イナズマイレブンGOスカイハイ   作:吟遊詩人ルナ

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第5話 集結!桜城イレブン!!

()寮棟に戻った天馬と東風谷は、浴場でシャワーを浴びて普段着に着替えることにした。桜城中学校では寮棟の中にいるときに限り、普段着として私服の着用が認められていた。着替えながら、天馬は改めて東風谷の体を観察した。

東風谷の背は天馬と同じか少し低いぐらいだった。全体的にひょろひょろした体格で、筋力もあまりなさそうに見える。ディフェンダーとは言っていたが、積極的に相手に突っ込んでいくタイプではなさそうだ。今はシャワーで濡れているが、さっきまでは鮮やかな瓶覗色の長い髪をストレートに伸ばしていた。

シャワーと着替えを終えた天馬と東風谷は、一旦自室に戻ろうとした。驚いたことに、天馬の部屋の隣の1301号室は、東風谷の部屋だった。

「ここ、サッカー部密集地帯だね」

東風谷の言葉に、天馬はおもわず吹き出した。そういえば、反対側の隣の1303号室は信助の部屋で、その隣の1304号室は剣城の部屋だった。

天馬が部屋に入ろうと、黒橡色のドアに手をかけたとき、天馬はドアの下に黒い大きな蜘蛛がついていることに気づいた。

「うわあ!!」

天馬はおもわず後ずさった。すぐに東風谷がやってきて、蜘蛛を調べながらつぶやいた。

「おかしいな…この寮棟に蜘蛛なんか出たことないのに…あれ?この蜘蛛、偽物だよ!?」

「ええ!?」

天馬はもう一度、蜘蛛をよく見た。本物そっくりだが、言われてみると不自然な感じがする。天馬は思い切って蜘蛛をつまんでみた。それはただのペーパークラフトだった。

「一体誰がこんなことを…」

天馬と東風谷が首を傾げていると、

 

「ドッキリ大成功〜!」

 

後ろから聞き覚えのある声がした。天馬と東風谷は振り返った。

四方に跳ねた見事なオレンジ色の髪。色白で整った顔には「してやったり」と言わんばかりの、いたずらっ子のような笑顔が全開に広がっている。すぐに誰か分かって、天馬は顔中を綻ばせた。雨宮太陽だった。

「太陽!久しぶり!キミもここに転校させられたんだ!」

「久しぶり。WESCAの指示でね。驚かせちゃったらごめん。だけど、天馬たちもここに転校させられたって聞いたら、居ても立っても居られなかったんだ。先生から、ここがキミの部屋だって聞いてね」

「でも、なんでわざわざドッキリを仕掛けたの?」

「ああ、挨拶代わり」

太陽はけろっとした顔で答えた。

「天馬の知り合い?」

東風谷が訝しげな顔で聞いた。

「うん!オレの雷門中時代のサッカー仲間の、雨宮太陽。

太陽、この子は東風谷徹。元からの桜城中学校のサッカー部員だよ」

「へえー、天馬のサッカー仲間かあ。よろしくね!」

「うん!こちらこそよろしく!」

太陽は右手の親指を立ててウインクをした。上機嫌なときの太陽の癖だ。

「南沢さんに、太陽かあ…いったいどんなチームになるんだろう?」

「え、南沢さんって、月山国光の?」

「うん。WESCAの命令でここに転校させられた。さっき空港で鉢合わせて、一緒にきた」

「なんだか、フォワード争いがすごいチームになりそうだね」

「あはは、確かに」

天馬はチームのフォワードのメンバーを思い浮かべた。剣城と影山、倉間と南沢、そして太陽。桜城中サッカー部の他のメンバーのポジションはまだ知らないが、攻めに関しては申し分ないチームになるだろう。

そのとき、東風谷の携帯電話のコールが鳴った。2人にことわってから東風谷はスマートフォンを取り出した。しばらくの間画面を見つめていたが、キーボードを使っていると思われるように指を滑らせた。

