遊戯王5D'sタッグフォース 満足の意志を継ぐ者 作:ゾネサー
コナミの呼び出したトライフォースと迷宮の魔戦車をも取り込み、相川はサイバー・ドラゴンを4つ首の機械龍へと進化させる。融合カードを使わない上に相手フィールドのモンスターを吸収する未知なる融合召喚はコナミを追い詰めるには十分だった。
「キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は融合素材となったモンスター1体につき1000上がる。本官が素材としたのは4体。よって攻撃力は4000となる!」
キメラテック・フォートレス・ドラゴン 攻撃力4000
「こ…これがお前の機皇帝への答えなのか」
「そうだ。機皇帝は5つのパーツからなる合体モンスター。だが本官にとってはそれはアドバンテージへと変わっていく。…さて、コナミよ。今までお前が出した答えでは本官はお前にこれを伝授することは出来ぬ」
「…!」
「まだ示していない答えがあるのなら見せてみるがいい!バトルだ。キメラテック・フォートレス・ドラゴンでコナミへダイレクトアタック!エヴォリューション・リザルト・アーティレリー!」
機械龍のそれぞれの口からコナミへ向けてエネルギー砲が発射されていった。
「く…まだだ!トラップ発動、カウンター・ゲート!相手の直接攻撃を無効にして俺はカードを1枚ドローする!さらに、引いたモンスターが通常召喚できるならそいつを攻撃表示で召喚することができる!」
「ふっ…そうこなくてはな」
コナミのトラップから現れたゲートにエネルギーが吸い込まれていきコナミへ攻撃が通ることはなかった。
「ドロー!…引いたモンスターは
ゲートをくぐって雷を自在に操る戦士がフィールドへと見参した。
E・HERO スパークマン 攻撃力1600
「…思えばこいつからか。俺が融合のことを知っていったのは」
「ほう?そうなのか」
「ああ。最初見た時はすげえと思ったぜ。シンクロみたいにモンスターを場に揃えなくても強力なモンスターが一気に出て来るからよ」
「なるほどな。それがお前の中で強い印象が残り、機皇帝の対策として思いついたわけか」
「だけど遊星のあの不思議なシンクロを見て…何だか自信が無くなってきたぜ。俺の出した答えは果たして正解なのかってな…」
シンクロキラーの機皇帝を打ち倒した遊星の出した答え。それは遊星にとって新たな希望となると共に、コナミにとって重荷となっていた。
「…コナミ。先ほど不動遊星と対峙していた2人の話を聞いていたな?」
「聞いてたぜ。確か…あいつらは未来から間違った過去を修正しに来たとか言ってたな」
「簡単には信じがたいが先ほどのゴーストに使われた技術は明らかに今の技術を超えた未来のものだ。恐らく…嘘ではないのだろう。そして彼らは言った。止めたければWRGPに出る彼らを倒して見せろと」
「だから俺は機皇帝を倒すための正解を探して…」
「…本官達が彼らに示さなくてはならないのは本官達の努力で未来を変えることの出来る可能性だ。そこに明確な正解はないだろう」
「…!?正解がない…。ならどうすれば?」
「だが…正解がないということはそれに対する人の数だけ答えがあるということでもある。不動遊星はあの不思議なシンクロが、本官にとってはキメラテック・フォートレス・ドラゴンこそが答えだ。お前も…お前なりの答えを見つければいい。そこに不正解はない」
「…!俺なりの答えを…」
「すぐとは言わない。このデュエルが…そのきっかけになればいい。本官はこれでターンを終了する!」
相川 LP4000
フィールド 『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』(攻撃表示)
セット0
手札5
「とりあえず今、俺にできるのは今まで出してきた答えをあいつにぶつけることだけだ!俺のターン、ドロー!…今は耐えるしかねえか。俺はジェネクス・ブラストを召喚するぜ!」
扇風機を腹部に取り付けたロボットが風を巻き起こすため体ごと回転しながらフィールドに降り立った。
ジェネクス・ブラスト 攻撃力1600
「カードを1枚伏せてターンエンドだ!」
