遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者 作:ゾネサー
遊星とコナミ、彼らはDホイールを走らせ鬼柳が今いる場所、クラッシュタウンへと向かっていた。
事の発端は遊星に届いた1通の手紙だった。その手紙には鬼柳がクラッシュタウンで行われているデュエルに参加しており、そのデュエルは危険でとても見ていられないことや、鬼柳を助けるために元チームサティスファクションのメンバーである遊星に手紙を送ったという旨が綴られていた。
それを受け取った遊星はダークシグナーの鬼柳と戦う時一緒に戦ってくれたコナミも必要だと判断し、彼と一緒に鬼柳の元へ向かっている。クロウやジャックには何日かたっても帰ってこなければ様子を見に来て欲しいという置き手紙をガレージに残してきていた。
そして彼らはクラッシュタウンに到着した。見た目はアメリカの開拓時代のような街で、藁の塊のようなだタンブル・ウィードという植物がそこらを転がっている。
「Dホイールなんて洒落たもの乗ってるなあ、坊や達」
「とんだハリキリボーイズがやってきたじゃねえか」
「いっちょ俺たちがもんでやろうか」
着いた途端3人のデュエリストに絡まれる。
「い、いきなりなんだ!やるのか!」
「やめておけコナミ。俺たちはデュエリストしか相手にしない」
「いい啖呵を切りやがるじゃねえか。だが、そういう奴ほど地獄送りが早くなるぜ」
「…地獄送り?」
彼らが話していると花屋から1人の女性が出てきた。
「やめなあんた達!今はまだデュエルタイムじゃないよ!」
その女性は遊星に手紙を送ったバーバラだった。この場を収め彼女から話を聞いたところ、このクラッシュタウンは死の街と呼ばれていて夕日が地平に触れるとともに負けた方が鉱山へと送られてしまう死のデュエルが開始されるようだ。
その日の夕方、彼らは鬼柳がそのデュエルをしているのを見た。だがそのデュエルはどこか投げやりでまるでデュエルの勝敗を天に任せているかのようで2人は違和感を覚えた。
「鬼柳…一体どうしてこんなデュエルを」
「まるで…鬼柳はここで鉱山に送られるのを待っているような…」
「…そうかもしれないわ」
「どういうことだ?」
「彼はデュエルをする度こう言っているらしいの。今日も俺は勝ってしまったってね…」
「何だって…どういうことだ?」
「まさか…」
そこまで聞いて遊星は何か思い当たることがあったようだ。
「コナミ、実はダークシグナーは俺の知る限りではあの戦いの後、全員蘇っているんだ。…記憶を消されてな」
「そうだったのか!?」
「ああ。だが鬼柳は…もしかしたら思い出してしまったのかもしれない。ダークシグナーの時に自分が何をやったのかを」
「…!もしかして鬼柳は…」
「…このデュエルに負けることで自分を葬らせようとしているのかもしれない」
「そんな…」
だがこの日のデュエルも鬼柳は勝利し、相手の者が無理やり箱に閉じ込められて鉱山へと連れて行かれてしまった。
「遊星…鬼柳を助けようぜ!」
「だが…どうやって」
「俺があのデュエルをして鬼柳に勝てば一瞬だけ隙ができるはずだ…。その隙を狙って遊星がDホイールで鬼柳を連れ去ってくれ!」
「…!危険だコナミ!デュエルならば俺が…」
「いや…俺にやらせてくれ!鬼柳を助けたいんだ…」
「コナミ…。分かった」
「…鬼柳はラモングループに所属しているからデュエルの相手をするにはマルコムグループに入る必要があるね」
「マルコムグループか…行ってくる」
「コナミ…気をつけろ」
「ああ」
そう言ってコナミはマルコムのいる酒場へと赴く。マルコムは連敗によって荒れていた。
「あの死神野郎め…ヒック」
「マルコムさん…明日は誰をデュエルに送りましょう?」