「うちのサッカー部の部長からの連絡なんだけど、練習は明日から始めてもらってほしいって」

「「わかった」」

天馬と太陽が同時に答えた。

「じゃあ、他の人たちにも伝えておくね」

天馬はそう言うと、「雷門中サッカー部 転校組」と書かれたグループに、今のことを伝えた。

「あ、徹、桜城中サッカー部のイナリンク、オレたちをグループのメンバーに入れてもらっていい?」

「僕もお願い」

「わかった!」

東風谷はすぐに、天馬と太陽を「桜城中学校サッカー部」のグループに加えた。天馬がすぐに他のメンバーをグループに招待した。自由行動でみんな暇なのだろうか、全員の登録が終わるまで10分もかからなかった。

全員が登録したあと、桜城中サッカー部の部長と思われるメンバーからメッセージが送られてきた。

 

因幡山(いなばやま):転校生の皆さん、初めまして!桜城中学校サッカー部、因幡山 嵐(いなばやま あらし)っす!1年のディフェンダーで、名目上のキャプテンっす!よろしくお願いします!

 

天馬はすぐに返事を打った。

 

天馬:よろしくお願いします!

 

すると、すぐに返事が返ってきた。

 

因幡山:あ、タメ口でお願いっす!オレ敬語使われるのも使うのも苦手なんで!

 

天馬は安心した。どうやら、ここのサッカー部は人数の少なさの割に、結構オープンな雰囲気のようだ。

天馬が再び画面を見たとき、すでにメッセージが追加されていた。

 

信助:じゃ、お言葉に甘えて…明日の練習で、何か持ち物とかは?

因幡山:特にこれと言ったものはないっす!ユニフォームと水筒とタオルぐらいっす!

天馬:時間は?

因幡山:授業が終わるのが3時なんで、準備諸々の時間をとって、3時半から6時半までにしたいと思ってます!

 

「3時間か。寮の門限とかあるからなあ」

天馬が呟いた。ふと見ると、東風谷が猛然と携帯に向き合って、何かを書き込んでいた。

 

徹:みんな時間があるなら、今から自己紹介のミーティングしない?談話室が空いてるはずだよ!

太陽:いいねー!

剣城:賛成

神童:談話室ってどこだ?

徹:寮棟の一階の奥です!

葵:了解!

 

天馬たちはそこでイナリンクを閉じて携帯をしまった。

「徹、談話室まで案内してもらっていい?」

「もちろん!ついてきて!」

東風谷が階段に向かって歩き始めた。それに天馬と太陽が続いた。

「(どんな仲間たちがいるんだろう?楽しみだなぁ!)」

天馬はワクワクしながら階段を降りた。

 

 

桜城中学校の寮棟は、一階に談話室や食堂、自習室などの設備があり、二階以上が生徒の部屋になっている。男子寮と女子寮へはそれぞれ別の階段からいくことができるが、異性の寮に入ることは禁止されていた。

談話室には誰もいなかった。ふかふかした椅子がたくさん並べられており、空調も整っていた。隅に折りたたみ式の長机が積んである。東風谷はいくつか机を引っ張りだしてロの字に並べた。天馬たちも手伝ったが、机は思ったより軽く、あっという間に並べ終わった。

「この談話室はいつでも使っていいの?」

太陽が尋ねた。

「うん。特には許可はいらないよ。机とかも自由に使ってオッケー。片付けはしなきゃいけないけどね」

東風谷がそう答えると、入り口が開いた。3人は振り返った。

少年が2人。天馬と太陽は知らない少年だった。

1人は背が高くて色白で、ねっとりした納戸色の髪を後ろでひとつのシニヨンにまとめ、眼鏡をかけた真面目そうな少年。もう1人ははちきれそうに体格がよく、牡丹色のドレッドヘアーをバンダナでまとめた少年だった。

