遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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序章 サテライトからシティへ
Dホイールは拾った


 サテライト。ここは流れ者たちが住み着き権力によって支配された街。セキュリティという権力がいる限りもう一方の地、シティには行くことができない。だが権力に屈せず、諦めずにシティへ渡ろうとする者が居た。名は不動遊星、彼は奪われたスターダスト・ドラゴンを取り戻すためDホイールを走らせていた。

 

「すごいよ遊星!これならパイプラインを突破できるよ!」

 

「…だがこれでは僅かなアクシデントで失敗となってしまう。もう一度計測を頼むラリー」

 

「うん。分かった!」

 

 遊星には仲間がいた。名はラリー・ドーソン。彼は以前遊星のためにDホイールの部品を盗み、それが原因となってセキュリティに追われたことがある。だが遊星がセキュリティ捜査官の牛尾にデュエルを仕掛け、勝利したことにより助けられている。以降は反省をして窃盗に手を染めていない。

 

「おいラリー、タイムを計るのもいいがちゃんと働かねえと食いっぱぐれちまうぞ」

 

「まあまあナーブ、今日は遊星がパイプラインを抜けてジャックに会いに行く日だ。今日くらいいいじゃねえか」

 

「タカの言う通りだぜ。それにラリーは言い出したら聞かねえからなー」

 

 遊星の仲間は他にもいる。ナーブ・タカ・ブリッツ、3人とも遊星がシティに行けることを心から望んでいる。

 

「…あれ?コナミはどうしたの?」

 

「ああ…あいつはカードを拾いに行っちまったよ」

 

「もう少しでデッキが完成するとか言ってたぜ」

 

「サテライトに落ちてるカードなんてロクなもんないだろうになー」

 

 そしてもう1人の仲間、コナミ。彼は遊星とは昔からの付き合いである。

 

「ふ…カードは拾った、か」

 

 仲間に囲まれながら時間は過ぎていき、そして時は来た。

 

「ついに行っちゃうんだな遊星」

 

「安心しろ。カードを返してもらうだけだ」

 

「と言っても簡単なことじゃねえぜ。何たってあいつはキングだからな」

 

「カードとの絆を信じていれば必ず道は開けるさ」

 

「流石は遊星!俺たちはお前を信じているからなー!」

 

「ふ…ありがとう」

 

「遊星、良かったらこのカード持っていって!」

 

「これは…ワンショットブースター、だがこれはお前が一番大事にしているカードだ」

 

「そいつをお守りとして持っていって欲しいんだ!」

 

「…ありがとうラリー。大切に使わせてもらう」

 

 そこにもう1人、遊星の仲間が帰って来る。

 

「遊星、まだいるか!」

 

「…コナミか」

 

「良かったー!間に合わないかと思ったぜ」

 

「あれ?コナミが乗っているのって…もしかしてDホイール!?」

 

「…!コナミ、どうしてお前がDホイールを?」

 

「え?あー…ひ、拾ったんだよ」

 

「えー!治安の悪いサテライトにDホイールが!?」

 

「ま、まあいいじゃねぇか。それより見てくれよ…俺のデッキが完成したんだ!早くデュエルしたいぜー!」

 

「おいおい…拾ったカードなんかで戦えるのか?」

 

「デュエルはやってみないと分からないだろ!」

 

「はは…あ!遊星、そろそろ時間だよ!」

 

 シティとサテライトはパイプラインによって繋がれている。普段は閉じているがある時だけパイプラインは開く。パイプラインの役割はシティのゴミをサテライトへと流すこと、つまりゴミが流れてくる瞬間こそメンテナンスハッチが開きシティへと渡ることのできるタイミングである。そしてその時が迫っていた。

 

「分かった。ラリー、このカードは必ず返す」

 

 返すには帰って来る必要がある、そのことを理解したラリーは笑みを浮かべ遊星を送り出す。

 

「うん!遊星、頑張って!」

 

 その言葉を受け遊星はDホイールを走らせる。…その時であった。

 

「よし…俺も行くぜ!」

 

 コナミもDホイールを走らせて遊星についていった。

 

「え!ちょっとコナミ!?」

 

「俺もシティに行ってくるぜー!留守番よろしくな!」

 

「ふ…」

 