「ああ!?勝てるやつを連れてこい!」
「そんな無茶な…」
「それはどうかな?」
「誰だ!」
「俺か?俺はコナミ、ちょっとした旅人さ」
赤帽子の代わりにバーバラから拝借したカウボーイハットを被ったコナミがマルコムの前に参上した。
「お前さんデュエリストか。だがな俺様は弱っちいやつは求めてないんだ。お前ら!」
マルコムの号令で3人のデュエリストが現れた。
「これからこいつらとバトルロイヤルで戦ってもらう。全員1ターン目は攻撃は出来ない。そんで先攻はお前さんからだ。その条件で勝ったらお前さんを雇ってやるよ」
「実質3対1か…いいぜ」
「へへ…そんじゃ始めな」
コナミの前に3人のデュエリストが並びデュエルが開始される。相手のデュエルディスクは拳銃の形から組み立てられるものらしくそれぞれのスピードでそれを展開していった。
「俺のターン、ドロー!俺はギガテック・ウルフを召喚。カードを3枚セットしてターンエンドだ!」
場に現れた鉄屑で作られたオオカミがコナミを守るように遠吠えをあげた。
ギガテック・ウルフ 攻撃力1200
コナミ LP4000
フィールド 『ギガテック・ウルフ』(攻撃表示)
セット3
手札2
「ひひ…行くぜ?俺のターン。俺は永続魔法、悪夢の拷問部屋を発動するぜ」
フィールドに突如現れた大きな鉄檻の壁に2つの影が映る。
「なんだこれは?」
「すぐに分かるさ…俺はファイヤー・トルーパーを召喚!」
フィールドの一部が炎で燃やされその上に1人の騎士が降り立つ。
ファイヤー・トルーパー 攻撃力1000
「だが攻撃力はギガテック・ウルフの方が上…どうする気だ?」
「こうするのさ。ファイヤー・トルーパーが召喚に成功したことで効果発動!このモンスターを墓地に送ることで相手プレイヤーに1000のダメージを与える!俺が狙うのは当然お前だ!」
騎士が炎に飛び込むとその炎がコナミの方に向かってくる。
「くっ…なら永続トラップ発動、ドッペル・ゲイナー!相手のモンスター効果で俺が受けるダメージは相手も受ける!」
「なにっ!」
コナミの発動したトラップから出てきた鏡が炎を分割し半分を相手に跳ね返した。
コナミ LP4000→3000
マルコムの部下A LP4000→3000
「へっ…だがこの瞬間、悪夢の拷問部屋の効果発動!俺が相手に戦闘ダメージと悪夢の拷問部屋の効果以外で相手にダメージを与える度、相手に300のダメージを与える!」
「くっ…ドッペル・ゲイナーじゃ魔法の効果ダメージは跳ね返せない!」
1つの影がもう1つの影を思い切り叩くと、悲痛な叫び声がコナミの耳を貫いた。
コナミ LP3000→2700
「ふふ…ターンエンド」
マルコムの部下A LP3000
フィールド 無し
セット0 『悪夢の拷問部屋』
手札4
「俺のターン!俺は永続魔法悪夢の拷問部屋を発動し、ファイヤー・トルーパーを召喚!」
「なんだと!?」
先ほどの繰り返しのように炎に乗った騎士が現れる。
「あとは分かるよな?ファイヤー・トルーパーを墓地に送ってお前に1000のダメージ!さらに悪夢の拷問部屋の効果も食らえ!」
「くっ…ドッペル・ゲイナーの効果でダメージをお前にも受けてもらう!」
コナミ LP2700→1400
マルコム部下B LP4000→3000
「まさか…お前ら…!」
「ターンエンドだ!」
マルコム部下B LP3000
フィールド 無し
セット0 『悪夢の拷問部屋』
手札4
「俺のターン!悪夢の拷問部屋を発動し、ファイヤー・トルーパーを召喚!そして効果を発動する!」
「ちっ…やっぱりか!」
コナミの前に3度繰り返される光景、それがコナミに襲いかかった。
コナミ LP1400→100
マルコム部下B LP4000→3000
「ふふ…」