「おう徹、もう来てたのか」

牡丹色の髪をした少年が言った。

「嵐!他には誰か来てた?」

「おう。なんか人がたくさん向かって来てた。ところで、君が松風天馬か?オレは因幡山嵐。よろしくな」

「うん、よろしく!」

天馬と因幡山は力強く握手した。その間に、雷門中サッカー部と南沢が談話室に入ってきた。

「これで全員揃ったな」

人数を確認すると、天馬たちは椅子に腰掛けた。

「改めて、初めまして!オレが因幡山嵐っす!よろしくお願いしまっす!」

次いで、因幡山の隣に座った納戸色の髪の少年が立ち上がった。

神原 空琉(かんばら そらる)です。1年で、ポジションはミッドフィルダーです。よろしくお願いします」

少年はボソボソと呟くように言うと、すぐに腰を下ろした。

天馬たちも自己紹介を終えると、ポジション決めの話に入った。

「このメンバーだと、ディフェンダー4人、ミッドフィルダー3人、フォワード3人にした方がいいんじゃないのか」

霧野が提案した。

「いや、フォワードを4人にした方がいいと思う。守りも重要だが、このメンバーは攻め主体の人が多いから、攻めた方が点が取れると思うぞ」

倉間が反論した。

問答の結果、剣城と天馬の「攻め主体にした方がいい」という意見に全員が合意し、フォワードを4人にする方針になった。スタメンなどは今後の試合でおいおい決めていくという方向で落ち着いた。

「あと、何か話すことはないか?」

「あ、ひとついいっすか」

因幡山が手を挙げた。

「オレ、桜城中のキャプテンとは言われてるんすけど、はっきり言って名目上だし、実力もそうそうあるわけじゃないんで…」

因幡山はそう言うと、天馬をまっすぐに見つめた。全員の視線が天馬に集まる。

「オレ、天馬に桜城のキャプテンをしてもらいたいっす」

「えええ!?」

天馬は困惑した。転校したばかりの自分がキャプテンをやってもいいのだろうか。

「大丈夫!オレよりも天馬にやってもらった方が、うちも絶対強くなるし!天馬、キャプテンやってくれないっすか?」

「い、いいのかなぁ…」

「まぁ、なるべく早めに決めてほしいっす!」

「うーん、わかった」

 

その他にも少し話し合いをしたあと、天馬たちは自室に引き上げた。時計を見ると、もうすぐ9時になろうとしていた。

「秋ネエとサスケ、今頃何してるのかなぁ」

寝巻きに着替えながら、天馬はぼんやりと呟いた。明日からは学校が始まる。新しい生活が本格的にスタートするのだ。

天馬はベッドに入り、少し横になっていた。明日のことをいろいろ考えていたが、糊のきいたシーツが心地よく、いつの間にか眠りの国に足を踏み入れていた。

 

 

「…以上をご報告申し上げます」

「うむ、ご苦労。下がれ」

「はっ」

男は部下を退散させると、カウチソファーにゆっくりと腰を下ろした。

「雷門中サッカー部が桜城中学校に無事転校完了、か」

男はパソコンを開くと、あるファイルを開いた。そこには、雷門中サッカー部と南沢と太陽______新生桜城イレブン_______の個人のデータが書き込まれていた。

「雨宮太陽…南沢篤志…影山輝…狩屋マサキ…倉間典人…」

一人ひとりの名を、確認するようにじっくりと読み上げる。

「霧野蘭丸…西園信助…剣城京介…神童拓人…

そして…松風天馬」

男は全員を確認すると、にんまりと笑みを浮かべた。

「まずはお手並み拝見といくか」

男はそう言うと、メールのフォルダを開いた。

キーボードを指が走る音と、男のかすかな笑い声だけが、しばらくの間聞こえた。




読んでくださった方ありがとうございました!!!!
最後の方がごちゃごちゃで意味不明になってます…
あと、ところどころのシーンを飛ばしてます。ごめんなさい
次回もよろしくお願いします!!!!
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