コナミ LP4000
フィールド 『E・HERO スパークマン』(攻撃表示) 『ジェネクス・ブラスト』(攻撃表示)
セット1
手札0
「本官のターン!本官は手札からサイバー・リペア・プラントを発動する!このカードの効果によりデッキより機械族・光属性のモンスター、サイバー・ドラゴン・ドライを加え、召喚させてもらう!」
胴体の細いヘビのようなロボットがフィールドへ降り立つ。
サイバー・ドラゴン・ドライ 攻撃力1800
「さあ、バトルと行こう!」
「そうは行かねえぜ!永続トラップ、ガリトラップ—ピクシーの輪—を発動!こいつがある限り俺のフィールドに2体以上攻撃表示のモンスターがいればお前は攻撃力の1番低いモンスターに攻撃出来ない!」
「いま場にいるのはどちらも攻撃力1600…。なるほど、本官の攻撃を封じたか。だが長く持つとは思わないことだ。本官はこれでターンを終了する!」
相川 LP4000
フィールド 『キメラテック・フォートレス・ドラゴン』(攻撃表示) 『サイバー・ドラゴン・ドライ』(攻撃表示)
セット0
手札5
「俺のターン!…ここは攻めるぜ。俺はジェネクス・ブラストとスパークマンをリリースしてリボルバー・ドラゴンをアドバンス召喚する!」
消えていく2体のモンスターの代わりに出てきたのは3台もの砲台を乗せた戦車。その銃口は4つ首の機械龍に向けられている。
リボルバー・ドラゴン 攻撃力2600
「だが攻撃力はキメラテック・フォートレス・ドラゴンの方がはるかに上。どうする気だ?」
「こうするのさ!リボルバー・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのモンスターを対象に発動し、俺は3回のコイントスをする!そのうち2回以上が表ならそいつは破壊だ!俺はキメラテック・フォートレス・ドラゴンを狙う!」
3つのコインが空中に舞うと共に、3つの砲台から4つ首の機械龍に向けてそれぞれ1発ずつ弾が発射されていく。その内不発となった弾丸は…1つ。残り2発の弾丸が機械龍に命中する。
「よし、表になったコインは2つ!よってキメラテック・フォートレス・ドラゴンは破壊だ!」
その弾丸は機械龍を貫き、活動を停止させるのに成功した。
「くっ…やるな」
「さらにバトルだ!リボルバー・ドラゴンでサイバー・ドラゴン・ドライに攻撃!」
中央の砲台から放たれた1発の弾丸がもう1体の機械龍も貫いていった。
相川 LP4000→3200
「よし!これでターンエンドだ!」
コナミ LP4000
フィールド 『ガトリング・ドラゴン』(攻撃表示)
セット0 『ガリトラップ—ピクシーの輪—』
手札0
「やってくれたな。…だが、まだ甘い!本官のターン!本官は墓地のサイバー・ドラゴン・コアの効果を発動する!墓地のこのモンスターを除外することでデッキからサイバー・ドラゴンを特殊召喚する!」
墓地から放たれたプラグがデッキに突き刺さり、機械龍を引っ張り出してきた。
サイバー・ドラゴン 攻撃力2100
「さらに手札からプロト・サイバー・ドラゴンを召喚する。このモンスターはフィールドにいる限りサイバー・ドラゴンとして扱われる!」
小型化したサイバー・ドラゴンのようなモンスターが現れるとその影が大きくなっていき、影だけならばサイバー・ドラゴンそのものとなっていく。
プロト・サイバー・ドラゴン 攻撃力1100
「だけどそいつらじゃリボルバー・ドラゴンは倒せないぜ!」
「ふっ…ならば力を合わせるまでだ。手札から速攻魔法、フォトン・ジェネレーター・ユニットを発動する。本官の場の2体のサイバー・ドラゴンをリリースし、デッキよりサイバー・レーザー・ドラゴンを特殊召喚させてもらう!」
「何だと…!」
尻尾のあたりにレーザーを取り付けた機械龍がフィールドを舞い上がった。
サイバー・レーザー・ドラゴン 攻撃力2400
「そしてサイバー・レーザー・ドラゴンは自身の攻撃力より高い攻撃力か守備力を持つモンスターを1ターンに1度破壊できる!リボルバー・ドラゴンを撃ち抜け!」
「し、しまった!」
