遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

17 / 72
コナミのドラゴンは天使族だけどね

精霊達の生命エネルギーを糧として巨大な猿型モンスターがコナミと龍可達の前に現れた。

 

「精霊達が消えた…。おい、精霊達に何しやがった!」

 

「崇高なる地縛神の生贄になったのだ…。どうやらディマク様もあちらの現実世界で召喚されたようだな。お前達はこの地縛神に敗れ去るのだ!さあデュエルを続行するぞ、フィールド魔法クローザー・フォレストにより我の墓地のモンスターの数だけ地縛神Cusillu(クシル)の攻撃力がアップする!今我の墓地には2体のモンスターがいる!」

 

フィールド魔法からエネルギーを吸い取り地縛神が僅かに大きくなる。

 

地縛神Cusillu 攻撃力2800→3000

 

「そして地縛神はフィールド魔法がある限り相手プレイヤーにダイレクトアタックできる…」

 

「こ、攻撃力3000でダイレクトアタックだと!?なんじゃそりゃ!」

 

「だが、相手モンスターは地縛神を攻撃対象にすることはできない…つまり次のターン攻撃されれば残る対象は我自身。よって、まずはそのドラゴンから倒すとしよう…厄介な能力も持っていそうだしな。やれ地縛神Cusilluよ、ドラゴンを消滅させよ!」

 

巨大な猿型モンスターがゆっくりと歩き、銀龍をそのまま踏み潰そうとする。

 

「やらせるかよ!トラップカード反転世界(リバーサル・ワールド)発動だ!こいつの効果でフィールドの全ての効果モンスターの攻撃力と守備力が逆転する!お前の地縛神の守備力は2400、銀龍は3000!これで形勢は逆転だ!」

 

コナミがトラップを発動すると時空が歪み、まるで鏡に映ったような世界へと変わる。だがその中でも地縛神は動きを変えることはなった。

 

「馬鹿め!フィールド魔法がある限り地縛神は相手の魔法・罠カードの効果を受け付けない!」

 

「は!?嘘だろ!」

 

反転世界の影響で銀龍はコナミを守護するように広げていた翼を地縛神へと向けた。

 

蒼眼の銀龍 攻撃力2500→3000

 

「ち…だが攻撃力は同じ、相打ちだ!」

 

「そうはさせぬ!永続トラップ呪縛牢を発動する!このカードの効力により我のエクストラデッキのシンクロモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!我が呼び出すのは…エンシェント・ホーリー・ワイバーン!」

 

「なんだと!」

 

ゼーマンの後ろに置かれていた呪縛牢が消えたかと思うと突然ゼーマンのフィールドに出てきた。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 守備力2000

 

「く…待ってろよ。もう少しでそこから出してやるからな!エンシェント・ホーリー・ワイバーンが現れても攻撃は止まらねえ、いけ銀龍!白銀のバーストストリーム!」

 

踏み潰そうとする地縛神に対して普段のものより巨大化したエネルギー弾を放つ銀龍。エネルギー弾と地縛神の衝突によって2体は爆風に包み込まれた。

 

「銀龍もやられちまったが…これで地縛神は消えたはずだ」

 

「果たしてそうかな?」

 

爆風が晴れる。するとそこには地縛神Cusilluの姿があった。

 

「な…なんで倒れてないんだ!」

 

「Cusilluにはまだ隠された能力があったのだ。自身が戦闘で破壊される時、代わりに我のフィールドのモンスターを生贄にすることで身代わりにすることができる能力がな!我はこの効果でエンシェント・ホーリーを生贄にしていたのだ!さらに、この効果を適用した場合相手のライフは半分になる!」

 

「…!やべぇ!?」

 

地縛神Cusilluが地面を強く蹴るとそこから地割れが発生し、コナミの周りの地面を根こそぎ砕く。咄嗟に横の地面に移動するコナミだったがいくつかの岩の破片が勢いよくコナミの顔をかすめ、頬から血を垂らさせた。

 

コナミ LP3900→1950

 

「これでお前のライフは1950、次のターン地縛神のダイレクトアタックで終わりだ!」

 

「へっ…だがお前は大事なことを2つ忘れてるぜ!1つは俺が地縛神をすり抜けて直接攻撃出来ること!そしてもう1つは地縛神を守るためにエンシェント・ホーリーを呪縛牢から解放しちまったことだ!エンシェント・ホーリーが生贄にされフィールドから離れたことで呪縛牢が破壊される!」

 

呪縛牢によって捕らえられていたドラゴンは地縛神によって消えてしまい、対象がいなくなったことで牢が自然に消滅していく。

 

「ちっ…だがこのデュエルで勝てばもう1度封印できる。些細なことだ」

 

「どうかな?龍可達の状況を見るんだな!」

 

