遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者   作:ゾネサー

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忘れちまったよ…ラストデュエルなんてものは

コナミがマルコムに雇われた翌日の夕方、デュエルタイムが迫ろうとしている。コナミはマルコムに支給されたデュエルディスクへ変形することができる決闘銃を手に鬼柳と対峙していた。クラッシュタウンでは銃を抜いてディスクへ変形し、先にカードを5枚引いた者が先攻となる。

 

「コナミ…!?どうしてお前がここに?」

 

「鬼柳…俺はお前を連れ戻しに来た!」

 

「…それは無理だ。このデュエルはどちらかが鉱山へと送られてしまう」

 

「それでも俺は…お前を救ってみせる!」

 

「…… 」

 

やがて夕焼けが地平線へと触れそうになる。この夕焼けが地平線へと触れた瞬間から夕焼けが見えなくなるまでがクラッシュタウンでのデュエルタイムである。そして今、夕焼けが地平線へと触れた。

 

「 「 デュエル! 」 」

 

互いに銃を抜き、ディスクを展開し、カードを5枚引く。経験の差か…圧倒的に鬼柳の方が早かった。

 

「う…さすがにちょっと練習したくらいじゃ勝てねえか」

 

「そのようだな。俺のターン、ドロー。俺はインフェルニティ・リローダーを召喚」

 

体が2丁の拳銃で成り立っている奇妙なモンスターが場に現れた。

 

インフェルニティ・リローダー 攻撃力900

 

「カードを1枚セットし…ターンエンドだ」

 

鬼柳 LP4000

 

フィールド 『インフェルニティ・リローダー』(攻撃表示)

 

セット1

 

手札4

 

(攻撃表示…だけど攻撃力は900。俺の攻撃を誘っているのか…?だけどここは鬼柳のことを知るにも攻撃しかない!)

 

「俺のターン!俺は華麗なる密偵(スパイ)ーCを召喚!」

 

スパイとしてこの場に溶け込むためカウガールの衣装をまとったレディがフィールドに忍び足で現れた。

 

華麗なる密偵ーC 攻撃力1200

 

「スパイーCの効果発動、秘密調査(シークレットリサーチ)!相手のエクストラデッキのモンスターをランダムに1体確認し、そいつの攻撃力で効果を変える!」

 

スパイーCの前に何枚かのカードが回っていき、その中の1枚をベルトから取り出した銃で打ち抜いた。

 

「インフェルニティ・デス・ドラゴン…?初めて聞く名前だな。攻撃力は3000!確認したモンスターの攻撃力が2000以上だった時、攻撃力が1000アップするぜ!」

 

華麗なる密偵ーC 攻撃力1200→2200

 

「攻撃力を上げてきたか…」

 

「バトルだ!スパイーCでインフェルニティ・リローダーに攻撃!」

 

スパイーCが先ほどしまっていた銃を早撃ちし、リローダーを打ち抜いた。

 

鬼柳 LP4000→2700

 

「だがこの瞬間トラップ発動、インフェルニティ・リフレクター。インフェルニティモンスターが戦闘で破壊されたことで発動出来る。俺の手札を全て墓地へ捨てることで、破壊されたリインフェルニティ・リローダーを特殊召喚する。さらに相手に1000のダメージを与える」

 

「ハンドレス…!」

 

鬼柳の場にインフェルニティ・リローダーが復活すると共にトラップから出てきた反射板から1発の弾丸がコナミへと跳ね返る。

 

コナミ LP4000→3000

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

コナミ LP3000

 

フィールド 『華麗なるスパイーC』(攻撃表示)

 

セット2

 

手札3

 

「俺のターン、ドロー。…カードを伏せる。そして俺の手札が0枚であることをトリガーにインフェルニティ・リローダーの効果発動」

 

鬼柳の宣言とともにコナミと鬼柳、互いにリローダーの拳銃が向けられる。

 

「こいつの効果で俺はカードを1枚ドローする。引いたカードがモンスターカードならばお前はそのモンスターのレベル×200のダメージを受ける。だがそれ以外ならば俺は500のダメージを受ける」

 

「何…?勝負を運に任せるなんてお前らしくないぜ!お前はいつだって小細工なしでパワーで勝負してきたじゃねえか!」

 

「ふっ…どうだったかな。さあ…ドローだ」

 

鬼柳がカードを引く。するとリローダーの1丁の拳銃に弾が装填された。装填された拳銃が向いているのは…コナミ。

 

「俺が引いたのはインフェルニティ・デストロイヤー。レベルは6だ」

 

「レベル6だって…!?」

 

「どうやら俺はデュエルに取り憑かれているのかもな…。勝負を天に任せてもデュエルが俺を手放さねえ」

 

リローダーから6発の弾丸がコナミに向かって放たれた。

 

コナミ LP3000→1800

 

「そして俺はインフェルニティ・リローダーをリリースしインフェルニティ・デストロイヤーをアドバンス召喚する!」

 

