

「あそこの店員がリコリンが小さいからって、売ってくれなかったんだぞー?プンプン!」

「ああ、15歳以下に見られたのか」

 

 ギャルゲーと呼ばれる恋愛シュミレーションゲームは大体R-15だったりするため年齢によって売ってくれないのだ。プレイしたことないけど何が基準でR-15なのかはよくわからんものだ。

 

「以下じゃ無くて未満に見られたんだけどね!」

『なぜそこでドヤ顔?』

「そこ怒るのか喜ぶのかどっちかにしてくれ」

「あー!『ももいろっ!』もあるじゃん!キーくんナイスだよー!」

「無視ですかそうですか」

『そろそろ主題に入れ。長いぞいろいろと』

 

 それもそうだな。

 

「あ・・・・・・これとこれいらない。理子はこういうの嫌いなの」

 

 突き返されたそれを見て

 

「『妹ゴス』の2と3?何が違うんだ?」

「『2』と『3』なんて作品に対する蔑称だよ」

「よくわからん」

「とにかくいらないの!」

 

 理子には理子なりによくわからん基準があるらしい。だからと言って押し付けるな。

 

「わかったわかった。これらはいいとして、報告を聞かせてくれ」

『よし!ならあとでこれプレイしようぜ!』

 

 しねーよ。それより情報を聞くぞ。

 

『あいあいさー』

「あい!」

 

 なんでそこでハモるんだよ?

 とりあえずハンモックに座って聞く姿勢を取ると、ジャンプして理子は俺の隣に座る。って、おい。身体くっつけるなおい。

 

「くっつくなよ」

「くふふ。そんな事言うと教えてあげないよー?」

『おい。さっさとヒステリアモードになって口割らせろよ?』

 

 ならねえし、できねえよ。

 

「・・・・・・わかったからさっさと話せ」

「キーくん照れてる?」

「それで良いからさっさと教えてくれ」

「キーくんかわいい!」

 

 そこでいったん弄るの止めたのかようやく本題に入る。

 

「えーっと・・・・・・まずランクはSだったね。2年でSランクって片手で数えられるくらいしかいないんだよ?」

「それは知ってる」

「キーくんは戦ったから知ってるだろうけど徒手格闘もうまくてね。流派は、ボクシングから関節技まで何でもありの・・・・・・えっと、バーリ、バーリ・・・・・・?」

「バーリ・トゥードか」

「そうそれ。イギリスでは縮めてバリツって呼ぶんだって」

 

バーリ・トゥード

 合格闘技の代名詞と称されることもあるように技が多彩だが、他の格闘技でしばしば反則とされる顔面への打撃や関節技が正当な技として用いられたり、寝技で相手の上に馬乗りになって顔面を打撃し、相手が打撃を逃れようとうつぶせになる所で首を絞めるという展開がしばしば見られ、馬乗りの体勢となることが「定石」とされている。

 

 実戦向き、というか実戦を前提とした格闘技だ。

 確かにあのチビの強さは並じゃなかった。あのまま続けていれば下手すればギンでも負けたかも『いや、負けねえよ?』しれない。それくらい強かった。

 

「それであの子両利きなんだよ?二つ名は『双剣双銃(カドラ)のアリア』」

 

 ―――双剣双銃(カドラ)

 武偵用語で、二丁拳銃あるいは二刀流をダブラと呼ぶ。英語のダブルから来ているのだが、そこから類推すると4つの武器を使うことから来ているのだろう。

 

『安易な二つ名だな。戦い方を二つ名にするとか無能だよなあ』

 

 二つ名は自称じゃないなら、国際武偵連盟が名付けるもんだからな?

 

『興味ない』

 

 あっそうかい。

 

「笑っちゃうよね双剣双銃(カドラ)だってさ」

「笑いどころがわからん。他には・・・・・・武偵としての活動が知りたい。あいつにはどんな実績がある?」

「今は休職してるみたいだけどアリアは14歳からロンドン武偵局の武偵としてヨーロッパ各地で活動しててね――――その間、一度も犯罪者を逃がしたことがないんだって」

「逃がしたことがない?」

『雑魚ばっか相手してたんだな~』

 

 あー。そうとも取れるのか。

 

「狙った相手を全員捕まえてるんだよ。99回連続、それも全部たった一度の強襲でね」

「なんだ・・・・・・それ・・・・・・」

『あれ絶対、突っ走るタイプだろ?優秀なサポーターがいるな』

 

 それがロンドン武偵局か?

 

『さあな?協力者がいないと達成できないだろそんな記録』

 

 それもそうだな。

 

「理子。それアリアが単独でやったのか?あいつが地道に捜査するようなタイプには見えないが」

「キーくんも考えるより動くタイプじゃん」

「俺は足を使うタイプだ。流石の俺でもアレと同類扱いされたくないぞ・・・・・・」

「そーかなー?・・・・・・確かにアリアが動くときはロンドン武偵局が追いかけてた相手を先に突っ走って捕まえてるみたいだよ?」

「ロンドン武偵局に恨みを買ってこっちに来たのかあいつ?」

「どうだろうねー。でも早く戻って来いって催促されてるみたいだよ?ロンドン武偵局の逮捕率が下がってるらしいし」

「どんだけアリアに依存してんだよロンドン武偵局・・・・・・」

『あんなのに頼り切りとか大丈夫なのか英国?』

 

 若干ヨーロッパのことが心配になったが切り替えて、報告を聞く。

 

「あとは・・・・・・そういえば、アリアってお父さんがイギリス人とのハーフなんだよ」

「てことはクォーターか」

 

 道理で髪も眼も赤いし、人形みたいなかわいらしさがあるわけだ。

 そもそも名前が〈神崎・H・アリア〉だしな。

 

『あの髪の色それで説明がつくか?それにしては違和感があるような?』

 

 何言ってんだお前は?