高速で放たれたレーザーから逃れる術はなく、戦車は爆発し粉々に崩れていった。
「さあ、バトルと行こうか。サイバー・レーザー・ドラゴンでコナミへダイレクトアタック!エヴォリューション・レーザーショット!」
もう1発放たれたレーザーは今度はコナミを貫いた。
「うおおっ!?」
コナミ LP4000→1600
「本官はこれでターンエンドだ!さあ、立ち上がってこいコナミ!」
相川 LP3200
フィールド 『サイバー・レーザー・ドラゴン』(攻撃表示)
セット0
手札4
「く…俺のターン!頼んだぜ…カード・ブロッカーを召喚!こいつは召喚した時守備表示になる!」
小さな騎士が盾を構え、コナミを守るように降り立った。
カード・ブロッカー 守備力400
「なるほど。サイバー・レーザー・ドラゴンの効果の範囲外か」
「今はこいつで耐えるしかねえ…!ターンエンドだ!」
コナミ LP1600
フィールド 『カード・ブロッカー』(守備表示)
セット0 『ガリトラップ—ピクシーの輪—』
手札0
「本官のターン!本官はサイバー・フェニックスを召喚する!」
赤い線が刻まれた2本の翼を持つ機械鳥がフィールドを飛びだす。
サイバー・フェニックス 攻撃力1200
「バトルだ!本官は…サイバー・レーザー・ドラゴンでカード・ブロッカーに攻撃する!エヴォリューション・レーザーショット!」
「くっ…カード・ブロッカーの効果発動!攻撃対象になった時、デッキの上から3枚のカードを墓地へ送り守備力を1500アップできる!」
カード・ブロッカー 守備力400→1900
「やはり防御効果を備えたモンスターか」
レーザーを受ける直前に盾を巨大化させ身を守ろうとするもレーザーの威力の前に盾ごと貫かれてしまう。
「そしてサイバー・フェニックスでコナミへダイレクトアタック!」
高くまで飛んだ機械鳥はそこから滑空し、勢いをつけてコナミを翼で弾き飛ばした。
「うっ!やべえ…」
コナミ LP1600→400
「ターンエンドだ。これで終わりか?お前が機皇帝の対策のために今まで為してきた努力はそこまでか!」
相川 LP3200
フィールド 『サイバー・レーザー・ドラゴン』(攻撃表示) 『サイバー・フェニックス』(攻撃表示)
セット0
手札4
「はあ…はあ…。まだだ!俺は可能性がある限り諦めねえぞ!俺の…ターン!」
コナミがドローしたカード。それはコナミが機皇帝の対策として出した答えを象徴するカードだった。コナミは今までの自分の答えを精一杯相川へとぶつける。
「俺は手札からオーバーロード・フュージョンを発動する!」
「何だと…!?」
「この魔法カードによって俺は墓地のモンスターを除外することで闇属性・機械族の融合モンスターを融合召喚することが出来る!俺は墓地のブローバック・ドラゴンとリボルバー・ドラゴンを融合!」
「ブローバック・ドラゴン…?カード・ブロッカーの効果か…!」
「不発の銃を持つものよ、暴発の銃持つものと交わりて新たな存在へと生まれ変われ!融合召喚!あらゆるものを撃ちぬけ、ガトリング・ドラゴン!」
背中に数多ものガトリング砲を背負った機械龍が戦車に乗ってフィールドを走り出す。
ガトリング・ドラゴン 攻撃力2600
「これが今までお前が培ってきた答えか…!」
「ああ!ぶつけさせてもらうぜ俺の答えを!ガトリング・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、俺は3回のコイントスをする!そのうち表になった数だけフィールドのモンスターは破壊される!ガトリング・ショット!」
3つのガトリング砲がサイバー・レーザー・ドラゴン、サイバー・フェニックス、ガトリング・ドラゴンへと向けられた。
そしてフィールドにコインが舞う。結果は…表、裏、表。
ガトリング砲が2発発射され、サイバー・レーザー・ドラゴンとサイバー・フェニックスを撃ち抜いた。
「本官のモンスター達が全滅だと…!?」
「やったぜ…!さらにガトリング・ドラゴンでダイレクトアタック!ガトリング・キャノン!」
無数のガトリング砲が相川に向けて発射されていく。不発の弾があろうと数撃てば当たると言わんばかりの乱射が相川を貫いた。