龍可達の様子を見てみるとエンシェント・フェアリー・ドラゴンが呪縛牢から解放され、龍可が発動したトラップカードリスペクト・シンクロンによって龍可の場のパワー・ツール・ドラゴンの隣に並び立つ。その姿は一片の(けが)れもなく万全の状態で降り立っていた。

 

「く…まさか2体のドラゴンの封印が同時に解かれるとは!」

 

そしてエンシェント・フェアリーが龍可の場に降り立つとほぼ同時にコナミに語りかける声があった。

 

「あなたが…カイバーマンの命で私を助けてくださった方ですね。その行いに感謝します」

 

「…!?え、エンシェント・ホーリー・ワイバーンか?お前精霊なのに話すことが…いや、カイバーマンも精霊だけどしゃべってたな…」

 

「ええ、私は人間と意思疎通を行うことが出来ます。そして助けてくださった方に重ね重ねお願いして申し訳ないのですが、地縛神によって生贄にされてしまった精霊達もお助け願えませんか?」

 

「もちろん助けられるなら助けたいけど…どうやって?」

 

「あの地縛神は精霊の生命エネルギーのいわば塊です。地縛神さえ消滅させられればその生命エネルギーを私が精霊の元に送り届けることが出来ます」

 

「デュエルに勝てば地縛神も消えるはずだ…よし、任せとけ!」

 

「ありがとうございます。私もあなたの力になりましょう」

 

そう聞こえたかと思うとコナミのエクストラデッキに1つの光が差し込まれた。コナミはそのカードを確認する。

 

「お前自身が協力してくれるなら頼りになるぜ!…だけどお前のカードはあいつの墓地にあるんじゃなかったか?」

 

「あのカードは魂の牢獄と言いまして。先ほどまでは私の魂が呪縛牢によってあのカードに封印されていたのです」

 

「そうなのか」

 

「おい!いつまで我を待たせる気だ!」

 

コナミがエンシェント・ホーリーと話していると痺れを切らしたゼーマンが怒鳴ってくる。

 

「おっと…話はこのデュエルに勝ってからだ!トラップ発動、時の機械ータイム・マシーン発動!このカードの効果で今戦闘で破壊された銀龍を俺のフィールドに呼び戻す!さらに銀龍は自身の効果で次のターンのエンドフェイズまで破壊と対象に耐性がつくぜ!」

 

蒼眼の銀龍 攻撃力2500

 

コナミのトラップから出てきた機械の扉から煙を突っ切り白銀の龍が呼び戻される。

 

「ちっ…しぶといヤツめ。私もクローザー・フォレストの効果を発動する。墓地にエンシェント・ホーリーが置かれたことでCusilluの攻撃力がさらに100アップする!我はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

地縛神Cusillu 攻撃力3000→3100

 

ゼーマン LP2600

 

フィールド 『地縛神Cusillu』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札0

 

「俺のターン、ドローだ!このスタンバイフェイズに銀龍の効果が発動するぜ。墓地の通常モンスターを1体特殊召喚できる…俺が選ぶのは攻撃力が1番高いジェネクス・コントローラー!」

 

銀龍が咆哮をあげるとフィールドに穴があき、そこからジェネクス・コントローラーが出てきた。

 

ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400

 

「俺の場の2体の攻撃力の合計は3900!お前のライフは2600…これで終わらせてやるぜ!俺はジェネクス・コントローラーで攻撃!対象はもちろんお前自身だ!」

 

ジェネクス・コントローラーが地縛神をすり抜けてゼーマンに直接体当たりを仕掛ける。

 

「馬鹿め…お前がそうくるのを待っていたのだよ!我は永続トラップ鎮守の煌画(こうが)を発動!このカードは相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、攻撃対象を地縛神へのものとすることが出来る!」

 

「なっ…しまった!」

 

ジェネクス・コントローラーが体当たりした先は無謀にも地縛神、攻撃など全くきかず反撃をくらい跡形もなく破壊される。そして地縛神の攻撃の衝撃がコナミにも響いた。

 

「ぐあっ…!こ、これ以上はシャレにならねえ…!」

 

コナミ LP1950→250

 

「地縛神の唯一の弱点をカバーした今、貴様に勝機はない。サレンダーでもすれば命だけは見逃してやるぞ?」

 

「誰がそんなことするかよ!俺はメインフェイズ2に入ってマジック・プランターを発動する!俺の場に残ってる永続トラップカード、蘇りし魂を墓地に送ってカードを2枚引く!…銀龍を守備表示にしてカードを2枚伏せる!これでターンエンドだ!」

 

コナミ LP250

 

フィールド 『蒼眼の銀龍』(守備表示)

 

セット2

 

手札0

 

「我のターン!さあ終わりだ…赤帽子よ。トドメを刺せ、地縛神Cusilluよ…ダイレクトアタックだ!」

 

地縛神の一撃がコナミを踏み潰す。その衝撃で周りの地面はクレーターのようにへこんでいる。

 

