千棘と一条のニセコイ   作:雲仙

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2話 始まり

  るりちゃんからのOKも出たし、桐崎にも連絡しないとな。女子に初めてメールするのって緊張するよね。えっ、しない?

 

『 To 桐崎

 

  向こうからOKもらったよ

  相手の女子は2人ね

  俺も男子3人で参加するから、よろ 』

 

  送信、っと。これでイヤだ、とか楽みたいな返しきたらショック。いや、その方が親しげ?どっちがいいだろピロンう、か。返信はやっ。最近の女子って皆こうなのか?

 

『 From 桐崎

 

  ありがとう。明日ね、わかったわ

  あと、リン君の漢字何? 』

 

  ああ、登録するのに漢字がいいのね。

 

『 To 桐崎

 

  一条 燐だよ 』

 

  はいOKっと。ピロン。早くなってる、だと。

 

『 From 桐崎

 

  えっ!一条!!名字が同じってモヤシだったの!もしかして、あいつと双子なの!? 』

 

  あー、楽と兄弟だって言ってなかったっけ。

 

『 To 桐崎

 

  そうだよ

  言ってなかったっけ?

  あと、双子じゃなくて年子ね 』

 

『 From 桐崎

 

  アンタあいつと兄弟だったのね。初めての友達だから、少し丁寧な口調意識してたのに

 

  もう普通でいくわ。君なんて余計ね余計! 』

 

  うわー。結構ヒドイ事言われてる気がする。これ、返信必要ないよね?ちょうどいい感じに終わりっぽいし。

 

 

  ━ 転校4日目 ━

 

  キーンコーンカーンコーン×2

 

  やっと終わったー。マジ化学ダルいわ。時間オーバー当たり前じゃねえんだよ。よし昼だ昼。あ、今日桐崎とのやつだわ。

 

「おーい、集と楽。昨日言ったやつなー」

 

「おー」 「はっ?何の事だよ」

 

「え?楽聞いてないの。今日、桐崎さん達と一緒に昼飯食うんだよ。ラッキーだぜ俺ら。美少女と昼をともにできるんだからな!!」

 

「はあ!なんであいつと!俺は行かないからな」

 

「まあ、いいよ楽来なくても。あーあー、せっかく楽のために小野寺も呼んだのになー」

 

(なにいぃぃ!)

 

「なにいぃぃ!それ、本当なのか!」

 

「マジよマジ。昨日るりちゃんに取りつけて、頼んだんだよ。感謝して、崇め称えよ楽」

 

「なんか仰々しいなっ!でも、サンキュー!」

 

「よっしゃ、行こうぜ!」

 

  という事で、るりちゃん達の所に向かってます。桐崎は先に誘ってくれてるらしいから。

 

「やっほーるりちゃん。今日はありがとねー」

 

「別に構わないわ。ちゃんと一条君も連れて来たみたいだし」

 

「ちょっと!何であんたまでいるのよ!ちょっと燐!コイツいらない!」

 

「はあ!コイツだと!俺だって誰が好き好んでお前なんかと!」

 

  こんなにも早くケンカになるとわ。コイツらめんどっ。無視して早く食べよ。あ、集は机くっ付けて。あー、4個で囲めば良くない?椅子は6個よ

 

「おい!」 「ちょっと!」

 

「さらっと無視して、食べる準備始めないでよ!」

 

「お前ら少しは仲裁しようとするとか、何か行動しろよ!」

 

  何言ってるんだよ、という顔で俺と集は顔を合わせた。おぉー、るりちゃんもか。俺達は声を揃えて

 

『だってそれ、夫婦喧嘩だろ(でしょ)?』

 

「「違うわ(よ)!」」

 

「はいはい。もう、いいから。昼休みが終わるわよ」

 

  楽と桐崎はやっと席に着いた。ちなみに座ってる場所は、楽と小野寺、るりちゃんと桐崎が隣同士で向かい合ってる。それで、俺と集は机の側面の方で少し離れて座り、パンを食べてる。

 

  えっ?これから食べるでは無く、もう食べ始めてるよ。だって長いもん。

 

  ってか、楽と小野寺がめっさ緊張してる。けど、楽の方が酷いな。小野寺はるりちゃん、桐崎と話してるからまだマシになってる。

 