「ぐおっ…!?」
相川 LP3200→600
「どうだ!俺はこれでターンエンドだ!」
コナミ LP400
フィールド 『ガトリング・ドラゴン』(攻撃表示)
セット0 『ガリトラップ—ピクシーの輪—』
手札0
「…やるなコナミ。お前がかけた想い、しっかりと伝わってきたぞ。…だが!本官のターン!コナミよ、お前に言いたいことは2つある」
「な、なんだよ…?」
「1つは機皇帝の対策のことだ。不動遊星は新しいシンクロを、本官は未知なる融合をお前に見せたが…何も答えを示すのはシンクロや融合だけではないということだ。力を合わせて戦うやり方、その可能性を狭めるな。それさえ忘れなければ必ず自分の答えへとたどり着けるはずだ!」
「可能性を狭めるな…か。分かったよ。俺もお前や遊星のおかげでいろんな可能性があるってことが分かったからな。それで…もう1つは?」
「もう1つは…デュエルで示すとしよう。本官は手札からオーバーロード・フュージョンを発動!」
「なっ…何ぃ!?」
「本官は墓地のサイバー・ドラゴンと…墓地の6体の機械族モンスターを融合!全てを蹂躙せし機械仕掛けの龍よ、暴虐なる力を存分に振るえ!融合召喚!絶対的な力を示せ、キメラテック・オーバー・ドラゴン!」
巨大な鉄の塊から7つの鉄で出来た龍の首が飛び出し、こちらを威嚇してきた。
キメラテック・オーバー・ドラゴン 攻撃力?
「7体のモンスターで融合だって…!?そんな無茶苦茶な…!しかも攻撃力が不明ってなんだ!?」
「キメラテック・オーバー・ドラゴンはサイバー・ドラゴンと任意の数の機械族モンスターを融合素材として融合召喚を行うことが出来る!そして攻撃力は…融合素材としたモンスターの数×800となる!」
「嘘だろ!?」
キメラテック・オーバー・ドラゴン 攻撃力?→5600
「ふ…お前が培ってきたものは認めよう。だが、シンクロが本職のお前に本官が融合で負けるわけには行かない!」
「すげえな…本物の融合使いはここまで融合を使いこなすのか!」
「このデュエルの幕を閉じるとしよう。キメラテック・オーバー・ドラゴンでリボルバー・ドラゴンへ攻撃を行う!エヴォリューション・レザルト・バースト!」
7つの龍の首から放たれるエネルギー光線と数多のガトリング砲から放たれた弾丸がぶつかり合う。だが不発弾が時折混じるガトリング砲では分が悪く、常に放たれ続ける強力なエネルギー光線に戦車ごと焼かれてしまった。
「俺の負けか…」
コナミ LP400→0
勝負はつき、7つの首の機械龍も消えていった。この場に残ったのはコナミと相川の2人のみ。
「ありがとな相川。お前のおかげで俺がやるべきことが分かったかもしれねえ」
「ふ…礼には及ばぬ。本官は自分がやるべきだと思ったことをやったまでだ。勝ちは譲らないがな」
「あー…そういえば負けたってことはあの融合召喚は伝授して貰えないのか。がっくし…」
「む?何を勘違いしている?」
「へ?」
「本官はお前の覚悟を見るといったはずだ。勝敗は関係ない。こいつがお前がたどり着くであろう答えの道しるべになってくれればいい」
「相川…ありがとな。お前に俺は世話になってばかりだ。…早速伝授してもらうぜ!」
「早速は無理だな」
「え?」
「サイバー流においても秘伝の術だからな。少しばかり修行をしてもらうぞ。何、心配するな。死にはしない」
「え、一体何を…?」
物騒な言葉にとっさにあとずさるコナミだったが相川に腕を掴まれ、逃げられなくなってしまう。
「来れば分かる。さあ行くぞ!」
「ちょっ…力強っ!?」
相川に引っ張られコナミはサイバー流の道場へ仮入門することになった。朝に手が痛くなるようなドロー練習、昼には滝で体を清め精神を集中させ、夕方には流れてくる流木を目隠しした状態で避ける練習、夜には熊を何頭か伏せてターンエンドするのを一週間ほど行う修行が待っていたが彼ならやり遂げてくれるだろう。こうしてコナミはWRGPの本戦までサイバー流の修行を行うことになった。
200枚近くの拾ったカードは会場に置いたままとなったのだった…わけもなくサイバー流の道場に行く前に回収しました。