遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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融合じゃねえ、フュージョンだ

幸子とのタッグデュエルの翌日、コナミは再びデュエルアカデミアに来ていた。その理由はエリート教師のハイトマンを倒したコナミを特別講師として呼びたいとの要請があったからである。

 

「この教室よ。入って」

 

加藤友紀という教師に連れられ、1つの教室に案内される。

 

「ここか…失礼しまーす」

 

「あっ…コナミさんじゃないですか!」

 

入った瞬間に声をかけたのはゆま。急に大声を出したので隣に座っている委員長に注意を受けていた。

 

「あぅぅ…いきなりすいません」

 

「はは、相変わらずだなゆま」

 

友紀に生徒の前に立って自己紹介をするように頼まれたので軽く自己紹介をすませる。

 

「えーと、コナミだ。ちょっと前にハイトマンをこらしめといた。今日は特別講師として呼ばれたんだぜ。よろしくなー」

 

「あの人がハイトマン教諭を…」

 

「本当だ…赤帽子被ってる」

 

(帽子は室内じゃ脱ぎなよって言いたいけど、僕あんまり初対面の人に話しかけるの得意じゃないし別にいいや…)

 

生徒達は各々違った反応を示す。退学という事態まで発展したハイトマンの騒動を解決した赤帽子の話はやはり大きな話題となっていたようだ。

 

(幸子は…いないか。そりゃそうだよな、あいつテストだけ受けてるって言ってたし)

 

昨日のことが気になっていたので、いたら聞いてみようと思っていたが彼女は今日も仕事をしていた。コナミが幸子を探している間に1人の生徒が前に出てくる。

 

「そうそう、彼女があなたが特別講師をやるのを勧めてくれたのよ」

 

「え?そうなのか」

 

「そう。私が提案した」

 

コナミの前に立つのは銀髪のツインテールの少女だった。コナミは初対面の彼女に推薦されたことをいぶかしく思う。それを察したのか再び彼女が口を開いた。

 

「実は私もあのデュエルを見ていた」

 

「そ、そうだったのか」

 

「あのデュエルを見ていてあなたと戦いたいと思った。それであなたが特別講師をやるのを推薦した」

 

「なるほどな」

 

淡々と説明する彼女だが評価してもらったことに違いはないので嬉しく思うコナミ。それを聞いてやることは決まっていた。

 

「せっかくそこまでしてくれたんだ!デュエルで礼は返すぜ!えーと…」

 

「私はレイン恵。私は見たい、あなたの力を。だから全力で来て欲しい」

 

「分かったぜ恵。今俺の出せる全てをお前にぶつけてやるぜ!」

 

互いに向き合いデュエルディスクを構える。今回の講義は実践のデュエルということになりそうだ。生徒達に見守られる中デュエルが開始される。

 

「デュエル!」 「…デュエル」

 

先攻がデュエルディスクによってランダムに決定される。先攻をとったのは恵。

 

「私のターン、ドロー。私はモンスターを裏側守備表示で召喚。…ターンエンド」

 

恵の場にモンスターが現れるもカードの裏面しか伺うことはできない。

 

レイン恵 LP4000

 

フィールド 裏側守備表示1

 

セット0

 

手札5

 

「行くぜ恵!俺のターン、ドロー!俺はUFOタートルを召喚してそのセットモンスターに攻撃!」

 

円盤を背負った亀がフィールドに現れると手足を円盤の中に引っ込め、顔だけ少し出た状態で円盤が浮いてそのまま突撃していく。

 

UFOタートル 攻撃力1400

 

「私が伏せていたのはゴブリンゾンビ。…破壊される」

 

骨格だけで体が形成されているゾンビがUFOによって地面へと叩きつけられた。

 

ゴブリンゾンビ 守備力1050

 

「だけどゴブリンゾンビはフィールドから墓地に送られた場合デッキから守備力1200以下のアンデット族モンスターを手札に加える。…私が加えるのはゾンビ・キャリア」

 

「やるな!俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

コナミ LP4000

 

フィールド 『UFOタートル』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札4

 

「…私のターン。私は手札から2枚の永続魔法を発動させる。 ミイラの呼び声、不死式冥界砲。まずはミイラの呼び声の効果、私のフィールドにモンスターがいない時、手札のアンデット族モンスターを特殊召喚できる。この効果で私はゾンビ・キャリアを特殊召喚」

 

ミイラの声にならない呼び声とともに小型のゾンビが現れた。

 

ゾンビ・キャリア 攻撃力400

 

「さらに不死式冥界砲は1ターンに1度、私のフィールドにアンデット族モンスターが呼ばれた時にあなたに800のダメージを与える」

 

「なに!?」

 

ゾンビ・キャリアの体からエクトプラズマーが抜き取られ、コナミを襲った。

 

コナミ LP4000→3200

 

「先制パンチをもらったか…!」

 