 かくして遊星とコナミは2人でパイプラインへ向かうのであった。そしてパイプラインへ向かう道で遊星は尋ねた。

 

「コナミ、少しいいか?」

 

「なんだー?」

 

「お前もジャックに用があるのか?」

 

「んー、まあ久しぶりにジャックに会いたいのもあるけど…単純にシティがどんな感じか知りたいってのが大きいかな」

 

「ふ…コナミらしいな。そのために俺が出発するまでの間クロウと一緒にDホイールを作っていたのか」

 

「あれ!?なんで遊星が俺たちがDホイールを作っているのを知ってるんだ?」

 

「…やはりか」

 

「え?ああー!カマかけたな遊星!」

 

「そんなところだ、それにDホイールを乗りこなしているところを見ると相当練習したんだろう?」

 

「う…よく見てるなー。クロウに驚かせたいから内緒にしとけって言われたのに…」

 

「ふふ…」

 

 遊星はあまり人とのコミュニケーションが得意な方ではない。だが昔からの友であるコナミならば話は別である。仲良く談笑していたのも束の間、パイプラインの入り口が見えてきた。だが、そこに2人以外のもう1つの影が近づいてきた。

 

「…!危ないコナミ!」

 

「え?うわっ!?」

 

 突如現れた影がコナミのDホイールに激突してきた。コナミは何とか体勢を立て直しクラッシュを免れる。遊星はその影の正体を知っていた。

 

「お前は…この前のセキュリティ!」

 

 セキュリティ捜査官の牛尾哲、以前見下しているサテライトの出身である遊星にデュエルで敗れたことを根に持ち遊星を追いかけまわしている。

 

「へっ、また会ったな屑野郎!今度は何しようってんだ?」

 

「コナミ、こいつを相手している時間はない。先を急ぐぞ!」

 

「了解!」

 

 メンテナンスハッチが開く時間は僅かしかない。遊星とコナミは牛尾を無視しパイプラインに突入した。

 

「パイプライン…?まさか野郎どもサテライトから抜け出すつもりか!逃さねえぞ!」

 

「牛尾さん!増援の沢中です、サテライトの犯罪者の逮捕に協力します」

 

「おう、あいつらを絶対に逃がすな!行くぞ!」

 

 牛尾と沢中、2人のセキュリティもパイプラインへと突入する。

 

「遊星、セキュリティの奴らここまで追ってきたぜ!?」

 

「大丈夫だ。このまま進めば振り切れる!」

 

 遊星とコナミのDホイールの方がセキュリティのDホイールより僅かにスピードが速い。パイプラインに入るタイミングも遊星達の方が早かったためこのままなら振り切れる…はずだった。

 

「ここなら特殊追跡デッキを使うには丁度いいな…。やるぞ沢中!」

 

「了解です!スピードワールド強制発動、タッグデュエルモード!」

 

 セキュリティがスピードワールドを発動した瞬間、遊星とコナミのDホイールに異変が起こる。

 

「Dホイールの最高速に制限がかかっただと!?しかもデュエルモードになってるし…どういうことだ?」

 

「…どうやらセキュリティは強制的にライディングデュエルを仕掛けることが出来るようだ」

 

「ははは!その通りだぜ、てめえらサテライトの屑にデュエルを断る権利なんかねえんだよ!」

 

「なんだと…ふざけるな!」

 

「コナミ!奴に乗せられてはダメだ。シティへ向かうためにはメンテナンスハッチが閉まってしまう前に奴らをデュエルで倒すしかない。すまないが協力してくれないか?」

 

「遊星…分かったぜ、このデュエル俺たちの絆で勝ってやる!」

 

「絆だと?下らねえ、俺たち権力の前にサテライトの屑野郎どもが勝てる道理なんてないんだよ!」

 

「…御託はいい」

 

「相変わらず可愛げのない野郎だ。いいぜ、なら始めるとしようか!」

 

 互いに噛み合うことのない言葉のキャッチボールを交わし4人はデュエルの構えを取る。そしてパイプラインに4人の声が重なり、響き渡った。

 

「 「 「 「 デュエル! 」 」 」 」

 




今の所アニメ5D'sが中心ですがタッグフォースの要素も今後絡んできますのでご安心を。
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