  そして、楽の一人百面相。話しかけようとして、やっぱ無理!みたいに迷ってる。それを見てニヤニヤする集。俺もしてるが人から見るとわからないらしい。

 

  む。もう食べ終わってしまった。パン2個は少ないかも。もう一つ欲しいな。

 

  桐崎はもう馴染んだな。笑顔が多く見えるようになってきた。小野寺とるりちゃんも普通に話せるようになってる。

 

  おい、いつの間に楽はこっちに来たんだよ。せっかくの小野寺の隣が。えっ、桐崎がこんなに笑ってるのに空気を壊すのはイヤだって。俺と集は楽の肩に手を回す。お前はいい奴だよ。

 

  …桐崎が変な物を見る目をしている。何を思ってるんだか。あ、昼休が終わった。俺らは借りた机を元に戻して席に戻る。

 

  ━ 6日目 ━

 

  桐崎と楽の関係に変化なし。ただ街の方には変わったことがあった。マフィアが増えている。そりゃあ、桐崎がいるから大元から来てるんだろうけど、騒ぎを起こしすぎだろう。

 

  ━ 7日目 ━

 

  雨が降った。傘を忘れたから濡れて帰った。楽は帰って来ると険しい顔をしていた。訊いても答えてくれない。何かあったのかと桐崎にメールをするも返信はなかった。

 

  ━ 10日目 ━

 

「あれ?桐崎じゃん。1人で何やってんの?パート2」

 

「何よ、燐じゃない。ほっといて」

 

「るりちゃんから聞いたけど、楽に怒鳴られたんだって」

 

「…あんたも説教、」

 

「いや、別に。ここに来たのは偶然。ただ1人だったから手伝おうかと」

 

「いらないから、帰って」

 

「OK」

 

「…OKっていったじゃない。なんで帰らずに、手伝ってるのよ」

 

「別に桐崎の手伝いをしてるわけじゃない。楽の手伝いしてんの。それが間接的に桐崎の手助けっぽく見えてるの」

 

「何よそれ。へりくつじゃない。めんどくさいわねアンタ。…フフッ。あーあ。意地張ってるのがバカみたいね。アンタ、モヤシと同じでお節介よ」

 

「なんで楽が世話焼きって知ってんの?」

 

「前にあいつ、頼んでもないのにノート取って渡してきたのよ。だからね」

 

「意外とそうゆうの嬉しくない?」

 

「人に依るわね。モヤシから貰っても嬉しくないわ」

 

「うわっ、ストレートに言うね」

 

「はんっ。モヤシに遠慮なんて、いらないのよ」

 

「兄弟として複雑な気分です」

 

「アンタ、あれの弟なのよね。顔の雰囲気は似てるわね。けど、性格は違う気がする」

 

「そりゃあ、兄弟だからって性格まで似てたらキモいわ」

 

「そんなもの?私は姉妹が欲しかったわ。まあ、今は必要なあああぁぁ!!」

 

「うぇっ!何!急に叫ぶな」

 

「あった!あったわよペンダント!やっと見つかったわ!」

 

「おー。良かったじゃん」

 

「はあ。これでモヤシと関わんなくて済むわ。燐、これ返しといてよ」

 

「えっ、イヤだ。桐崎が見つけたんだから自分で届けな。じゃね」

 

「ちょっとー!」

 

  後ろから桐崎の叫ぶ声が聞こえるが無視して帰る。こういうのは、自分で最後までやりきるのが大切だよね。

 

 

  ━ 11日目 ━

 

  ドゴオォォン!!

 

「ふん。これで終わりよ。クズモヤシめ」

 

「うわっ。強烈」

 

  俺は桐崎に気づかれないよう忍び寄った。

 

「は!ちょっと、いつからいたのよ」

 

「今ですよっと」

 

「気づかなかった…まぁ、いいわ。これで、あいつとおさらばよ」

 

「桐崎カッコいいねー」

 

「はっ?何がよ」

 

「いやーだって、楽に怒鳴られた後、義理も無いのに一人で探して、最後は遠くから投げつけて華麗に去っていく。なんか、カッコよくね?」

 

「疑問系にしないでよ…確かに義理は無いけど、こっちにも通す筋があるのよ」

 