「地縛神に魔法・罠は効かない。これを防ぐすべはあるまい」

 

「…いや、そうでもないぜ!」

 

コナミの周りの地面は衝撃でへこんでいたがコナミのいた場所だけはへこんでいなかった。その理由は単純だった。

 

「トラップカード、ガード・ブロック!このカードは戦闘での俺へのダメージを0にしてカードを1枚ドローできる!地縛神にトラップが効かなくてもダメージだけなら防げるんだよ!」

 

「なに…チッ。このターンは仕留め損なったか。だが、そう何回も上手くはいくまい。我はこれでターンエンド!」

 

(確かに…それだけはやつの言う通りだ。俺が今引いたカードはツイスター…、こいつは相手の場の表側表示の魔法・罠を1枚破壊できるがライフを500払わねえと使えねえ。…次のターンが勝負だ!)

 

ゼーマン LP2600

 

フィールド 『地縛神Cusillu』(攻撃表示)

 

セット0 『鎮守の煌画』

 

手札1

 

コナミは目を閉じ、デッキの1番上のカードを引く構えに入る。彼はカイバーマンに教わった、いついかなる時もデッキを信じて前に進めと。コナミは最後のドローとなるであろうカードを信じてカードを引く。

 

「ドロー!…待ってたぜ!俺は銀龍の効果を発動だ、蘇らせるのは…ギガテック・ウルフ!」

 

銀龍の雄叫びによりギガテック・ウルフが舞い戻る。

 

ギガテック・ウルフ 攻撃力1200

 

「今更お前に何ができる!」

 

「この状況を逆転することができるのさ!俺は手札からチューナーモンスター、トラスト・ガーディアンを召喚!」

 

銀龍に比べるとあまりにも小さな羽根を持つ天使型のモンスターがフィールドを舞う。

 

「行くぜ…お前の出番だ!俺はレベル4のギガテック・ウルフにレベル3のトラスト・ガーディアンをチューニング!聖なる命の灯火、今ここに永遠(とわ)に輝く星となる!シンクロ召喚!降誕せよ、エンシェント・ホーリー・ワイバーン!」

 

白い胴体は長く、その長さは天にも届くかというほど。銀龍とはまた違った神々しさを感じるドラゴンがコナミの場に現れた。

 

「…馬鹿め!そいつの効果を知らないのか?自分のライフが相手より下回っている時、その分攻撃力が下がる!我とお前のライフの差は2350!」

 

エンシェント・ホーリーの天にも届きそうな胴体がみるみるうちに縮んでいく。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力2100→0

 

「ははは!攻撃力0で何ができる!」

 

「へっ…知らないのか?攻撃力0を攻撃表示で出すってのは策があるってことなんだよ!俺は銀龍を攻撃表示に変更!そしてバトルだ!俺はエンシェント・ホーリー・ワイバーンでゼーマンにダイレクトアタック!」

 

「ハッタリを!これで終わりだ、鎮守の煌画によって攻撃の対象は地縛神へと変更される!」

 

地縛神にエンシェント・ホーリーが向かっていく、その体格差は明らかだ。

 

「行くぜ、エンシェント・ホーリー!」

 

「ええ、お願いします!」

 

「俺はトラップカード、あまのじゃくの呪いを発動!このカードの効果でエンドフェイズまで攻撃力を上げる効果は下げる効果に、下げる効果は上げる効果になる!」

 

「なっ…なにぃ!?」

 

縮んでいたエンシェント・ホーリーの胴体が元の姿を超え、天をも貫く。対して地縛神はその姿をわずかとはいえ小さくする。

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーン 攻撃力0→4450

地縛神Cusillu 攻撃力3100→2500

 

「しまった…クローザー・フォレストの効果も逆転して…!?」

 

「行けエンシェント・ホーリー!エターナル・ライフ!」

 

エンシェント・ホーリー・ワイバーンの体が光って地縛神を完全に包み込む。その光は地縛神の生命エネルギーを吸収し、精霊たちへ送られていく。やがて地縛神は消滅してしまった。

 

ゼーマン LP2600→650

 

「ああ…やめろ!私に攻撃するな!」

 

「お前は精霊の命を踏みにじった、今更命乞いなんて許されるわけねえだろ!銀龍でダイレクトアタック、白銀のバーストストリーム!」

 

銀龍から放たれるエネルギー弾はゼーマンに直撃し、そのライフを0にした。

 

ゼーマン LP650→0

 

時を同じくして現実世界でも龍亜と龍可のパワー・ツールとエンシェント・フェアリーの攻撃によって地縛神は消滅し、ディマクのライフを0にしたのであった。

 




エンシェント・ホーリー・ワイバーンはまるでドラゴンみたいな扱いですが実は天使族です。見た目はエンシェント・フェアリー・ドラゴンよりドラゴンっぽいんですけどねー。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。