羽川翼の親になった男の話   作:瑠璃ぃぃぃ

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第9話

後日…

 

ひたぎちゃんから聞いた情報を元にその現場(宗教)に行ってみた。

 

そして今回の協力者に話してみた結果…

 

 

数時間前…

 

とあるビルの一室、そこに俺事羽川隼と、今回の件の協力を頼んだ先輩がいた…

 

「最近金の羽振りが良いと言う宗教団体がいたが…成る程そいつらか。」

 

「知ってるんですか?」

 

「まぁな…と言っても奴等が宗教を語る詐欺集団だと言うことはあまり知られてはいない。何故なら、被害にあった連中が全員詐欺だと認識していないからだ。」

 

認識していない?でもひたぎちゃんの母親は…

 

「今回被害にあったその子供の母親だが…それは恐らく洗脳の類いだろう。方法までは解らんが、被害にあった連中は全員、正気ではないのは確かだ。」

 

 

「なら早く解決しないと…‼」

 

「そう言う事だな。」

 

 

そう言うと先輩は手に持っていたワインを飲み干した…

 

「今回の件で頼れるのは先輩だと思っています。…他の先輩方はなんと言うか…」

 

 

「だろうな。忍野は怪異絡みじゃないと基本動かない、影縫は武力はあるが揉み手には使えない。臥煙先輩なら解決出来るだろうが、理由なく他者を助けるほど酔狂ではない。」

 

「そもそも連絡先を知らないですからね…」

 

「そこで金次第で動く俺…と言うことか。」

 

断言、そうするように俺をじろりと見る先輩。

 

 

「まぁ、お前には臥煙先輩の厄介事に付き合わせた借りがある…だから今回に限り特別に………無料(ロハ)でやってやる。」

 

「っ…本当に特別ですね…」

 

「その代わり、やり方は俺が好きなようにやる。」

 

そう言うと壁に掛けてあった上着を羽織り、服を整える先輩

 

 

「しこたま金を溜め込んでそうだからな…仕事としては上等だ。」

 

 

そう言って部屋を後にする貝木先輩だった………

 

 

ー回想終了ー

 

 

「とりあえず後は貝木先輩のやり方に協力するだけだな。」

 

その貝木先輩からの連絡を待つ…

 

あの人なら解決してくれると思っている…まぁ、貝木先輩は金目的かも知れないけど相手も詐欺集団だから詐欺にあっても文句は言えまい…

 

 

 

そう思いつつ先輩を待つのであった…

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

そして、後日談と言うか今回のオチ

 

 

 

貝木先輩のやり方で宗教団体を内部から崩していき、そして金をむしり取ったらしい。

 

 

俺も工作兵として潜入していた。貝木先輩から100万円を渡されて、宗教団体のリーダーに渡したが、それも策だったのだろう。

 

 

内部からまだまともそうな人を集め、内部から瓦解させ、イカサマを突き付け、ムナンチョヘペトナス教のリーダーを撃破した。

 

因みに撃破した人は片目に眼帯を着けて、金属バットを振り回していた蛇柄コートのヤクザっぽい人だった…

 

 

 

そしてひたぎちゃんの母親だが…

 

 

 

ー羽川家ー

 

 

「本当に何とお礼を言ったら良いのか…」

 

 

「お礼なんて…ただ、ひたぎちゃんのお願いを聞いただけですよ。」

 

 

ひたぎちゃんのお母さんが我が家にお礼を言いに来ていた。

 

正気を取り戻したひたぎちゃんのお母さんは涙を流しながらひたぎちゃんを抱き締めていた…

 

ひたぎちゃんも同じように泣いていた…だけどそれは悲しい涙ではなく、嬉し涙だった…

 

「娘の…ひたぎの病気が治るようにお祈りをしたのがあの宗教団体でした…本当に願いが叶うならなんでもするつもりでしたが…」

 

 

藁にもすがる思いで来た人を騙すとはな…やっぱりあの宗教団体は潰れて正解ってか。

 

「ひたぎ…本当にごめんなさい。駄目なお母さんで…」

 

「ううん…そんなことないよ。だって私の病気が治ったのはお母さんがお祈りしてくれたおかげでしょ?…だから、お母さん…ありがとう‼」

 

 

これにて一件落着って事かな?

 

 

その後、改めてお礼を言われた俺は特に気にする必要は無いと言っておいたが…まぁ、ひたぎちゃんも笑顔になったのでそれで充分と言っておいた…

 

ひたぎちゃんが照れていたのか顔が真っ赤になっていたが…

 

 

そして後日、貝木先輩に話を聞いてみた所…

 

「今回の仕事は実に割の良い仕事だった…礼を言うぜ羽川。」

 

「こちらこそ、おかげでひたぎちゃんのお母さんも正気に戻りました。」

 

 

「予想通り、奴等は洗脳をしていた。中には効いていない奴もいたが…まぁ、誤差の範疇なんだろうな。金をしこたま溜め込んでいたぜ。これで暫くは金に困ることもあるまいよ。」

 

 

そう言ってワインを飲む貝木先輩…

 

何だろう…絵になるなぁ…

 

「羽川は知り合いの子供の母親を救い出せて、俺も金が手に入り得を得た…今回の件で俺が得るべき教訓は、例え人を陥れ金を得たとしても、その影で救われるかもしれない人間もいると言うことだ。」

 

「その教訓は一般的には使えないですね…」

 

 

基本人を騙して金を得るのは詐欺師だけだしな…

 

「当然だぁ…俺の教訓だからな。…あぁそれとな…ほれ。」

 

そう言って1枚の白い紙を渡してきた…これは名刺?

 

 

「俺の名刺だ。連絡先も書いてあるから、次回からは依頼として受けてやる。」

 

 

「はぁ…まぁ、ありがたく頂戴します。」

 

ゴースト・バスター…

 

 

流石にこれに引っ掛かる人はいないだろう…

 

そう思ってしまう俺だった…

 

 

 




ヤクザっぽい人とは…(笑)




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