「おおー。ヤクザみたい。いや、アメリカ人だからギャングか」

 

「な、な、何を言ってるのかしら?私はごくごく普通の一般家庭の一般人ですよ。そう、超一般人なの」

 

「いや、最後らへん意味不明だし。あと口調」

 

「とっとにかく、私はギャングなんかじゃないから!」

 

  桐崎は走って帰っていった。あの反応じゃあバラしてるも同然だろ。誤魔化すの慣れてないのか?あー、そっか向こうじゃきっと、初めから知られてたんだな。俺達と一緒で…はあ…いいや。提出物やって帰ろ

 

  ~ side out ~

 

  もうすっかり日が暮れた頃、燐は家に帰った。しかし、今日の家は騒がしかった。いつもそうだが、今日はそれよりだ。燐は不思議に思って家に入るが誰もいない。どうしたのかと思い、音の発生源に向かう。

 

  すると、そこでは「坊っちゃんに彼女が!」とか「お嬢もそんな年頃に」というようなセリフが聞こえてきた。燐は坊っちゃんとお嬢という人物が特定できた故に混乱した。

 

(え?楽と桐崎が付き合う??実はマジで夫婦喧嘩だったとか!?)

 

  燐の思考が突飛な方向へ向かっていると中から銃声がした。それだけで、燐の頭の中は定まった。燐は組員どもを飛び越え、学ランの袖からカッターを出して、下に振り降ろす。手応えは軽かく、眼鏡の男のスーツを切り裂くに留まった。

 

「あんた、何をしてんの。楽が危ねぇじゃんか」

 

「いきなりかジャック。それに撃ったのはガキのせいだ」

 

「知らない。ここは集英組。あんたらは侵入者。問題無くない?クロード」

 

「ふん。極東の小さな組織にお前がいるとはな」

 

  クロードと燐は穏やかそうに話しているが後ろでは互いにドンパチやっている。そして、音が途絶えた。全員が楽と桐崎の方へ向き

 

『坊っちゃん達、本当に恋人同士なんスか?』

 

  一触即発の空気だった。場違いな空気を纏っているのは楽と桐崎、そして父親達だけだった。そして空気を壊すのも2人だ。

 

「ラブラブに決まってんじゃねぇか~!!」

 

「もーダーリンたら~!」

 

  と甘甘な空気を醸し出し始めた。殆どの奴らはそれを信じた。しかし、クロードと燐は納得していない。皆が楽達を質問責めにしている中、クロードは真実かを確めるため質問を投じた

 

「お嬢の好きな食べ物と音楽はなんでしたっけ。ラブラブなら当然答えられると思うのですが─」

 

  楽は困った顔をしながら

 

「え、演歌とバナナ?」

 

  と答えた。クロードは違うと問い詰めようとするが、桐崎のフォローでうやむやになる。こうして質問大会は終わった。

 

  終わった後、燐は楽と桐崎がいる縁側に向かった。そして相手が気づいてない内から第一声を発した。

 

「俺、お前らが付き合ってるの知らなかったわ。何、今までのは照れ隠し?フェイク?」

 

「「違うわ(よ)!」」

 

「じゃあ、何?」

 

  楽達は辺りをキョロキョロと見回し誰もいないことを確認してから話しだした。内容はビーハイブと集英組の抗争を防ぐために恋人のふりをする、といったものだった。

 

「あー成る程ね。お疲れ。ま、頑張れや」

 

「他人事だな!」

 

「他人事だよ」

 

「本当に最悪だわ!」

 

  楽と桐崎はその後、色々話していたが、もう遅いので桐崎は帰した。

 

「楽も大変だねー」

 

「言葉が軽いぞ」

 

「しかも、偽の恋人とか。小野寺との障害でしかないわ」

 

「そうだよ!小野寺にどんな目で見られるか…」

 

「学校の連中にバレなきゃ大丈夫だろ」

 

「そっか。そうだよな!取り敢えず、もう寝るわ!」

 

「おやすみー」

 

  楽は寝るために部屋へ戻った。

 

 

「突然で悪いんだけど、今からデートにいかない??」

 

  翌日、桐崎は楽に言っていた。

 

 

 

 

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