2丁拳銃の代わりにフィールドに現れたのは鋼のように屈強な体を持つ悪魔。その体を存分に使い、フィールドに現れた瞬間周囲の地面を破壊しだした。

 

インフェルニティ・デストロイヤー 攻撃力2300

 

「…バトル。インフェルニティ・デストロイヤーでスパイーCへと攻撃する」

 

インフェルニティ・デストロイヤーはスパイーCが放った拳銃が直撃してももろともせず、一振りでスパイーCを吹き飛ばしてしまった。

 

コナミ LP1800→1700

 

「さらにデストロイヤーは俺の手札が0枚の時に相手モンスターを戦闘で破壊すれば相手に1600のダメージを与える!」

 

「マジかよ…!?」

 

デストロイヤーが地面を強く叩くとそこから発生した地割れがコナミが立っていた地面を粉砕した。とっさにコナミは受け身をとって回避する。

 

コナミ LP1700→100

 

「俺はこれでターンエンドだ。…コナミ、これで分かっただろう。俺は死神だ。今後俺には関わらないほうがいい」

 

「嫌だね…。お前が嫌がろうと俺はなんとしてもお前を助け出すぜ!」

 

鬼柳 LP2700

 

フィールド 『インフェルニティ・デストロイヤー』

 

セット1

 

手札0

 

「俺のターン!俺はトラップカード、凡人の施しを発動!カードを2枚ドローして手札の通常モンスター、ギガテック・ウルフを除外する。これなら…!自分フィールドにモンスターがいない時、プリミティブ・バタフライは特殊召喚できる!」

 

まだ発達途中の体をした蝶々が5本の羽根をうまく使いながらフィールドを飛んだ。

 

プリミティブ・バタフライ 攻撃力1200

 

「さらにチューナーモンスター、ジェネクス・コントローラーを召喚!そしてレベル5のプリミティブ・バタフライにレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング!風のエレメントを司るものよ、その素早き動きで敵を翻弄せよ!シンクロ召喚!発射せよ、レアル・ジェネクス・ウィンディカイト!」

 

プリミティブ・バタフライがジェネクス・コントローラーの電波で変形していき、凧とロケットが組み合わさったようなものへと変わっていく。最初は風をうまく利用できずふらふらと飛んでいたが、中枢コアにジェネクス・コントローラーが装填され、安定飛行へと入った。

 

レアル・ジェネクス・ウィンディカイト 攻撃力2400

 

「バトルだ!ウィンディカイトでインフェルニティ・デストロイヤーに攻撃!」

 

ウィンディカイトは狙いをデストロイヤーに定めるとジェット噴射による加速で一気に近づいていった。

 

「…トラップ発動、インフェルニティ・ブレイク。俺の手札が0枚の時、墓地のインフェルニティカード、インフェルニティ・リローダーを除外することでウィンディカイトを破壊する!」

 

鬼柳の発動したトラップから放たれた雷によってウィンディカイトは撃ち落とされてしまう。

 

「これで次のターンのデストロイヤーの攻撃で俺の勝ちだ…」

 

「そうはさせないぜ!トラップ発動、リボーン・パズル!」

 

「…!そいつは…」

 

「俺のモンスター1体のみが破壊された時、そいつを復活させることができる!」

 

撃ち落とされて地面に墜落してしまいそうな状態から下から突き上げるように吹いていた突風に救われ、何とか体勢を持ち直した。

 

「鬼柳…俺がお前に対してこのトラップを使ったのはダークシグナーの時だけだ。やっばり…あの時のことを思い出しちまったんだな」

 

「…そうだ。だから俺は俺の人生がもうどうでもよくなった。変わらないんだよ、生きていても…死んでいてもな。どんな理由があろうと俺は人を生け贄にしちまった、それはもうどんなことがあっても償いきれねえ」

 

「いいや地縛神の生け贄になった人たちはちゃんと蘇った!お前が責任を感じる必要なんてない!」

 

「ダメなんだよコナミ…。たとえその人達が無事でも俺が犯した罪は消えねえ…。俺の心の中に残り続けてるんだ」

 

「鬼柳…」

 

「俺の仲間であり友でもあるお前にトドメを刺されるなら俺は満足だ…」

 

「ふざけるな!俺たちチームサティスファクションで楽しいラストデュエルをするって約束したじゃねえか!あれは嘘だったのかよ!」

 

「忘れちまったよ…ラストデュエルなんてものはな」

 

「くっ…なら俺が思い出させてやる!ウィンディカイトでデストロイヤーに攻撃!」

 

今度こそデストロイヤーが破壊を避ける術はなく、ウィンディカイトによって弾き飛ばされていった。

 

鬼柳 LP2700→2600

 

「ウィンディカイトが戦闘で相手モンスターを破壊したことでデッキからジェネクスモンスターを加えることができる!俺はジェネクス・ブラストを手札に!」

 

