遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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割と大切に使わせてもらう

時刻は深夜1時。コナミと遊星は匿ってもらった礼として龍亜と龍可のデュエルディスクを改良し、気づかれないように部屋を後にしたのであった。

 

「よし…周りに誰もいないな。後ろに乗ってくれコナミ」

 

「おう」

 

遊星のDホイールにまたがり、2人はトップス区域から出ていく。

 

「もう夜も遅い。さっきコナミが話してくれた雑賀に挨拶するのは今度にしてどこか隠れられる所を探さないとな」

 

「それならノーマネーの姉御が経営してるホテルがあるからそこに向かおうぜ」

 

「彼女もシティに来ていたのか…」

 

そんな2人の前にある人物が現れる。

 

「へっ…出てきやがったな屑野郎」

 

遊星のDホイールの邪魔をするように前に出ることでDホイールの動きを止められてしまう。

 

「嘘だろ!もう深夜だぜ…まだ張ってやがったのかよ!」

 

「くっ…!」

 

「逃がすかよ!」

 

とっさに別方向へ逃げようとする遊星にそれを追おうとする牛尾。そんな彼らに突然1台の車からライトが発せられ1人の人物が出てくる。

牛尾はその車に描かれていたマークに見覚えがあった。

 

「なっ…治安維持局のパトカーだと?セキュリティのお上の組織がなんでここに?」

 

「ヒッヒッヒッ…君は牛尾君でしたか。悪いですが彼らからは手を引いてもらえませんかね。ゴドウィン長官からの命令でございます」

 

「げっ…あの時のピエロ野郎!?」

 

「しかし奴らは保管していたDホイールを盗んで…」

 

「牛尾君、命令には逆らわない方がよろしいかと思いますが?かくいう私もそこの赤帽子には私怨があるのですがね」

 

「くっ…」

 

治安維持局はセキュリティの上部組織、逆らえばどうなるかなど分かっている牛尾は黙るしかなかった。

 

「治安維持局が俺に何の用だ?」

 

「ヒヒッ、これを長官からお渡しするようにとお預かりしております」

 

そう言ってイェーガーは1枚の写真と1通の手紙を差し出してきた。それを受け取る遊星だが2人はその手紙に見覚えがあった。

 

「それは…フォーチュンカップの招待状じゃねえか!」

 

「おや?ご存じでいらっしゃいましたか。遊星君、あなたにはその大会に参加してもらいます。もっとも…あなたに拒否権などございませんが」

 

「…どういうことだ」

 

「その写真に写っている4名の方の命はあなたが参加するかどうかと直結しているということでございます。おっと…助けに向かうなどと思わないことです、あなた達の動向はそれとなく監視させていただきますので」

 

その写真に写っていたのはナーブ、タカ、ブリッツ、そして…ラリー。サテライトにいる遊星の仲間達だった。

 

「何だと…この外道ピエロめ!」

 

「何とでもお言いなさい。とにかくあなたにはフォーチュンカップに参加して頂き、そして勝ち抜いて再びキングと対戦してもらわなくてはいけないのです。それではいい返事を期待していますよ…ヒーヒッヒッヒ!」

 

高笑いをしながら車に乗り込み去っていくイェーガー。それを無言で見送った遊星は受け取った手紙を握りつぶし、怒りをあらわにしていた。その後、一応セキュリティに追われることはなくなった彼らは休息を取るため弥生のホテルへ向かう。

 

「遊星…どうするよ?」

 

「大会に参加しようと思う。奴らも俺が参加していれば下手にラリー達に危害を加えることはないはずだ。それに…ジャックとの決着をつけなくてはならないからな」

 

「そうか…俺が何とかしてラリー達の様子を見てくるか?」

 

「いや…雑賀に協力を仰ごう。俺たちは監視されているし情報屋の彼ならサテライトに渡るルートを確保できるかもしれないからな」

 

「ノーマネーの姉御が通ってきた輸送船のルートならいけるかもな…。と、ついたぜ遊星」

 

話がまとまったところで弥生のホテルにつく。セキュリティに追われることはなくなったので隠していたコナミのDホイールを取り出した後、中に入る。幸いにも弥生は起きていた。といってもそろそろ寝るタイミングだったらしくコナミに一撃蹴りを入れた後、遊星を部屋に案内してくれる。コナミは治安維持局への侵入、遊星は収容所での体を張ったデュエルで疲れがたまっており、すぐに眠りに落ちた。

 

そして翌朝、コナミは遊星に起こされホテルのロビーへ出たところで弥生に声をかけられる。

 

「おい、コナミ。昨日は眠くて忘れてたがこのカードが落ちっぱなしだったぜ」

 

「それはエーリアン・ソルジャーか。そういや秀行の奴捨てたままだったな。まあカードに罪はねえ、俺が大切に使うとするさ」

 

コナミは弥生からカードを受け取り、デッキに入れる。その後遊星とコナミは雑賀に会いに行き、サテライトに行ってもらう約束を取り付けることに成功した。

 

「ありがとう…だが当然サテライトに行くリスクもある。そこまで快く受けてくれるのは何故だ?」

 

「そこの赤帽子が治安維持局へ侵入なんて無茶をする理由を聞いたら仲間だから当然とか言いやがるんだ。そこまで馬鹿正直な答えを聞かされたら協力しないわけにもいかねえだろ」

 

こうして雑賀にサテライトの仲間を任せ、後はフォーチュンカップの開催を待つだけとなった。時は経ち、遊星が収容所で一緒にいた仲間と合流しているところに突然ジャックがやってくる。

 

「フォーチュンカップに参加するそうだな…。このカードを貴様に返す」

 

そうしてジャックは遊星にスターダストを投げ返す。

 