「…さらに私はピラミッド・タートルを召喚。そしてレベル4のピラミッド・タートルにレベル2のゾンビ・キャリアをチューニング。2つの魂が魔王復活の贄となる。…シンクロ召喚。来て、蘇りし魔王ハ・デス」

 

2つの魂が闇に沈んでいくとそこから闇に身を包んだ魔王が姿を現す。

 

蘇りし魔王 ハ・デス 攻撃力2450

 

「もうシンクロを決めてきたか!」

 

「…バトル。UFOタートルへ攻撃」

 

魔王が手らしきものを地面に振りかざすとUFOタートルの足元から出てきた腕が闇へと引きずり込んでいった。

 

コナミ LP3200→2150

 

「くっ…だがUFOタートルは戦闘で破壊された時デッキから攻撃力1500以下の炎属性モンスターを特殊召喚できる!」

 

「無駄…。ハ・デスがいる限り私のアンデットが戦闘破壊したあなたのモンスターの効果は…無効」

 

「な、なにい!」

 

UFOタートルは闇に飲まれていきもはやコナミの声は届いていない。

 

「私はカードを1枚伏せる。あなたはこれを乗り越えられる?ターンエンド」

 

レイン恵 LP4000

 

フィールド 『蘇りし魔王 ハ・デス』(攻撃表示)

 

セット1 『ミイラの呼び声』 『不死式冥界砲』

 

手札2

 

「まだまだ行けるぜ!俺のターン、ドロー!俺は予想GUYを発動してデッキからレベル4以下の通常モンスター、ジェネクス・コントローラーを特殊召喚するぜ!さらに手札からギガテック・ウルフを召喚!」

 

放電とともに現れたアンテナのついたロボットの隣に鉄屑で作られたオオカミが降り立った。

 

ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400

ギガテック・ウルフ 攻撃力1200

 

(これは…彼の得意パターン。ということは彼が出してくるのは…あのモンスター)

 

「レベル4のギガテック・ウルフにレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング!3つのエレメントを司るものよ、炎の力を拳に宿しあらゆる敵を焼却せよ!シンクロ召喚!燃やし尽くせA(アーリー)・ジェネクス・トライフォース!」

 

ギガテック・ウルフがジェネクス・コントローラーの電波で変貌していき、中枢コアにジェネクス・コントローラーが装填されるとオレンジ色のランプが点灯する。

 

A・ジェネクス・トライフォース 攻撃力2500

 

「これでハ・デスの攻撃力は上回ったぜ!バトル!トライフォースで攻撃だ!」

 

トライフォースの火炎放射が闇ごと魔王を燃やし尽くす。

 

「…ダメージ小。だけど…」

 

「炎属性をシンクロ素材にしたトライフォースは戦闘で破壊した相手モンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

レイン恵 LP4000→1500

 

「これで厄介なシンクロモンスターは消えた!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

コナミ LP2950

 

フィールド 『A・ジェネクス・トライフォース』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札2

 

「私のターン。私は墓地のゾンビ・キャリアの効果を発動、手札を1枚デッキの上に戻してこのモンスターを特殊召喚できる」

 

ゾンビ・キャリアが地面に空いた闇から出てくる。

 

ゾンビ・キャリア 攻撃力400

 

「さらに不死式冥界砲の効果。あなたに800の効果ダメージを」

 

ゾンビから出てきたエクトプラズマーがそのままコナミを貫通する。

 

「くっ…。毎ターン800はきついな!」

 

コナミ LP2150→1350

 

「さらに私は酒呑童子を召喚。このカードの効果で墓地のピラミッド・タートルとハ・デスを除外し、カードを1枚引く」

 

「ゾンビ・キャリアで戻したカードを引いてきたか!」

 

「さらに私はフィールド魔法、アンデットワールドを発動。フィールド、墓地のモンスターは全てアンデット族になる。そしてアンデット族モンスター以外のモンスターはアドバンス召喚できない」

 

「なに!?」

 

フィールドが墓場のような雰囲気に包まれる。

 

「私はレベル4の酒呑童子にレベル2のゾンビ・キャリアをチューニング。魂が重なる時新たな力を生み出す。シンクロ召喚、おいでデスカイザー・ドラゴン」

 

煉獄より飛翔したのは骨で翼を形成した奇妙なドラゴンだった。

 

デスカイザー・ドラゴン 攻撃力2400

 

「このモンスターがシンクロに成功したことで効果発動。あなたの墓地のアンデット族モンスターを特殊召喚する」

 

「アンデット・ワールドはそのためか…!」

 

「私が呼ぶのはあなたのデッキのコアとなるモンスター…ジェネクス・コントローラー」

 

アンデット化したジェネクス・コントローラーが恵の場に呼び出された。

 

ジェネクス・コントローラー 攻撃力1400

 

「俺のデッキの主軸モンスターを見破ったか…。やるな恵」

 

(相手の主要なチューナーを奪うことでシンクロを封じる…これが私のシンクロキラー、デスカイザー・ドラゴン。…あなたはどう立ち向かう?)