「なら俺も墓地のインフェルニティ・リベンジャーの効果を発動する。俺の手札が0枚で俺のモンスターが戦闘で破壊された時、こいつは特殊召喚出来る。さらにこいつのレベルは破壊されたデストロイヤーと同じ6になる」

 

フィールドに空いた穴から両手に拳銃を構えた小型の人型モンスターが出てきた。

 

インフェル二ティ・リベンジャー 守備力0

 

「俺はカードを1枚伏せて…ターンエンド!」

 

コナミ LP100

 

フィールド 『レアル・ジェネクス・ウィンディカイト』

 

セット1

 

手札3

 

「俺のターン…このターンで決着がつきそうだな。俺はインフェルニティ・ドワーフを召喚。そしてレベル2のドワーフにレベル6のリベンジャーをチューニング!死者と生者、ゼロにて交わりしとき、永劫の檻より魔の竜は放たれる!シンクロ召喚!いでよ、インフェルニティ・デス・ドラゴン!」

 

全体が黒で染められたドラゴンが2人の間に降り立った。

 

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻撃力3000

 

「インフェルニティ・デス・ドラゴンの攻撃力は3000…。先生が攻撃すればあの赤帽子のやつも鉱山送りだな」

 

側でデュエルを見守っていたラモングループのリーダー、ラモンが勝利を確信したかのように笑う。

 

「いや…レアル・ジェネクス・ウィンディカイトの効果でこいつを相手は攻撃の対象にすることは出来ない!」

 

「…悪いなコナミ。俺はインフェルニティ・デス・ドラゴンの効果発動。1ターンに1度俺の手札が0枚の時、こいつの攻撃を放棄することで相手のモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える。インフェルニティ・デス・ブレス!」

 

インフェルニティ・デス・ドラゴンの口から黒いエネルギー弾が放たれ、今度こそウィンディカイトを撃ち落とした。そしてコナミに向かってウィンディカイトが落ちてくる。

 

「鬼柳…俺はお前を絶対に助ける!何があってもな。手札のハネワタの効果を発動!このカードを墓地へ捨てることでこのターン俺が受ける効果ダメージを0にする!」

 

小さな毛むくじゃらのモンスターがウィンディカイトに立ち塞がりわずかに軌道をそらしてコナミへの致命傷を回避した。

 

「…かわしたか」

 

「ああ。そして俺のモンスターが効果で破壊されたことがこのカードのトリガーになったぜ」

 

「…なに?」

 

「トラップ発動、ヘイト・クレバス!俺のモンスターが1体のみ効果で破壊された時、相手のモンスターを1体墓地へ送りその攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

「ふ…これでいい。これで俺はデュエルから解放される…」

 

コナミの発動したトラップから出た猛吹雪でインフェルニティ・デス・ドラゴンが氷漬けになり、そのまま鬼柳の方へと倒れていった。

 

鬼柳 LP2600→0

 

鬼柳のライフが0になり、鬼柳のデュエルディスクが外れる。そして鉱山へと送るための執行人がゆっくりと鬼柳へと近づいていった。だがその前にバーバラの花屋から遊星がDホイールで出てきて鬼柳を助けようと近づいていった。…だが、鬼柳をDホイールへと乗せようと手を伸ばしたところで何者かが遊星を撃ち抜いた。

 

「がはっ…!?」

 

遊星は鬼柳を通り抜けてそのままクラッシュしてしまう。

 

「遊星…!?」

 

「一体どうして…!?あっ…!」

 

鬼柳とコナミは思わずクラッシュしてしまった遊星に目を向けた。だがそれによって一歩気づくのに遅れてしまう。後ろからひしひしと伝わってきた殺気に。

 

「ぐっ…!?」

 

「がっ…!?」

 

反応が遅れた2人は銃によって撃ち抜かれてしまった。

 

「安心しなよ…。これはショックガン。2時間もすれば痺れも引くさ」

 

「お前は…。バーバラ!」

 

3人を撃ったのはバーバラ、彼女はマルコムグループの一員で鬼柳を倒すためのデュエリストを探しておりそこで遊星に声をかけたのだという。厄介そうなデュエリストをまとめて始末するため今回コナミもろとも計画に利用させてもらったということらしい。

 

その後、マルコムの弟ロットンが現れ夕焼けもすぐに沈むという時間にラモンとデュエルを始めた。そしてガトリング・オーガという恐るべきモンスターを使い先攻1ターン目で相手のライフを0にする必殺コンボによって勝利してしまう。マルコムグループとラモングループの抗争はマルコムグループの勝利に終わり、明日からはマルコムグループがクラッシュタウンを支配することとなった。

 

こうした経緯でラモンを含めた4人は鉱山送りとなってしまい、コナミ達の鬼柳を助ける計画は最悪の形で幕を閉じるのであった。

 

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