「そのカードで俺のところまで勝ち上がってこい」

 

「…待っていろ」

 

その言葉を聞くと満足そうにしながらジャックはホイール・オブ・フォーチュンを走らせ帰っていく。さらに時は経ち、フォーチュンカップが開催された。遊星は既に会場に入っており、コナミは観客席に向かおうとする。すると丁度知った顔が目に入った。

 

「あれは…もしかしてゆまか?おーい!」

 

声をかけると彼女もこちらに気づき挨拶してくる。

 

「あ、コナミさん!こんにちは。コナミさんもフォーチュンカップを見に来たんですか?」

 

「そんなところだ。ゆまも見に来たんだな」

 

「はい!あ、良かったら一緒に見ませんか?」

 

「おおー、いいぜ」

 

そんなこんなで一緒に見ることが決まったが、まだ開催時刻には少し時間がある。

 

「そうだ、もし良かったらこの辺に出てる屋台を回りませんか?食べたいものがあるんです」

 

「いいな、行くか!」

 

2人で屋台を回っていく。

 

「コナミさんが取り返してくれた融合のカードのおかげでこの前の試験なんとか乗り越えられました!」

 

「そりゃ良かった。盗まれたせいで試験に落ちたなんてシャレにならないからな〜」

 

「そうだ!私コナミさんにお礼をしたいんです。このカード受け取ってください!」

 

「え?いや、さすがにカードまでもらうわけには」

 

「わたしの感謝の気持ちを形として受け取って欲しいんです!」

 

そう言ってゆまはコナミを直視してくる。あまりにも真っ直ぐな瞳にコナミは折れた。

 

「分かった。ありがたく使わせてもらうぜ」

 

1枚のカードを受け取りデッキに入れる。それからしばらく歩いているとコナミの目に1つの屋台が入ってくる。

 

「トリシューラプリン…2700DP!?なんだありゃ…」

 

知り合いに3000DPのコーヒーを飲んでいるものがいるなどコナミは知る由もなかった。

 

「あはは…あれは私も手が出せそうにないです。あ!その奥の屋台にありました。私が食べたかった、三つ目のアイス!」

 

「おー、300DPか。せっかくだカードのお礼も兼ねて俺が払うぜ」

 

「え…。でも」

 

「昔マーサに言われたのさ。男は男気を見せなきゃいけない時があるってな。まあ受け取ってくれよ、俺も何とか800DP持ってるからさ」

 

コナミはここまで4回デュエルに勝利していることを考えると1回勝利するたびに200DPが手に入るようだ。

 

「はい…お言葉に甘えちゃいますね。このアイスは3つの目のところにランダムに味が入ってて美味しいってデュエルアカデミアでも話題なんですよ」

 

「へぇー、そうなのか。そりゃ楽しみだぜ」

 

仲良くアイスを食べる2人、そんな2人を見るものがいた。

 

「あれは…庶民とゆまさんですか。仲が良いですわね。庶民に話があるのですが…またの機会でも良いでしょう」

 

「誰か一緒に見てくれる人いないかと思ってさがしてたけどゆまちゃんがダメならもういないな…。まあ別に最初から1人で見ようと思ってたし…」

 

青い髪と緑色の髪をした2人のアカデミア生徒がいた。彼女らはその場を離れようとしたところ、突然背中にクモのようなものが入り込み腕にクモの紋様が浮き出てくる。するとスタジアムから離れ、廃ビルへと向かっていく。

 

「あれ…?」

 

「どうしたゆま?」

 

「あの2人…私の知り合いなんですけど、もうそろそろ試合が始まるのにスタジアムじゃなくてあっちの廃ビルの方に向かってるので…。」

 

「学生が行くところじゃねえな…。ちょっと追ってみるか」

 

コナミとゆまは彼女らの後を追い、廃ビルへと突入する。

 

「こんなところで何をする気なんだ…?ってあれは幸子か。なおさらここにいる意味が分かんねえな」

 

2人を尾行するコナミとゆま、だが尾行に慣れていないゆまは地面に置かれていた鉄パイプに足を引っ掛けてしまう。

 

「きゃっ…」

 

「おっと」

 

とっさにゆまを支えるコナミ。しかし鉄パイプの転がる音で気づかれてしまう。

 

「あれは…ゆまちゃん。相変わらずドジだね、でもデュエリストとして優秀…ならゆまちゃんもダークシグナーに引き込んであげる」

 

「何言ってやがる!」

 

「それは闇のデュエルに聞くことですわ…庶民」

 

幸子がそういうと紫色の炎で周囲を囲まれてしまう。

 

「な、なんだ!何が起こってやがる」

 

「幸子さん、あげはちゃん!どうしちゃったんですか?」

 

「簡単なこと…僕たち2人で」

 

「あなた達を倒します」

 

「何…!?どうしちまったんだよ幸子!」

 

「ふふ…どうもしませんわ」

 

腕にクモの紋様を輝かせデュエルディスクを構える2人。対するゆまとコナミはうまく状況を飲み込めていない。

 

「あわわ…ど、どうしましょうコナミさん」

 

「多分…正気じゃねえな。あっちのあげはって子は知らねえが幸子は人を倒すなんて言えるような奴じゃねえ。1度デュエルした俺にはわかる」

 

「そうですね…。あげはちゃんも普段は大人しくてあんなことを言う子じゃないです」

 

「仕方ねえ…デュエルで勝って目を覚まさせてやるしかなさそうだぜ。出口も塞がれたしな」

 

「う…怖いけど。私、頑張ります!」

 

「話はまとまった?なら始めようよ」

 

お互い向き合い、デュエルディスクを構える。コナミがゆまの方を見ると足が震えているのが見えた。

 

「 「 「 「 デュエル! 」 」 」 」

 

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