 

『オレも何言ってるかわからん』

 

 おい。

 

「で、イギリスの方の家がミドルネームの『H』家なんだよね。すっごく高名な一族らしいよ。おばあちゃんはDame(デイㇺ)の称号を持ってるんだって」

『それ確か英国貴族の称号じゃねーか?』

「ということはあいつ貴族なのか!?」

「気持ちはわかるけどキーくん驚き過ぎ」

「すまん」

 

 確かに貴族のイメージからかけ離れた子供(アリア)が貴族と知ったからといって、驚き過ぎたな。でも考えてみれば妙に偉そうだったしある意味ぴったりかもしれない。

 

「くふふ。でも、アリアは『H』家とはうまくいってないらしいんだよね。だから家の名を言いたがらないんだよ。理子は知っちゃってるけどー。あの一族はちょっとねぇー」

『なんかいま理子から嫌悪感を感じたな』

「なにか嫌な思い出でもあるのか?」

「そーじゃなくて、理子は親の七光りとかそういうの大っ嫌いなんだよぉ。まあ、イギリスのサイトでもググればわかるんじゃない?」

「なんでそこで焦らすんだ、ゲームやったんだキリキリ吐け」

「キーくん、それくらい自分で調べよーよ」

「英語苦手なんだよ」

「ま、頑張れや!」

 

 教える気はないらしい理子の適当な励ましなのか、背中を叩こうとしてバランスを崩して、そのままハンモックがひっくり返った。

 

「あぶな!?」

「きゃあ!?」

 

 咄嗟に動いたら理子を庇うように背中から地面に落ちた。

 

「いってえ・・・・・・」

「キーくん!?ちょっとこの体勢は!?」

「え?」

『咄嗟に抱きしめるように落ちて、至近距離で見つめ合うとかワザとやってるだろ?』

 

 理子のかわいらしい顔が吐息が掛かるほどの距離にあった。

 普段はバカっぽい言動だからあんまり気にしていなかったが、こうして見るとロリっぽい見た目に反して妙な色気があり、バニラのような甘ったるい女の香りが

 

 って、やばいこれは!?

 

『MAJIDEキスする五秒前』

 

 何言ってんのお前?

 

「キーくん――――そのー。離してくれるとうれしいかなー。――――なんて」

「わ、わるい」

 

 テンパってた思考と集まりかけてた血流がギンの茶々入れで一瞬にして冷めた。だが、すぐに血流が集まりかけてたので慌てて手を離すと、理子はするっと離れて、こっちから顔を背けて座り込む。

 

「(うー。流石に今のは予想外だったよー)」

「あー。大丈夫か?」

『理子(ルート)に入ったかこれ?』

 

 なんだその(ルート)って?

 

『さーなー?』

「もー!キーくん積極的ー!?でもリコリンを攻略するのはまだ早いんだぞー?」

 

 プンプン!と両手で角を作るいつもの調子に戻ったらしい理子にここは素直に頭を下げる。

 

「? 何が早いのかよくわからんけど悪かった」

 

 ここはとりあえず謝っておく。バランスを崩したのは理子とはいえ流石に好きでもない男に抱きしめられるのは嫌だったろうしな。

 

『あんまり怒ってないっぽいけどな』

 

 それでも問題だろ。

 

「いやー、頭下げられてもリコリン困っちゃうし!もう調子狂うなー」

『よし、このまま口説け!』

 

 口説かねえよ!?

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 

 き、気まずい。

 ギン変わってくれ!?

 

『嫌だ。最近表に出過ぎだし』

 

 そこをなんとか!

 

『自業自得だろ。自分で何とかしろ』

 

 こういう時はとりあえず何か話さないと――――! 

 

「えーっと、あれ、えっと?そーだ。依頼!他に何かないか?」

「キーくんちょっと焦り過ぎだぞー?くふふ。んー。もうリコリンが話せることはないかなー」

「そうか」

「じゃ、リコリンの役割はここまでってことで!」

「ああ、ありがとな」

 

 よかった。なんとかなった気がする。

 

「あ」

「どうした?」

「キーくんの時計壊れてる!」

「え?」

 

 そう言われて腕時計を見ると、さっきので3つ折りの留め具が壊れてしまったようだ。

 

『なんで壊れてるんですかねえ?』

「気にすんな。どうせ安物だし」

 

 2000円くらいのを買ってから使い続けて(七ヶ月)、そろそろ買い替えた方がいいという事だろう。

 

「だめ!修理させて!依頼人(クライアント)の持ち物壊したなんていったら、理子の信頼に関わっちゃうから!」

 

 俺から腕時計をむしり取るとセーラー服の襟首を引っ張ろうとして、何かに気がついたのか慌ててスカートのポケットに腕時計をしまった。

 

「それじゃ!ばいばいきーん!」

 

 そう言って理子はこっちの意見も聞かずに温室から飛び出していった。

 

「あいかわらず騒がしい奴だ」

『ところでこのギャルゲー結局どうすんだ?』

 

 あ、忘れてた。




キンちゃんって大体こんな感じでしょ?
え?違う?(´・ω・`)


――――二人が立ち去った後――――

「あら?温室に誰がこんなものを置いて行ったのかしら?」

「・・・・・・この娘、あかりちゃんに似ている・・・・・・」

「最近あかりちゃん成分が足りない私の為に神様が用意してくださったに違いないわ!!」

 通りすがりの佐々木志乃
 あかりちゃん似のヒロインがメインのお宝(ギャルゲー)ゲット
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