「まだまだ…」
「弾はあるぜ!」
部下の手札にはそれぞれまだ2枚のファイヤー・トルーパーが握られていた。
(イカサマか…。まあサテライトでならず者がよくやっていたけどな)
「ターンエンドだ。さあこの状況からお前に何ができる?」
「このタイミングで速攻魔法、スケープ・ゴートを発動!羊トークンを4体特殊召喚する。こいつはアドバンス召喚のためにはリリース出来ない!」
黄色、オレンジ、ピンク、青の羊が4体フィールドにふわふわと浮いた。
羊トークン×4 守備力0
マルコムの部下C LP3000
フィールド 無し
セット0 『悪夢の拷問部屋』
手札4
「だが俺は負けねえ…!あいつのためにも負けられねえんだよ!俺のターン、ドロー!」
引いたカードは機皇帝の対策の1つ…融合だった。
「っし…!俺は融合を発動!フィールドの機械族モンスター、ギガテック・ウルフと手札の炎族モンスター、ファイヤー・アイを融合!鉄で成り立ちしオオカミよ、炎で体を溶接し新たな姿へと生まれ変われ!融合召喚!全てを覆い尽くせ、
翼のみが鉄で成り立っている巨大な火の鳥が空から降下してきた。
重爆撃禽 ボム・フェネクス 攻撃力2800
「へっ…いくら大型モンスターを呼び出そうと次のターンで終わりよ!」
「残念だが…お前らに次のターンはねえ!ボム・フェネクスの効果発動、
「フィールドのカードはお前が7、俺たちが1つずつってことは…」
「3000のダメージを食らいやがれ!」
火の鳥が翼をふるうと空より多数の隕石が落下し、マルコムの部下に直撃した。
「うおおっ!?」
マルコムの部下A LP3000→0
「1人倒したか…だがまだ俺たちが残っている!」
「さらにスケープ・ゴートが邪魔であいつは手札からモンスターを出しにくいはずだ…!」
「残念だったな!トラップ発動、火霊術—「
火の鳥が空に向かって咆哮をあげたかと思うとそのままマルコムの部下めがけて降下し、自らの体で焼き尽くした。
マルコムの部下C LP3000→200
「ぐおっ…。だがお前の手札は残り1枚!それで何ができる!」
「お前たち全員を倒すことができる!俺はキャノン・ソルジャーを召喚!」
紫で彩られたメカメカしいロボットが羊たちの中心に現れる。
キャノン・ソルジャー 攻撃力1400
「バトル!俺から見て真正面にいるやつにダイレクトアタック!」
両手についているかぎ爪を使い、相手を切り裂いた。
マルコムの部下B LP3000→1600
「ぐっ…だがこれでお前の出来ることは全て終わった!これでお前のターンは終わる!」
「何を勘違いしてやがる!俺のターンはまだ終わっていないぜ!キャノン・ソルジャーの効果発動、フィールドのモンスター1体をリリースすることで相手に500のダメージを与える!」
「何だと…!」
「俺は羊トークン4体をリリースし真正面のやつに2000のダメージを与える!」
キャノン・ソルジャーの頭部に設置されたピストルに羊たちが入っていき4体の羊が放たれた。
「馬鹿なっ…」
マルコムの部下B LP1600→0
「そして最後は…お前だ!もう1度キャノン・ソルジャーの効果を使うぜ!キャノン・ソルジャー自身をリリースし、残りのやつに500ダメージを与える!」
キャノン・ソルジャー自身がマルコムの部下に飛びかかり、その衝撃でキャノン・ソルジャーも消滅してしまう。
「嘘だ…ろ」
マルコムの部下C LP200→0
3人の相手が全て倒れ、勝敗が決した。
「よし!俺の勝ちだ!」
「おお…ワンターンスリーキルゥ…!こいつはすげえ!お前さんならあの鬼柳に勝てるかもしれねえ!頼むぜ、いくらでも払うから明日のデュエルに出てくれ!」
「いいぜ…だが報酬は高くつくかもな」
こうして明日、コナミと鬼柳は戦うことになったのだった…。