 

「…さらに私はトラップカード、王墓の罠を発動。あなたの墓地のアンデット族モンスターが特殊召喚された時、フィールドのカードを2枚破壊する。私はトライフォースとあなたの伏せカードを破壊」

 

「うっ…魂の一撃もか…!」

 

恵の発動したトラップによりコナミのフィールドのカードが全て吹き飛んでしまう。

 

「…バトル。デスカイザー・ドラゴンでダイレクトアタック。…これで終わり」

 

「いいや、終わらせない!手札の工作列車シグナル・レッドは相手が攻撃した時特殊召喚出来る!そして攻撃を誘導し、そのバトルでは破壊されない!」

 

「…!」

 

コナミの後ろから出てきた列車がデスカイザー・ドラゴンの前で急停止した。デスカイザー・ドラゴンの炎を耐え、コナミを守ることに成功する。

 

工作列車シグナル・レッド 守備力1300

 

「だけどジェネクス・コントローラーの攻撃が残っている。私はジェネクス・コントローラーでシグナル・レッドに攻撃」

 

アンデット化したジェネクス・コントローラーが電波を発信しシグナル・レッドを暴走させ自爆させた。

 

「次のターンで決める。私はこれでターンエンド」

 

レイン恵 LP1500

 

フィールド 『デスカイザー・ドラゴン』(攻撃表示) 『ジェネクス・コントローラー』(攻撃表示)

 

セット0 『ミイラの呼び声』 『不死式冥界砲』

 

手札1

 

「行くぜ、俺のターン!…来たか!」

 

コナミが引いたカード、それは昨日幸子にもらったカードだった。

 

「行くぜ恵!俺はキャノン・ソルジャーを召喚!そしてキャノン・ソルジャーの効果発動!モンスターをリリースすることで恵に500のダメージを与える!」

 

アンデット化したキャノンソルジャーのエクトプラズマーが恵に直撃する。

 

レイン恵 LP1500→1000

 

「…だけどそれではフィールドががら空きになる。500のダメージにそのリスクは見合っていない」

 

「確かにな。だけど俺の狙いは墓地にキャノン・ソルジャーを送ることだ!俺はオーバーロード・フュージョンを発動!」

 

「…!融合?」

 

「このカードは墓地のモンスターを除外して闇属性・機械族の融合モンスターを融合召喚出来る!俺は墓地のキャノン・ソルジャーとギガテック・ウルフを融合!全てを発射する戦士よ、鉄屑のオオカミと一つとなり新たな力を手に入れろ!融合召喚!その射撃で敵を射ぬけ、迷宮の魔戦車!」

 

青でコーティングされた機体に赤のドリルが先端についた戦車がフィールドに出陣する。

 

迷宮の魔戦車 攻撃力2400

 

(機皇帝へのあなたの答え、それは融合召喚ということ…?)

 

「バトル!迷宮の魔戦車でジェネクス・コントローラーに攻撃だ!」

 

レイン恵がわずかに顔を歪めるなか、戦車がジェネクス・コントローラーを撃ち抜いた。

 

「…」

 

レイン恵 LP1000→0

 

デュエルの終了とともに生徒達が拍手で2人を讃える。

 

「楽しいデュエルだったぜ恵」

 

「…楽しい?」

 

「ああ、まさか俺のモンスターをゾンビにして奪うなんてな。予想できなかったぜ」

 

「…そう。あなたの融合召喚も予想外だった。でもそれが楽しいかは…私には分からない」

 

「…?分からない?」

 

「私には感情がない。ただ事実を判断することしかできない」

 

(…そういうキャラ付けってことか?)

 

「なら周りを見てみろよ、恵。俺たちのデュエルを見てみんな楽しそうだろ?」

 

2人のデュエルに盛り上がっている生徒達、次は自分が戦いたいという生徒達が出てきている。

 

「みんなが楽しめるってことは俺たちが楽しめるデュエルだったってことさ」

 

「そう…かもしれない。私のメモリにそのデータは残しておく」

 

「はは…」

 

「コナミさん!私ともデュエルしましょう!」

 

「おう!やろうぜ!」

 

この後もコナミと学生とのデュエルは続き、みんなで楽しくデュエルした。そしてデュエルアカデミアの特別講師としての仕事が終わり、弥生のホテルへ帰ろうとするコナミに1つの連絡が入った。

 

「遊星?…珍しいな。もしもーし遊星ー?」

 

「コナミ。聞いて欲しいことがある」

 

「なんだ?」

 

「…鬼柳が今いる場所が分かったんだ」

 

「なんだって!本当か!?」

 

仲間の無事を喜ぶコナミ。だがこの連絡がきっかけで様々なトラブルに巻き込まれるとはこの時は全く思っていなかった…。

 

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